ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

『紅茶とあいつ』コミュの『紅茶とあいつ』(第26話)

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加


朝…


『お姉ちゃん………顔ひどいよ…』



『やっぱり!?!?そんなにひどい!?!?泣いたってバレバレ!?!?』



『失恋したってバレバレ。』



妹の鈴ちゃんはからかうようにアッカンベーをする。


『・・・・・・・』



ちくしょー



鈴ちゃんめ…


可愛いくない妹だ。




本当は結構スッキリしている。


もちろん五十嵐のことはまだまだひきずるだろうし、



由美ちゃんを見たら辛くなると思う。



だけど昨日


新庄の胸の中で沢山泣いたおかげ???




うん。



きっとそのおかげ。



あんな風にあたしを受け止めてくれたことが


嬉しかった。




新庄の優しさにまたまた私救われた。




だけど…あの時……



私は昨日の光景を思い出した。



なんか.....なんなんだろ....今思えば…………かなり…かなりすごいことさせちゃったよな…あたし。


あぁ今更ながら超恥ずかしい。



なんか調子狂う。



新庄はあぁいうことすんの慣れてんのかな??



あたしだけこんな意識してんのもなんか恥ずかしいし…



ぁぁ…新庄にどういう態度とればいいのかな。



『悩みの相手は新庄ですか…』



『ぅん…』



はっ!!!!!



鈴ちゃんはニヤリッと笑う。



しまった…



『そか〜新庄に失恋かぁ〜』



『ちち違うよ!………ええい!!小娘だまれぇ〜』


『はいはいおばさぁん!!』



あぁ〜



なんか鈴ちゃんには勘違いされるし…あたしダメダメ人間。


『行ってきまぁす!!』




明日が球技大会本番だから…今日の昼休みで練習終わりか…



早かったな。



なんだかんだこのチームの練習楽しくて。



それは新庄や五十嵐のおかげで。



今日は気まずさなんて吹っ飛ばして、



五十嵐とも新庄ともしっかりいつも通り接するんだ。



この目で…………トホホ。





あ!新庄!



新庄があたしの前を歩いていた。




よ…よし!!!





『おお…おはよー新庄!!』




やっぱり何か緊張する〜



新庄は振り返る。




『おは…………………………』



『ぅん?どーかした?』



『クス…いや…予想通りの顔。』



は!!!


そうだった。ほんの数秒でそのこと忘れてた。



恥ずかしい。



ええい!!もういいやぁ!!




『ほんとっ!!!誰かさんのおかげで!』



新庄は私の顔を横からのぞいてサラッと笑った。




『俺の胸…効きすぎたな。』



ボッ!!!!



『え…………あ…え………ななな…何言っ…!!』



私は全身熱くなった。


きっと顔真っ赤だ。



『ハハ……目だけじゃなくて顔も腫れてやんの。』




『もーーーー!!!』




恥ずかしいけど、



新庄がからかってくれたおかげでなんとかいつも通りに話せた。



『今日で練習最後だな。頑張ろ。』


『うん!!!!!』






キーンコーンカーンコーン



昼休み。



五十嵐に会う時間…



ひぃ〜緊張…深呼吸深呼吸!!




『集合!!!ついに明日本番だ!!!!みんな最後の練習…頑張るのはもちろんだけど…このメンバーでできる練習をまずは思いっきり楽しもうぜ!そんじゃあパスから!』


良かった!


いつものみんなを元気に引っ張ってくれる五十嵐だ。



『春陽ー!!!今日のメニューなんけど…』


パチッ



あ………


五十嵐と目があった。



ドクッ



落ち着いて…


うん!




新庄に向かって大丈夫と目配せした。



『五十嵐〜…今日最後の練習よろしくね!!あ!!!あたしの顔には何もつっこまないでよ!!』



五十嵐も新庄も


笑ってくれている。



『小雪!!!すっげぇぶす!!』



『うざ!!!つっこむな〜!!!』



こうやってあたしがいつも通りできるのも



胸をかしてくれた



傍で見守ってくれる



新庄のおかげなんだと思う。





『で…淳…メニューがどうしたって?』



『あ!そうそう!今日丸山田が化学部の大事な実験があるみたいで…なんか炭酸水とサムシングエキスの調合がブツブツって…………だからあいつ練習来れないから、俺パスできなくてさ…』



