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政治の動きコミュの212、【田原総一朗の「ニュースの裏側」】現代日本のデモは1つの”ファッション”になっている

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不屈のジャーナリスト田原総一朗氏が注目のニュースを解説する新シリーズ「田原総一朗の『ニュースの裏側』」。今回は、最近頻発しているデモの話題を中心に、「自由報道協会VS読売新聞」へも言及している。【取材:田野 幸伸・文:永田 正行(BLOGOS編集部)】

「反韓流デモ」はお祭り騒ぎ?

―最近「フジテレビ批判」「反格差」「反原発」などを様々なテーマを掲げたデモが相次いでいます。田原さんは、いわゆる学生運動の時代を実際に体験されてきたわけですが、当時との違いや現代におけるデモの特徴などをお聞かせください。

僕たちが若いときのデモといえば「60年安保闘争」だね。1960年に岸信介内閣が日米安保条約を改定しようとした。吉田茂の結んだ安保条約には、様々な問題点があったけれど、その中でも大きなものとして、以下の3つが挙げられる。

1つめは、条約の期限がない無期限であったこと。2つめは、占領軍は日本政府に相談なく基地を建設できるという内容であったこと。最後は、条約に「米軍が日本を守る」という表現がないということ。要するに正に"奴隷条約"という奴です。

こうした問題点を、岸さんは是正しようとした。まず期限を10年(1960〜70年)とし、その後は毎年更新という形にした。また、基地を作る際には、日本政府の許可を得ることとし、日本を守ることも"義務"にしたんです。つまり、以前よりもずっと"まとも"になったわけだ。ところが、この時に僕も参加していたけれど、デモは毎日毎日「安保反対」「岸はやめろ」と主張していた。

当時はまだ敗戦から時間が経っていなかったから「反戦平和」というイデオロギーがあった。また、戦争を起こして負けた国家は信用できないという空気もあった。まして、岸さんは釈放されたものの「A級戦犯」だった人だからね。なので、安保の改定もろくな内容じゃないだろうと思って反対していたが、実はほとんどの人が吉田安保と岸安保の読み比べをしたことがなかった、僕も含めてね。だから、当時の学生運動というのはイデオロギーでしょうね。

でも、現在行われているデモは、当時とはまったく違う。

これは元々チュニジアやエジプトで始まったデモがスタートだと思う。ああいった独裁国では既存のマスコミはすべて政府に取り込まれていて政府のPR機関でしかない。これに対抗する手段としてTwitterやfacebookが登場した。これによって、画期的、革命的な変化が起きたわけだ。

今までは、ほとんどの国民が情報の"受け手"であるだけだったが、ソーシャルメディアの誕生によって、情報の"送り手"にもなることができるようになった。こうして誕生した情報の"送り手"は、独裁者に取り込まれていない。だから、独裁者の様々な問題点、例えば「多くの反対派を虐殺している」といったような情報が、爆発的な速度で広まっていき、デモのきっかけにもなったんだ。

そして、それを独裁者が弾圧すると、その事実がまたfacebookやTwitterで広がっていく。このようにソーシャルメディアの登場によって、情報の流通の仕方が変わり、これが連日デモの規模を拡大させることにつながった。ついには、エジプト、チュニジアで独裁者を追放しリビアに波及するまでになった。

この事実は、世界に大きく影響を与えていて、中国もこうした動きを非常に警戒している。これが今日本でも起きているデモの根底にもある。つまり、Twitterやfacebookに代表されるネットによる情報の受発信が多くの人々に浸透したことが、基本となっているんだ。
つまり、かつてのイデオロギーによって起こったデモではないということが1つあるね。誰もが情報を受発信できるのは非常にいい事だけど、一方で情報の質が問われるようになった。僕自身も今Twitterで情報収集しているよ、面白いからね。でも、その中にはいい加減な情報も混じっている。

2011年11月11日
http://news.livedoor.com/article/detail/6017472/

例えば、日本で起きたフジテレビに対する「反韓流デモ」。これは、僕はよくわからない部分もあるけれども、単なる「好き嫌い」から始まったのかもしれないと考えている。別にフジテレビが韓国ドラマを流したところで、日本がどうなるわけでもない。「フジテレビのスポーツ番組では日本と韓国の選手の取り扱いに問題があった。けしからん」という理由でデモをやっている。

つまり、反韓流デモは、本当は反韓流デモではなかったのかもしれない。いろんな思い、一種のお祭り騒ぎ、「面白いから参加しよう」というものだったのかもしれない。

韓国というものに対して日本は特別な思い、はっきり言えば「反韓感情」を抱いている場合が多い。その原因の一つは竹島の問題。竹島は、日本と韓国それぞれが自国の領土だと主張している。

以前、竹島のすぐ近くの鬱陵島に行こうとした自民党の議員3人が入国拒否されたけど、これにはもっと怒りを打ち出すべきだと思うね。何故なら、かつて島根県が竹島は島根県の領土だと発表した時に、韓国の議員が反発し、「俺たちは島根県の県会議員と喧嘩したい」といって、やってきた。日本はちゃんと入国させて、島根県の県会議員と韓国の議員が論争もした。それに対して、今度は入国拒否なわけだ。つまり、マスコミや政府が何故か韓国に対して弱腰であることに対しての反発がある。

こうした反韓感情が、フジテレビの韓国ドラマの多さなどと結びついてデモにつながったという新しいタイプのデモだろうね。どこまで本気かもよくわからないし、もちろん生活賭けようなんて気持ちはまったくない。

日本には米国ほどの「格差」はない
チュニジアやエジプトの影響はヨーロッパ各国にも広がって、移民の受け入れによって仕事を失った層などがデモをやっている。最近では、ウォールストリートで始まった「反格差」デモがあるね。一部のウォールストリートの経営陣が莫大な報酬を得ていることに対する反発がデモにつながったケースだ。よく言われているように、アメリカでは1%が1/4の富を握っている。つまり残りの99%が犠牲になっているという。

