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映画レビューアーフォーラムコミュの【ネタバレ有り】『リアル・スティール』[ 2011年12月9日公開 ]

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●Introduction
スティーヴン・スピルバーグとロバート・ゼメキスが製作総指揮を手がけ、『ナイト・ミュージアム』のショーン・レヴィが監督を務める本作。2020年という近未来を舞台に、ロボット・ボクシングを通して心を通わせていく父と息子、少年とロボットの物語だ。ヒュー・ジャックマン演じるダメ親父と、ダコタ・ゴヨ演じる生意気な少年が、一つの目的に向って進むうちに親子の絆を強くしていく過程は、なんとも心を打つ。しかし、ただの感動物語だけではなく、『トランスフォーマー』のようなロボット同士の対決の迫力と面白さや、場末の賭けボクシングの世界の怪しさ、自分より強い選手に戦いを挑むスポーツ映画としての魅力といった様々な楽しみ方がある作品だ。

製作総指揮スティーヴン・スピルバーグ&ロバート・ゼメキス×ショーン・レヴィ監督(「ナイトミュージアム2」)によるSFアクション。ロボット同士の格闘技が人気を集める世界で、ボクサーとしての夢破れた男が、息子との絆と自分の再起を賭けて戦う。主演は「ウルヴァリン:X−MEN ZERO」のヒュー・ジャックマン。

チャーリー・ケントン(ヒュー・ジャックマン)はかつて将来を嘱望された期待のボクサーだった。チャンピオンを目指してトレーニングに打ち込んできたものの、時代は高性能のロボットたちが死闘を繰り広げる“ロボット格闘技”の時代に突入。もはや人間のボクサーは生きる場所を失い、チャーリーは人生の敗残者も同然だった。辛うじてロボット格闘技のプロモーターとして生計を立てているものの、乏しい資金力で手に入れられるロボットは、リングの上であっという間にスクラップ状態。人生のどん底にも関わらず、さらなる災難がチャーリーに舞い込んでくる。赤ん坊の時に別れたきりの息子マックス(ダコタ・ゴヨ)が最愛の母を亡くして、11歳になった今、初めて彼の前に現れたのだ。だが、マックスは、そう簡単にチャーリーに心を開くはずもなく、親子関係は最悪の状態。そんなある日、2人はゴミ捨て場でスクラップ同然の旧式ロボット“ATOM”を発見する。それが、彼らの人生に奇跡を巻き起こす“運命の出会い”であることに、チャーリーもマックスもまだ気づいていなかった……。
[ 2011年12月9日公開 ]

コメント(2)

 近未来のSFを借景に、親と子の絆を描く手法は、まさにスピルバーク監督の初期の手法です。『タンタンの冒険』といい、スピルバーグは原点回帰を始めたのでしょうか。、 いかにもSF的な人間の闘争本能を挑発する最新ロボットの死闘を見せながら、孤独な息子に引きずられて変化する父と子の絆を描くことで、親子の情愛を熱く浮かびあがらせる作品でした。『あしたのジョー』にも負けないボクシングシーンも、エモーショナルな表現もどちらもパーフェクトな感動を与えてくれました。

 物語は2020年のアメリカ。この時代では、人間による格闘技はすたれ、代わりに人型ロボット同士が戦う派手なロボットボクシングが大人気となっていました。
 ボクシングのチャンプだったチャーリーも、今では格闘用のポンコツロボットをトラックに積んで、どさ回りで日銭を稼ぐ日々。しかし、いつも闘争心が災いして、収入源のロボットは壊されてしまいます。本拠地のジムは、家賃さえろくに支払えず、追い出される寸前に。そんなチャーリーに、突如11年ほど前に捨てた妻に押しつけたはずの息子マックスを連れて、元妻の姉が現れます。姉は元妻が死んだことを告げて、マックスの親権の譲渡を主張します。
 チャーリーがいかに父親としてダメダメなのか、はっきりするのはこのとき。姉夫妻が金持ちであることに目をつけたチャーリーは、マックスをひと夏預かることで、その間の生活資金としてロボット購入資金をまんまとせしめてしまうのです。全く、父親の自覚も愛情もないままに。
 