『あ〜相手いねーのか…そしたら…』



『ねえ!春陽・あつ君★あたしもやっぱりサッカーがしたい!!!!』



杏奈ちゃんが二人に向かって叫んだ。




『やっぱりマネージャーだけじゃいやなの!!パスってただ蹴るだけでしょ?あたしでもそんくらいならできるわよ。』



『あーまあー…最後の練習だしな…ちょっと蹴るくらいなら…春陽パスならやらせてもいいか?』



『うーん。じゃあパスだけなら軽くでなら。』


杏奈ちゃんは笑顔を取り戻した。


すごく嬉しそう。



『じゃあ俺丸山田いないから俺とすんぞ!!』



『やだ!!春陽とじゃなきゃ意味ないもん!!』



『そりゃお前…いくら俺でも普通に傷つくよ…』


五十嵐は杏奈ちゃんに思いっきり拒否られて


ちっちゃくうずくまって地面に向かってモジモジしている。



可愛いそうな五十嵐。


『ねぇー!春陽としたいの!春陽あたしに教えてよ★』



『でも俺…』


新庄は私を見て、杏奈ちゃんも新庄の視線の先を追った。



新庄は私とペアなことを気にしてくれているんだ。



杏奈ちゃんは



私をとってもにらんでいる。


トホホ。


きっと新庄とパスをしてる私のこと気にくわないのだろう。



『あたしいーよ!!明日本番でこんなパスできる機会ももーないだろから。そだ!あたしが五十嵐とせればぴったりだし!!!ほら!傷ついてないでやるよ五十嵐!!!』



『お…おぉー…!』


どうしてあたしこんな訳が分からないこと…


昨日五十嵐にふられたばっかなのに…



五十嵐も迷惑だろに……ごめんよ…



我ながらアホだ。


けど杏奈ちゃんの気持ちもくみたいと思ったらいつの間にか…


『やった★』




杏奈ちゃんは喜んでるし、ま…いっか!!




『行くよ五十嵐ー!!』


『おー!』


ボン



『お!お前やるじゃん…うまくなったな。さすが俺の弟の弟子。』


『瞬太の弟子って言ってくんない。まるで五十嵐のおかげみたいに聞こえる!!』


『どっちもそう変わんねーよ!』


ボン



パスはだいぶうまくなって


五十嵐とも普通にできて


気分は爽快……なはず………



『行くよ春陽ー★☆』

ボン


杏奈ちゃんのボールを新庄は受け止めた。


ズキ


え………



『なかなかやるじゃん。』



『エヘッ☆春陽にほめられちゃった。』



杏奈ちゃんすごい。


普通にあたしよりもうまい。




新庄が杏奈ちゃんとパスをしている。


杏奈ちゃんのボールを受け止めている。



なんか視界に入ってきて、嫌でも目につく。



気になる。



自分から杏奈ちゃんにパスを譲っておいて…



あたしって偽善者…





あたしの場所だったのにな…とか思ってる???



あたし…



『おい!!!小雪ボール行ったぞー!!!!』


ハッ!!!


バシッ


ドテ



『小雪ごめん!大丈夫か!?』



お見事…顔面直撃…



五十嵐が優しくパスをしてくれたからか、あまり痛くはない。


『平気…平気…』


タラー


あ!


『小雪鼻血ー!!!!マネージャー!!!!』




あ〜


最悪…。




グラウンドの隅っこで杏奈ちゃんが処置してくれた。


『ごごめんね!!』


シーン。


沈黙。


さすがに迷惑かけすぎだ。これじゃもっと嫌われちゃう…



『はい。できたわ。』


『あ…ありがとう!!』


『いーえ!どういたしまして!!!』


あ〜目も合わせてくれない。


とにかく謝らないと…


『せっかくのパス時間がちょっとしかできなくさせてごめんね。』


杏奈ちゃんがフッと微笑んだ。



良かっ…



『とか言って…わざとなんじゃないの?』



!!!!!!



『え…そんな…まさか…』






『あなたさ…あつ君にフラレたの?』


え…


どうしたんだろ急に…


『あー………うん。そうだよ。』



『じゃああつ君が好きなのね。』



『ぇ…………ぅん。でももう諦めるから。』



もうこれ以上五十嵐は好きになんてならな…



杏奈ちゃんが鋭く私をにらんだ。


『じゃああつ君が駄目なら春陽!?…あなた都合よすぎんじゃない?』



『え…あたしそんなつもりじゃ…』



『前も言ったけど春陽はみんなに優しいから。ちょっと優しくされて仲良くなったからって勘違いしないで!』


『どうして?そんな風に言うの?』



『え!?あなたみたいにどっちつかずで、どっちにも気に入られよーとする子見てるとムカつくのよ!!』


………………


いくらなんでもそこまで言われちゃあたしも黙ってらんない。



『そんなつもりあたしないけど…そう思わせてしまってるならそう思っててもいいよ。だけどあたしは…新庄の優しさを勘違いとかそんなんではとらえない。新庄の優しさは本物だと思うから……あたしは素直に新庄の優しさを優しさとして受け止めるよ!』



