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ギプスフェチ ver2.0コミュのギプス小説3部作復活!!

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ややフライング気味ですが、自己紹介以外の初トピです。

第1作 アリサ HIP SPICA→LLC

 本来は麻雀小説なのですが、ヒロインの空宮 阿里紗(そらみや ありさ)がひざを骨折して
ギプスをはめるというシーンがあるので、そこをメインに書いていきます。

 まだまだつくりかけなので、全然まとまりがありません。
ダメ出しなどよろしくお願いします。

 ギプスと関係ない部分はおおまかに書きます。

 空宮 阿里紗と空宮 優里奈は三人麻雀のギャル雀荘「トリニティ」で接客係として働いていた。
また阿里紗は、ボーイッシュモデルとしての活動もしていた。
 優里奈はいじめられていたところを阿里紗に助けてもらったことがきっかけで、
ボーイッシュな阿里紗に恋愛感情を抱く。
 同性愛者の阿里紗にとっては優里奈は「友達以上恋人未満」という微妙な関係。

 ある日阿里紗は、魔術によってマンズの2〜8をこの世から抹消し、
この世の麻雀をすべて三人麻雀にしようという秘密結社「マンズ中張牌撲滅部隊」のアジトにうっかり入ってしまう。
そこで、10年前に生き別れた、姉の空宮 真耶に出会う。
真耶はマンズの2〜8をこの世から消し去るための魔力を秘めていて、
真耶の魔力を具現化するために、日夜儀式が行われていた。
 
 やがて、真耶の魔力を具現化は、阿里紗と優里奈がカギを握っていることが分かり、
阿里紗と優里奈と真耶は、「マンズ中張牌撲滅部隊」と対立する組織から命を狙われることとなった。

 前置きが長くなりましたが、ここからが本番です。
 

 ある日の夜、阿里紗と真耶と優里奈はトリニティからの帰り道を歩いていた。
「待てよ、ユリナ。」
アリサが笑いながらユリナを制止した。
「早くおいで、アリサ」
ユリナは横断歩道へと足を運んだ。
そのとき、ユリナに向かって一台の車が走ってきた。車はブレーキどころかどんどん加速していく。
「危ない!!ユリナ!!」
アリサはとっさにユリナのほうに走り、ユリナを抱き、車をかわそうとした。
しかし次の瞬間、なんとも形容しがたい鈍い音が夜空に響いた。
 道路に倒れこんだアリサとユリナ。ユリナはすぐに起き上がった。
 するとアリサがうめいていた。
 「う・・・痛い、痛いよ・・・」
 アリサの脚は、ひざの少し下の部分で、変な形に曲がっていた。
 「脚が折れてるわ。早く救急車を呼ばないと!!あと警察も・・・」
 マヤは電話を手にした。
「あ・・・アリサ・・・アリサ!!」
 ユリナは気が動転し、ただ叫ぶことしかできなかった。

うめきながら脂汗をかくアリサ。折れた右脚は太く腫れ上がっていた。
 運び込まれた診察室には、「山下 美紀」と書かれた名札をつけた女医がいた。
レントゲン撮影の結果、右下半身を完全にギプスで固定する必要があると診断された。
もう少し折れ方が悪かったら手術が必要なくらいの重傷だった。
 美紀とともに「佐藤 愛子」という名札をつけた看護師がストレッチャーでアリサをギプス室に運んだ。
 美紀はアリサのミニスカートを、脚が動かないように慎重に脱がし、そして、ハサミを手に取った。
「先生・・・その、ハサミは?」
「今はいているスパッツとパンツを破るのよ。脚を動かしたらいけないからハサミで破るのよ。」
 その瞬間、アリサの表情が変わり、
「だめ・・・このスパッツは・・・破らないで・・・」
「どうして?」
「このスパッツは・・・ユリナからもらった、大事なスパッツなの・・・だから・・・破らないで・・・」
 
