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映画レビューアーフォーラムコミュの【ネタバレ有り】『塔の上のラプンツェル 3D』 [ 2011年3月12日公開 ]

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●Introduction
 深い森に囲まれた、高い塔の上で暮らしてきたラプンツェルは、黄金に輝く長い髪を持った少女。母親に「外は恐ろしい世界。絶対に出てはダメ」と言われつづけ、塔から一歩も出たことがない。そんな彼女の夢は、毎年、誕生日になると夜空いっぱいに現れる“不思議な灯り”を近くまで見に行くことだった。ラプンツェルの18回目の誕生日が近づいてきたある日、お尋ね者の大泥棒フリンが塔の中に迷い込んで来て…!?

1937年に、世界初の長編カラー・アニメーション『白雪姫』を生み出したディズニー・アニメーション・スタジオ。その記念すべき50作目の題材に選ばれたのは、奇しくも『白雪姫』と同じグリム童話で、ウォルト・ディズニー自身が生前に映画化を企画していた“ラプンツェル”(髪長姫)だった。監督は『ボルト』のネイサン・グレノ。作曲は『美女と野獣』、『アラジン』などで8度のアカデミー賞に輝くアラン・メンケン。そしてもちろん、製作総指揮はジョン・ラセターという最強の布陣で贈る本作は、早くも名作の呼び声が高い。なかでも、無数のランタンが夜空を漂うクライマックス・シーンの美しさは必見! ディズニー王国の底力を改めて見せつけられる、ハイクオリティな作品だ。
[ 2011年3月12日公開 ]

コメント(2)

 やっと昨日からいち早くMOVIX亀有が営業を再開。小地蔵の周りの千葉県や埼玉県の映画館が休業になるなかで、近場で唯一映画が見られるようになりました。
 ということで、早速出かけた次第です。

 これはもうディズニーアニメの50周年アニバーサリーを飾るのに相応しい名作でしょう。ジョン・ラセター製作+『ボルト』のイサン・グレノ監督といったら、世界最強のアニメ布陣です。そして、繰り出される映像は、パステルタッチの淡い色彩感溢れる映像。要所で息をのむほどの美しさに、涙が滲むほどでした。か
 そして3Dアニメとしての完成度も高いのです。時期的にどうかなとは思いましたが、大洪水のシーンなど、遠近感迫力において、今までにない臨場感でした。
 3Dと映像美の極めつけは、クライマックス・シーンの無数のランタンが夜空を漂うところ。無数のランタンが夜空を明るく映し出し、ラプンツェルとフリンがお互いの愛の気持ちを告白し合うという、うっとりするようなロマンチックなシーンでした。

 原作がグリム童話だけに、魔女に誘拐された王女様を、白馬の騎士が助けるという基本は、余り変わりません。ただ違うのは、本作の白馬の騎士は、一介のイケメン盗賊だったということです。普通ならあり得ない組み合わせなのが、たまたま役人に追われた盗賊が、逃げ込んだ先が、ラプンツェルの幽閉先の塔のなかだったところから、上手い具合に二人は出会い、恋し合う仲へと進んでいくのです。
 ただ盗賊だけに、どこまでが本気でどこまでが嘘なのか、ひょっとしたらラプンツェルが隠してしまった自分の盗品を取り返してしまったら、ドロンと消え去るのかも知れないと観客に思わさせてしまうところがポイントでしょう。果たして盗賊フリンは、白馬の騎士となり得るのかどうか。途中でアレ?どうなるのかなと思わしめる演出が、なかなか憎いところです。
 また、ラプンツェルのキャラクターもかなり現代的です。塔のなかに閉じ込められてきた割には、活発なお転婆娘で、塔のなかに侵入してきたフリンをフライパンで一撃してしまうほどの度胸の持ち主でした。またズケズケとホンネを語るという点では、奥ゆかしい白雪姫の爪の垢を飲ませてやりたいほどに、超マジな啖呵をたたみ掛けてくるのです。
 こういうところに、単に童話を3Dに変換するのでなく、現代人の感覚に合わせてキャラクターを作り込んでいく、製作者のセンスを感じました。
 こんな「王女様」だったから、捕まえた不審者のフリンの横顔をちらりと眺めただけで一目惚れしてしまっても、とっても自然な成り行きに感じられました。

 また、そんなラプンツェルを閉じ込める魔女の物言いは巧みで、一度下界を体験したラプンツェルをやはり塔のなかにいた方が安全だわと思わしめるように仕向けるのですね。

 しかしラプンツェルの夢は、どうしても毎年の誕生日の夜になると現れる“不思議な灯り”の正体を近くで見届けることでした。フリンのガイドで、その夢が叶ったとき、次はどうすればいいのとフリンに尋ねたときの台詞が印象的でした。フリンは「また新たな夢を見ればいいのさ」と答えるのです。
 そんなフリンも、盗賊を続けるのは夢の実現の手段に過ぎませんでした。そして彼自身も、何が本当の夢なのか分かったいなかったのです。
 ランタンが無数に舞い上がる夜に、二人はお互いの気持ちを知り合います。そして初めて知るのです。愛することの尊さと愛される歓びを。愛こそ互いの夢の実現だったのです。

 本作の隠れたテーマは、ディズニーアニメらしく、夢を持つことの素晴らしさが語られていきます。夢を持ち、語る人には、どんな悪党も根本的には、悪人ではないと説きます。それがフリンであり、二人を助ける「悪党」たちでした。テレビドラマの『悪党』みたいです(^^ゞ
 単なるお子様向けの勧善懲悪にしないスパイスの利かせ方は、大人の鑑賞に充分堪えうるものでした。

 ところで、『ボルト』の監督作品だけに、キャラクターの作り込みがなかなか個性的です。特にマキシマスという警護隊長を乗せて走る、危険知らずで仕事熱心な白馬はユニーク。ボルトに似て、一途にフリン追跡に執念を燃やします。乗り手がいなくなっても、単独で追い掛ける様は、何ともユーモラスでした。嗅覚で嗅ぎ回るところは、イヌみたいな奴です。そんなマキシマスでしたが、フリンを追った先でラプンツェルと出会い、彼女の優しさに懐いてしまうのです。ラプンツェルの夢のため、フリンともしぶしぶ協力することに。そのしぶしぶぶりが笑えます。

 本作は、白馬の王子様が王女を助けるのでなく、お節介な白馬自身がパカパカと王女様を助けてしまうのでした。
 
追伸
 本所の見せ場となるシーンでは、ミュージカル仕立てで描かれます。魔女やラプンツェルの気持ちが歌に込められると、余計に登場人物の気持ちが増幅されて感じられました。グッとくる歌曲も多く、思わず名作『オペラ座の怪人』を思い出したほど。 
 いっそ全編をオペラ仕立てでも良かったのではないでしょうか。

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