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日本企業の動きコミュの149.ビジョンを持たないのは罪だ (孫正義)

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 米大手通信会社や端末卸会社、ゲーム会社など、モバイルインターネットの分野でM&A(合併・買収)に突き進むソフトバンク。電子商取引では子会社のヤフーが出店料を無料化するなど、攻撃的な姿勢はグループ全体の持ち味でもある。いずれも果断な戦略ながら、性急な事業拡大には危うさも漂う。社長の孫正義氏はなぜそこまで急ぐのか、彼を突き動かしているものは何なのか――。

 高校生のころ、地元・福岡県の西鉄(西日本鉄道)駅前にあるロッテリアでサンドイッチのようなものを食べるのがぜいたくでした。こんなおいしいものがあるのかと驚いたものです。当時、駅前商店街はにぎやかで輝いていました。

 ところが2、3年前に久しぶりに足を運んだら……。7割の店はシャッターを下ろしており、ゴーストタウンのようになっていてびっくりした記憶があります。

 商店街というのは、たくさんの店が軒を並べ、多くのお客さんがやってくることが大事です。そうなれば何をやっても繁盛するでしょう。

■ヤフーを「シャッター通り」にしないために

 インターネットビジネスも(商店街と)同じだと思っています。いかにトラフィックを集め、お客さんに来てもらうかが最大の勝負どころなのです。

 昨年10月、グループ会社のヤフーがインターネット通販サイトへの出店手数料を無料にすることを決めました。中国では(出資先の)アリババ・グループがイーベイを追い抜き、プラットフォーム(基盤)として勝ちました。出店者が増えるとお客さまも集まるという好循環を生むことができるので、ヤフーの場合も(出店料という)収益を一度忘れようと(幹部の間で)話しました。

 (電子商取引の分野では)楽天やアマゾン・ドット・コムが頑張っています。ヤフーもこのままではシャッター通りになりかねない。そんな危機感がありました。(西鉄駅前の商店街のようになったら)家賃(=出店料)などとは言っていられません。

 もちろん、「いくらかの家賃が入っているのに……」という意見はありました。新経営陣に任せて久しぶりに2ケタ成長を実現しており、そうした折に自ら収益を投げ出してもいいものかという議論もしました。しかし、ヤフーは年間2000億円近い営業利益を生み出している。だから出店料がなくなっても「誤差の範囲」という判断をしたのが実情です。

■スマホ向けゲームの上位2社がグループに

 最近の事業展開に絡み、買収案件についてもお話ししましょう。(フィンランドのスマートフォン=スマホ=向けゲーム開発会社である)スーパーセルと、(携帯端末卸売大手の)米ブライトスターです。

 米アップルのiPhone(アイフォーン)向けだけでアプリ(応用ソフト)は100万本もありますが、売上高で見れば8割以上はゲームでしょう。グループ会社のガンホー・オンライン・エンターテイメントが米グーグルの「アンドロイド」向けゲームでは首位ですが、スーパーセルはアップルの「iOS」でトップです。

 上位2社が(ソフトバンクの)グループにいることで、長い目で見れば様々なシナジー効果が生まれると期待しています。

http://www.nikkei.com/article/DGXBZO65019350Y4A100C1000000/

 ブライトスター最高経営責任者(CEO)のマルセロ(・クラウレ)は強烈な男です。南米ボリビアの出身で身長は2メートルほどもあります。

 就職試験を受けに行ったら電話番号が必要だというので慌てて携帯を買いに行き、そこで店主に「携帯ではなく、店を買わないか」と持ちかけられたというのです。

 「金がない」と言ったら店主は「店で稼いで返せ」と言ったとか。新聞に3行広告を出し、中古や安い携帯を積んだライトバンで行商してまわり、年間8000万台を売る会社に育てたのです。

 マルセロは典型的なストリートファイター型の起業家で、僕自身も資金ゼロで事業を立ち上げたので、大いに共感します。

■買収資金は「天から降ってくる」

 こんなに相次いで買収して資金はもつのか、ですか? 誤解を恐れずに言えば、「お金は天から降ってくる」と思っています。

もちろん、負債をEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)の何倍までに抑えるというような「バランス」には配慮しています。その観点では、スーパーセルは高収益だし、ブライトスターも黒字。バランスを崩すものではありません。

 そもそも重要なのは、「資金があるから事業をやる」ではなく「何をしたいか」で事業内容を決めることでしょう。創業者の時代に立派な経営をしてお金を蓄えても、ビジョンがなく預金を使い果たしてしまった企業が日本には少なくありません。これだけは絶対に避けなければいけないと、強く思っています。

 ひそかに心の中で誓っていることがあります。ソフトバンクの時価総額はインターネットバブルのピーク時(2000年)に20兆円まで大きくなりましたが、1年後には2000億円まで減りました。1年間で99%も下がったのです。

■詐欺師呼ばわりを越えて

 ビジョンを語って投資してもらいましたが、(株主の中には)僕のことを「詐欺師」「ペテン師」呼ばわりする人もいました。

 あの当時の株主総会は確か5時間くらいにわたって株主の質問に答えたと思うのですが、そのなかで高齢の女性がこんな話をしました。「亡くなった主人の遺産をすべてソフトバンク株に投資しました。(株価は下がっているが)あなたの話を聞いて、決意を聞くことができて、本当によかったと思う」と。僕は「頑張ります」と答えました。

 この時、出席した株主の多くが涙を流し、目をハンカチでぬぐっていました。この光景を目にして、苦しいときも一生懸命応援してくれている株主に報いるため、過去最高だったときの時価総額を上回ることが最低限の使命と思うようになったのです。

 将来も右肩上がりを続けられる良質な利益をつくり、それが株価に反映されたとき、初めて目標が達成されます。

http://www.nikkei.com/article/DGXBZO65019350Y4A100C1000000/?df=2

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