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怖い話で眠れなくする!!コミュの困った人達シリーズ カップルと猫と困った人達

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「ギャー!」

物置の床板が腐ってしまい

修理しようと外してみれば

猫たんがパッサパさに乾いた状態で

お亡くなりになられていました。

さらに

干乾びた前足と後ろ足の間にちいさな毛の塊が四つ…

子猫だったものでしょう…

この状態から想像するに

産後の肥立ちが悪くまず親猫が死に

親がいなければ生きてはいけない子猫たち

間を置かず自然に全滅…

生きているうちに

気づいてあげられれば…

猫好きの私としては悲しい限りですよ

毛と骨だけになってしまったご遺体を眺めていてもはじまらず

私は庭の隅に植えてある金木犀の根元に穴を掘り

スコップに親子が離れないように

ご遺体が崩れないように気遣いながら乗せて運び埋葬しました。

土饅頭を築き、その上に塩と米を撒き

ワンカップの空き瓶に水を入れて供え

お線香をあげました。

「ろくな供養も出来ないけど許してね」

気持ちだけなら

どこの名僧にも負けないからと

私は小さなお墓に手を合わせ

彼らの冥福を祈りました。

そんなことがあった日の晩、

心霊スポット探検の趣味を同じくする

友人たちと会う約束がありまして

私は集合場所に決めた

家から30分程のところにあるファミレスにやって参りました。

夜もまだ早い時間とあって駐車場も店内も

車と人でいっぱい詰まってます。

なんとか空いてる駐車スペースを見つけて車を入れ

店内に入ってレジの前でキョロキョロ

おお!

