ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

自分探しの就活しませんか??コミュの母と子の444日就活戦争(6)

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
企業はいったいどういう学生を求めているのか。企業側の採用活動に焦点を当てて取材したところ、そこにも我々親世代との大きな違いが浮かび上がってきた。

 我々親世代のときは、就活のライバルといえば、自分以外の日本人学生であった。しかし今は違う。「グローバル採用元年」と言われた2010年から、企業は外国人学生の採用を積極的に進めている。つまり子供たちのライバルは世界中にいるのだ。

 ユニクロを展開するファーストリテイリングは2012年中に新卒の約8割にあたる約1050人の外国人を採用する。中国や韓国、欧米など店 舗のある国を中心に、日本人の新卒と同様に、店長として管理職が務められる人材に育てる。今後、成長の舞台が国内から海外へ移ることを見越して、思い切った若手のグローバル採用を積極的に進める。

 パナソニックグループは事業のグローバル成長やグローバルマーケティング強化に向けた人材を確保するため、2011年春採用の実績は国内の新卒採用510人に対し、海外現地のグローバル採用は1100人になった。2012年度の計画は国内新卒が350人と減少しているのに対し、グローバル採 用は1100人規模と変わらない。

 現在、海外6カ国・地域に事業展開している楽天も、2011年の採用計画は新卒約600人のうち、2〜3割が外国人になる予定だ。

グローバル化が進み、ますます競争は激しくなる。

 企業のグローバル採用に関し、現役就活生は「初めてファーストリテイリングの採用方針を耳にした時は正直、脅威を感じました。日本の企業に とって、今のレベルの日本人学生は必要とされなくなっているのかと思うと怖くなりました」(慶応大学4年・女子)と胸のうちを明かす。

 「今後、国内市場は縮小し、日本企業は事業をグローバルに展開しない限り、生き残りが難しい。ある大手企業のトップは『日本語のできる外国 人で、優秀であれば構わない』と語っている。スカイプなどITインフラを活用すれば、日本にいながら、ある程度は外国人対象の採用活動もできるようになってきています」(楽天みんなの就職事業長・矢下茂雄氏)

 グローバル採用は今後ますます進み、現在の中高生が就活生になるころは、より競争は激しくなるのではないか、と矢下氏はみている。

 日経HRが実施した大学生の就職希望企業ランキング100社の採用活動をみても、「日本国籍でない学生を採用しているか」との問いに、2010年春採用では84.3%がイエスと回答している。2007年春入社実績では56%だったことから、わずか3年で採用する企業が約1.5倍に増えたことになる。同社によると、2011年春採用でも2010年とほぼ変わらない85%の企業が採用を考えていると推測している。2010年の1社あたりの平均採用人数は7.6人で、その数も2009年調査の3.6人に対して約2倍になっている。

 草食化がすすむといわれる日本の学生たち。かたや新興国の優秀でパワフルな学生たち。両者が同じ土俵で戦う可能性が高いのである。


■グローバル企業の採用選考の「本音」

 ここでグローバル企業2社の採用活動を紹介したい。

 まずは日経ウーマンの独自調査「女性が活躍する会社ベスト100」*の総合1位に選出された日本IBMからみてみる(*詳細は日経ウーマン 2011年5月号に掲載)。IBMは日本をはじめ、世界170カ国で事業展開する世界最大級のIT企業だ。その日本法人である日本IBMでは職種別採用を 取っており、2011年の採用人数は135人(事務系64人、技術系71人)。事務系はコンサルタント・営業、技術系はITスペシャリスト・製品開発エンジニア・研究員などの職種区分になっている。

採用目標数に達することを第一義とせずに質を重視するマッチング採用制を取る。

 「目標人数に達しなくても、いい人がいなければそこで終わります。職種により求める人物像は多少違いますが、どの職種でも精神的にタフであることが重要。困難なことが起こっても逃げ出さない、やりぬく、という人間。こうなりたいという目標と到達イメージを持ち、働きながらスキルを身につけて成長していく人を採用したいと考えています」と同社リクルートメント&GBS事業人事理事の岡慎一郎氏。