このデモも世界に広がっていて、日本にも上陸している。しかし、日本の場合はアメリカやヨーロッパに比べると格差は遥かに少ない。アメリカの経営者、特にウォールストリートの経営者たちは何十億円単位の報酬を得ている。それに対して、日本の経営者の多くは億単位に達していないし、達していても数億単位だからね。東電の経営者が高いと言っても7000万円で、余計な話だけどNHKは3,000万。だから、「格差」っていうのは1つの流行の単語でしかない。この単語がそれこそTwitterやfacebook上で「格差けしからん」と極めて感情的に広まっていた。

日本で行われた「反格差」デモの中には「反原発」を掲げている人もいた。つまり、言ってみれば「好みのデモ」になっていた

―参加者で、本当に生活に困っているような人はいないということでしょうか。

おそらくいなかったと思う。つまり、日本においては「生活のかかった」デモではない。一種の「ファッション的」「流行」のデモだったんじゃないかな。デモに参加しないと流行に乗り遅れるみたいな感覚が、Twitterやfacebookをやっている若者にはあったんじゃないかなと思うよ。


そんな風にソーシャルメディアに代表されるネットメディアが増えていくのは良いことだけど、一方で「情報の質」というのも問題になってくるね。これは経済と一緒で、劣悪な情報は流通していく中で淘汰されていくと思うんだ。

例えば、社会主義経済というのがある。社会主義経済の主張としては、資本主義、自由主義経済の下では、人間は欲得ばかりになっていく。極端な例はマルクスの資本論だけど、つまり、人間性が失われるということだ。

マルクスの主張はある意味で恐ろしい。その理由は、独裁政治を誕生させてしまうということだ。1つはスターリンの独裁であり、同様のケースとして国家社会主義のヒットラーの独裁がある。こうした独裁を生むよりはやはり自由主義経済がいいんじゃないかという話になるわけだ。

自由主義経済下においては、すべての人間が欲得ばかりになるが、"神の見えざる手"の存在によって調整されると考えられていた。しかし、1929年の世界大恐慌の時に"神の見えざる手"は存在しないという話になり、ケインズという経済学者が出てきた。

ケインズは大恐慌の時に、国家が金を出す公的支援をやるべきだといった。これは、今から思えば社会主義ではないが、それにやや近いものがある。国家が金を出すが、経済の制限もする。それに対して、フリードマンなんかはケインズの主張に反対して、"もっと経済は市場に任せるべきだ"といった。そんなフリードマンの主張を、ほどほどにしたのがハイエク。

つまり戦後の世界は、ケインズかハイエクかの繰り返しであるとも言えると思う。

ケインズだと制限されすぎてしまうので、ハイエクがいい。しかし、日本ではバブルがはじけた時から、やはりケインズ型が良いという流れになった。

国家が借金をして、国債を出す。国債を出すといった施策はケインズの主張に近い。ハイエクは出さないし、倒産する会社は倒産したほうが良いと主張している。倒産する会社は時代に合わなくなった会社と考えられるから、倒産したほうが、淘汰が進んで健全化するといっている。戦後の世界は、常にケインズかハイエクが繰り返されてきたんだ。今は、またケインズ寄りになってきている。

小泉政権下の政策や、堀江さんなんかはハイエクだね。だから、今はケインズ型なんだ。
例えば、小泉さんなんかは「新自由主義」を主張していたけど、今はどちらかといえば否定されている。

自由主義経済のキーワードは競争と格差。競争の自由があると格差が生まれる。格差を解消しようとすると競争が損なわれる。現代は、ケインズ型の経済に戻りつつあるからこそ、世界で「反格差」運動が起きているんじゃないかな、アメリカでもヨーロッパでも。ハイエクの時代は、格差よりも「みんなが豊かになるほうがいいじゃないか」という主張だったから。

つまり、今の反格差運動の根底には、ケインズかハイエクかという時代の波があり、現代がケインズ型を志向しつつあるということの1つの象徴と考えることも出来ると思うよ。


自由報道協会も読売新聞も両方反省すべき!
―先ほど「情報の質」というお話がありましたが、今回の自由報道協会と読売新聞の騒動については、どうお考えですか。

まず既存のマスコミには記者クラブというものがある。記者クラブの記者会見は、会員でなければ入ることはできない。そこで上杉隆が「けしからん」ということで自由報道協会をつくった。自由報道協会を作ったこと自体は正しいと僕も思う。

ただ、自由報道協会と記者クラブで小沢一郎の取り合いになっていると思うんだ。小沢さんは、既存のマスコミが大体小沢批判をやっているものだから、自由報道協会を好んで出るようになった。つまり、自由報道協会の売り物は"小沢さん"なわけだ。小沢さんの奪い合いになって、自由報道協会としては、あまり小沢さんの機嫌を損ねるような質問はしてほしくない。それに加えて、既存のメディア、今回で言えば読売新聞に対する反発もあった。

読売新聞、あるいは既存のメディア側にしてみると、自由報道協会は小沢一郎の記者会見をやっていながら、小沢さんに都合の悪いことは聞かない。だから、あえてそれを聞こうとしたんだが、それでは小沢さんの機嫌が悪くなってしまう。だから自由報道協会としてはいい加減にしろとなったわけだ。

つまり、記者会見を独占してきた記者クラブの問題から、今度は"目玉商品"の奪い合いになったんだな。これは出るべくして出た問題だと思う。逆に、この問題が出たことでお互いが反省すればよい。そう思うね。

http://news.livedoor.com/article/detail/6017472/?p=4

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