＊ＣＩＮＥＭＡ review ＊コミュの『36時間・ノルマンディ緊急指令』　（戦）

監督　ジョージ・シートン
出演　ジェームズ・ガーナー、エヴァ・マリー・セイント、ロッド・テイラー

製作国　アメリカ
製作年　1964年
配給　MGM
DVD発売元　ワーナー・ホーム・ビデオ

★★★★★★★★★☆

【概要】
1944年、第二次大戦の明暗を分けた史上最大の作戦と呼ばれるノルマンディ上陸作戦直前。

その作戦の詳細を知るジェームズ・ガーナー演じるアメリカ軍将校を捕らえ何としても情報を引き出したいドイツ軍。
そのドイツ側がとった手段とは、彼をノルマンディ作戦が過去の出来事となった終戦後のアメリカ側占領下ドイツにある病院に入院する記憶喪失患者に仕立て上げるというものであった。

そして、その治療の一環と称し彼自身の口から作戦の情報を引き出そうとするのであった・・・

偽の病院まで準備し完璧なまでのドイツ側。その用意周到な作戦にアメリカ軍将校は作戦情報を喋ってしまうのだろうか？
激しいまでの心理戦が繰り広げられる！

【感想】
物語は概要で説明した以外にもまさに見所満載

結末の記載は禁止ということで多くは語れませんが、スリル満点の意外な展開、導入部から一切飽きることのない素晴らしい作品です

ジャンルは戦争映画でありながらも上質なサスペンス映画、そして人間ドラマであると思います。
★10コでも良いくらいです

スパイ映画の傑作！という文句がDVDパッケージにうたわれていますがまさに傑作。世間的にいまひとつ評価されていないのが残念でなりません・・・
僕も購入したとき正直期待していなかったのですがそれだけに鑑賞後の感動倍増でした

それ以来定期的に鑑賞しています

主演のジェームズ・ガーナーは『大脱走』『グランプリ』などに出演したスターですが、僕はドイツ人医師を演じたロッド・テイラーの存在感が光っていたと思います

ドイツ側にいながらも必要とあらばナチスと対立し自分のなすべき事をする。『眼下の敵』のクルト・ユルゲンス演じるドイツ潜水艦艦長と共通する部分、ドイツ人＝悪役という仕立て方でない点が良かったです。
無名でも良いが信念をもって職務を全うしようとする強烈な正義感。スーパーマンのようなアメリカ的なヒーロー像ではなくプロジェクトXのような日本的な英雄像をロッド・テイラーからは感じました