禁煙席に友人の姿を認めて早歩きで向かいました。

席に座るのは二人、A君とB君

あちらも

私の姿を見つけて

やっと近くを通りかかった船を見つけたロビンソン・クルーソーみたいに

人目を憚らず豪快に手を振るじゃないですか

顔が火照っちゃいましたよ

彼らと対面の席に着いて

なぜか両手を合わせてごあいさつ

「ナマステ〜♪」「ハイサイ〜♪」

二人とも来たばかりのご様子

テーブルの上にはおしぼりと冷水の入ったコップだけ

店員を呼んで

飲み物と軽い食べ物を注文します

それから私たちは他のテーブルでは

絶対に交わされることがない話題で盛り上がってしまうのでした。

心霊スポット情報とか、都市伝説とか、宇宙人の話とか、

「ん?」

A君が話を途中で止めて怪訝そうに、テーブルの下へと目をやりました。

私たちも釣られて下へ

「どうしたの?」

「なんか足に当たったような気がしたんだ生き物的な」

「気のせいだろ?」

「俊雄君(呪怨)?」

「ソレいたらマジで怖いから」

その時はそれで済んだのですが

飲み物とか注文した食べ物が運ばれてきて

飲んだり食べたりしながら

エド・ゲインやジェフリー・ダーマーやユ・ヨンチョルの話に興じていると

今度はB君が「おや?」とテーブルの下を見ています。

「なんか足にまとわりつくような感触がしたんだ生き物的な」

「B君も?」

「ああ、なにか四本足的な生き物に感じた」

「四本足…四本足というと…コモドオオトカゲくらいしか思い浮かばないや」

「他にもたくさんいるだろうよ…四本足の生き物!」

「他になにがいるの?」

「ええと、犬とか猫とかフライドチキン用の四本足のニワトリとか…あ」

A君の足にまたなんか触ったみたいで、テーブルの下を確認…

しかし、やっぱり何もいないご様子です。

話が途切れた丁度その時、

ふと目を向けると

メンバーのC君、D君が店内に入ってくるのが見えました。

あちらも私達を見つけたらしく

レジにいる店員に言ってこっちへ歩いてきます。

私たちは

額田王の姿を天智天皇の領内で見つけた前夫の大海人皇子みたいに

野守…人目を憚らず盛大に手を振って出迎えました。

もの凄く渋い顔をしてみせるC君とD君

「あれ?」

私はD君の後ろにいる二人組へ視線が行きました。

二十代半ばから三十代前半くらいでしょうか

男女のカップル

男性は無地のシャツにスラックス、

女性はクリーム色のカーディガンにフレアな丈の長いスカート

店内でも繋いでいまして…

C君とD君みたいに待ち合わせなのか

D君のうしろをついて歩いてきます。

「アローハ アヒアヒ♪」

「フーテ ナーフオント♪」

「グ アフトン♪」

「ドーブルイ ヴェーチェル♪」

本日の会合に参加するメンバーが全員揃いました。

挨拶だけ聞くと

皆さんどこの国の方かさっぱりです。

「お前等、恥ずかしいから手を振るのやめてくれ」

私の隣の席に着くやいなや、C君がダメ出ししました。

「私が来た時も盛大にやられたよ?」

やられた人にしかわかんないよね、あの気恥ずかしさ別世界は。

続いて

D君がC君の隣席へ座ります。

隣と言いますか、通路側のお誕生日席です。

そして、あのカップル…

なんでか分かりませんが

ダイターン3のビューティとレイカ…

もしくは超音速攻撃へり『エアーウルフ』のマレラみたいに

D君の背後に侍っちゃったじゃないですか!?

もしかして…護衛とか取り巻きとか!?

D君てどこかの御曹司…なんですか!?

な訳があるはずなく

背後の方々は物凄く陰気な感じでD君を見下ろすように立ってます。

さらに

なんか呼吸を一切されていないご様子…

さらにさらに

食べ終わった食器を片付けに来た店員さんが

二人をまるで気にしないように

すばん!と突き抜けていったではありませんか!?

映画『デスレース2000年』だったら男30点、女40点で計70点獲得なんですが…

三人ともぶつかった衝撃も

なにもなく

量子トンネル効果みたいに透過してしまいました。

10の24乗分の1の確率が今ここに!?

いやいや…

だとするとアレですよね

私達が好きな分野…

バイト代をちゃんと貰ってる店員さんがそんな訳ないから…

あの二人が…

「ええと…D君…来たばかりで

 こんなことを尋ねるのはなんなんだけど…」

「え?なになに!!?

 なんでも訊いて!!」

あの…鼻息荒くして期待されても困るんですけど…

「ここ最近、どこか変なところに行かなかった?」

「え!?」

長考に入るD君

他のみんなは頭の上に『?』マークが浮いてます

D君…そ、そんなに考えること!?

「D君持ち時間を使い切った為、一手30秒でお願いします

 10秒……20秒…1、2、3、4…」

「もしかして、昼間に行った

 次の探索に提案しようとしてたダブル不倫の末に心中した現場のこと?」

「それだきっと!!」

「それ、変な場所じゃないじゃん普通じゃん

 変なとこ言うから思いっきり考えちゃったよ」

確かに私等の趣味で行く場所だけど

人死が出た場所を普通って言ったらおしまいだよ人として…

「その二人って二十代半ばから三十代前半くらい?」

「よく分からないけど…そうだったかも…」

「あの…お店にD君が入って来た時から

 男女二人が…後ろをついて来てるんだけど…」

「なに!?」

飛び退いて自分の背後を見るD君…

他のみんなも私が言った方向を凝視します。

「いないけど?」

私を除いた全員が見えてない…みたいです。

「外道照身霊波光線!!」

すかさずA君が携帯を取り出しカメラで撮影…

それってダイヤモンドアイでしたっけ?あんた何歳よ!?

撮った画像を確認…

「…みんな…Dが座ってた席の後ろあたりを撮ってみて…」

携帯の画面を見つめたままA君は声を震わせ

皆に促しました。

「わ、わかった…」×4

それぞれ撮影した画像を確認すると

「いた!」

「いる!」

「いたよ!」

「いたでしょ!?」

全員の携帯画面に写っていました。

手を繋いでうつむき加減の男女が…

「手…繋いでるだけじゃないな…赤い紐で手首を縛ってある…」

「入水か?ずぶ濡れみたいに見えるが…」

「衣類や手足、輪郭ははっきり見えるのに…なぜか顔がはっきり写ってない…」

すぐ傍にソレがいるにも関わらず

みんなで画像の検証を始めちゃいましたよ!?

