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ASEAN情報コミュの29.「姿の見えない」台湾IT企業の衰退説を疑え

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 台湾のIT(情報技術)企業が日本のメディアに取り上げられなくなった。旬をとうに過ぎたパソコンだけでなく、スマートフォン(スマホ)、タブレット(多機能携帯端末)も業績はパッとせず、頼みの綱だったEMS(電子機器の受託製造サービス)にも陰りが見える。半導体を除く主力企業が総崩れの様相をみせるなかで台湾IT衰退論も流れる。IT強者として日本企業をさんざん苦しめた台湾企業は歴史の表舞台から姿を消すのか。

 久々に、台湾企業でEMS世界最大手、鴻海精密工業の名前を目にした。米アップルが発表した「iPhone(アイフォーン)」の新型モデルに合わせ、同機種を受託生産している鴻海の株価をロイター通信の日本語版が11日伝えたのだ。経営不振に陥ったシャープへ出資すると発表した昨年春は日本メディアにも鴻海の名前が躍っていた。しかし、出資話は見送られ続け、最近は鴻海の露出もめっきり減ってしまった。今回のロイターの報道も、新製品発表後に鴻海株がアップル株に連れ安というさえない内容だった。

■サムスン電子の攻勢受け伸びず

 鴻海の露出が減ったのは何もシャープとの提携がうまくいかなかったからだけではない。日本円換算で10兆円以上の売上高を誇る鴻海は巨大企業として影響力を増してきた。だが、今年に入って状況は一変。8月までの鴻海の今年の売上高は前年同期比で7.5%減の2兆2865億台湾ドル(約7兆5400億円)にとどまる。韓国サムスン電子の攻勢を受けてアップルのスマホやタブレットが予想ほど伸びず、受託生産も伸び悩んでいるからだ。買収や出資などの華々しい事業拡大をする余裕はなくなりつつある。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1401A_U3A910C1000000/

 ノートパソコンの受託製造企業も業績は軒並みさえない。ノートパソコンは自社ブランドを持たない台湾EMS企業が世界の9割を製造するが、脱パソコンの急激な動きについていけていない。各社ともタブレットに生産の主力をシフトしているが、タブレットは製品価格がパソコンの半分以下。同じ台数を生産しても手元に残る利益はずっと少なくなる。自社ブランドでパソコンを販売する宏碁(エイサー)でも4〜6月期の純損益が3億4300万台湾ドルの赤字。エイサーに比べて堅実とみられていた華碩電脳(エイスース)の4〜6月期売上高は前年同期比で5%減、純利益も1%減だった。

■スマホ各社も苦境

 それでは、IT端末の主流に躍り出たスマホ企業が業績良好かといえば、これも苦境にある。宏達国際電子(HTC)の4〜6月期純利益は同84%も減ってしまった。HTCはサムスンなどに比べ企業規模が小さく、販売競争が激しくなるなかでマーケティング力で差がついた。主力企業が次々に不振へと転げ落ちるなかで、「台湾のIT産業は絶頂期を終え、衰退期に入った」との見方が出てきている。この春には「サムスンが台湾のIT産業の滅亡を画策している」との地元メディアの報道もあったほどだ。真偽は不明だが、台湾の不安感を映していることは間違いない。

 このままIT機器の生産はサムスンが覇権を握るのだろうか。気になる数字がある。韓国聯合ニュースによると、サムスンのタブレットの世界シェアは1〜3月期の18.9%から4〜6月期には16.9%に後退したという。実はタブレットもスマホも次々に低価格品が登場している。アップルにしてもサムスンにしてもこれまでのような高価格ではシェアを維持できなくなりつつある。低価格スマホやタブレットの興隆を支えているのは、台湾系の半導体設計企業や電子部品企業なのだ。

 とりわけ目を引くのは半導体設計企業の聯発科技(メディアテック)。工場は持たないファブレス企業だが、台湾積体電路製造(TSMC)など半導体受託生産会社(ファウンドリー)に依頼して製造、スマホ用の半導体を販売している。中国の小米科技など新興スマホメーカーは廉価版スマホ用としてメディアテックの半導体を利用しており、価格の安さを武器にシェアを伸ばしている。7月に聯発科技はタブレット用の半導体も発表し、市場攻略に乗り出した。タブレットもいつまでアップルとサムスンの天下が続くかわからない。

■価格低下の震源

 IT機器の価格低下の歴史を振り返ってみれば、そこには必ず台湾企業がいた。台湾企業は受託生産や部品製造に特化しており、姿が見えにくく、その存在が意識されたのはだいぶ後になってからだ。2000年代初めのパソコンの急激な価格低下は、広達電脳(クアンタ)など受託生産会社の大量生産が始まったからだ。薄型テレビの価格低下をもたらしたのも友達光電(AUO)など液晶パネルメーカーの登場による。さらに開曼晨星半導体(エムスター)がテレビ用のシステムLSI(大規模集積回路)を開発し、世界のテレビメーカーに売りまくった。メディアテックやエムスターなどファブレス企業を支えたのがTSMCなど台湾の半導体ファウンドリーだ。

 台湾企業の攻勢にさらされ、苦しんできたのはむしろサムスンの方かもしれない。サムスンのパソコン事業は台湾勢に押され、常に不振だった。液晶パネルや薄型テレビの価格低下も元をたどれば台湾企業が震源であり、サムスンの利益を圧迫した。日本企業も価格争いではサムスンというより、台湾企業に敗れたといった方が正確かもしれない。スマホやタブレットでも姿の見えない台湾企業の逆襲がいままさに始まろうとしている。台湾IT衰退説など唱え、軽視すれば痛い目に遭うことは間違いない。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1401A_U3A910C1000000/?df=3

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