ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

シャーク◎市屋の面白い話コミュのナンパ師

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
先日の出来事。

仕事の関係で1泊2日の勉強会に出席した。

ホテルで泊まりの勉強会と聞き

根拠のない期待に心躍らせて参加したが

実際、会場に立ちこめていたのは加齢臭。

周りを見渡すとハゲ山脈が連なっていた。

出席者の殆どは中高年男性だった。

絶望に打ちひしがれながらも長時間に渡る講義を乗り切ったが

それでもまだ開放されることなく

引き続き立食パーティーが催された。

愛想笑いを浮かべティッシュ配りの様に

名刺を渡す作業はただただ苦痛だった。

疲れ果てた私はとりあえず何かつまもうと

料理が並べられたテーブルへ向かった。

途中、数名の男性に囲まれながら談笑する一人の女性を見つけた。

脂ぎった男性の中で輝く彼女は

新月の夜に咲く、月下美人の様であった。

なんと言う隠れキャラ!

これ以上のおじさんとの会話はうんざりだった私は

久しぶりにナンパを試みた。

名刺交換と言う名の合法的なナンパを。

女性に近づくとさりげなく話し掛けた。

「こんばんは」

突然、声を掛けられたせいか彼女は少し驚いたようだったが

私は名刺を差し出した。

「はじめまして。佐藤です」

すると彼女も木村です。と言いながら名刺をくれた。

労せず彼女のフルネームとメルアドをゲット。

これが路上で行った通常のナンパなら例えどんなイケメンであっても

メルアドはもちろん、名前すら教えてもらえない事は多々ある。

しかし、人間は話しかけられる場所、状況に応じて態度を変えるので面白い。

立食パーティーと言う状況では話しかけない方が異様なのである。

この状況を巧に利用し、ゆっくりとでも確実に彼女の心の鍵を開ける。

まずははたわいも無い仕事の話。世間話で攻める。

通常のナンパであるなら相手の警戒心を解くために

笑わす等、相手の興味を惹く行為が必要であるが

この場合名刺交換により身分は明らかになっており

警戒心は少ない為、あえてその必要はない。

むしろこのケースで笑いを取ろうとして突飛な行動に出ると

仇となる可能性が高い。

ある程度会話を交わし

和んだ雰囲気を作る事が出来たら次のステップに進む。

突然こう言うのだ。

「全く話は変わりますけど○○さんってとってもキレイな目をしていますね。凄く目力を感じます」

十中八九これを言われた女性は

「そんな事ないですよ〜」

と照れながらも素直に喜ぶ。

かわいい、美人など、抽象的に褒めるより

鼻でも、指でもどこでもいいので1点を褒めると女性は一層喜ぶ。

抽象的な言葉はお世辞にしか聞こえないが具体的な褒め言葉はリアリティがある。

そして次の言葉を添える。

「○○さんの彼氏さんもきっとその目に惹かれちゃったんでしょうね」

あたかも彼氏がいるのを知っているようにサラッと言う。

この言葉に対する女性の回答は

1.「えーそうかな?彼氏にそんな風に褒められた事ないけど・・・」

2.「えっー。彼氏なんていないですよー」

の2パターンにほぼ分類される。

今回のターゲットも少し照れながらパターン2を回答した。

しかし、この質問に特別な意味はない。

ナンパ師にとって彼氏の有無は重要事項ではないのだ。

では何故この様な質問をしたのか?