「に、逃げないのみんな!?」

「ゆーれー♪逃げてどぉなるのくわ〜♪」

C君…余裕で内山田洋とクールファイブの替え歌…

「もうDは憑かれているんだろ?逃げてもついて来るよ」

な、なんて冷静な…

四人ともすごい毅然としてますよ

惚れるかも…

「こういう時に頼りになる人間がいるからな

 飯を食ったら連絡して指示を仰ぐとしよう」

そう言うと

A君は店員を呼んで注文を取りました

食後のデザートとコーヒーを飲み終えて

A君はその頼りになる人へ連絡…

電話にその方が出ると態度一変!

思いっきりの低姿勢ですよ

平身低頭徹頭徹尾…

あまりにも卑屈過ぎますよ…

かっこわる〜

ペコペコと携帯に向かって頭を何度も下げたあと

通話を切り

私達の方に向き直りました。

「あの人が言うには心中のカップル以外にも

 猫の親子が憑いているそうで

 どちらもあんまりタチが良くないから

 急いで家に来いって」

「猫の親子ぉ!?」

D君は知らない知らないと手を振り全否定します

「あ!テーブルの下の!!」

「あれか!?」

「だとしたらDが来る前から…いた…よな?」

A君とB君は顔を見合わせて叫びました。

「しかし、猫の親子…そんなのどこで憑かれたんだ?」

「確かに…まるで身に覚えがないな…」

腕を組んで考え込む二人…

「そ、それ…私が原因かも…」

かなり思い当たる節がありますよ…

「え!?」

「まさか一人でスポット探検しちゃったの!?」

「それとも俺達以外の男と!?」

「いえ…物置の床板が腐っちゃったからどかして修理しようとしたら…」

私は猫の死骸を見つけた話を四人にしました。

「なぁ、早くHさんの家に行った方が良くないか?」

「Dはともかくとして、これは一大事だ!」

「なんで俺はともかく…なんだ!?」

「お前は二人でこっちは猫が五匹だぞ!?数で負けてるじゃないか」

「数…そういうものなのか?」

「そういうものだ!!」

なにがそういうものかは分かりませんが

会計を済ませて、

頼りになるHさんとやらのお宅へ向かうことになりました。

私とD君は運転中に異常が起きると大変だからと

A君の車の後部座席へ乗ることとなり、

もしもの為の助っ人として

B君がナビシートに座ります。

それから

一人じゃ寂しいとC君が私の横に乗ってきました。

結局、A君以外の車はファミレスの駐車場に置いて出発することに…

混雑する時間帯に申し訳ないことを…

「Hさんの家は●●市にあって、ここからだいたい3〜40分くらいだ」

ハンドルを握りながらA君が言いました。

Hさんは霊能者や祈祷師という職業を持っている方ではなく

なんと老舗の若主人だとか

その家で当主となる者は代々、修験道を修めることになっていて

Hさんも例に漏れず、かなりの修行を積んでいるそうです。

ただ、彼と彼のお爺さんは修験道だけではなく仙道にも足を踏み入れており

大陸の巫術、仙術に造詣深く、武術の達人だと言うのです

そんな完璧超人いるわけないですよ…

眉に唾ですよ。

「そして、かなりのイケメンだ」

その人、絶対存在しますよ!

私が保証します!!

A君はそのHさんに全幅の信頼を寄せている様子で

「Hさんに任せておけば安泰だよ」

だそうで…

私も激しく同意です。イケメンはやく見たいです

「途中、何事も起こらなければ良いな」

C君の言葉に全員がうなずきました。

着くまでが肝心か…

15分くらい経ったころ

「あ」

ハンドルを握るA君が小さく叫びました。

「何かあったの!?」

全員の目が集まる中

「借りてたDVD、今日が返却期限で返したいからTU●AYA寄っていい?」

なんだよもぉです!

なんと言っても遅れると

そのイケメンHさんが年取っちゃうじゃないですか!?

一秒でも二秒でも早く!

緊急を要する急ぎの事態ですよ!?

