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『紅茶とあいつ』コミュの『紅茶とあいつ』(第36話)

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クリスマスに少しだけさかのぼる。




『じゃあユーたち、くれぐれもウィンターバケーションは怠けすぎず、しっかり規則正しいライフとハッピーニューイヤーを送って、3学期にチアフルな姿をミーにみせてくれ。以上。グッバイ。』



球技大会が終わってからは、期末テストでみんなどたばた。


なんとかクリアはして、英語担当の担任の英語なまりの挨拶をしめにあっという間に終業式が終わった。




つまり…


今日からいよいよ冬休みなわけで…


だけど、


女の子の話題は冬休みというより、


『やっと終わったね〜つねちゃん☆今から遊ぼ…ってあなたはどうせデートですかぁ☆ちぇ〜』


『ごめん!ちぴろ。今日は…』


『分かってるって!今日はなんてったって恋人達のイブなんだから。つねちゃんのことなら言われなくてもなんでも察っしングエルス☆』


『ごめん!ありがと♪お先にね。ぴかれ待ってるからもう行かなきゃ。』



そう。


話題はクリスマスにもちきり。



恋人のいる人にとっては、今日・明日のクリスマスが冬休みよりなにより楽しみなのだ。



『ちぴろガッカリするな。つねちゃんはモテるんだから仕方ないよ。うちらフリー同士仲間じゃん。』



『え?たかちんあたし彼氏いるよ。』


『は?』


『確かに恋人はやっぱりイブって言われてるけどさ……高校は終業式とよくかぶりがちだから、高校生はあんまりイブとかにこだわらないもんだよ〜☆』


『まじ?』


『うん。イブとかにこだわるよりやっぱり質が大事じゃない?私は今日どたばたになるより、明日ゆっくり一日一緒にいたいし〜って思って明日かれぴとデートにしたの☆』


『彼氏いたなら報告してよ!私はいつもちぴろが裏切らない仲間って信じるベルだったよ。』



てなわけで


同じクラスのちぴろちゃんが言うように


高校生にとっては


24・25あまり関係なく、とにかくクリスマスのどっちかに恋人と一緒に過ごしたいと思う人がほとんどなのかもしれない。


『まぁまぁ!たかちん!!元気だしな!!あたしもフリーだからぁ♪一緒に遊ぼうぜぃ♪』


みっちゃんがそんなたかちんを慰めた。


『光子〜!!!!!』


『たかちんこ〜!!!!!』


『ちんこ言ぅーな。』


『え!?ちん濃いーな!?!?』


『ん〜まぁ確かにそう聞こえないこともなかった…っておい!!』


『クスクス。』


二人の会話が面白くてついつい笑ってしまった。


たかちんはクラスではよく話す方で、みっちゃんと一緒に女子を引っ張てくれるし、男子にも意見できるパワフルな女の子。


球技大会ではみっちゃんをうまくのせてバレーに勧誘したんだけどみんな覚えてるかな。


『もう!うん子はいいとして、小雪!あんたはクリスマスどうすんの?』



たかちんも仕返しなのかみっちゃんをうん子呼ばわり。


あたしに話題がふられた。


『あたし?まぁ特に…………あえて言うなら、サムシングルベ〜ル♪、サミシングルベ〜ル、鈴が泣く〜♪♪かな。あ…鈴って妹ね…鈴ちゃんあたしがサムシングルベルなおかげでクリスマス一緒に過ごせて嬉し泣きするかな…アハハ♪』



『サム(ミ)シングルベルか……かなりいいね小雪。それ。寒いと寂しいとシングルの三つの要素が含まれてて、激寒い・激寂しいクリスマスがうまく表現できてる。』


『えへへ。』


実は私はこの言葉をクリスマスに言おうと結構前からたくらんでいた。



思いついたときははやくみんなに言いたくてクリスマス来ないかなと思ったくらいだ。


なんせ最近はサムシングエルスの使いまわしのネタが尽きていたから。



『でも小雪…五十嵐と別れたばっかりでクリスマス色々考えちゃったらあれだしさ、あたしと光子と一緒にいたほうが…』


『あ!たかちんありがとう。嬉しいな。優しいな全く!確かに色々考えないって言ったら嘘になるかもだけど…あたしさぁ毎年家族でクリスマス計画があって…ごめん。…残念だけど…本当ありがとうたかちん!』


たかちんはあたしに気をつかって五十嵐の話をあえて避けたりしないで、ストレートに大丈夫か聞いてくれる。


そんなストレートな優しさを持ってる人って案外周りに少なかったりする。


ストレートに聞いてくれるから私もストレートに返せる。


たかちんもあたしの大事な友達。




クラスの半分くらいは学校が終わってもしばらく教室に残っていた。


みんなでワイワイ雑談して盛り上がっている。


明日からは、学校があるときのように毎日みんなとは会えないからだろう。



あ…


その時あたしは浮かんだ。



新庄が。



そか。


冬休みは学校がないから新庄とも会えなくなるんだ。



そか…



ポツン


ん?


