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映画レビューアーフォーラムコミュの【ネタバレアリ】『グッモーエビアン!』 [2012年12月15日公開]

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●Introduction
 名古屋在住の作家、吉川トリコ原作の同名小説を映画化。自由気ままに生きる母とロックが捨てられない彼氏ヤグに育てられた主人公ハツキが、二人の生き方を受け入れ、成長するまでの姿を描く青春ストーリー。型にはまらない母アキの生き方が許せず、恥ずかしく思っていたハツキ。しかし、わがままな態度を初めてヤグに起こられ、叩かれた時、ハツキの心は、両親と同じROCKに向かい始めるのだった。演技に磨きがかかった大泉洋のヴォーカルが超カッコいい!出演は、麻生久美子、大泉洋、三吉彩花(ドラマ『高校生レストラン』)。竹村哲、MAHら、ミュージシャンが多数出演しており、ファンは見逃せない。監督は、『キズモモ。』の山本透。

吉川トリコの同名小説を原作に「キズモモ。」の山本透が映画化。パンクバンドのギタリストだったシングルマザーとその娘、海外の旅から戻ってきた男が織り成す風変わりな家族を描く。出演は「モテキ」の麻生久美子、「探偵はBARにいる」の大泉洋、「告白」の三吉彩花、能年玲奈、「ペンギン夫婦の作りかた」の小池栄子。

中学3年生のハツキ(三吉彩花)は、名古屋市内のアパートで母のアキ(麻生久美子)と二人暮らし。以前パンクバンドでギタリストをしていたアキとハツキは友達同士のように仲がいい。桜が満開の頃、1年半前から「世界ツアーにでる」と言って音信不通になっていたヤグ(大泉洋)から葉書が届く。そこにはカンガルーの写真と共に「グッモーエビアン!」と書かれていた。半年後。ハツキが商店街を歩いていると、世界放浪を終えて突然帰国した薄汚い格好のヤグに出会う。その日からアキとハツキ、そしてヤグの騒がしい3人暮らしが復活した。15年前、ヤグは自分が父親ではないにもかかわらず、ハツキを身ごもっていたアキにプロポーズ。当時アキは17歳、ヤグは中学3年生。やがてハツキが無事に産まれ、3人は一緒に暮らし始める。アキとヤグはバンド活動も続け、籍は入れなくとも3人は家族同然だった。だが2年ぶりの3人暮らしにハツキは戸惑いを隠せない。仕事もせずにその日暮らしをするヤグと、それに対して文句も言わないアキにも理解できなかった。そんな中、ハツキの親友、トモちゃん(能年玲奈)に「あんな人がお父さんだったら毎日楽しそう」と言われ、思わずハツキはキレてしまう。だが翌日、トモちゃんは学校に来なかった。両親が離婚して、母親の実家がある鹿児島へ引っ越してしまったのだ。ハツキが呆然としながら授業を受けていると、突然ヤグが教室に侵入。先生に取り押さえられながら「ハッちゃん、『さよなら』と『ありがとう』は、言える時に言わなダメ!」と叫ぶヤグの声にハツキは教室から駆け出してトモちゃんの見送りに向かう。ヤグのママチャリの荷台に乗って空港を目指すが、トラックと接触事故を起こし、結局トモちゃんの見送りはできなかった。幸い軽い怪我で済んだヤグは、病室に迎えに来たアキに「またバンドがやりたい」と切り出す。ある晩、アキが帰宅すると、待ち受けていたハツキの担任教師、小川(小池栄子)から、ハツキが就職を希望していることを初めて聞かされる。就職をして一人暮らしをするというハツキはどうやら、自分がアキとヤグの暮らしに邪魔な存在だと思っているらしい。家を飛び出し、土手に座っているハツキを見つけたアキは、本当の父親のこと、ヤグが中学卒業後すぐに両親を事故で亡くしていること、ハツキの名付け親がヤグであることを打ち明ける。春。中学を卒業し、パンクテイストのファッションに身を包むハツキとトモちゃんが薄暗いライヴハウスにいた。ステージではヤグが歌い、アキがギターを弾きながらコーラスをしている。MCでヤグは「アキちゃんと結婚します」と宣言、温かい拍手と愛情溢れる野次を贈る観客の中に、少し大人になった笑顔のハツキがいた……。
[2012年12月15日公開]

コメント(4)

 見た目のちゃらちゃらした雰囲気と違って、けっこう家族の絆に感動してしまったのが本作です。原作は、吉川トリコ原作の同名コミック。
 毎日をおもしろおかしく過ごす元パンクロッカーの母・アキ(麻生)としっかり者の娘・ハツキ(三吉)、そこに突然転がり込んできたバンドの元メンバーで、長年アキに思いを寄せ続けるヤグ(大泉)の3人が、葛藤しながらも様々な問題を乗り越えて家族の絆を深めていく姿を描き出すという物語です。