「帰りじゃダメなのかよ!?」

「そうだそうだ!俺達憑かれてるんだぞ!?」

私の肩を抱いてD君が前の席に文句を言いました。

「だってよぉ、除霊とかで案外時間食って閉店したら延滞料金が…」

「どうせ200円とかだろ?俺が延滞料金払ってやるから」

「いや、10本ほど…」

「何借りたのそんなに…シリーズモノ?…24とか!?」

私は借りたことないから分からないけど外国のドラマとかですかね?

「聞くな!だからちょっとだけ寄るからな!!」

「あ…あれか…」

他のみんなが急に文句言わなくなったので

A君は道路わきに見えてきた

TU●AYAの敷地にウインカーを出して入りました。

車を駐車スペースに素早く入れ

「みんな、すぐに返してくるから中で待っててくれ」

なにやらかなり慌ててますよ

「私もちょっとだけ本屋さんに行っていいかな?」

A君がギョッという顔をしましたが

他のみんなも降りたいということで結局、全員で店内に行くことになりました。

ここにDVDを返しにくるということは

A君はこの辺りに住んでるんだね

彼等の後姿を見送り私は新刊コーナーへ。

私は小説の新刊をチェックして

その中の発売前から気になってた一冊を購入、

支払いを済ませて皆のいるレンタルビデオのコーナーへ足早に向かいます。

いろいろなジャンルのDVDが並ぶ棚を横目に

皆を探します

しかし、姿がありません。

あれあれ?

それで

今まで入ったことのない

特別なゲートを潜り

やっと、一番奥にある棚のところでひとかたまりになっている

友人達を発見しました

「おおい♪こっちの用事は終わったよ」

声をかけると全員が30cmは飛び跳ねるほどの驚きぶりでした。

な、なにをそんなに…

「ここまで…来ちまったのか…」

「ああ神よ…」

ちょ、ちょっとなに皆…全員の顔に絶望が張り付いてます。

「そっちの用事が終わったなら早く行こ♪」

「おお…」

四人とも、まるでゾンビみたいにノロノロと…

どうしちゃった訳!?

私もゲートへ戻ろうと向きを変えたら

「…………………………」

そういう訳…ね…

棚からこちらを向いてるパッケージ群に納得しました。

そして、

ここで何も声をかけてはいけない…何も見なかったことに…

それが大人としての対応…

A君が強く返却を主張し

皆が暗黙の了解…理解を示したのは…

そっか…仕方ないよね

はぁ〜それにしても壮観だわ…

肌色のジャングルだねここは

ドナドナで前を行く四人に従い歩いていると

一人の男性が私達の縦列行進を追い抜いていきました。

すごい早歩きですよ

両脇にいくつもDVDのパッケージを抱えて…

彼が私を追い抜いていった

とたんに

「え!?」

昼間やってた力仕事の疲れかと思っていた

肩の重みが突然、消えたじゃないですか…

「どうした?」

前を歩く顔色の悪いB君が振り返りました。

「あ、なんでもないんだけど

 肩の疲れがね、いきなり消えちゃって驚いたの」

「いいな…俺達のショックは当分消えないよ…」

もうそれは気にするな!

理解してあげるから!!

……あれ!?

B君の顔越しに見える今、

私達を追い抜いていった男性の後ろに

手を繋いだ男女の姿があります。

それから…

彼の足許…

長い尻尾を立ててしゃなりしゃなりと優雅に進む

白黒斑の猫の後姿…

それをちょこちょこと小走りで追う小さな影…

心中した男女と猫の親子…

私達から離れてあの男性に憑いていっちゃいました。

「D君!なんか身体が軽くなってない!?」

まるでゾンビみたいに憔悴した顔でこちらを振り向くD君

そんなにショックだったの?

「あー身体?よく分からないけど

 頭と気持ちがさっきより重くなった…息も苦しい」

ダメみたいです。

それで

私達にくっついていた猫の親子と二人が離れたことを言うと

全員が顔を見合わせた後

彼を追って

ゲートを潜り外へと向かいました。

いやぁ、ここって本当に居心地の悪いスペースでした。

中にいる人の視線が冷たい!物凄く冷たい!!

