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政治の動きコミュの86.豊田社長の“完璧”英語スピーチで好発進!?試練の地・米国でヴェールを脱いだ 「プリウス」新ブランド戦略の秘密

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 2011年1月10日午後1時5分。米ミシガン州デトロイト市コボセンターのリバービュー・ボールルーム――。

 デトロイトショー(北米国際自動車ショー)の会場に詰めかけた約1000人のプレス関係者と自動車業界関係者が、「プリウス」の派生型量産車ワールドプレミア(世界初公開)の瞬間を待っていた。


 場内照明が暗くなったと同時に、会場にナレーションが流れた。「Please welcome, Akio Toyoda, President, Toyota Motor Corporation」。それを聞いた各国のプレス関係者たちが「え!? (社長が)来ていたンだ」という表情で互いの顔を見合わせた。

 豊田章男社長がアメリカで公の場(記者会見またはテレビ番組)に登場するのは久しぶりだ。壇上で豊田社長自らがスピーチ冒頭に述べたが、2010年2月のCNNテレビ番組「ラリーキングライブショー」以来である。

 日本では新車発表などの各種行事でマスコミのインタビューを受けてきた豊田社長だが、アメリカではやはり一連のトヨタリコール問題を受けてプレスへの対応はこれまで慎重の上に慎重を重ねてきた。

 今回の豊田社長のスピーチは、全編英語でキッチリ5分間。その内容は、米国トヨタ上層部が練りに練ったと思われ、豊田社長の英語の発音や話し方についてもプレゼンテーション業のネイティブスピーカーによる指導がみっちりと行われたと思われるほどに、パーフェクトだった。台詞がつっかえることもなく、まさにトヨタにとって理想的なスピーチだったろう。

 スピーチの内容の優先順位は6段階あった。?「アメリカの消費者」?「エコノミー(経済)」?「産業」?「弊社の従業員」?「弊社の販売店」、そして?「環境」。また、アメリカ人気No1の自動車レース、NASCARへ参戦する「カムリ」の話題などを適度に織り交ぜた。

 ビジネスとしての製品紹介は、米国トヨタ販売のボブ・カーター副社長にバトンタッチした。約9分間のカーター氏のスピーチの後、舞台裏から自走して登場した「プリウスv(ヴイ)」。全長x全幅x全高=4615mmx1775mmx1575mm、ホイールベースが2780mm。これは現行「プリウス」をひと回り大きくしたようなイメージだ。


 その運転席から豊田社長が再登場し、カーター氏と2パターンの想定問答をした。そのなかで、台本ではカーター氏が豊田社長に合計3回「ミスター・トヨダ」と発言することになっていた。だがアドリブでカーター氏は「ミスター・アキオ・トヨダ」を1回追加、さらに呼びかけとして「アキオ」を1回だけ追加で使った。

 本連載の第62回「電気自動車で先を行く日産を追う、トヨタとホンダの歯切れが悪い裏事情」で紹介した通り、昨年11月にロサンゼルスモーターショーでトヨタとテスラが共同開発電気自動車「RAV4 EV」を発表した時には、米国トヨタ販売のジム・レンツ社長が記者の囲み取材で豊田社長を終始「アキオ」と呼び、そしてテスラのマスク社長を終始「イーロン」と呼んだ。このことについて筆者は、トヨタが現時点では北米EV事業をベンチャー的ビジネスとして演出し世間に印象付けたいためだと書いた。

 対する今回、どこかかしこまった演出の狙いは恐らく次の3点だったろう。

http://diamond.jp/articles/-/10754

? トヨタリコール問題を巡ってアメリカ社会への謝罪基調にならないようにしながら、アメリカ社会との融和を提案すること。
? トヨタがハイブリッドの本家本元であること主張すること。
?「プリウス・ブランド戦略」の展開を北米市場で周知させること。

 上記?については、豊田社長自らが誠実な姿勢でじっくりスピーチして対応した。

 上記?については、EVやFCV(燃料電池車)を含んだ総括的なトヨタ電動車技術のシナリオをあえて提示せず、量産計画が明確なハイブリッド車とプラグインハイブリッド車の話題で対応した。


「プリウスv」の開発責任者、トヨタ自動車商品開発本部・第一開発センター、粥川宏氏。 そして上記?については、今回の会見後半で舞台に登場した「プリウスc(シー) コンセプト」の商品性、さらに「プリウスv」の開発担当者であるトヨタ自動車商品企画本部第一開発センターの粥川宏氏へ取材を基に、筆者の予測を紹介していきたい。

 粥川氏は「プリウスv」のボディ形状について、「アメリカという観点で語る」と前置きしてから、「高さと長さのバランスがユニークで、新しいカテゴリーだと思う。ステーションワゴンとしては背が高い、SUVとしては少し長い。スモールSUV並みのキャビンスペースと(小型車並みの)燃費をバランスさせた。アメリカではSUVからのダウンサイジング需要に対応できるはずだ」と語った。

 パワートレインについては、「基本的にプリウスと同じ」としながらも、「車両がプリウスより大きく重量が増えた分、ギア比を低速化した。またモータジェネレーターをプリウスの空冷から水冷に変更した。燃費は当初から40MPG(マイル・パー・ギャロン/リッターあたり計算で約16.9km)を狙った。プラグインハイブリッド仕様の計画はない」(粥川氏)とした。

 なお、ハイブリッドシステムの各数値は、エンジン総排気量1797cc、最高出力73kw、最大トルク142Nm、モータの最高出力60kw、最大トルク207Nm。システム全体の最高出力は100kw。車両全体の最終組み立ては「プリウス」と同じ、トヨタ堤工場(愛知県豊田市堤町)。

