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ASEAN情報コミュの28.低炭素化と経済発展を同時に目指すイスカンダル マレーシアで進むアジア最大級の都市開発

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 急速な経済発展に伴い、人口の急増が続くアジア。一方で、大気汚染やCO2排出量の増加、気候変動といった課題が膨らんでいる。そこで重要になるのが、CO2排出量を抑えた低酸素社会の実現である。社会インフラの整備が急ピッチで進むアジアの各都市では、将来を見越して、低炭素を意識したスマートシティづくりが進み始めている。代表例が、マレーシアの「イスカンダル開発計画」である。
急速な発展で環境対策が急務に

 マレーシアは、アジアの中でも急速な発展を遂げている国の1つである。これに伴い、都市部での渋滞、大気汚染、自然環境の破壊などの問題が深刻化している。生活水準の向上に伴い、エネルギー消費量とCO2排出量も増大。豪雨や洪水、土砂崩れなど、地球温暖化に起因するとみられる自然災害も増えている。このことから、環境問題への取り組みが重要性を増している。

 マレーシアは以前から、環境関連の政策を打ち出している。例えば2002年には「国家環境政策」、2009年には「国家グリーンテクノロジー政策」「国家気候変動政策」を発表した。

 グリーンテクノロジー政策では、製品へのラベル表示などを通じてグリーンテクノロジーそのものの認知度を高め、同時にグリーンテクノロジーを採用することに対する認識を公に広める。そして、こうした活動を通じて、製品・サービスを調達する際にグリーンテクノロジーが好んで選ばれるようにしていく。同時に、マレーシアでのグリーンテクノロジー製品の生産量増大、国内の大学や研究機関の協調の下でのグリーンテクノロジーの研究開発を活発化させる。

 こうした中にあって、マレーシアでは今、アジア最大級といえる開発プロジェクト「イスカンダル開発計画」が進められ、世界中から注目を集めている(写真1)。「低炭素社会」の実現を目指しつつ、貿易、工業、教育、観光などの産業を強化する総合都市開発プロジェクトで、日本からは国立環境研究所などが協力しているほか、三井物産などが都市開発に参画している。

2013年9月2日(月)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20130827/252685/?rt=nocnt

 アジア各都市でのスマートシティ・プロジェクトでは、低炭素社会に向けた取り組みが比較的多く見られる。公共交通機関の整備、水資源の確保、廃棄物処理システムの整備といった都市としてのインフラづくりと、再生可能エネルギーの活用やエネルギーの効率利用、エネルギー融通などの仕組みづくりを、同時に進めるわけだ。中でもイスカンダル開発計画は、開発地域の面積にして隣接するシンガポール国土の約3倍と極めて規模が大きく、テーマが複合的な、要注目のプロジェクトだ。

シンガポールと相互補完的な経済関係

 イスカンダル・マレーシア開発地域(IDR)はマレーシアの南端、シンガポールとちょうど接するジョホールバル地域にある。ジョホールバルは、ジョホール海峡を渡る「ジョホール・シンガポール・コーズウェイ」でシンガポールと結ばれている。シンガポールの中心部からジョホールバルまでは、車でちょうど1時間程度の距離である。シンガポールとジョホールバルの間は、出入国手続きも車に乗ったままでできる。

 この位置関係から、ジョホールバルとシンガポールは、相互補完的な経済関係を築きつつある。シンガポールに比べて物価が安く、土地にも余裕があるジョホールバルには、大規模な工場を設置されるほか、シンガポール企業の従業員の居住区の位置付けにもなる。これに合わせて、イオンモールなど商用施設もジョホールバルに進出している。

 IDRは、ジョホールバルの沿岸部にある。2025年の人口は300万人、世帯数は70万6000で、それぞれ2005年の約2倍に拡大。交通量を見ると、1人当たりの乗車距離が6倍強に膨れ上がる。飛行機のフライト距離も3倍強。CO2排出量は、約3倍の3020万トンに達するとの予想だ。

 この状況を受けてイスカンダル開発計画は、低炭素を軸としたものになっている。CO2排出量を少しでも抑え、気候変動への影響を減らすべく、低炭素社会をプロジェクト全体のテーマに据えた。ゴールは、2025年のCO2排出量を従来予測の40%減とすることである。

 イスカンダル開発計画、IDRとして、ひとまとめに紹介されることが多いが、実はIDRは非常に広く、開発も複数のプロジェクトとして別々に動いている。地域は広大で、1日かけてもすべてのプロジェクトを見て回るのは難しい。

5つの地域でプロジェクトが同時進行

 詳しく言うと、「ジョホールバルシティセンター」「ヌサジャヤ」「西ゲート開発」「東ゲート開発」「ジョホール国際空港周辺」の5つのフラッグシップ地域で、それぞれ取り組みを進めている。地域ごとの特性を生かして高度化する、複合開発プロジェクトである。

 例えばジョホールバルシティセンターでは、都市の中心部を金融機関などが集まるビジネス区域(Central Business District:CBD)としつつ、文化的な施設などを残し、さらにウォーターフロントには娯楽施設や商用施設をそろえる。この方針に合わせて、電気・水・ガス、交通機関、光ファイバーネットワークといったインフラを整備する。どこからでもインターネットを使える「ワイヤレスシティ」というビジョンに向け、無線通信環境も整える。

 西ゲート開発地区と東ゲート開発地区はどちらも大きな港があるため、これを生かし、電機や化学、食品などの産業を集め、輸出入などのゲートとなる街にしていく。

 イスカンダル・マレーシア地域開発庁(IRDA)は、これらそれぞれの地域での開発に低炭素の発想を持ち込む。これにより、インフラ整備とともに、産業の活性化を図る。一例が、IRDAが活動計画の1つに挙げている「再生可能エネルギーへのシフト」。太陽光発電、固形廃棄物や農業廃棄物を利用したバイオマス発電、水力発電など、新しいエネルギーインフラを作ることで、そのための雇用を生み出すと同時に、再生可能エネルギーの普及を促す。

 例えばパナソニックに対して計210kWの太陽光パネルを発注。2011年に複合施設の屋根などに設置した。米国シリコンバレーに拠点を置く太陽電池製造業Solexel社は、イスカンダル地域のセナイ・ハイテクパークと、パーク内の100エーカーの土地にプラントを建設して太陽光パネルを生産する覚え書きを交わしている。またIRDAが急ピッチで展開している公共住宅でも、屋根へのソーラーパネル設置が進められている(写真2)。

 IRDAによれば、イスカンダル開発計画は低炭素を中核に据えるように改めた2009年以降、開発のペースが上がっている。現時点でも、プロジェクト全体はまだ途についたばかりといった印象が強いが、フラッグシップ地域の間の高速道路開通、一部フラッグシップ地域での100%ブロードバンド化など、インフラ面の開発は既に進展してきている。公共住宅の建設も、周辺の学校などの施設設置を含め、整備が進んでいる。IDRの街は、あっという間にその表情を変えていきそうだ。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20130827/252685/?P=3&nextArw

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