なんだろこの感覚。



なんだか球技大会では特に距離が縮まった気がして



って、あ…それは恋愛でのそういう意味とかじゃなくて…多分…



なんだかあたしのなかでさらに新庄が特別な感じが増したというか、


新庄との仲は深まったと思っている。



なのに



学校という機会がないと会えない関係だということを



今初めて私は実感したんだ。




新庄は…


キョロキョロキョロキョロ



私はいつの間にか新庄を探していた。



もう部活行っちゃったかな…




『あ…』



いた。


新庄はなんだか机にむかって何か書いている。


『あ…』



そうだった!今日は新庄は日直だった。


あと一人は………


黒板に書かれた名前を見ると、学校が終わってからすぐに帰ってしまったつねちゃんだった。



新庄が一人で仕事をやっている。



何か手伝いたい。



前を見ると、黒板には沢山連絡事項が書かれていた。


よし…黒板消すくらいならあたしも。



みっちゃん達はみんなとの話に夢中になっているし、


私は輪からこっそり抜け出して、黒板にむかって、書かれている文字をこっそり消し始めた。



新庄にバレたら、新庄は日誌書くのやめて、いいよってこっちの方しちゃいそうだから静かに消そう。


シュッシュッシュッシュッ


とりあえずすぐに半分は消し終えた。



『あ…黒板消しが粉まみれだ。そんなときはあれあれ!超便利な機械。』



ウィ゛〜〜〜ン゛゛
ウィ゛〜〜〜ン゛゛
サムスウィ゛〜〜〜ン゛゛


チョークの粉はクリーナーに吸いとられあっという間に綺麗になった。


『よし!!』



残りのところにとりかかった。



見ると、残り半分は黒板の一番上のほうまでチョークで文字が書かれている。


『届くかなぁ………まぁジャンプせればなんとかちびっこのあたしでも。』



ピョンピョンピョンピョンピョンピョン『あ〜』ピョンピョンピョンピョンピョン『もうちょい』ピョンピョンピョンピョン『なかなか』ピョンピョンピョンピョンピョンピョン『届かないもんだな』ピョンピョンピョンピョンピョン



バシッ



その時、私の黒板消しが誰かが手を伸ばした黒板消しとあたった。



『あれ?…』




上を見上げる。



パチッ



ドキッッ



『………………うわぁぁぁ!!!!!』




私のすぐ真後ろから黒板消しを持って届かなかった部分を消そうとしている新庄がいた。


私を上から見下ろしていたのだ。


あまりに突然で、日誌を書いていたはずの新庄がすぐそばにいて、しかも間近で目があってしまって私はビックリしてしまった。


ドキドキドキドキ


心臓の音もすごくて顔も赤くなるほどだ。



私は新庄にもう一度目をむけた。



新庄は小さく笑って


『無理しない。オチビさん。』



そう言って私の届かなかったところを一瞬で消してしまった。



ただ手を伸ばして一瞬でなんなく消してしまう新庄を眺めて



なんだか


男の子だな。



そう思った。



『あ……ありがと。てかごめん!新庄。日誌書いてたのに逆に邪魔しちゃったね。』



『え?邪魔?手伝ってくれたのに?』


『あ…なんか日誌に集中してたからさ…ペース乱さないようにこっそりバレないように静かにしたんだけど…ごめんね。』


『ハハ…バレないようにって……静かにって……思いっきりクリーナーかけてたじゃん。』



『……………………………………………はっ!!』



私は驚いた。



あの音はノーマークだったから。


私としたことが。


いまの私の顔はムンクの叫びのようだったと思う。


ムンクの叫びの気持ちにここまで共感できたことはない。



『アハハハハハハハハハハ………えへへ。』


笑ってごまかすしかなかった。あまりにばかすぎて。


『それに跳び跳ねてるときの音もドスドスひどかったし、届かないとか口に出てたよ。』



『………』


ここまで自分が馬鹿だったとは。



『なななんかごめんね。あたし全然ためにな…』



『なってる。』


『え?』


『ためになってるから。助かった。さんきゅ。』


新庄はそう言って、優しく笑ってくれた。



やっぱりこの笑顔をみると



新庄と会えない冬休みが



何もないクリスマスが



少し寂しく感じてくる。



学校でしか会えない新庄との関係に、あたしは不満を持っている??


そして私はいつの間にかこう口にしていた。


『新庄…クリスマスは何するの?』



…つづく


コメント(7)

つねちゃん!!目がハート
ちぴろ!!!目がハート目がハートぴかぴか(新しい)

黒板消しのとこメッチャキュンときた〜目がハートぴかぴか(新しい)つねちゃん帰ったおかげやねウインク

クリスマスの予定は‥?
→「空けてるよ‥‥‥おまえのために」
→きゅんハートハートハート

勝手に妄想しました(笑)
つねちゃーーんハート
ちぴろーーーハート

いゃん、嬉ぴ♪
感動♪♪

ゆきぴ、ありがとーひよこぴかぴか(新しい)
え、うちの名前ないんやけどハート
みっちゃんかな-とか思ったけど、そんな素敵な子ぢゃなぃしウッシッシるんるん
黒板消し最高ですぴかぴか(新しい)
大学にそんな黒板はない・・・
と言うより。まず男がいない(笑)

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