 アキとハツキは母子で仲良く名古屋で暮らしていました。17歳でアキを産んだとき、父親はDVで出産前に別れてしまい、母の細腕一つで育てたのに、アキは屈託無く成長していったのです。
 そんなある日、約2年間、海外放浪の旅をしていたヤグが突然帰国。アパートで2年ぶりの共同生活が始まったのでした。
 実は、ヤグとは学生時代からのバンド仲間。15歳の時、自分が父親ではないハツキを身ごもっていたアキに結婚を申し込み、家族同様に暮らしてきたのでした。ヤグはハツキとアキに愛情を注ぎ、アキはヤグを面白がることで、まるで本当の家族のような関係が成立していたのです。そんな関係になったことを、ヤグは全てロックッンロールで説明づけてしまうのです。実際にヤグとアキの関係は、単なる男女の関係を超えた、同志的な連帯感を強く感じられました。血のつながり以上の絆が、3人を強く結びつけていたのです。
 ところが、放浪から戻っても相変わらず自由奔放な性格のヤグと、働きもしない彼を明るく笑い飛ばすアキの2人を、ハツキは許せず、イラついてしまうのですね。非常識な大人に囲まれて育ったハツキは、年頃に似合わず常識を重んじるしっかり者に育っていました。反面教師のごとく振る舞う大人たちを見て、ついついだめ出しをして反抗してしまうという気持ちはわかります。ただそこには、父親を知らずに育ったハツキに断りもなく置き去りにして、勝手に放送の旅に出かけれてしまったヤグへの、甘えたかった気持ちも込められていたのですね。

 ここで解説すると、大泉洋が演じるヤグは何事もテンション高めのウザイ存在なんですね。観客が見ても生理的な不快感を禁じ得なくなるのは、ハツキの視点でヤグを観察しているからなんです。ハツキは親友のトモにヤグの言動をいちいち報告します。その関心の高さをを察すると、ホントはハツキはヤグに愛されたいんだという気持ちがバレバレなんですね。ハツキというフィルターを通してヤグを描くところが演出としての巧みさを感じました。

 そんな中、ハツキの親友トモがハツキとけんかしたまま転校してしまいます。自分がヤグにカリカリしていたばかりに親友の大事な転校の打ち明け話を聞いてあげられなかったことにショックを隠せないハツキでした。後悔するハツキの気持ちがこもっていて、なかなか心の迫ってくるいいシーンでした。

 そんな時、担任が家庭訪問に訪れてアキは、ハツキが自分の将来に、重大な決断を下したことを知ります。担任は進学を勧めるものの、アキはきっぱりと大人が決めたレールを行くのではなく、自分の将来は自分で決めるべきだと担任に言ってのけるのです。

 そんな親心を露とも知らないハツキは、自分のことなんかよりもヤグに向いているんだ。自分は邪魔存在なんだとアキに対して反抗心を募らせます。その時ヤグがあり得ない行動に出るのですね。アキをなじった言葉に切れたヤグは、ハツキをビンタしてしまうのです。このとき、きっとハツキはヤグに父親としての存在感を感じたことでしょう。

 
家を飛び出したハツキに、はじめてアキは自分とヤグの過去を話すことに。それは親としてというより人生の先輩としての愛情がこもっていてグッときました。
 劇中では語られなかったのだけど、たぶんハツキは片親で育ったことがコンプレックスに感じていたことでしょう。自分の孤独を誰にも言えず心の奥にしまい込んでいたのでしょう。親友との別れとアキやヤグの思いを知ったハツキは、愛されていないのではなく、いつも大きな愛に包まれていたことを悟るのですね。ラストで大きく精神面で成長するハツキの気づきに感動しました。でも、結局ヤグは変わらないまま(^^ゞこんなことでいいのかなと思っていると、納得のラストシーンが用意されていました。ラストでヤグの伝説のバンドが復活して、かっこいいところをハツキに見せ付けるのですね。

 とにかくヤグに没入して弾けまくった大泉洋はもう雰囲気ぴったり!そして、ライブシーンも実にそれぽっく演じていて、頼りなさそうなヤグのイメチェンぶりが素晴らしいのです。意外や意外で麻生久美子もギターを猛練習した結果、なかなかクールに弾きこなして、様になっていました。この時、麻生は妊娠していたとかで、母親としての優しさも滲み出ていたと思います。

 特筆したいのはハツキを演じた三吉彩花。多感なハツキの気持ちを繊細な演技でよく演じていました。またカメオ出演ながらフリーマーケットの店番役でさりげなく登場する土屋アンナが抜群の存在感を放っていたのです。

 麻生と大泉と三吉が本当の家族のようにはまっていて、見ているだけでハートウォームになってくる作品でした。

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