杏奈ちゃんはあきれた表情をする。



『春陽の優しさ利用してるあなたみたいな子見てると本当イライラする。あたしはずっと春陽と一緒にいるのに。あなた春陽のことどう思ってるの?』



『………またイライラさせるかもだけど…まだ私が理解できるほど、どのくらい大切な人なのか分からない。だけど、私には今すっごく新庄が必要で…こんなの杏奈ちゃんに言わせたらわがままかもだけど。』





『じゃあ好きじゃないのよね。』



どうしよ…言葉がでない。



『じゃああたし達友達にならない?あたしに協力してくれない?』



協力?


杏奈ちゃんと新庄が…


『ごめん…何か分かんないけど協力したいとは私思えないから…だからこんな気持ちで協力しても意味ないと思うから。ごめん。だけど私杏奈ちゃんと友達がいい。あたしのわがままだけど仲良くしたいと思っちゃダメかな?』



『ふん!!本当中途半端!!!友達になれるわけないでしょ!ま…春陽を好きじゃないあなたに言っても意味ないことだけど言っとくわね……………………春陽小さい時からずっと好きな人がいるのよ。』



ズキ


え…



『あたし昔一回それでフラレてる。だけどそんなんで諦めようとは思わない。まだ春陽はその子のことずっとわすれられてないみたいだけど、私が忘れさせる。最近現れたあなたになんて無理よ!うふふ♪』




新庄に好きな人がいる。


そー…………なんだ。



『やっぱりあたしと小雪ちゃんは仲良くできそうにないみたいね!!』


プイ


杏奈ちゃんは去って行った。





新庄に好きな人がいる。



ずっと昔から



ずっとずっと?



ずっと昔からいる杏奈ちゃんじゃなくて…



そんな特別な人が新庄にいる。



その現実を



なかなか素直に受け止めたくない私がいた。



…つづく


コメント(10)

待ってました26話ハート

いやー杏奈ちゃんの強さ尊敬します…(笑)
でも小雪もエライ指でOKぴかぴか(新しい)
いよいよ球技大会やねexclamation ×2楽しみどするんるんるんるん
待ってましたよーー揺れるハート

振られた人とのパス練習ってどんな気持ちなんでしょうね涙





切ない・・・。




小雪ファイトわーい(嬉しい顔)exclamation ×2
着実に小雪が成長してますねわーい(嬉しい顔)るんるん

恋が人を大きくするんですかねexclamation & question目がハートグッド(上向き矢印)

とりあえず新庄カッコ良すぎます

小雪ー!
杏奈に負けるなー!ぴかぴか(新しい)

それにしても新庄の好きな人
気になります(> <)あせあせ(飛び散る汗)
ずっと‥?
まだ登場してない人物ですよね?チューリップ
みっちゃんではないよなーブタブタブタ
> すずこ☆さん
最近は随分待たせちゃってごめんよげっそりぴかぴか(新しい)すずこさんのことやから毎回チェックしてくれとるんやないのかな(笑)杏奈強くていいやろ目がハートexclamation & questionこんだけズバズバやとかえっていいもんよね目がハートぴかぴか(新しい)球技大会こんなにかかるとは予想外うれしい顔
> あごぽよさん
あけおめハートぴかぴか(新しい)
正月はかなり執筆なまけて大変申し訳ありませんでしたm(__)mぴかぴか(新しい)過激派にアクセスさせてはがっかりさせてしまったこととげっそりあせあせ(飛び散る汗)
頑張ってさぁやのためにも執筆するぞぉーexclamation ×2
> ガンちゃんさん
小雪成長しよるかなわーい(嬉しい顔)最近うじうじだらけよげっそりぴかぴか(新しい)
間違いなく新庄おらんかったら今の小雪はないねウッシッシexclamation ×2ぴかぴか(新しい)
新庄目指してふぁいとp(^^)q
> かすみんさん
ごめーんあせあせ(飛び散る汗)
コメント順番とばしてたわぁほっとした顔
間違いなく気まずいやろね(泣)けど実際フラレても好きやからどうにかしてでもふりむかせようって幸恵は思いそう目がハートexclamation ×2
> ★megさん
みっちゃん…
いい線ついてるかもよ………むふっぴかぴか(新しい)
さぁ新庄の好きな人は今後注目ですよハート目がハートexclamation ×2新庄派のめぐちゃんにはちょっと胸が苦しくなるかもねーハート

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

『紅茶とあいつ』 更新情報

『紅茶とあいつ』のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング