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映画レビューアーフォーラムコミュの【ネタばれ有り】『マチェーテ』[ 2010年11月6日公開 ]

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●Introduction
 クエンティン・タランティーノとロバート・ロドリゲスが競作したB級映画へのトリビュート作品『グラインドハウス』の中に登場したことにより世界中で噂となった予告編。あくまで、映画の中の演出の一部として見られていたパイロット版的な映像が、奇跡の映画化。近年稀に見るアウトロー"マチェーテ"を演じるのは、ロドリゲス監督が映画史上最高に凄い顔の持ち主と大絶賛する、ダニー・トレホ。そして、この映画愛から生まれた超B級映画に、ハリウッドでも名高い数々の一流俳優がその想いに賛同して出演。移民を嫌う人種差別の米政治家、マクラフリン上院議員をロバート・デニーロ。移民関税執行局職員サルタナをジェシカ・アルバ。表向きはタコス売りの女戦士ルースをミシェル・ロドリゲス。尼僧姿のマフィア娘のエイプリルをリンジー・ローハン。そして、上院議員下でうごめく麻薬王トーレスをスティーヴン・セガール。そうそうたる顔ぶれが、超ド級のコミックを超えたラテンバイオレンス映画で、大真面目に演じているのも大注目だ!!

 どこの街角にもいるごく普通の日雇い労働者風の男。だが、よく見るとその形相は見るからに恐ろしく、凶悪殺人犯と言われても誰も疑わない面構えだ。だが、彼こそが伝説的な辣腕下連邦捜査官マチェーテだった。メキシコの麻薬王トーレスに恐喝され、不法移民嫌いの米政治家の暗殺を依頼されるが、それは政治家とトーレスの仕組んだ罠で、マチェーテは暗殺犯として追われる身となってしまう。無実を証明し、彼らの陰謀を暴くべく、マチェーテは復讐の鬼となって立ち上がる。そんな彼の前に立ちはだかるのは、次から次へと殺し屋を雇う非情なビジネスマンのブース、国境自警団を率いるひねくれ者のヴォン、そして法の執行と正義との間で葛藤する美しい移民局職員サータナだ。一方、反逆精神と革命的な心を持ったセクシーなトラック運転手ルースと、祈ること以上に銃の扱いに長けている牧師のパードレが、マチェーテに加勢する。銃弾、流血、傷心の嵐を巻き起こしながら、マチェーテは最終的に、復讐と贖罪の壮大な戦いが待つトーレスの街へと戻ってゆく……。
[ 2010年11月6日公開 ]

コメント(1)

 タランティーノの作品は、えぐすぎるのと不条理に満ちていて、好きになれなかったのですが、本作はスカッとする活劇に徹していて、とても楽しめました。これはタランティーノというよりもロドリゲス監督ならではのエスプリが一杯詰まった作品と言えます。
 短いカットを重ねたスピード感のある銃撃戦や接近戦が持ち味のロドリゲス監督ではありますが、これをダニー・トレホにやらせてしまうところが凄いのです。

 これがリュック・ベッソンだったら、たとえメキシコが舞台でも、きっとイケメンのムキムキマンを登場させて、華麗な格闘シーンを描くところでしょう。それがロドリゲス監督にかかると、ゴリラのようなヒーローに似つかわしくない厳つい男が、ライフル乱射ももどかしく、手にしたナイフや芝刈り機で力任せにバッタバッタと襲いかかるものをなぎ倒していくのです。この凄まじい存在感に圧倒されました。けれども登場時には、全く冴えない移民の失業者でしか過ぎなかったのです。それが一転悪党に立ち向かっていくとき見せる力強さのギャップが、見ていて溜飲を下す痛快さを生んでいるものと思います。

 ナイフによる接近戦が主体なので、当然血しぶきが飛ぶえぐいアクションシーンが避けられないのは仕方がありませんが、それでもタランティーノ作品と比べれば序の口でしょう。そして、敵が臆病者とわかれば、むげに殺さないという元捜査員らしさを見せるところもご愛敬のひとつです。
 一番ショッキングなのは、敵に追い詰められたとき、襲ってきた敵のはらわたをえぐり、腸をロープ代わりに掴みだして、ビルの窓から飛び出すところでしょう。

 本作の面白さは、マチューテの強烈な個性だけではありません。マチューテが立ち向かう巨悪のスケールの大きさも半端ではありません。メキシコと国境を接するテキサスが舞台だからといって、単純にマチューテの敵となる相手は、麻薬王ではありませんでした。麻薬王と裏で繋がった保守派のマクローリン上院議員と彼が組織した移民狩りをしている自警団の面々だったのです。
 遺恨の始まりは、麻薬王トーレスにマチェーテの愛する者を殺されたことから。復讐に意気込んだマチューテは、捜査官を止めて、トーレスが麻薬流通を仕切るテキサスの国境地帯へと流れ着いたのでした。
 そこでは、マクローリンや自警団も一部の警察官までもが、麻薬流通で利益を上げていたのです。狡猾なマクローリン陣営は、親分の再選のために、マチェーテに狙撃を依頼するものの、間一髪でマクローリンの急所を外させて、テロにあったと選挙に利用されてしまいます。マチェーテは狙撃犯として追われる身に。
 警察に、麻薬組織に、最後には武装した自警団が立てこもる基地へ、相手がどんなに強くとも、人数が多くとも怯まず立ち向かっていくマチューテの折れない闘争心が本作の見所でしょう。

 かなり激しいアクション映画なのに、お色気とユーモアもたっぷりでした。特にマクローリンの腹心で、マチューテを狙撃犯に仕立てたブース邸に単身乗り込み、あれよという間に、ブースの妻と娘を『親子丼』でやってしまうシーンが可笑しかったです。要するに、仇のマチューテと知らずに抱かれてしまうなんて。親子揃ってバカなんです。

 さて、本作はB級作品ながら出演陣は豪華です。デ・ニーロやセガールまで出演しています。また、ジェシカ・アルバ、ミシェル・ロドリゲス、リンジー・ローハンの3大スターが、そろってセクシーなシーンに挑戦しているのもびっくりものですよ。(全身ヌードの濡れ場シーンあり。)
 特にセガールは、ありきたりな麻薬王のキャラクターでありながらな、セガールの主演映画ではまず見られない展開なんです。でも最後は、「ハラキリ」でしめるところは、日本通である彼らしい決着の仕方ですね。

 そしてラストの自警団隊、移民グループの全面戦争シーンは、見応えあるバトルシーンでした。
 続編のありそうな終わり方だったので、続きを多いに期待しています。

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