 「そのうえでコンサルタントであればコミュニケーション能力、営業であればバイタリティや人あたりのよさや明るさなどを求めます。語学力についてはTOEICスコアが採用基準に足りなくても、人物がものすごくよければ採用したい。TOEICはひとつの指標に過ぎません」

 日本IBMが重視しているのはあくまでも人物本位。常に優秀な人材を採用していく。その人物が優秀であれば、性別はもちろん、国籍も関係ない。

 「IBMでは組織の成長戦略としてダイバーシティ(多様性)を重視しています。いろいろな人材がほしい。その一環としてグローバルに『大学 卒業後18カ月は新卒として扱う』という取り決めも2007年1月からつくり、2010年からは卒業後24カ月までに改定しました。第二新卒でもチャンスはあります」

 アジア各国での採用活動の経験もある岡氏からみると「日本の学生はおとなしい」という印象だ。「海外の学生は人生に明確な目標を持ち、ロードマップをつくったうえで就職活動をしています。早くから自立的で、どこにいてもどんな環境でも生きていけるタフさがある。韓国やベトナムなど新興国のパワフルな学生に比べると、日本の学生は見劣りがします」

 採用枠の中に「外国籍」枠は設けていないが、2011年の採用では、外国籍社員数は10人だった。

 もうひとつはMSDである。同社は売り上げ世界2位の米メルク社の日本法人で、2010年10月に万有製薬とシェリング・プラウが統合して誕生した製薬会社である。激烈なM&A(合併・買収)を繰り返す医薬品業界において、万有製薬時代と比較して採用活動はどう変化したのだろうか。

 同社取締役執行役員・人事部門統括の太田直樹氏は「統合が完了し、2012年には数年ぶりに100人規模の採用を予定している。我々の経営戦略である『Diversity&Inclusion(多様性と統合)』を推進する採用をしていきたい」と語る。

 「日本での売り上げは全世界の約10%で、それをグローバルの従業員の約5%で担っている。多くの企業が日本を成熟市場とみているが、当社は逆に高齢化が進む日本は大きな可能性を秘めた成長市場ととらえている。当社の今後の成長を支える優秀な人材を求めます。万有時代と選考の基準は大きく変わらないが、入社する人たちの活躍のフィールドは格段に広がり、またグローバルな環境で活躍することを期待されています」(太田氏)

 指示されたことをただ行うのではなく、自ら勉強し、責任を持って物事を遂行する人が望ましい。そして「人材のポートフォリオを多様なソースでつくる」ため、優秀であれば、学校・性別・国籍は問わないという。

 これまで以上に様々な国籍やバックグラウンドをもった社員が集う組織をつくるため、国籍に関係なく採用した結果として外国人採用数が増える可能性はあるが、逆に外国人であることを理由として優先的に採用することもない。


■日本の学生が見習うべきこと

 つまり、日本人も外国人も同じフィールドの中で戦うということだ。しかし太田氏も、前述の岡氏と同様に、海外の学生と比較し、日本の学生の職業意識の低さを指摘する。

 「いまだに日本の学生は“就職”ではなく“就社”意識が強い。まずはいい会社に就職したいという安定志向を感じる。外国の学生は違う。非常にチャレンジ精神が旺盛です。自分はこういう人生を送りたい、こういう仕事をしたい、こういう人間になりたい、というビジョンを明確に持っていて、それ に基づいて会社を選び、就職活動をしている。この点は日本の学生が見習った方がいいと思います」

 日本経団連の2010年新卒採用に関するアンケート調査(425社回答)によると、採用選考時に重視する要素の第1位は7年連続で「コミュ ニケーション能力」になり、選択した企業割合は81.6%と、2009年度よりも5ポイント上昇した。2位の「主体性」(60.6%)が、前回2位の「協調性」に10.3ポイントの差をつけて逆転。ほかにも「専門性」「一般常識」のポイント上昇が高く、企業の注目度が集まっているのがわかる。

 前述の日経HRの大学生の就職希望企業ランキング100社の採用活動調査では、新卒社員を採用する際に重視する点の1位は「コミュニケーション能力」(57.8%)、2位「行動力」(51.6%)、3位「熱意」(31.2%)となっており、こちらも同様の傾向を示している。

