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政治の動きコミュの237.「円も人民元圏に吸いこまれる」 特別編:円と元の直接取引の影響について、真田幸光・愛知淑徳大学教授に聞く

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米国はうれしくない「円と人民元の直接取引」

――日本と中国が、円と人民元を直接交換する為替取引を開始した。

真田:米国はうれしくないだろう。円と人民元は米ドルを介在せず取引されるようになる。米国は、これまでのように日本と中国の間でどんな商品をいくらで交易しているか“のぞけ”なくなる。極端な例だが、日中が防衛技術を売り買いするようになっても、もう決済面からは米国には分からないのだ。米国が基軸通貨を持つ強みはそこにある。

 特に今は米ドルの基軸通貨としての地位が揺るぎ始めた時だ。それを加速しかねない。驚いた欧州の金融関係者から「日本は米国に根回ししてあったのか」「米国は怒ってこないか」などと問い合わせが相次いでいる。

――米国に根回ししてあったと思うか。

真田:それは分からない。ただ、これを期に人民元の基軸通貨への歩みは加速するだろう。中国は、香港ドルなどとの直接取引は開始していたが、日本円まで人民元にぶら下げる形にしたのは大きい。

 もし、米国の了解なしだったとすると、米国は日本に対し報復に出るかもしれない。為替レートも含め、日本からの輸入を減らす方向に動くはずだ。少し前までなら米国の消費者は日本製品を買って豊かな暮らしを実現していたから“輸入制限”すれば返り血を浴びた。だが、今や中国や韓国に生産拠点が育った。ここから買えば別段困らない。

日米離反に中国は大喜び?

――中国はどう出るか。

真田:米国の日本への報復はありがたい。経済的に中国がメリットを得るのはもちろん、政治的にも日米間に亀裂が走るからだ。日米離間を機に「アジア経済圏を作ろう」と日本に持ちかけるだろう。すでに日本は日中韓FTAの結成に動き始めている。それを金融面から加速できる。中国にとって実にいい話だ。

 少し前に発表された日中韓の国債の持ち合いも、極めて唐突な動きだった。今回の円と人民元の直接交換の布石だったのだろう。これらを見て「日本はろくな反対給付も得ずに中国に人民元の国際化をプレゼントしたのではないか」と世界の金融専門家が首をかしげている。

――日本政府は直接取引によって為替コストが減り、日本企業にとって有利になる」と説明している。

日本はドル体制維持が得

真田:それはある程度事実だ。しかしドルの地位を揺るがすのと比べた際、大きな利点とは思えない。ドルが基軸通貨としての地位を守っていた方が日本にとっては得だ。通貨は商売だけではなく、安全保障にも密接に絡むからだ。

――この連載で「経済的にも政治的にも韓国がどんどん中国に吸い寄せられている」と書いてきた。日本も金融面で「中国に吸い込まれている」ということか。

真田:そういうことだ。円と人民元の直接交換実現をもってして「日本は戦後初めて米国と対等の立場で米中を手玉にとり始めた」と主張する人も出るかもしれない。通商面でも、日本が米主導のTPPと平行して日中韓FTAに動いていることもある。だが、それはあまりに日本政府に好意的な見方だ。言い過ぎかもしれないが、米国と中国に言われたことを、その場その場で対応しているに過ぎないと私は見ている。

――欧州の金融の動揺はアジアにどう影響を与えるか。

真田:6月17日のギリシャの再選挙で急進左派が勝って、再建案の見直しを要求する可能性が高い。その結果、5%程度の低い確率とは思うがギリシャがユーロを離脱するかもしれない。この場合、イタリアなどにも飛び火して欧州全体が恐慌に陥る。その信用収縮は米国にも当然及ぶ。

 欧米の実態経済が悪化すれば輸出で成長してきたアジアも大きな被害を免れない。中国やインドなど国内市場が大きい国は、内需振興策で打撃を減らすことも可能だ。半面、韓国や台湾など輸出依存度の高い国は大変だ。日本の輸出比率は高くない。しかし、巨額の財政赤字が問題視され金融マーケットが突然、日本に「NO」を突きつけるかも知れない。

 各国の金融機関は手元にドルをキャッシュの形で積み上げている。企業や国からすれば貸しはがしにあっているわけだ。ことに韓国は、実態経済は悪くないのだがドルの資金繰りに弱点がある。

日中のスワップで一息ついた韓国だが……

――昨年10月に日本が韓国へのスワップを130億ドルから700億ドルへと一挙に増やした。韓国は、その直後に中国から、1800億元を3600億元にスワップを増やしてもらった。

真田:韓国はそれでようやくひと息つけた。日本の増分も相当な額だったが、それでも足りないと韓国政府は判断し、中国にも頼んだのだろう。その結果、「最後の必要部分」を出した中国は韓国に大きな恩を売った。中国は、日本が必要な額全てを出さないと読んで、韓国が頭を下げてくるのを待っていたフシがある。

――韓国のメディアが5月末から突然、報道姿勢を変えた。それまでは「危機だ」と騒いでいたが、状況が好転したわけでもないのにそれが収まり、「韓国経済は強い」との連載企画が始まった。「韓国政府は欧州発の動揺に十分に備えている」「世界がうらやむほど優秀な韓国人」という記事も増えた。2008年には韓国メディアが真っ先に危機をあおり自ら危機を呼び込んだのだが……。

真田:国民に自信を持たせることはいいことだ。韓国にとってそれが必要な時ということだろう。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/NBD/20120611/233204/?ST=pc

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