 結局、美紀は、手当てが終わったばかりのユリナを呼び、アリサを説得してもらうことにした。
 ユリナは擦り傷と打撲で、左頬にバンソウコウ、左足に包帯、左腕を三角巾で吊り、右手に松葉杖をついていた。

 事情を知ったユリナは、
「アリサのバカ!!・・・スパッツくらい・・・新しいのを買ってあげるわ!!」

 アリサは結局ユリナに従うことにした。
 美紀がスパッツを破って脱がし、次にパンツを破ろうとしたとき、アリサは顔を赤らめた。
「は・・・恥ずかしいよ・・・」
「どうして?女同士なのに・・・」
ユリナが言った。
「せ・・・先生・・・この子はレズなのよ・・・」
「そう・・・でも大丈夫。私は医者だから。恥ずかしがらないで。」
 美紀は愛子とともに、アリサのパンツを脱がし、シャツを胸までまくりあげた後、下半身麻酔をかけて、
折れ曲がった脚をまっすぐにし、
足、足首、すね、ひざ、太もも、脚の付け根、そしておなかへとギプスを巻いていった。
アリサは美紀に質問した。
「先生。どれくらいギプスをはめるの?」
美紀はこう答えた。
「経過を観察しないと分からないけど、2ヶ月は覚悟したほうがいいわ。
まず脚の腫れがひくまでは絶対安静。もちろん入院よ。」
 
 その後、アリサは病室へと運ばれた。
アリサの脚は天井からぶらさげたヒモでつりさげられた。

 「仕事・・・どうしよう・・・」
 アリサがつぶやくと、
 「アリサ、こんなときくらい、仕事のことは忘れなさい。」
マヤとユリナの声がシンクロした。


「じゃあ、今日はもう遅いから帰るわ。明日また来るから。」
「待って、ユリナ。」
「どうしたの?」
「・・・恥ずかしいじゃないか・・・」
 アリサの下半身はギプスが巻かれているだけで、恥ずかしい部分はさらけ出されていた。
おなかにギプスを巻かれているため、パンツがはけないのだ。
「明日まで我慢しなさい。明日、パジャマ持ってくるから」
「そんな・・・」
「・・・じゃあ、こうする?」
ユリナは左腕を三角巾から出し、三角巾をほどいた。
「な、何をするの!?ユリナ。ちゃんと腕を吊っていないと・・・」
「だいじょうぶ。」
ユリナは三角巾をアリサの腰に巻き、3つの角を結びつけた。
「こ、これは?」
「パンツの代わり。」
「・・・気持ちは・・・うれしいよ・・・でもやっぱりだめだよ、ちゃんと腕を吊らないと。」
「明日までよ。明日になったら返しなさいよ。」
「うん。」

ユリナとマヤは家路に着いた。アリサは一人病室で眠れぬ夜を過ごした。


「おはようございます。」
愛子が食事を持ってアリサの病室にやってきた。
アリサは両腕は使えたが、座ることができないため、愛子に食べさせてもらうことにした。
 「ごちそうさま・・・ありがとう。」
 「どういたしまして。それでは、私は帰ります。」
 「えっ、帰っちゃうの?」
 「ええ。私は夜勤なので。」
 アリサはまた一人になった。
 
 しばらくして、ユリナがやってきた。
「おはよう、アリサ。」
「ユリナ・・・ユリナ・・・」
 アリサは泣き出した。アリサは長い間ユリナとともに暮らしていた。そのため、ユリナの存在が当たり前だった。
一晩ユリナと別々に過ごし、初めてユリナの存在のありがたさを感じた。
「もう、アリサはおおげさなんだから・・・」

 ユリナはアリサの腰に巻かれた三角巾をほどき、アリサに3分丈のパジャマをはかせた。
ユリナはその三角巾で再び左腕を吊った。

 そしてユリナは油性ペンを取り出した。
「アリサ。お決まりだけど、ギプスに落書きさせて。」
「いいよ。」
 ユリナは起き上がれないアリサに見えるように、ギプスの太ももの部分にペンを当てた。