まるで汚物を見るような目で

私を見てましたよ

先に行ってしまった四人を追いかけていくと

打って変わってホクホク顔になってました。

切り替え早いなぁ

「撮れた撮れた!」

「凄いよ!幽霊の二人と五匹が揃い踏みなんて写真見たことないよ!!」

「子猫まではっきりと写ってる!!」

「透けて前を歩いている男性の姿が見えるところがまた、素晴らしい!」

さっきのジョージ・A・ロメロ監督作品みたいなのが嘘のようです

完全に立ち直っちゃってますよ

大喜びで画像に見入っては歓声をあげてます。

車に戻ると

A君は興奮気味にHさんへ電話をかけました。

「そちらへ向かう途中でTU●AYAに寄ったんですが…はい…」

何かきついことを言われたみたいなA君…

「いえ!違います!!」

おお、強く言えたじゃないですか

「俺の嫁達が浮気していないか査察に行ったんですよ!!」

それって貸し出しの確認のこと?

威張れない!絶対に威張れたことじゃないよA君!!

どっちかというとサイテーだよ!!

「それで、お客さんにその二人と五匹が揃って憑いて行っちゃったんですよ

 メールの添付画像見てくれました?」

電話の向こうでHさんが何か長々と仰っているみたいです

おとなしく聞き入ってるA君…

「あ、じゃあ二人とももう大丈夫なんですね!?」

良かったぁ〜私、もう憑かれてないんだね♪

でも…

「あの人は大丈夫なんですか?あんなに持って行っちゃって…」

それです!それは私も気になります

「はぁ…それはそうですけど…」

なんか声のトーンが落ちてしまうA君…

「ええ、分かりました…

 夜分にご面倒をお掛けして申し訳ございませんでした。

 はい、ありがとうございます

 失礼します」

通話を切ってA君、長いため息…

「あの人はこれから物凄い不幸に見舞われるようになるだろうが

 下手すれば死に繋がるようなことが起こるかもしれないけど

 客としてくれば面倒みるけど、

 知ったことじゃないって…

 どこの誰かも分からない奴に心を割く気になどなれないそうで…」

Hさんが言ったことを私達に伝えるA君…

「死って…」

「知ったことじゃないって…」

まぁ、いろいろ超越されてしまった方だからなと言って

はははと乾いた笑いをあげるA君…

そして、なぜ…

あの二人と五匹が私達から離れていったかということですけど

「簡単に言うと、あの『彼』の方が霊との相性が良かったみたいで

 掃除機みたいに吸い取って行ってしまったのではないか…

 そう、Hさんは言ってました。」

というらしいです。

A君、語尾がました…って…

Hさんて、尊敬できるけど相当怖い人なんだね

イケメンで尊敬できて強くて怖い…

もう、伝奇小説の主人公ですよ!!

私は握りこぶしをさらに強く握ってしまうのでした

「まぁ、これで終わったのだからめでたしめでたしだな」

「いまいち、後味が悪い結果になったけど、まぁいいか」

C君、D君が苦笑いしてます。

本当…あの彼が不幸にならないように祈ってるよ

「俺はHさんの家に行かなくて済んだの事が一番うれしいよ…」

そーなんだ!?

「てことはだな、心霊スポット探索から戻ってきた時は

 直接、家に帰らず…

 こうやってどこか店に立ち寄って

 憑いてきたかもしれない霊を落していった方が

 良いってことだよな?」

前の席に座るB君が後ろを振り返って言いました。

「客が多くいれば相性が良さそうな人がいる可能性も高くなる…

 これからそうするか」

うわ、サイテーだよD君!

「それは名案だな、次回からそうしよう!

 24時間営業の店とかピックアップしとくよ」

満場一致…私以外の全員が賛成しましたよ

そういう事があってから、

私達が心霊スポット探検に出かけて行った帰りには

憑いてきてるかもしれない嫌なものをそこで落として

自宅へ持ち込まないように

24時間営業のレンタルビデオと併設してある本屋さんか

深夜まで営業しているアダルトショップへ

必ず寄るようになりました。

私…迷惑なんですけど…

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