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映画レビューアーフォーラムコミュの【ネタバレ有り】『メカニック』[ 2011年8月13日公開 ]

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●Introduction
 1972年にチャールズ・ブロンソン主演で製作された同名映画を、ジェイソン・ステイサム主演でリメイク。ジェイソン・ステイサムが、感情に流される事のないストイックな暗殺者を演じている。彼の助手となるスティーブを演じるのはベン・フォスター。未熟で感情に流されやすいスティーブをホットに演じ、クールなアーサーと好対照を見せている。飛び込み競技の世界的なアスリートだったステイサムの身体能力を活かしたアクションの数々も見応えあり。特に高層ビルの30階からアーサーとスティーブがロープ一本で降下するシーンは必見。ドナルド・サザーランドら癖のある脇役陣の演技も見逃せない。監督は『トゥームレイダー』のサイモン・ウェスト。

 証拠をまったく残さず、機械のように完璧に暗殺を遂行することから“メカニック”と呼ばれる殺し屋の姿を描くアクション。監督は「ストレンジャー・コール」のサイモン・ウェスト。出演は「ロシアン・ルーレット」のジェイソン・ステイサム、「パンドラム」のベン・フォスター、「フールズ・ゴールド/カリブに沈んだ恋の宝石」のドナルド・サザーランド。

 南米コロンビアの麻薬王が自宅のプールで暗殺、だが事件は事故死と判断された。闇の犯罪組織に雇われ、殺人の痕跡をいっさい残さない暗殺者、アーサー・ビショップ(ジェイソン・ステイサム)の犯行であった。常に慎重を期し、米ニューオリンズの沼地の奥にある隠れ家を誰に知らせることもない。クラブで知り合った美女サラ(ミニ・アンデン)との関係もその場限りで、誰とも組まずに孤独を受け入れる男。そんなアーサーの元に闇組織の雇い主サンダーソン(トニー・ゴールドウィン)から新たなミッションが下される。アーサーの親友であり、この仕事を始めるきっかけを作ってくれた恩人ハリー・マッケンナ(ドナルド・サザーランド)の暗殺。サンダーソンによれば、ハリーは組織を裏切って他の暗殺部隊を壊滅させたという。アーサーは葛藤を抱えながらも、プロとしてこの仕事を引き受ける。車椅子生活をおくるハリーを抹殺するのは、友人を騙すことに対する苦悩を除けば、たやすいことだった。ハリーの葬儀に出席したアーサーは、ハリーの息子・スティーブ(ベン・フォスター)と再会。父を殺したヤツに復讐したい、そして父がアーサーに教えたことを自分も教わりたいというスティーブ。アーサーは罪悪感も手伝い、彼を助手に迎え、暗殺のテクニックすべてを叩きこもうとするのだった。最初の仕事こそ手際が悪かったが、スティーブはメキメキと腕を上げていく。勝手に助手を雇ったことがサンダーソンには面白くないが、アーサーは使えるヤツだと説得する。次なるターゲットは自称“救世主”のカリスマ的な金満宗教家。二人は標的が滞在するホテルに手際よく潜入。だがスティーブのちょっとしたミスから、派手な銃撃戦は避けられなくなる。この頃から、何かが確実に狂い始めていた。死んだはずの男の突然の出現、ハリー暗殺ミッションの意外なからくり、そして父を殺したかもしれないアーサーに対するスティーブの疑念。誰を信じ、誰を敵とみなすべきか。混沌とした状況下、アーサーの命を懸けた戦いが始まろうとしていた……。
[ 2011年8月13日公開 ]

コメント(2)

 本作は、1972年にチャールズ・ブロンソンの主演に公開されたオリジナルは、リメイク版。脚本の完成度はオリジナル版の時から高く、緻密に計算された暗殺計画を実行することでメカニックと呼ばれた殺し屋の手際をスリリングに描いていたようです。
 リメイクに当たって、アクションやスピード感がパワーアップ。後半で展開される組織のボスとの対決シーンは、これでもかというくらいの派手なカークラッシュシーンが続き、息を飲み込みました。

 オリジナルとはストーリーや設定が大幅に変更されていますが、全編に張り巡らされた緻密な伏線は、オリジナルにひけを取りません。まるで作品自体が精巧なメカニックと例えたくなるくらい伏線がピタピタとはまっていきます。加えて、終盤のドンデン返しの巧みさに惚れ惚れしました。この手の映画好きには期待を絶対裏切らない出来映えです。小地蔵ははやくも今年ベストワンに押したいくらい興奮しました。
 サイモン監督が、チャールズ・ブロンソンに対抗し得る主役として抜擢したのが、ステイサム。彼を主役にもってきたことで、嫌がおうでも人気シリーズであり彼の当り役となった『トランスポーター』と比べられるリスクは大きかったと思います。何しろ厳格なルールでクライアントの依頼を完璧にこなすという点では酷似しています。サイモン監督は無謀にも、徹底してリュック・ベッソンとヨーロッパ・コープ作品をパクル演出プランを立てたのではないでしょうか。主役およびそのキャラだけでなく、ポップなサウンドのノリや彩度の高めのエッジの効いた映像など、リュック・ベッソンの手法をそのまま取り込んでいます。ヨーロッパ・コープ作品といっても充分通用するくらいなのです。

 けれどもそんなパクリ疑惑を乗り越えて、サイモン監督はステイサムの魅力を『トランスポーター』よりも引き出しました。本作の方が、主人公のキャラが寡黙で、よりシリアスに描かれていて、渋面のステイサムをより男臭く見せてくれるのです。だから、ステイサムのファンの方は絶対必見ですぞぉ!

 物語は冒頭から画面に釘付けとなります。南米コロンビアの麻薬王を警戒厳重な自宅のプールで暗殺するわけです。その手際の良さといったら驚愕ものです。
 次の組織の依頼は、何と恩人で親友のハリーの暗殺でした。阻んでも、誰かが殺すならと渋々引き受けたアーサーと対峙し殺される覚悟を決めるハリーの場面が素晴らしい演技のやりとりでした。実は、ハリー役のドナルド・サザーランドは、『24』主演のキーファーの実の父親なんです。『24』では親子役での共演が実現しなかったけれど、この人本当に演技が上手い!名脇役と言われる所以をこのシーンで感じました。

 父親を殺害したことを負い目に思ったのか、アーサーはプータローだったハリーの息子スティーブを弟子として迎え入れ、鍛えます。必死で親の敵を探すスティーブでした。師弟関係でありながら、仇敵関係でもあるアーサーとスティーブの間柄は、いつ抱えた親殺しの秘密がバレて、仇をとろうとするのか、ずっとハラハラさせられました。
 父親の遺品を発見したとき、全てを知ったスティーブは、復讐を実行しようとします。アーサーのルールの一つに、勝利するためには万全の準備を怠るなという戒めがありました。スティーブは緻密に計画を立ててアーサーを殺害します。
 しかし、アーサーの警戒心は、スティーブの想像を上回るものでした。まるでリモートコントロールのような、スティーブへの反撃手段ときたら、もう本当にまさかと思いましたよ(^^ゞ死んだはずのアーサーがどうなったかはエンドロール直前をご覧ください。

 中盤の組織の計略で恩人を殺すはめになった展開もなかなかです。またスティーブに殺し屋としてのノウハウを教えている場面も目が離させません。何しろ孤独なスティーブのためにとチワワを買い与える行為までもが次の殺しの準備に繋がっていたのですから。
 そんなわけで、本作は2度見ても楽しめるくらい緻密な組み立てとなっていました。どんなに凄いのか、ぜひぜひスクリーンで確認下さい。

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