「早く治してね。そしてまたデートしようね。優里奈。」

 ユリナは読み上げながら、アリサのギプスにメッセージを刻んだ。

「ありがとう、ユリナ・・・デート、楽しみにしてるから。」
「私も。」

 そこに、仕事帰りのマヤがやってきた。

「お待たせ、アリサ。脚、まだ痛いの?」
「うん。でも、ちゃんと痛み止めの薬、飲んでるから。」
「でも、手術しなくてもよかったってことは不幸中の幸いね。アリサはモデルでしょ。脚に傷跡が残らなくて。」
「また、モデルの仕事、できるかな・・・」
「大丈夫。アリサの脚は、絶対に治るから。」

 アリサとマヤが仲睦まじく話をしているのを、ユリナは快く思わなかった。
 ユリナにとってマヤは、自分とアリサとの愛を邪魔する存在である。
「でも大丈夫。アリサは私の王子様なの。今はあの女にたぶらかされてるけど、絶対に、私だけの王子様になるわ。
この三角巾が、私とアリサの、愛の証なんだから。」
 ユリナはアリサの体液がほのかに染みついた三角巾に、負傷した左腕が包まれていることに、
幸福感を抱いていた。

そこに、ドアのノック音が響いた。
「はい。」
 3人の声がシンクロした。
 ユリナが右手に持った松葉杖をわきに挟んで、ドアを開けると、男性2人女性3人のあわせて5人がいた。
「空宮 阿里紗ファンクラブの者です。」
 アリサは男女ともに支持を受けている。
ニュースでアリサが大怪我したことを知ったファンたちがお見舞いにやってきた。
「あの、これ受け取ってください。」
女性ファンの1人が花束をアリサに差し出した。
「ありがとう。」
 男性ファン2人が少しガッカリしていた。普段のアリサのミニスカートとスパッツが、
3分丈のパジャマになっていたから。
 それを感じたアリサは、恥ずかしい部分が見えない程度に上下のパジャマをずらし、
「おなかにもギプスを巻いてるから、スカートもスパッツもパンツもはけないんだ。ボクの服はサイズがピッタリだし。」

それを見た別の女性ファンは、
「アリサは怪我をして、おしゃれもできないのね。つらそう・・・でもがんばって治してね。
私はアリサが復帰するまで待ち続けるから。」
「ありがとう。」
 アリサはファンへの感謝の気持ちを伝えた。
 その傍らでアリサの「ボク」という言葉を聞いた「ボクっ娘(自分のことを「ボク」という女性)フェチ」の男性ファンは
心を弾ませた。アリサの男性ファンの半数以上が「ボクっ娘フェチ」である。
 
 3人目の女性ファンは
「アリサの脚って・・・ギプスをはめていたほうが綺麗。」
その言葉に一瞬空気が凍りついたが、やがて、その場にいる全員がアリサの下肢の美しさを、
アリサの淡黄色のギプスが更に引き立てていることに気づいた。

 アリサはお見舞いに来たファン全員に直筆サインをプレゼントし、さらに、ギプスに落書きをしてもいいと言った。
ファンたちはアリサのギプス姿をより美しくするため、思い思いの落書きをした。
 ファンたちにとって、憧れのアリサと交流を持てた最高の時間だった。
 マヤはアリサの、ファンを大切にする姿勢を素晴らしいと思ったが、
ユリナはアリサの行き過ぎたファンサービスを見て、ファンたちに対し、少し嫉妬心を抱いた。

 アリサのファンとの交流が終わるのを待っていたかのように、再びノック音が響いた。

「はい。」
「警察の者です。」
 ドアを開けると、いかにも刑事という感じの男が立っていた。
 彼はドアを開けたユリナに警察手帳を見せた後、病室に入り、アリサとマヤにも手帳を見せた。
そこには彼の顔写真と「刑事一課 巡査部長 前田 翔」という文字があった。
 彼はマヤに、
「あなたが空宮 真耶さんですね。事故調査および事件捜査へのご協力、感謝致します。」
「いえ、これは当然のことです。アリサとユリナさんに怪我をさせた犯人が早く逮捕されることを願っていますから。」
「犯人は必ず逮捕すると約束します。それと、これはお見舞いの品です。」
 ファンが持ってきた花束に目をやった後、和菓子屋の包装紙に包まれた箱をアリサに渡しながら、
「職業柄、花を渡すのは、抵抗がありまして・・・」
「いえ、ありがとうございます。」

 そして前田は、昨夜のひき逃げ事件が、実は事故を装った殺人未遂事件であることを3人に告げた。
 3人はショックのあまり、返す言葉を失った。
しかし3人には、なぜ自分たちが命を狙われることになったのか、全く分からなかった。
よって前田は、犯人特定につながる情報は得られなかった。
「では、今日は失礼致します。」
 マヤが前田に
「私たちにできることがあれば、協力は惜しみません。」
と言った。
 前田は
「ありがとうございます。」と言って、病室を後にした。


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痛み止めの薬を飲んだユリナは再び寝入った。
マヤはユリナと添い寝をした。

ユリナが目を覚ますと、マヤの乳房の甘い香りに包まれていた。
「マヤさん、ありがとう。添い寝してくれたんだね。」
「ええ。アリサに頼まれていたから。」
「それにしても、私ってどうして痛み止めの薬を飲むといつも眠たくなるのかしら?」
「体質の問題なのでしょう。」
「散歩に行きたいけど、付き合ってくれる?」
「ええ、もちろん。」
ユリナは左手だけで右足にギプス用サンダルをつけ、マヤとともに病院の中庭に散歩に出かけた。
マヤのプロポーションを見たユリナは
「マヤさん、きれいな胸・・・アリサがマヤさんに好意をもつの・・・わかる。」
マヤは
「どうしたの、ユリナさん?腕とか足が痛むの?」
「大丈夫。ほら、ちゃんと指動かせるよ。」
ユリナは右手の指の運動をした。
その後30分ほど散歩をした。
「疲れたわ。そろそろ病室に戻るわ。」
「そう、分かったわ。」
病室に戻った2人。ユリナは左手でギプス用サンダルを外し、ベッドに戻った。

その後の数時間をTVを見て過ごしたユリナとマヤ。夕食を食べ、痛み止めの薬を飲むと、寝入ってしまった。
それを見たマヤは病室を去った。

ユリナが目を覚ますと、目の前にアリサとマヤがいた。
「ユリナ、もうすぐ退院だね。」
「うん。」
「ユリナさん、朝食持ってきたわ。」
マヤがテーブルに朝食を置いた。
「今日から自分で食べるわ。」
ユリナは左手でパンを持って食べた。
「がんばって、ユリナ。」
アリサはユリナを励ました。
目玉焼きをフォークを使って食べるユリナ。
ユリナはあっという間に食事を食べきった。
痛み止めの薬を口に含んだユリナ。
「ユリナ、はいお水。」
アリサはコップに水を入れ、ユリナに渡した。
ユリナは左手でコップを持ち、痛み止めの薬を飲んだ。

しばらくして、美紀がやってきた。
「おはよう、みんな。」
「おはようございます。」
3人の声がシンクロした。
「ユリナちゃん、腕と足、もう痛くない?」
「はい、もう大丈夫です。」
「じゃあ今日から痛み止めの薬飲まなくてもいいわ。」
「そうですか、あの薬を飲むと、眠くなるので。」
「それじゃあ今から退院の準備をしてね。2週間後に病院に来てね。」
「はい。」
アリサとマヤは荷物をまとめた。
ユリナは右足のギプスにサンダルを装着し、ベッドから降りた。
「ありがとうございました。」
3人は美紀に挨拶をし、病室を後にした。
3人は家にたどり着いた。
左手でギプス用サンダルを外すユリナ。アリサとマヤは先に靴を脱いで家に上がっていった。
ユリナも左足の靴を脱ぎ、家へと上がっていった。
ユリナは「眠いわ。寝るわ。」と言って寝室に行き、
パジャマに着替えることも無く布団に横たわり、寝入ってしまった。
ユリナの右腕と右足のギプスがアリサとマヤの心をドキドキさせた。
アリサとマヤは、ユリナが目覚めるのを、ネット麻雀をしながら待つことにした。

