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がんばれ日本コミュの東大など、太平洋の海底に陸上埋蔵量の約1000倍となるレアアース鉱床を発見

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東京大学 工学系研究科の加藤泰浩准教授らによる研究グループは、南東太平洋や中央太平洋に、見た目は普通の泥にもかかわらず、高品位のレアアースを含有した「レアアース資源泥」が膨大な量分布していることを発見した。同成果は英国科学誌「NatureGeoscience」(電子版)に掲載された。

レアアースはエレクトロニクス産業を支える重要資源だが、その95%を中国が生産する脆弱な供給構造を持っており、その中国が2005年以降、従来の輸出奨励政策から規制強化政策へと方針を転換したことにより、レアアースの供給不足や価格急騰が懸念され、2010年の尖閣諸島沖での漁船衝突事件をきっかけに、レアアースの輸出停止・制限が行われ、世界中にレアアースショックが起きた。現在もレアアース価格の上昇は続いており、2011年6月の価格は同1月比でも3倍以上となっているほか、中国はレアアース資源を外交カードとしても利用しており、レアアースの安定確保が日本の産業界の重要課題の1つとなっていた。

今回の研究は、東大海洋研究所の小林和男名誉教授らが1968年〜1984年に古地磁気の研究のために、太平洋全域から採取した27本のピストンコア試料(海底堆積物:総コア長=206m、平均7.6m)を、研究グループが譲り受け、ICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析装置)を用いて456試料の全岩化学組成の分析を行った結果によるもの。

研究グループでは2008年より同分析を行い、その結果、太平洋の広範囲に、南中国のイオン吸着型鉱床に匹敵する高品位の海底堆積物が分布していることを発見。その堆積物を「レアアース資源泥」と命名した。また、今回、レアアース資源泥の太平洋全域における分布範囲と海底面下の深度分布の状況をさらに詳細に把握するために、深海掘削計画(DSDP:Deep Sea Drilling Project)/国際深海掘削計画(ODP:Ocean Drilling Program)による掘削コア試料を利用し、51本(総コア長=2,491m、平均49m)の掘削コア試料から得られた2,037試料について、ICP-MSにより全岩化学組成分析を行った。

その結果、南東太平洋において平均層厚8.0m、平均総レアアース濃度1,054ppm、中央太平洋において平均層厚23.6m、平均総レアアース濃度625ppmのレアアース資源泥が存在していることが明らかとなった。

この海域において、1km2の範囲(深度10〜70m)でレアアース資源泥を開発すると、日本の年間レアアース消費量の0.5〜1.5年分を供給することができるほか、大まかな推定では、この2つの海域には、陸上埋蔵量のおよそ1,000倍のレアアース資源が存在しているという。

現在、レアアース資源泥の分布海域は、一部を除いてすべて公海上に位置しているが、公海上の資源でも、国際海底機構(ISBA:International Seabed Authority)の合意が得られ、マイニングコードが採択されることで、鉱区を獲得することが可能だ。実際にハワイ沖のマンガンノジュール鉱床については、日本をはじめ、中国、ロシア、フランスなどの多くの国々が鉱区を獲得している。

またレアアース資源泥は水深2,500〜6,000mの深海に分布しているが、このような深海の堆積物の開発に関しては、1979年に紅海の水深2,000mに分布する重金属泥(銅・亜鉛などの硫化鉱物を多く含む深海底堆積物)について開発のプレパイロットテストがドイツの鉱山会社によって行われており、年間4,000万トンの重金属泥の採掘・回収が想定されていた。以降、深海の泥を採掘するテストは行われていないものの、現在の技術を用いれば、2,500〜6,000mの深海から年間4,000万トンのレアアース資源泥を採掘・回収することは十分に可能であると研究グループでは説明する。

さらに、回収したレアアース資源泥からは、薄い硫酸により短時間でレアアースを浸出(抽出)することが可能であるため、工業的にも有利な条件を兼ね備えている資源だという。

なお、今回のレアアース資源泥の発見は、それが"存在する"ということが判明しただけでも、レアアース市場を独占している中国を強く牽制する効果があることから、非常に大きな意義があるといえると研究グループでは説明している。また実際に開発することができれば、15〜20年で枯渇すると中国が主張する陸上のレアアース資源を完全に代替することができるため、日本のみならず世界にとっても重要な資源になるものと期待される。

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