それは彼氏というキーワードを出させた事により

彼女を自分のフィールドに引き込む為である。

なぜなら「彼氏」の話は仕事関係の人間とする話題ではない。

「彼氏」の話題をさりげなく出す事で例え一時的であったにしろ彼女と私の

関係は私的な話題について話が出来る関係に発展するのだ。

この論理を展開し

その後も彼女と恋愛の話で盛り上がり、距離を縮めた。

今後会う機会がない場合は

ここで一気に携帯番号まで聞くのであるが

今回は泊まりでの勉強会。会う機会は明日もある。

ナンパの鉄則の一つとして焦りは厳禁である。

より成功の精度を高める為その日は

「携帯番号11桁全部足すといくつ?」

と言う無意味な質問で彼女を笑わせ、その場を後にした。

このさらっとした引き際が明日への布石となる。


翌日も朝から分刻みのスケジュールで勉強会が続いたが

講演会場で彼女の姿を見つけることはできず

残念なことに分科会でも彼女と同じグループにもなれず

結局、全ての日程が終了するまで彼女と接触する機会はなかった。

でも焦りはない。

最悪このまま彼女と話す事が出来なかったたとしても貰った名刺がある。

パソコンにメールを送ればいい。

昨日の会話の流れからしても返事が来る可能性は高い。

気楽に行けばいい。

そんな事を考えながらホテルのロビーで駅までの送迎バスを待っていると

偶然にもチェックアウトを済ませこちらに歩いてくる彼女を見つけた。

チャンスだ。

「お疲れ様です」

出来る限り爽やかに声を掛けた。

ポイントは相手の目をしっかり見ながら声をかける事。

これで相手の意識を一気に自分に集中させる。

ただのあいさつだけで終わらせない為だ。

「お疲れ様でーす」

俺以上に爽やかな声で答える彼女。やはり結構かわいい。

「こんなとこで何してるんですか?」

「木村さんが来るのを待ってた。」

なんて熱くストレートな発言をしたいところではあるが

ここは情熱の国スペインではない。

奥ゆかしさを大事にする日本である。

笑ってスルーして貰えるかもしれないが

知り合って2日目でのストーカー的ジョークはだ。

だから普通に

「駅までのバスを待ってるんだけど、木村さんも電車ですか?」

と答えた。

すると

「はい。電車ですけど、駅まで歩かないんですか?」

この発言に俺のシックスセンスが働いた。

間違いなく、今だ!

「じゃあ駅まで一緒に歩きましょう。」

「そうですね。」

笑顔で答える彼女は眩しかった。

私は女性と並んで歩く際、必ず女性の「利き側」を探りそちらを歩く様に心がけている。

利き側と言う言葉は聞き慣れない言葉かもしれないが

簡単に言うとどちら側に人がいると落ち着くかと言う物である。

利き側でない方から話しかけられると違和感を感じてしまう人が多い。

だからこれを探りそちらの側から話しかける方が

ただ危ないからと言う事を理由に車道側を歩くより

よっぽど女性の心象を良くするのである。

利き側の探り方は、手足の組み方、髪の分け方、等々で判断する。

手足を右を上にして組む人、

髪を右から左に分けている人は左側が利き側になる事が多い。

今回は髪の分け方のみで判断しその子の左側を歩く事にした。

私の利き側は右側なので違和感なく話す事が出来る。

立ち位置は完璧。

残された問題は駅までの約10分の間に

どう楽しい会話を繰り広げ。また会いたいと思わせるかである。

こんな時はよく

「好きな男のタイプは?」

なんて質問をする人が多いが、はっきり言ってこの質問は愚問である。

会話につまる典型的パターンである。

聞きたい気持ちは確かに判る。

興味を持った女性がどの様な男性に惹かれるのか知りたいと

思うのは男として当然の心理である。

しかし、それをストレートに聞かれても明確に答えられる女性は少ない。

だから大概、答えに詰まって

「優しい人かな?」 や「面白い人かな?」

とありがちな回答をして終わりである。

さらには好きなタイプを聞いたところで

それに併せて自分を変えることなんて出来ないので聞くだけ無駄なのである。

だから私はあえて聞かない。

ではどんな話をすれば効果的なのか?必要なのは

楽しい会話。

面白い会話。

共感できる会話。

そこで私が実際に選んだ話題はずばり「旅行」である。

旅行がキライだと言う女性に私は出会ったことがない。

高確率でこの話題には食いついてくる。

いきなり旅行の話?