 また「日本での販売は?」「プリウスvはワールドワイドな名称なのか?」という筆者の問いに、粥川氏も米国トヨタ広報関係者も、苦笑いを交えながらノーコメントだった。

http://diamond.jp/articles/-/10754?page=2

 その苦笑いを裏読みするならば、「プリウスv」は日本で「ウイッシュ・ハイブリッド」になる可能性がある。車体寸法とボディのデザインコンセプトからみて、「ウイッシュ」への対応が十分にイメージ出来る。

 ちなみに、筆者監修・執筆の自動車関連ウエブサイト・オートックワンの「日本版コンシューマレポート/ウイッシュ編」でも、現行「ウイッシュ」に試乗、または購入した全国30人のうち44%が、「ウイッシュにハイブリッド車が欲しい」と答えている。 


アメリカで2012年上期発売予定「プリウス c コンセプト」。日本では「ヴィッツハイブリッド」?それとも別名称? また、日系自動車メーカーの間でも、アメリカで2012年上期発売予定と今回発表された「プリウス c コンセプト」について、日本では「ヴィッツ・ハイブリッド」になるのではとか、「ヴィッツ」とは別名称で登場するのではといった憶測が飛び交っている。

 その真偽は別として、日米での「プリウス」関連戦略が違うことは明らかだ。それは、世界各市場における「プリウス」というブランドの現地化戦略を意味する。

 アメリカにおいて「プリウス・ファミリー」という考えを主張していることについて、米国トヨタ広報担当者は「アメリカでプリウスは、ユニークな存在のクルマであり、幅広い層で根強い人気がある。今後、(プリウスを活用した)いろいろな可能性を探っていきたいと考え、『ファミリー』という概念が生まれた。去年のこの時点でも、名称としては使っていたが、(量産化を考慮した)具体的な考えとしての発信は今回が初めてだ」とした。

 これは筆者の個人的な印象だが、アメリカ人は「トヨタのプリウス」ではなく、「プリウス」という単独ブランドのイメージが強いと思える。対する日本人の場合、「プリウス」にはいつも「あのトヨタの」という枕詞に重きがあるように感じる。 

 また、アメリカではまだまだ「プリウス」の潜在能力は高いはずだ。アメリカに「プリウス」が上陸したのは2000年。その投入初期、「プリウス」はごく一部のユーザーにだけ溺愛されていた。だが、ガソリン価格の上昇と「プリウス」認知活動が相乗効果を生み、2009年5月発売の現行「プリウス」の販売台数は累計23万台を越えた。

 北米で販売されているハイブリッド車の内訳(hybridcar.com調べ)をみると、2010年9月、全28車種24229台のうち「プリウス」は11731台でシェア48%、同10月は全22193台で「プリウス」は11394台(シェア51%)。また年後半にかけて全米でのガソリン小売価格が上昇しはじめた影響で各ハイブリッド車の販売が若干伸びたなか、2010年12月「プリウス」の販売台数は16000台まで急激に伸びた。

 日本では、「プリウス」は2010年の年間販売台数が31万5669台となり、1990年の「カローラ」による年間乗用車販売記録を塗り替えている。だが、多くのトヨタ関係者が「プリウスが、まさか日本でここまで大量に売れるとは想像していなかった」と漏らすように、そろそろ販売のピーク期を迎えようとしていると見るのが妥当だ。

http://diamond.jp/articles/-/10754?page=3

 また日米以外の地域をみると、欧州ではディーゼル車、または小型ガソリン車がエコカーの主流であり、「プリウスは特殊なクルマ」「同じボディサイズ感のクルマでは割高」という意識が強い。

 そのため、日米と比較すると「プリウス」の販売量はかなり少ない。さらに中国でも、「同じボディサイズ感のクルマでは割高」等の意識から、「プリウス」の販売量は極めて少ない(先代のみ販売、現行生産は近く本格的に開始)。その他の新興国などをみても、日米ほどの販売実績をあげている地域は見当たらない。

 こうした状況のなか、ミニバンと「プリウス」に偏向する日本市場の特殊性に捉われないで、「プリウス」の総括的なブランド戦略を考えられ、なおかつ「プリウス」関連技術を搭載したクルマの販売増が確実に期待できるのは「北米市場だけ」という考えに行き着く。

 今回のショーでは、GMシボレー「ボルト」が北米カー・オブ・ザ・イヤーを獲得。フォードは電気自動車の「トランジットコネクトEV」、「フォーカスEV」、さらに欧州向け小型ミニバン「C-Max」の北米上陸を受けて同車のハイブリッド車、プラグインハイブリッド車の量産化を発表。中国BYDは、プラグインハイブリッドSUV「S6DM」を世界初公開し、セダンのプラグインハイブリッド車「F3DM」、電気自動車「e6」の北米販売計画も明らかにするなど、「ハイブリッド」と名が付く新種が続々と登場した。

 こうしてライバルたちのトヨタへの追い上げ機運が高まるなか、トヨタとしては、中国に次ぎ世界2位の自動車市場であるアメリカで「プリウス・ファミリー」戦略により、ハイブリッド本家本元としてのプライドと販売実績を死守したいところだろう。

 ちなみに、今回の「プリウス・ファミリー」会見終了後、豊田社長はぶら下がりインタビューを含むプレスの取材の場に姿を見せず、駆け足で各社ブースを視察して会場をあとにした。

http://diamond.jp/articles/-/10754?page=4

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