シャーク◎市屋の面白い話コミュのお子様はいらっしゃいますか？

帰宅後の出来事。

全裸でじゃがびーを頬張っていると

玄関のチャイムが鳴るのが聞こえた。

生憎、家には誰もいなかった為、仕方なく、脱いだシャツを羽織ることなく

じゃがびーのカップで局部を隠しながら玄関を少しだけ開けた。

すると、そこには恐らくセールスだと思われるスーツ姿の男性が立っていた。

居留守を使えば良かったと思っても時既に遅し。

男は勝手に自己紹介を始めた。

「はじめしえてぇ。僕、○○の△×って言うんですけどぉ・・・」

うぜぇ。

ただでさえ、じゃがびーとの至福の一時を邪魔されて不快だったのに

その男の軽いしゃべり方がより一層、俺を苛立たせた。

しかし、男はそんな気持ちを察する事無く話し始めた。

「小学生のお子様用の教材の販売をしているんですけどぉ。

　それくらいのお年頃のお子様はおみえですかぁ？」

お子様どころか、結婚、結婚どころか彼女が出来る気配すらない俺に喧嘩を売っているのだろうか。

馬鹿にしているのかと怒鳴りつけようかと思ったが、それも面倒なので

「いません。」とだけ素っ気無く答えた。

これで、大人しく帰ってくれると思ったら

「そうなんですかぁ。じゃあ、この辺りのお宅で小学生くらいのお子さんが

いるお宅ご存知ないですかぁ？例えば隣の△×さんのお宅は・・・」

と地図を広げながら一軒、一軒指を指し尋ね始めた。

マジうぜぇ・・・

例え、居たとしてもご近所さんを売り渡すような真似は出来ない。

俺はその男が指すところ全部に首を横に振った。

最後の一軒を指すまでは。

「じゃあ最後にここのビルにはご家族住んでいらっしゃいますかね。」

「えぇ。とても仲のいいご一家がいらっしゃいますよ。」

「小学生くらいのお子さんはいますか？」

「あまり親交ないんで判らないですけど子宝には恵まれていますよ！」

先程までとは打って変わって愛想良く答えてあげた。

男はじゃあ早速今から訪ねてみます♪と弾んだ声で言うと出て行った。

そこがヤクザの事務所とは知らずに。