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日本企業の動きコミュの118.ソフトバンク、日本史上最大の海外企業買収で米市場へ進出 異端児、孫正義社長のスプリント買収動機は「男だから」

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ソフトバンクが米携帯電話3位のスプリント・ネクステルを201億ドル(約1兆5700億円)で買収することに日本的な要素はほとんどない。ソフトバンクグループの創業者である孫正義氏も、典型的な日本人像からはかけ離れた存在だ。

 孫氏は億万の富を持つ起業家で、企業の出世街道を登りつめた末の経営者でもなければ、サラリーマンでもない。その孫氏が今、日本企業による海外企業の買収としては過去最大の案件を実現しようとしている。ちなみにこの買収を本人も「大きな賭け」と認めている。

 買収に必要な資金は、新株発行によってではなくソフトバンクの自己資金と借入金によって賄う予定だ。スプリントを買収する理由を孫氏はいくつかのコメントとジョーク(自画自賛的ではあるが)をもって説明している。

 韓国生まれの両親の息子として生まれた孫氏(55歳)は、日本では常に型破りの存在として知られてきたが、同氏が直面している厳しい市場環境は今に始まったものではない。

 日本企業による海外企業の買収額(ドルベース)が今年、過去最高を記録したが、それは人口の減少により国内の市場規模が今後、永遠に縮小を続ける可能性に企業が気づき始めたことがある。事実、孫氏は10月15日にスプリント買収を発表した際、「人口統計上の要素だけを見ても、スプリントを買収しない方が買収するよりリスクが高い」と指摘した。

ベライゾン、AT&Tの2強に対抗馬をつくるが狙い

 だが、だからといって今回の買収は評価できるのだろうか。

 日本の携帯電話業界で現在3位のソフトバンクは、9570億円(約121億ドル)でスプリント株の70%を取得するのに加えて、スプリントに80億ドル(約6380億円)を注入する予定だ。これは、ネクステルを2005年に買収して以来何年も不振を続けてきたスプリントの資本を強化するためだ。

 資本注入の主な目的は、スプリントのバランスシートを強化することによって、米携帯電話市場の下位に位置する企業の再編劇に参加することだ。

 米携帯電話市場では現在、米携帯電話4位のTモバイルUSAと同5位のメトロPCSが合併協議を進めている。ベライゾン・ワイヤレス、AT&Tという米国の「2強」への対抗馬が誕生すれば、規制当局にとっては朗報だ。

 ソフトバンクの孫氏とスプリントのダン・ヘッセCEOが、こうした方向に向けて買収案件いくつか検討していたことはほぼ間違いない。

 もう1つの目的は、米国がようやくより高速な通信サービス4Gへと移行する中、周波数の争奪戦におけるスプリントの手腕を強化することだ。

 ソフトバンクから巨額の資金を得ることによって、スプリントは既に株式の48%を保有する米高速無線通信会社クリアワイヤの経営権を取得することが可能になる。そうすれば、ソフトバンクも使用するTDD LTEというワイヤレス技術へのアクセスが大きく広がることになる。

 クリアワイヤの株価は、スプリントがさらなる株式取得を目指して交渉中だとの報道を受けて急騰した。

スプリント買収の背景には孫氏のエゴも働いた

 孫氏は、スプリントにこの目標を達成させるための資金と手腕が自分にはあると自信を見せる。

 ソフトバンクは2006年、経営難に陥っていた英ボーダフォンの日本法人を買収した。ソフトバンクは当時まだ弱小企業で、380億ドル(約3兆330億円)という莫大な借入金によってこの買収を行った。孫氏によれば、この買収によってノウハウを築いてきたのだという。

 以来、ソフトバンクの収益と評価は上昇を続け、負債を予定より7年前倒しで完済した。スプリントの負債総額は現在500億ドル(約3兆9900億円)を超えるが、両社の潤沢なキャッシュフローを考えればそれほどの負担とはならないだろう。

 孫氏は、ソフトバンクとスプリントはスマートフォンの購入でメーカーに対する交渉力が高まり、価格引下げのシナジー(相乗作用)効果を得られると言う。

 問題は、それ以外のシナジー効果はほぼ期待できないということだ。経営者として全く経験のない国に参入するのにこれほど高い金額を提示したのは、同氏のエゴが強く働いたからだと見る人も多い(もっとも孫氏はそんな論評をものともせず、なんと「私は男だ。男ならば一番になりたいと思うものだ」と豪語した*)。

*編集部注:ソフトバンクがスプリント買収を発表した翌日、米ウォールストリート・ジャーナルが「Bravado Behin Softbank’s Sprint Deal(スプリント買収の背景には男気)」と題した記事でも指摘したが、英米のメディアでは孫氏が買収する理由に「私は男だから」というのを買収の動機に上げたことに一種の驚きにも似た反応を示している。
資金を提供した邦銀のリスク分析は不十分との指摘も

 東京を拠点に活動するM&A(合併・買収)のコンサルタント、ステファン・ギブンズ氏は、買収相手は寡占市場で低迷する企業だというのに買収金額が高すぎる、と指摘する。買収してから時を置かずして価値を失いかねない通信ネットワークの取得に重点を置くのは間違いだ、とも言う。

 ギブンズ氏は、孫氏の成功は日本の2強だったNTTドコモとKDDIに先がけて米アップルの「iPhone(アイフォン)」を「運よく」扱えたことによるところが大きいと考えている。

 同氏によれば、「今回の買収はあまりに無謀な計画」だ。6年前にボーダフォン日本法人を買収した際には、外資系銀行が資金を融資したが、今回は融資に飢えた日本のメガバンクが負債の全額を融資した。だがそれに対して、リスク分析が不十分だったのではないかとの声もある。

 しかし、低金利による借入れ(及び円高)が孫氏にとっては秘密兵器となるかもしれない。ソフトバンクのモバイル事業は莫大なキャッシュを生み出している。業績を改善させつつあるスプリントを買収することで、孫氏は熟知する業界で実質的なレバレッジド・バイアウトを行っていることになる。

 しかもそのためのコストは低く抑えている。今回の買収によって米国の携帯電話市場を変えられるかどうかは不明だが、それでも孫氏は儲けることはできるかもしれない。

2012年10月25日版トップ
http://business.nikkeibp.co.jp/article/NBD/20121024/238561/?ST=pc

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