 企業が採用活動で重視するのは、ビジネスの基本になるコミュニケーション能力や熱意、バイタリティなどで、誰かの指示を待つ受け身な姿勢ではダメで、積極的に自ら考えて動ける人材が求められている。

 「国内市場が成熟化していてグローバル展開、特に新興国への展開や新規事業の創造が企業にとっての課題になっている。ほしい人材もこれに連動しており、厳しい市場環境の中でも戦い抜く力や、海外でも活躍できる環境適応力とタフネス、ゼロからイチを創出する力が求められています」(人材コンサ ルタント・常見陽平氏)


■就活に大きな転機

 つまり企業のほしい人材は一言でいうと、「商社マンタイプ」(早稲田大学キャリアセンター課長・西尾昌樹氏)。

 「パワフルで交渉能力が高く、人をまとめ、動かせる人。企業のコアになる人材がほしいんです。一方、最近の学生に多いタイプは草食系・地 元・安定志向。福利厚生にこだわり、地方に行きたがらない。多くの学生が安定しているという理由で金融機関やインフラ系などの大企業を希望しますが、先方はそんな安定志向の学生を求めていないんですよ。そのギャップを常々感じます」(西尾氏)

 ただでさえ企業と学生の間にミスマッチがあるのに、そこにアグレッシブで優秀な外国人学生が入ってきたら――。ますます競争は激化するかもしれない。就活戦線に「黒船」の到来である。

 現在は2012年春採用の就活が進んでいるが、次年度2013年春の採用から、大きく変わる点がある。「昨今の就職・採用活動の早期化による長期化、また過熱ぶりは、学生の本分である学業に支障がきたすもので、大変憂慮すべき事態と認識する」(日本経団連労働政策本部主幹・遠藤和夫氏)とし て、日本経団連は企業に採用選考活動の見直しを求めた。

従来は、企業の広報活動は大学3年(修士1年)の10月1日から行われていたものの、それに先立ち、6月ころからインターンシップに関連した就職情報サイトのプレオープンが始まり、学生にとってはこの時期から就活がスタートするという認識があった。

 日本経団連では「倫理憲章」を見直し、企業の広報活動期間を短縮するとともに、その開始期間を12月1日以降と定めた。この期日であれば、 学生の業界・企業研究などのために機会が一定期間確保され、かつ学業への影響が少ない年末年始を含む冬休みを活用できると考えたためだ。また12月1日よりも前に実施するインターンシップに関しては、採用選考活動と一切関係ない活動(5日以上の日程)として、就業体験を求めていく。なお採用に直結する場合は選考活動と同時期に始めるものとする。

 今回の見直しに呼応して、各就職情報サイトのエントリー開始時期も12月1日になる予定だ。「一方、企業の選考活動の開始は従来どおり学部4年(修士2年)の4月1日以降と変わらないため、学生にとっては就活の機会が十分確保されることになる」(遠藤氏)

 エントリー開始時期が2カ月遅くなることによる出遅れや、就活開始から選考期間まで2カ月短縮されることによって一部学生が苦戦するのではないかとの見方も出ているが、「就活の長期化が改善されるのは望ましい」と言う学生もいる。

 「最初は意気揚々と就活に挑んだ先輩たちが立て続けに落ちてボロボロになり、負の思考サイクルに陥る姿を何人もみてきた。短期決戦はむしろ歓迎です」(明治大学3年・男子)。「おおむね賛成です。長期化すると趣味や学問を大切に考えたい学生がどうしても不利になってしまう。将来についてじっくり考えてから職を決めたいという学生に都合がよくなると思います」(早稲田大学4年・女子)。10月、11月に大学では学園祭が開催されるところも多い。大学3年生にとってはサークルなど現役で迎える最後の学園祭を存分に堪能して、さあ、就活という方が区切りがいいという面もあるようだ。

 進むグローバル採用に、早期化・長期化是正のための採用活動時期の変更と短縮、東日本大震災の影響による説明会の延期や中止、内定取り消し、採用計画の縮小など変更を余儀なくされるなかで、就活は大きな転換期を迎えようとしている。

(次回へ続く)

---2011年5月日本経済新聞より抜粋---

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

自分探しの就活しませんか?? 更新情報

自分探しの就活しませんか??のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング