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メタンHで日本を大資源国にコミュの国家プロジェクトチーム=メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム(MH21)へ送った質問状の回答

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■お問い合せ内容
莫大な量の純粋な水和結晶が海底の岩の上にそのまま露出してゴロゴロ眠り、採掘も利用も簡単な日本海について全く触れられていないのは何故ですか?

上記問い合わせに対して以下の回答は一見精緻な回答ですが、他の有識者の意見に照らすとワザと隠蔽している部分が認められるので現在改めて
質問状を送付し回答待ちです。

【回答】
この度はメタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム(MH21)のホームページをご覧いただきありがとうございます。

日本海側のメタンハイドレートについて説明する前に、まず、全体的なことからお話したほうがわかりやすいと思いますので、しばらくおつきあいください。
メタンハイドレート研究の歴史については、MH21ホームページの以下のページにまとめていますので、一緒にご覧いただければと思います。
http://www.mh21japan.gr.jp/mh/08/

世界の水深500m以深の深海の海底下に、メタンハイドレートが分布している海域があるということは1970年代から考えられており、日本でも太平洋側の南海トラフと呼ばれる海域にメタンハイドレートが分布しているらしいということが1980年頃からわかってきました。しかし、深海域というエリアは、資源開発という点では、未踏の海域であり、深海域の石油や天然ガスについても、開発の対象となりだしたのは、1990年頃からとなります(しかし、それには高度な開発技術が必要とされますし、石油の値段が下がりすぎると、深海域の石油の開発は開発コストのほうが高くなってしまうといったように、ハードルは相変わらず高いのが現状です)。
一方、南海トラフのメタンハイドレートですが、地震探査とよばれる調査が日本周辺海域で進み、さらに1995年からはじまった5年間の検討作業(「メタンハイドレート開発技術研究」)を経て、メタンハイドレートも対象とした掘削作業を行ってみようということになり、石油・天然ガス・メタンハイドレートすべてを対象に東部南海トラフ海域の一箇所のエリアで、1999年度に掘削作業が行われました(これは基礎試錐「南海トラフ」と呼ばれています)。残念ながら、石油や天然ガスは確認できませんでしたが、メタンハイドレートの存在が確認できたので、一躍日本のメタンハイドレート調査が世界の脚光を浴びる結果となりました。
この時発見されたのが、砂層中に存在していたメタンハイドレート層でした。
厚い砂層中に存在するメタンハイドレートが確認されたのは世界で初めてでした。砂層中に存在するメタンハイドレートが大事な理由は、それが石油・天然ガスの存在形態と同じだからです。石油関係の教科書を見ると、石油は地下の空洞のようなところに、プールの水のようにタップンタップン入っているように書かれていますが、実際は砂層の砂粒と砂粒の隙間に入っているのが石油や天然ガスの鉱床です。すなわち、石油・天然ガスと同じように存在するメタンハイドレート層が世界で初めて見つかったわけです。このタイプのメタンハイドレートを開発することは、以下の点で利点があります。
(1) 石油天然ガスの既存の機器を利用することができる。新しい機器を開発する必要がない。
(2) 地層中でメタンハイドレートを分解させてメタン(天然ガスと同じ)と水に分ければ(生産)、天然ガスの開発とまったく同じであり、海底面からの上の開発システムは天然ガス開発で用いられている設備とまったく同じものを使える。

一方で、その頃、ご質問されたような海底面近傍に存在するメタンハイドレートは世界中で見つかっていました。氷のような固まり状であることが多いことから、見た目は開発しやすいよう思えますが、以下の点で資源開発としては難しいと考えております。
(1) 石炭や海底熱水鉱床のように採掘しようとしても、海底面から海上に上げる間にメタンハイドレートは分解してしまい、メタンガスが海中に逸散してしまう。すなわち、石炭や海底熱水鉱床の採掘で使用している機器はそのまま使えず、新しく機器を開発する必要がある。
(2) 海底面近傍にメタンハイドレートが存在する周辺は、有害な硫化水素が存在することが多く、大量に採取するとなると開発が困難となる。

こうした理由から、南海トラフのような、砂層中のメタンハイドレートをターゲットとして開発研究を進めることになり、2001年度にメタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム(通称:MH21)が組成されました。

砂層メタンハイドレートが資源開発のプライオリティが高いことは米国のみならず世界的に認識されています。以下の資料をご覧ください。
原版(英語):Fire in the Ice(米国DOE発行)「Exploration Priorities for Marine Gas Hydrate Resources」(11ページ目)
http://www.netl.doe.gov/technologies/oil-gas/publications/Hydrates/Newsletter/HMNewsSpringSummer07.pdf#page=11
日本語版:石油・天然ガスレビュー(JOGMEC発行) 「メタンハイドレート−資源量評価の経緯と最新の成果−」(64ページ目)
http://oilgas-info.jogmec.go.jp/report_pdf.pl?pdf=200709_057a.pdf&id=1812

資源開発という観点から砂層中のメタンハイドレートにプライオリティをつけましたが、問題は、経済性が保てるほどそのタイプのメタンハイドレートが存在するかどうかが問題でした。すなわち、資源としての量が存在するかどうかです。
また、石油天然ガス開発と大きく異なるのは、地層中でメタンハイドレートを分解させるという「ひと手間」が必要であるということであり、メタンハイドレートの生産手法の確立が急務でした。

これを検証するのが「我が国におけるメタンハイドレート開発計画」のフェーズ1の目的でした。
もちろん、メタンハードレートの資源量については、日本全体を調査したいのですが、そのためには膨大なコストと時間が必要になります。そこで、もっとも研究が進んでいる東部南海トラフをモデル海域として詳細な調査を始めました。その結果は以下のページをご覧ください。大きな資源量が確認されたことがお分かりになると思います。
http://www.mh21japan.gr.jp/mh/03/

生産手法については、カナダの陸上で試験を行い、減圧法が有効であることを世界で初めて実証しました。以下のホームページをご覧ください。
http://www.mh21japan.gr.jp/mh/05/

このフェーズ1の調査が進んでいる途中で、経済産業省主体の基礎試錐「佐渡沖南西」の事前調査(2003年)が行なわれ、佐渡沖(上越沖)で海底面近傍に存在するメタンハイドレートが発見されました。基礎試錐「佐渡沖南西」は石油天然ガス開発のための井戸であり、また、先述の通り、砂層中のメタンハイドレートに主眼を置いていたので、このメタンハイドレートについては深く研究する予定はありませんでした。しかし、その後、東京大学・松本教授により学術研究として調査を始めていただいたので、基本的な研究が進みました。
一部で、この松本教授が実施した佐渡沖(上越沖)の調査にMH21が絡んでいないという噂が流れていますが、採取された試料の分析費などはMH21で一部負担しています。
また、日本地球惑星科学連合2008年大会という学会で、学術研究を進める松本教授のセッションと、開発研究を進めるMH21セッションが合同セッションとして登録され、合同パネルディスカッションを開催して、情報共有・これからの戦略を話し合いました。
日本地球惑星科学連合2008年大会
http://www.jpgu.org/meeting_2008/

その後、この関係は2009年に発行された「地学雑誌」(東京地学協会発行)のメタンハイドレート特集号へと結実していきます。松本教授とMH21の代表者が共同で企画した特集号です。以下のホームページをご覧ください。
特集号:メタンハイドレート(Part I):産状、起源と環境インパクト
http://www.geog.or.jp/journal/back/118-1j.htm
特集号:メタンハイドレート(Part II):探査と資源ポテンシャル
http://www.geog.or.jp/journal/back/118-5j.htm

特集号Part1の佐伯ほかの論文に見られるように、松本教授が調査を進めている海域について石油探鉱的手法を実施しています。

また、MH21では、2010年6月16日から25日まで、メタンハイドレートの賦存状況を推測するための科学調査を実施しました。東京大学及び産業技術総合研究所により実施された本調査は、フランスの調査船Marion Dufresne(マリオン・デュフレーヌ)号を用いて、多数のメタンハイドレート試料を採取しました。今後は日本海東縁のメタンハイドレートの詳細な賦存状況を確認するため、試料を使った様々な分析を進める予定です。本調査の詳細につきましては、以下のページをご参照ください。
 http://www.mh21japan.gr.jp/mh21wp/wp-content/uploads/nihonkai_toen4.pdf

今後ともメタンハイドレートに対する理解をますます深めていただければ、ありがたく思います。

メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム推進G HP担当

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メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム(MH21)
事務局
Email : mh21info@jogmec.go.jp
Website : http://www.mh21japan.gr.jp/
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