 マックスは大人じみた賢い子で、そんなチャーリーを見抜き、カネのためだけに僕を預かったのと憤ります。ただ日本びいきでプレイステーションのマニアだったマックスは、チャーリーの仕事であるロボットボクシングにすぐにのめり込んでいくのでした。
 けれどもチャーリーの短気で力任せの試合運びに、ゲームで戦略を培ってきたマックスは納得できません。自分をだしに買ったロボットが一発でスクラップになってしまう結果に、ふたりは大喧嘩してしまいます。

 とはいっても虎の子をスクラップにしてしまったチャーリーにはこの先あてがありませんでした。そんな時、マックスが泥だらけのゴミ捨て場で発見したATOMというロボットを掘り出します。ATOMは格闘用ロボットでなく、やや小型のスパーリング用ロボットで、チャーリーは試合には無理だと否定。でもATOMが持っていた学習模倣機能はなはなかなかのものだったのです。このATOM、埴輪のような穏やかな顔立ちで、名前といい、表情といい、日本由来と思わせないでもないですね。
 所有者の命じるまま動いてマックスと踊る姿はなかなか愛嬌を感じます。制止時はフルスケールで作り上げたそうですが、激しく動くところはCG。それとは気付かせないシャープな動作表現が見事です。

 この学習模倣機能は、元チャンプのチャーリーも活かすことになりました。自分のボクサーとしてたたき上げた業の全てをATOMに注ぎます。そしてマックスが模倣機能を使ってATOMとともに試合前に踊るダンスが人気になっていきました。気持ちの離れた父と子は、ATOMと試合をこなしていくうちに一つに繋がっていったのです。展開は決まり切っているものの、盛り上げ方が上手く、泣けてきます。

 やがてマックスの挑発に応じた、無敗を誇るワールド・チャンピオン、ゼウスがチャンピオンの座をかけての対決が決まります。この構図は「ロッキー」などと同じで、見る者みんながATOMに肩入れする盛り上がりとなるわけなんですね。けれども、そう簡単にクライマックスにはいきません。試合は夏の終わり。マックスは約束通り帰さなければいけません。父親として自信のないチャーリーは、マックスの将来のためにも、義母となる姉の元に行くように勧めてしまいます。
 果たして、この親子の結末は、そしてゼウス戦の結果は?
 エンディングは、圧巻の盛り上がりで、涙に包まれました。これ以上のネタバレは野暮になりますから、何も言いません。ぜひ大きなスクリーンでご覧になって下さい。

 それにしても、チャーリー役のヒュー・ジャックマンの見事なボディとボクサーらしいしいフットワークぶりには、秘密があったようです。彼のボクシング指導をシュガー・レイ・レナードという元スーパースターがやっているというから、納得です。ATOMのモーションキャプチャーにも参加しているというから、なるほどリアルティーのあるロボットバトルシーンができあがったわけですね。
 ダコタ・ゴヨはマックス同様に、大人を喰らう感情豊かな演技で主役の座をすっかりジャックマンから奪っていました。
 ATOMとマックスの同じ青い瞳が見つめあい、気持ちが通い合うシーンにある信頼の絆の幸せ。そこに加わるダメ父チャーリーの父性愛の目覚め。これはやはりスピルバーグならではの世界ですね。

 ロボット同士の格闘技が流行るまでになるのは。もう1世紀ぐらい必要でしょう。ロボット格闘技は手塚治虫も「アトム」で描いていたし、本作で活躍する旧式ロボットの名も何とアトム。ロボットを平和利用している発想は、欧米の軍事用とは明かにちがって手塚治虫へのリスペクトを感じます。そういえば、随所に本作では日本が登場します。マックスのゲーム機、そして日本語コマンドを話し、漢字を理解すること。さらに彼のお気に入りのTシャツには、日本語が書かれていました。また、ボクシング会場にはガンダムに似たオブジェがあったり、チャンピオン・ゼウスのデザイナー兼プロデューサーが日本人だったりなど、ロボット先進国である日本という国自体を随所でヨイショしている作品でした。
 だから、本作を見るちびっ子のなかから、日本の有望産業であるロボットに興味を持ち本当に本作の方のATOMを開発してくれる天才の登場を期待してやみません。

追伸
ATOMって「盗品」じゃあないの?黙って使ったらヤバイのでは?

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