まず勝間氏は「日本はデフレスパイラルの真只中にあることを再認識して下さい」(p.2)と題してグラフを出し、「※OECD定義によれば、「デフレ」と「デフレスパイラル」は同義です」と書いている。このOECDの定義とは何を意味するのか不明だが、たとえばOECDが財務省に行なった説明では、 Persistent deflation may degenerate into a deflationary spiral of falling prices, output, profits and employment. と書かれている。この文でdeflation=deflationary spiralと置き換えると意味をなさないだろう。デフレ・スパイラルとは単に「デフレが続いている」ことではなく、デフレが実質債務や実質賃金の増加をもたらしてデフレを加速する現象で、彼女のあげているグラフには、その証拠は示されていない。