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政治の動きコミュの157.協調介入で問題は解決しない 東日本大震災後の円高と為替介入の効果

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 東日本大震災とそれに続く原発事故を受けて、外国為替市場では円が急騰した。1ドルは一時76円25銭となって過去最高値を更新した。本来、大震災や原発事故の発生は、日本経済を弱体化させて円安要因となる。しかし今回は「国内の保険会社や事業会社が円資金を確保するために外国資産を売却する」との思惑が先行して円が買われた。日本時間の3月18日早朝、G7は緊急会議により協調介入を決定した。協調介入が功を奏し、急激な円高は一服したようにみえる。いまのところ相場は安定しており、円ドルレートは80円台前半で推移している。

為替介入は「期待形成」に効果

 為替介入は、通貨当局が外国為替市場で外貨を売り買いして直接、外貨の需給に影響を与えると同時に、市場参加者の期待に働きかけて民間の需給にも影響を与え、相場を動かす。だが外国為替市場での取引額は巨額であり、1日で約200兆円とも言われる。過去最大の介入額でも約2兆6千億円に過ぎず、市場規模に比べて介入額は小規模だ。

 よって介入効果としては、直接の需給への影響ではなく、むしろ市場参加者の期待への働きかけが大きい。つまり、たとえば円売り介入をすれば、「通貨当局が円安を望んでいる」という意思が市場に伝わり、円安方向への期待形成を市場に生じさせる。協調介入が単独介入よりも効果的なのは、「G7全体が円安を望んでいる」という意思が市場全体に伝わるからである。

 過去20年間の為替介入を見ると、通貨当局は、円安の時には円買い・ドル売り介入を、円高のときには円売り・ドル買い介入をしていた。ただ相場は円高に振れることが多く、円売り・ドル買いがほとんどである。これまで述べた通り、介入の重要な機能は市場の期待形成に対する働きかけであるが、介入のやり方により効果の大小は違ってくる。


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 介入が特に効果的だったのは1995〜2002年だ。これは財務省の榊原英資氏及びその後任である黒田東彦氏が介入指揮を取った期間にあたる。この時期に効果が上がったのは、1995年以前には小規模かつ多頻度で行っていた介入から、大規模かつ小頻度へと変更したからだ。

「効果的な介入は大規模、少頻度」

 榊原氏は前任者の介入について、次のように語っている。「介入があまりにも頻繁すぎたこともあって市場は介入慣れし、市場は介入を1つの与件としながら動いた。しかも、ほとんどの介入は協調介入を含めて予測可能で、協調介入でさえ若干の効果が短期的には見られたものの長続きせず、市場の円高センチメントを変えるのは容易でなかった」。

 そして目指したのが為替介入の哲学と手法の変更である。すなわち介入の頻度を極端に少なくし、1回ごとの介入は大量の資金を投入することだった。榊原氏は意図的に大規模介入を小頻度で実施したのだ。

2011年4月1日(金)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110330/219225/

 つまり介入の効果を高めるためには、大規模な介入を小頻度で行うことなどで市場にサプライズを与えることが大事なのである。小規模でも頻度が多すぎても、市場にサプライズを与えられない。通貨当局が「断固とした意思」を市場に伝えることが、市場参加者への期待形成に影響を与えるのである。

 過去のデータを分析すると、単独介入であれば、1兆円の円売り介入は約1.2円だけ相場を円安方向へ動かした。協調介入であれば単独介入の20-50倍の効果があった。協調介入で大事なのも、その金額以上に、「G7全体で円安を支持する」という意思を伝えることである。

協調介入は円安誘導のためではない

 現在、円は過大評価されており、それが日本の国際競争力を削ぎ、ひいては日本の復興を遅らせる、と言われている。では、積極的に円売り介入をすれば、過大評価の修正は可能なのだろうか? 確かに介入は手法に気を付ければ、一定の効果がある。しかし介入だけで継続的な円安誘導政策を実現することは難しい。

 介入は高度に政治的な問題である。日本にとっての円安は、米国にとってのドル高を意味する。日本にとって良い政策も、他国にとってはいわゆる「近隣窮乏化政策」となりうるため、介入の決定には、国際的理解が欠かせない。

 G7の共同声明で、このたびの協調介入の理由は、「為替レートの過度の変動や無秩序な動きは経済および金融の安定に対して悪影響を与える」とされている。つまり、今回の介入は、円安誘導のためではなく、投機的な動きから生じた急激な円高への対処と思われる。

財政再建、年金改革、規制緩和は待ったなし

 今後原発事故の被害拡大、または外貨資産売却があれば、急激な円高はまた生じうる。よってその際、単独介入または協調介入が実施されることもあるだろう。だがそれはあくまで、市場の投機的な動きを防ぐためである。

 いま日本がすべきことは、被災地への復興支援に加えて、これまで先送りしてきた課題を着実に実行することだ。非常時だからと財政再建の努力を怠れば、国債価格の暴落を引き起こす可能性すらある。これはハイパーインフレを引き起こし、それによりむしろ「悪い円安」をもたらす可能性すらある。

 東日本大震災のためすっかり忘れられている様子だが、財政再建、年金改革、規制緩和、TPP参加など、待ったなしの課題が山積している現実には何ら変わりはない。政府は、日本の活力を取り戻すため、震災復興に取り組みながらもこれらの課題を1つでも多く着実に実行することが期待される。日本に残された時間は少ない。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110330/219225/?P=2

コメント(3)

ンチャさん
為替は関心があるのですが分かりません。
巨大地震で国力が弱まるのですから円安が自然と思いのですが・・
分からいのが為替です。
ふたみさん
短期的には「国内企業が設備や工場の復旧などに備えるため海外資産を取り崩して円買いを進める」という動きや、それを見越した投機筋の円買いの影響が大きいように思われます。しかし、長期的には、ドルやユーロに対する不信感が強まっていることに大きな原因があるようです。
次の記事を参考にされてください。特にアメリカドルは大変な状況にあるようです。

米国債崩壊(メルトダウン)近し、ヘッジファンドが売り逃げ(現金化)
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=61798880&comm_id=5272237
ふたみさん、新しいニュースです。
今世界経済は、大変な状況になっているようです。

大震災と連休の間に進んでいた世界経済の異変
米国、欧州、新興国が抱える時限爆弾の“中身”
2011年5月10日 ダイヤモンド社
http://diamond.jp/articles/-/12173

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