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映画レビューアーフォーラムコミュの【ネタバレアリ】『大奥〜永遠〜[右衛門佐・綱吉篇] 』[2012年12月22日公開]

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●Introduction
疫病で男性の数が激減し、男女の立場が逆転した江戸時代の大奥の模様を描いて人気を博しているよしながふみのコミックス「大奥」。この「大奥」を原作に、第五代将軍徳川家光と右衛門佐の秘めた愛を描いたのが本作『大奥〜永遠〜[右衛門佐・綱吉篇]』だ。“男女逆転”という設定以外は、ほぼ史実に忠実な物語となっている。世継ぎを作る事を責務とされ、夜な夜な子作りに励まざるを得ない哀しい女将軍・綱吉を演じるのは、菅野美穂。そして、野望を持って大奥に入り、綱吉を影からじっと見守る大奥総取締・衛門佐を堺雅人が演じている。監督は前作『大奥』でも監督を務め、ドラマ版「大奥〜誕生[有功・家光篇]」でもメイン演出を務めた金子文紀。

よしながふみの人気コミックを実写映画化した「大奥」シリーズ第2弾。徳川綱吉の時代を舞台に、男女が逆転した大奥で繰り広げられる愛と野望のドラマを豪華絢爛なビジュアルで描く。監督は、前作に続き金子文紀が担当。出演は「ジーン・ワルツ」の菅野美穂、「鍵泥棒のメソッド」の堺雅人、「真幸くあらば」の尾野真千子。

男女逆転の世が誕生した三代将軍家光の時代から30年。時は元禄、才能と美貌を備えた五代将軍綱吉(菅野美穂)の時代。徳川の治世は最盛期を迎えていたが、大奥では後継者を巡って正室と側室の激しい派閥争いが起こっていた。そこに、貧しい公家の出身ながらも並外れた才気を認められ、京から右衛門佐(堺雅人)という男が大奥入りを果たす。やがて右衛門佐は、類いまれなる野心と才覚で巧みに綱吉に取り入り、総取締として大奥での権勢を掌中に収めていった。一方、一人娘の松姫を亡くした綱吉は、政から遠ざけられ世継ぎ作りに専念。だが、夜ごと大奥の男たちと閨を共にするが一向に懐妊しない綱吉は、陰謀渦巻く大奥で孤独と不安に苛まれていく。妄執にとらわれた父・桂昌院(西田敏行)に従い“生類憐みの令”を発令するも、国は乱れていくばかり。そんな中、運命に翻弄され、生きる気力をも失った綱吉に手を差し伸べたのは、人知れず綱吉を見守り続けていた右衛門佐だった。出逢いから数十年。愛よりも権力に生きたかった男と、徳川家という宿命に生きる定めを負った女将軍が手を取り合う。果たして世の中は、再び天下泰平を取り戻すことができるのか……。
[2012年12月22日公開]

コメント(1)

 本当は違う作品を見るつもりで、時間が合わず仕方なく見てしまった作品。男女逆転設定によるユニークさが、本作を受け入れることが出来るかどうかの試金石となるでしょう。前作から疑問に思っていたので、本来は鑑賞することなどあり得ない作品でした。
 残念だけど、鑑賞後も男女逆転設定に必然性を感じることはできずに、逆に疑問が膨らみました。

 そもそも、特殊な伝染病により男子が激減してしまうという設定には異議はありません。実際に江戸時代には淋病が蔓延して、一歩間違えば本当に本作の
ような状況となっていたかもしれないのですから。
 しかしだからといって、女系継承システムにしたのは、権力継承にものすごい欠陥を発生させることになってしまいました。女の継承者であれば、生殖機能に自ずと生理的期限が発生してしまうのです。
 それだったら、いくら数が少なくなったとしても。側室が認められる男子継承のほうが。権力としては安定するのではないでしょうか。男性ならいくつになっても、相手さえ若ければ子作りは可能なわけですから。


 菅野美穂演じる綱吉は、権力継承を第一義と義務付けられて、文句も言わず毎夜の営みに全力を傾けることになります。けれどもどんなに頑張っても妊娠できません。相手の男も夜の営みのパートナーとしては、萎縮し切っているので、男として機能させるところまでリラックスさせることも一苦労だったことでしょう。
 そんな営みを延々強いられて、毎晩その目的の為だけに男を変え、その身体を受け入れうち、綱吉のこころは沈んでゆくのです。美形に囲まれて、初めは良かったことでしょうけれど、毎晩となると、国事から離れ、国家の安泰のために子作りを強いられる毎日に刹那を強く感じてしまうわけです。
 本作では、犬公方と呼ばれた圧政ぶりはほどほどに、徹底して綱吉の孤独で虚ろな心境にフォーカスしていきます。

 そんな虚ろな綱吉のこころの支えとなるのが、右衛門佐でした。彼は貧乏公家の出自ながら、大奥へ出自した途端に才覚を発揮して、瞬くうちに大奥総取り締まりの実権を手に入れます。出世の原動力となったのは朱子学や儒学の博識を武器に、誰も畏れを抱いてイエスマンとなっていた取り巻きの中で、ひとりズバリ諫言した肝の据わった信念でした。

 右衛門佐は安易に綱吉の側室とならなかったことが不思議に思えました。まつり事には、あまり口を挟まぬものの、いつも厳しい諫言で、綱吉の信頼を得て、綱吉のこころを支える存在となっていったのです。
 自らはネズミだと自嘲する右衛門佐とって、権力闘争する野心もなく、ただ何とか生き抜ければ良いという場当たり的なものでした。そんな右衛門佐を大奥に執着させたのは、実は綱吉を一目惚れしたことからでした。一見クールに将軍に仕える右衛門佐が、こんな熱い思いを綱吉に抱いたなんて意外でした。
 晩年になって、その深い胸の内を初めて右衛門佐が明かすとき、綱吉がひとりの孤独な権力者の顔から、みるみるうちに女の顔に変わっていくのです。右衛門佐の愛は、長年に子作りマシーンにさせられていた綱吉を解放して、人に愛される歓びを知らしめるのでした。
 
 奇天烈な男女逆転劇は、綱吉と右衛門佐の普遍な純愛に昇華していくのです。この方向性には好感が持てました。ともすると若い男子を侍らせた濡れ場シーンが売り物のエロ満載作品となりやすいところ。

 それを菅野美穂と堺雅人というキャストが若者層にアピールする面々ではないものの演技派を起用して、万感の思いを募らせた純愛を演じさせるというのは、興業面を考えたら冒険に近い試みだと思います。
 そこを敢えて女性向けなのに骨太なテーマ性にこだわり、演技派の出演陣と精密な時代考証で、見た目を徹底した本格時代劇にしたことを評価したいと思います。映画ファンなら菅野美穂と堺雅人のスリリングな掛けあいとそれぞれの心情の迸る演技は一見の価値有りとお勧めします。

 まぁ、女性の方がこの作品を見ると、権力者がどれだけ重い責任感の重圧と闘っているのか実感できることでしょう。

 従来の綱吉像よりも、孤高で賢く感じてしまうのですが、その分世間一般でイメージされている暗愚さは、父親の桂昌院が担っています。世継ぎが産まれないわが子に何とか産ませようと奮闘する桂昌院。自らが幼い時に犬を殺した罪悪感から生類憐れみの法を将軍に進言してしまう親バカぶりを発揮してしまうのですね。そんな溺愛ぶりを西田敏行が熱演していました。

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