そう思うかもしれないが、実際にこの勉強会では

温泉街のホテルで開催されており不自然さはない。

例え若干不自然な流れだったとしても

自分に興味のある話題、共感できる話題で

あれば必ず食いついてくる。

限られた10分と言う時間の中で共有できる価値観を

見出し盛り上がるには最も適した話題なのである。

ただし、突然

「旅行好き?」

などと聞いても芸がない。

相手の心の鍵を開けたければ、

自分の心の鍵を少し開け覗き込ませる必要がある。

つまり、質問攻めの会話をするのではなく

まず自分が具体例をあげて話し会話の道筋を示してあげるのである。

このセオリーに基づき

「そう言えばここのホテルの温泉良かったですよね。木村さん

は旅行とか行きますか?俺は年末に・・・」

と話始めた。

すると

「私はちょっと前にサイパンに行って・・・」

彼女は面白い様に示した道筋に沿って話し始めた。

相手が話し始めたららこちらはもう多くを語る必要はない。

極端に言えば

「へぇーそうなんだ」

「本当に!?」

この二言で足りる。

どんな話であれ女性は話を聞いてくれる男性に好感を覚えるものだ。

駅はもう目の前。

会話は十分に盛り上がった。

私と話すと楽しいと言う印象はしっかり植え付けたはずだ。

後は最終目的を果たすのみ。

あくまで自然に切り出す。

「あーおもしろかった。つまらない勉強会だと思ったけど、木村さんと話せた

お陰ですごく面白い会になったよ。旅行の話でもすごく盛り上がったし。

また今度ゆっくりご飯でも食べながら話したいと思うんだけど、携帯番号教えてくれない?」

あまりにも完璧過ぎる会話の運びに思わず笑みが込み上げる。

しかし、彼女は予想外の反応を見せた。

「・・・・・・教えたくない」

彼女は立ち止まりうつむくと消えそうな声でそう言った。

「そっ、そうだよね。会って2日目の見ず知らずの男に携帯教えるなんて出来ないよね」

そう言いナンパのプロセスを振り返ったが反省すべき点は見当たらない。

彼女は続けてこう言った。

「結婚を約束した人がいるんで」

はいはいはい。そう言うオチですね。

彼氏はいないけどフィアンセはいるってことね。

きっとサイパンへ行ったのもフィアンセとなのだろう。

いくらナンパ師と言えども婚約中の女性を落とすのは難しい。

難しいと言うよりも慰謝料等のリスクが伴うので触りたくない。

「それは知らずにナンパみたいな真似して失礼しました」

と会話をクローズした。

帰ってオナニーして寝よう。そう決意して立ち去ろうとすると

更に予想外過ぎる言葉を彼女が発した。

「本当に覚えていないのお兄ちゃん!」

お兄ちゃん?まっ、まさか、彼女は生き別れた妹の木村!

こんなところで運命の再会!?

なんて事はありえない。私に兄妹はいない。

冷静な私とは対照的にテンションが上がった彼女は更に大きな声でこう続けた。

「もう1回名刺見てよ!木 村 ゆ う 子!ゆうゆうだよ!」

「ゆうゆうってあのゆうゆうか!」

「そうだよお兄ちゃん!結婚するって約束私、ずっと忘れなかったんだからね!!」

周りの目をはばかることなく二人は抱き合った。


その夜、長年の思いをぶつける様にそれはとってもとっても熱い夜を過した。


ゆうゆうが誰か最後まで判らなかったが。

コメント(4)

大変素晴らしい日記を拝見させて頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。
そんなコメントをいただいて感謝の気持ちでいっぱいです!
いつもとちがうじゃねぇか!これいいな!w
にやにやがとまらんwww
生き別れた妹の木村wwwww
まさかのハッピーエンドwwwww 

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

シャーク◎市屋の面白い話 更新情報

シャーク◎市屋の面白い話のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング