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オレンジ色した深夜の眷属コミュの【黒夜噺】監視社会

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増え続ける犯罪に対し、政府は遂に人が通る道や広場全てに監視カメラを設置して、犯罪の抑止と万が一起きた場合の証拠を押さえる方策に出た。
自宅以外は公衆トイレの共用部や果てはホテルやショッピングモール、オフィスなどの廊下や列車の車内、学校などの公的機関にまでその範囲は広がり、それに伴い犯罪は目に見えて減少して行った。

政策を掲げた政府の大臣達は総理大臣と祝杯を上げて、その帰り道国務大臣はある男から声を掛けられる。

「何の用だ?」
「困りますね。あんな事をされては…」
「さてはどこかの犯罪組織の者か?」
「違いますよ。そんなぶっそうな」
黒いコートの男は貧相な顔を浮かべて街灯の下で笑う。
「何が不満だ。こうして犯罪が減り人々は安心して暮らせるのはこの監視システムのおかげだろう」
「しかしそれは余計な者も写ってしまうんですよ」
「何故写ってはマズいのだ。やはり犯罪組織の人間ではないのか?」
「よしてくださいよ。真っ当な者を捕まえて。第一犯罪者リストにも載っていませんよ」「ならばこれから犯罪を企てているのか?怪しい奴め!」
「大臣はカメラに収まった映像を全てごらんになっていますか?」
「監視は専門の人間を手配してやらせているが」
「それが困るんですよね…」
「全員身元が確かな職務に真面目な者ばかりだ。困る事はあるまい」
「知りませんよ。これは警告です。今週末の金曜日の夜はその者達を全員職務から外させなさい」
「週末に大規模な事件を起こす気か?警察を総動員して取締ってやる」
「確かに伝えましたよ。金曜日の深夜ですよ」
そう言って男の姿が消えた。
「逃げ足の早い奴め。金曜の夜は大捕物だ」
翌日国務大臣は警視長官に週末警戒宣言を依頼する。

「大臣から今夜は大掛かりな事件が起きるから監視を厳しくしろと言われたよ。何があるんだ?」
「おいモニターを見ろ。何だあれは…」
「わーっ」
監視員達は次々と発狂して倒れ込む。

「一体何が写っていたのだ?」
「それが…」
大臣に報告する監視の責任者は言葉を濁す…

「困るんだよね。我々は悪人の魂を喰って暮らしているのにあんな事をされては悪人が減って腹を空かせた仲間が13日の金曜日に街に溢れ出て来るのだから…全く厄介な世の中になったよ」
そういって黒ずくめの男は槍の様に尖った黒い尻尾をひょいと振った。
<終>

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