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映画レビューアーフォーラムコミュの【ネタバレ有り】『赤ずきん』 [ 2011年6月10日公開 ]

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●Introduction
 グリム童話でお馴染みの「赤ずきん」の物語は、確かに犯罪の匂いが濃厚だ。狡賢くて貪欲な狼が、幼い少女をまんまとかどわかすのだから。実は残酷で怖いそんなおとぎ話を、禁断の恋、受け継がれる恐怖の血脈といったロマンティックでサスペンス・ホラーな視点で映画化したのが本作。監督は『トワイライト〜初恋〜』のキャサリン・ハードウィック、ヒロインには『マンマ・ミーア!』でブレイクしたアマンダ・サイフリッドが扮し、共演には狂信的な役をやらせたら右に出るもの無しの名優ゲイリー・オールドマンや、オスカー女優ジュリー・クリスティら豪華な顔ぶれが揃った。製作にはレオナルド・ディカプリオも名を連ねている。

 世界中で愛されるグリム童話『赤ずきん』のその後を描いたファンタジーサスペンス。美しく成長した“赤ずきん”の暮らす村が、正体不明の人狼に襲われる。出演は「マンマ・ミーア!」のアマンダ・サイフリッド、「ダークナイト」のゲイリー・オールドマン。監督は「トワイライト〜初恋〜」のキャサリン・ハードウィック。

 美しく成長した年頃のバレリー(アマンダ・サイフリッド)は、両親によって村一番の裕福な一族の跡取りヘンリー(マックス・アイアンズ)との婚約が決められたことを知らされる。だが、彼女には幼馴染みで木こりのピーター(シャイロー・フェルナンデス)という、将来を誓い合った恋人がいた。2人はすべてを投げ捨てて駆け落ちを決意するが、血のように真っ赤な満月の夜、すべてが一瞬にして変わってしまう。バレリーの姉が何者かに殺されたのだ。この村では長年に渡って、動物の生け贄を捧げることで平和を保っていたが、“それ”は協定を破ったのだ。怒りに震え、復讐に燃える村人たちは、魔物ハンターとして名を馳せるソロモン神父(ゲイリー・オールドマン)を村に招く。だが、やって来たソロモンは、村人たちに思いもよらぬ事実を告げる。犯人=“それ”は満月の夜だけ狼に変わる人狼だというのだ。“それ”は正体を隠したまま村に紛れているというソロモンの言葉によって、疑心暗鬼を募らせる村人たち。次々に犠牲者が増えるなか、パニックに陥ってゆく。そして13年に一度の赤い惑星と月が並ぶ夜。血のように赤い月の下でついに“それ”は姿を現す。そして、“それ”はバレリーに話しかける。“俺はお前をよく知っている。一緒に来い”。一体“それ”は何者なのか?手がかりはダークブラウンの瞳だけ。愛するピーターなのか?婚約者のヘンリーか?それとも……?“それ”の目的がバレリーを連れ去ることだと知ったソロモン神父は、彼女を囮にして広場に拘束する。危機が迫る中、ついに“それ”の正体が暴かれるが……。
[ 2011年6月10日公開 ]

コメント(1)

 深い森を俯瞰して、赤ずきんの暮らしている村が映し出される冒頭は、なかなかの導入部でした。さて、『トワイライト』と同じ監督が演出しているだけに、オオカミの造形、そして深い森が舞台など共通点が多く見られます。なかでも人間ならざるものとの恋+イケメン同士の三角関係が描かれるところは、トワイライトシリーズの延長線上にあると言っても過言ではないでしょう。

 さて本作のキモは、誰が人間に化けているモンスター狼であるかという謎解きにあります。モンスター狼はゾンビと同じく、月が赤く染まる期間に、人に噛みつくと、"仲間"を増殖できるのです。従って、村人の誰もが、人間の外観をもつ狼として可能性があったのです。主人公の身近な存在に疑惑が高まるストーリー展開は、ラストに向けて一気に二転三転し、クライマックスでは本当に意外な人物が、「犯人」だったことがネタバレされて、びっくりしました。そこまで行き着くエピソードも、仕掛けが満載。エンターテイメントとしても推理サスペンスとしても、最後まで飽きさせず楽しませてくれました。

 主人公のバレリーは、幼なじみのピーターとの思い出は語られても、狼のことは全く触れられませんでした。トラウマになっているのかも?むしろ子供の頃自分が率先して、ウサギを捕まえて殺した残忍さが何度もリフレインされます。この残忍さって、意外と重要な伏線だったのですね。すっかり美しく成人した"赤ずきんちゃん"ではありましたが、お母さんからもらった赤ずきんをはおり、大きなくりくりした瞳を輝かされるところは、"赤ずきんちゃん"を彷彿させて余り有るものでした。

 さて物語は、永年の生け贄の風習を打ち破って、狼狩りに成功して浮かれる村の宴のシーンが冒頭に描かれてしまいます。えっ狼が冒頭で、もうやっつけられるのかと思いきや、モンスター狼が登場。村人の希望を打ち砕くように現れて、バレリーに詰め寄り、共に森を出ていこうと話しかけます。モンスター狼はどうやらバレリーの知り合いである可能性が高いようです。
 しかし、バレリーの姉がモンスター狼らしき存在に惨殺されていたことから、にわかにバレリーの身近な存在とは考えられませんでした。これは、ずっとラストまで見ているものの頭を悩ます矛盾として、ネタバレまで持ち越しました。
 それでもカメラは執拗に、バレリーの家族や恋人のピーター、そして母親がバレリーの婚約者に押しつけようとしているヘンリーなど、身近な人間が不審な行動をするところを追って行きます。実は、バレリーには出生の秘密があって、それを知ってしまうと、たとえ肉親であっても、狼である可能性を感じさせる、上手い脚本運びなのです。

 さて、バレリーが狼と「会話」した事実は、居合わせた友人の密告により露見してしまいます。村に招かれていた魔物ハンターのソロモン神父は、妻をモンスター狼に殺された恨みから、狼狩りのためには手段を選ばない無慈悲な鬼と成りはてていたのです。
 密告を聞いた神父は、バレリーを魔女扱いにして、教会の門前に監禁。モンスター狼を誘き寄せる"エサ"にしてしまいました。
 バレリーの危機に、対立していたピーターとヘンリーは三角関係の対立を一時解消。共闘するものピーターは捕まってしまいます。隙をみてピーターが逃げ出したとき、入れ替わるようにモンスター狼が登場します。そして観客の誰もが、ピーターが狼であるとしか思えない展開が続きます。
 ヘンリーによって、教会から脱出したバレリーは、森でピーターから、村を一緒に出ようと誘われます。その物言いは、狼が語ったこととそっくり。カメラは、緊張した面持ちのバレリーの表情をクローズアップしていき、パンして雪の中に燃えるように拡げられた深紅の赤ずきんを映し出しました。
 果たして、『トワイライト』と同様に、バレリーは狼人間の恋人となって生きるのかどうか、ラストシーンの大どんでん返し!!にご注目下さい。
 なお、ラストには古典の『赤ずきん』を彷彿させる、森のおばあちゃんの安否を気遣い、訪ねていくシーンが登場。そこには古典同様に狼が居合わせ、狼が誰だったのか衝撃の真実が明らかにされます。
 アマンダ・サイフリッドの赤ずきん役は、イメージぴったりでした。

 最後にひと言。こんな面白い映画を撮れるのなら、『トワイライト』ももっと意外性のあるストーリーを考えてもらいたいものですね。

追伸
 エンドロール後にひと吠え出てきますので、途中でお席を立たないようにして下さい。

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