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政治の動きコミュの85.第12回 トップが語るグローバル化(下)

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 グローバル化時代に対応するため、コンピューターを作る会社から、どう使うかを提案するIT関連サービス会社に軸足を移したIBM。その経験と歴史は、グローバル化を進めようとしている日本企業にも参考になる点が多い。

 2010年11月に開催された「GO GLOBAL」フォーラムのパネルディスカッションでは、東京大学大学院教授の伊藤元重氏と、改革を進めてきた日本IBMの2人のトップが、グローバル化を迫られる日本企業のトップに向けてメッセージを示した。経営者に求められる感覚と覚悟が浮き彫りになった。

投資効果をわかるように公開せよ

 グローバル戦略を策定して実行するとなると、企業にはかなりの投資となる。特にシステムや人事といった企業インフラへの投資となると経営者はかなり難しい判断を迫られる。現在のような景気状況下では、この傾向はより顕著だろう。定性的、定量的に投資の効果が分かれば改革は進むと思うが、投資対効果はどう判断すればよいのだろうか。

【日本アイ・ビー・エム代表取締役社長 橋本孝之氏】 トップがビジョンを示して実行し、結果を可視化する。これを繰り返していくことが重要だ。IBMでは個々の改革について、どんな変化が起き、結果がどうなったかということを細かい数字を含めてデータを取り公開している。

コスト削減して、効果は向上

 例えば財務関係。10年前、日本IBMの経理部門の人件費は売上の3%だったが、現在は1%になっている。これは国ごとにあった経理センターを世界レベルで統一した成果だ。

 コスト削減だけでなく、決算に要する日数は従来の18営業日から7営業日に短縮された。また、10年前、経理社員が頭を使って働いていた時間は1日の労働時間のうち3割にすぎなかったが、現在は7割にまで高まっている。これは経理の単純労働を情報技術(IT)の導入で省力化した結果だ。

 人事部門の改革も紹介しよう。2001年当時、日本IBMでは人事スタッフ1人が122人の従業員の面倒を見ていた。現在は約1.5倍、169人の従業員の面倒を見ている。そして、サービスレベルは上がっている。

 重要なのは金額だけでなく、利用者側からの視点や、企業の競争力という観点で見たときに、改革がどう評価されてきたかを可視化し、公開していくことだ。

━━部下を納得させて動かす

【ポール与那嶺氏】 グローバル化は経営トップが旗振り役を務めなければいけないという指摘が出たが、トップと現場の間に意識のギャップが生まれることはないだろうか。トップが考える投資対効果をはたして現場は正しく理解できるのか、分からない部分もある。時には欧米流のトップダウンも必要ではないだろうか。

【橋本氏】 日本人は「腹に落ちないと仕事をしない」という特性がある。トップダウンも必要だが、部下に「やれ!」と言うだけではなく、「何のためにやるのか」を説明する責任もあるだろう。日本のIBMは海外のIBMに比べても、この説明に時間をかけている。

 説明して腹に落としてもらってから、いつまでに何をやりましょうという話になっていく。ただ、目標設定まではできても、その後、放りっぱなしにしてしまうのも日本人トップの弱さだ。トップ層が継続して進捗をチェックしなければならない。

 グローバル化とは、文化も生い立ちも違う従業員を抱え、同様に、さまざま市場を相手にすることだ。国ごとに目標の達成手段が異なるのはしかるべきだとは思うが、常に方向感を持ち、折に触れて原点に戻らないと、変な方向へ行ってしまう。

 どんな組織を動かすときにも、特に経営戦略を大きく振るようなときにはトップの役割は非常に重要だ。

 日本IBMという会社が、コンピューター販売会社からソフトやサービス中心の会社へと大きく方向転換できたのは、現場の従業員が新しい方向に向かって挑戦してくれたからだ。トップは挑戦する意欲を持った人材を見いだし、挑戦の機会を与え、成果をあげたらほめたたえて評価していくことが求められる。

 成果を可視化する際には、目標の立て方にも工夫が必要だ。組織は短期に成果が出ないと大きく動かない。もちろん長期的な戦略は必要だが、長期目標だけでは組織が疲弊してしまう。半年とか1年で成果が目に見え、なるほどこれはいい、この方向で行こうと従業員が感じると組織は大きく動く。目標を掲げるときには中長期と短期のバランスを考えなければならない。

 企画部門の人の中には、トップが方向性を打ち出してくれないと不満を感じている人もいるだろう。しかし、トップが動くようにするのも、企画部門や各事業部門の責任者の大きな役割だ。トップが判断を下せるような国内外の成功、失敗事例を集めたり、トップが下した決断を実行できるような環境を整えるのだ。ここで大きな成果を出した人たちが会社の次代を担っていくことになるのではないだろうか。

http://www.yomiuri.co.jp/net/global/20110113p01.htm

体制を大きく右に振ることから始めよ

【ポール与那嶺氏】 グローバル化の課題を抱えている企業は多い。日本IBMはそういった企業にどのような支援ができるのだろうか。

 支援策としては、計画、実行、展開と3つの段階がある。計画段階ではベンチマークの提示だ。グローバルカンパニーと比較した場合、その企業はどの立ち位置にいるのか、どこが劣っていて、どこが勝っているのかを示すことができる。

 インドのIBMには社員が9万人いるが、そのうち500人は、顧客企業が同業のグローバルリーディングカンパニーと比べて何が違うのか比較検討する業務に従事している。

 その結果を見ながら実行段階、具体的にはシステムを作り、そして展開・運用するという流れで支援体制を整えている。

【ポール与那嶺氏】 企業がグローバル化に取り組むとき、具体的に何から、どのように始めていけばよいのだろうか。

【橋本氏】 個人的には、まず、経営トップやミドルマネジメント層が決断して、戦略や体制を一気に右に振ってみることが必要だと思う。制約やしがらみはあるだろう。しかし右に振り、システムを作り、運用しながら徐々に戻していくという過程が今の日本企業には必要だ。

【東京大学大学院経済学研究科 伊藤元重教授】 自民党政権時代からだが、日本の政治にはリーダーシップがないとよく言われる。自分は何度か政治決定の場の近くに身を置いたことがあるが、いつも思うのは日本の総理大臣や大臣は忙しすぎるという事。

 北城氏が言ったように、トップが決断できる体制をどう作るかはとても大事なことだ。橋本氏の言う、右に大きく振るということも本当にその通りだと思う。思うが、トップが右に行けと言ってもそう簡単にはいかない。決断できる仕組み、実行できる仕組みを周りがどう作るかも重要だ。

障子をあけてみよ 外は広い
【ポール与那嶺氏】 伊藤教授は、日本がグローバル化しない場合には「ドカン」となる可能性があると指摘した。それがワーストケースだとしたら、ポジティブな見通しをお話しいただけないだろうか。

 今、日本は確かに閉塞感に満ちているが、悪いのは日本だけではない。米欧も悪いし、中国だって失業率は高い。やはり、サブプライムローン問題とそれに続くリーマン・ショックの影響は大きかった。日本だけでなく、新興国も米国の消費に頼り切っていた。

 2〜3年後を見たとき、世界経済は回復していくだろうと言われている。ただ、そのときの主役は米国の消費1本ではなく、中国、インドの内需やインフラ整備となるだろう。つまり、日本は世界の成長センターのそばにいることになる。新興国の成長をどう取り込むかは日本にとって最大のチャンスだ。

 リスクのないところにリターンはない。これは経済の大原則だ。中国には政治リスク、為替レートもこれからは急速に大きく触れる可能性がある。企業レベルで考えると、リターンを取りに行こうとするなら、リスクに対応できるだけの足腰を鍛えておくことが重要になる。

 世界経済の流れで見ると2007年〜2010年はやはり異常な年だった。この期間を前提に今後の方向を考えると、アジアの成長に乗り遅れて、後悔することになると思う。アジアの中期の成長に目配せしておいた方がよいだろう。

リスクとリターンは背中合わせ

【北城氏】 今、海外へ出て行かない、グローバル化しない理由はいろいろあるだろう。国内市場で成長するんだという考え方もあるだろうし、中国進出には確かにリスクがある。しかし、日本にとどまることにも、成長できず衰退していくというリスクがある。

 IBMがサービスビジネスに出て行くという大きな決断を下した背景には、ハードウェア市場は縮小するという見通しがあった。

 今後、国内市場の縮小と海外市場の伸びは明確だ。トップが選ぶべきは海外に出るリスクを取りつつ、そのリスクをいかに抑えていくかということではないだろうか。

 トヨタグループの創始者である豊田佐吉翁は「障子をあけてみよ 外は広いぞ」と言われた。内向きになるな、外に挑戦しろ。大変いい言葉だ。右に振ってみる、障子を開けて外を見よう、そういう覚悟で経営していったほうがいいと思う。

【ポール与那嶺氏】 日本企業のグローバル化はこれから複雑になる一方だ。90年代とは異なり、韓国企業や中国企業などはグローバル展開で先行している。

 さらに国際会計基準(IFRS)導入、金融規制、エコ対応も喫緊の経営課題だし、さらに自由貿易協定(FTA)や環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)など、今後、海外からどんな波が襲ってくるかも分からない。このような事態に対処できるグローバルな人材は今年来年で育つモノではない。今こそ企業としての基盤を固める時期ではないだろうか。

http://www.yomiuri.co.jp/net/global/20110113p02.htm

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