昼過ぎにユリナは目を覚ました。ユリナは布団から出て、居間に向かった。
ユリナの右足のギプスがフローリングと接触し、ドンドンと音を立てた。
「おはよう、アリサ、マヤさん。」
「お・・・おはよう、ユリナ。やった、これであがりだ。」
アリサはマヤから国士無双をあがっていた。
「おはよう、ユリナさん。まあ仕方無いわね・・・」
マヤはツモり四暗刻をテンパイしていた。

アリサは「今からカップ麺をつくるから・・・ユリナ、代わって。」と言った。
ユリナは「うん。」といい、右足を引きずりながら、パソコンデスクに向かった。
麻雀は南3局、つまりオーラスを迎えていた。
ユリナは最初、ギプス固定された右手でマウス操作をしようとしたが、やはり無理だったので、
左手でマウスの操作をした。慣れない左手でのマウス操作にユリナは苦戦していた。
しかしユリナはリーチツモチートイツドラ4の倍満をあがった。
マヤは「やられたわ。ユリナさんも強いわね。」とユリナをほめた。
ユリナは怪我をして、マヤに看病してもらったのをきっかけに、マヤに対抗心を持つことをやめていた。
そのため、「ありがとう。」と素直になれた。
アリサは「はい、カップ麺できたよ。」と言った。
マヤは「ちょうど良い時間だわ。」とパソコンを離れ、テーブルに向かった。
ユリナも「食べましょう。」と言って、右足を引きずりながらテーブルに向かった。
3人は「いただきます。」と言ってカップ麺を食べ始めた。
ユリナは左手でフォークを持ち麺をすすった。
麺を食べ終わったユリナはカップを左手で持ち、スープを飲んだ。

食事が終わり、後片付けをするマヤ。
アリサとユリナは再びネット麻雀を始めた。

後片付けを終わらせたマヤは、アリサとユリナの麻雀をみていた。
ユリナはマヤに「栄養ドリンク持ってきて。」と言った。
「はい。」マヤは冷蔵庫から栄養ドリンクを取り出した。
ユリナは「キャップ開けてね。私は右腕にギプスはめてるから開けられないの。」
「分かってます。」マヤは栄養ドリンクのキャップを開けて、ビンをユリナのパソコンデスクに置いた。
ビンを左手で持ち、栄養ドリンクを飲むユリナ。その様子をアリサの青い瞳がとらえていた。
アリサは「ユリナ、不便だね。休みとろうか?」といった。
ユリナは「いいよ、アリサ。私一人でなんとかなるから。」と返した。
マヤは「じゃあ私が休みをとるわ。」と言った。
ユリナは「マヤさん・・・」と言った。
アリサは「それじゃあボクが仕事する時間とお姉ちゃんが仕事する時間をずらせばいいんだよ。
2人が交代でユリナの面倒をみればいいと思うよ。」
マヤは「そうね、それがいいわね。」と言った。
ユリナは「ありがとう。アリサ、マヤさん・・・」と言い、涙を流した。
アリサは「ボクが怪我したときもユリナが支えてくれたじゃないか。そのお返しだよ。」と言った。
「あら、もうこんな時間。仕事に行かなくちゃ。アリサ、ユリナさんのことお願いね。」
マヤはあわててアリサたちの家から出て行った。
この日非番だったアリサは、
「ユリナ、お風呂入ろうか?」
「うん。」
パソコンデスクを離れた2人は服を脱ぎ始めた。
ユリナはまず三角巾を腕から外した。
アリサは先にシャツ、ミニスカートを脱ぎ、ブレースを外し、スパッツを脱ぎ、ブラジャーとパンツを脱いだ。
アリサの膨らみ始めた胸がさらけ出されたころ、ユリナは下着姿になっていた。
「手伝うよ、ユリナ。」
「ありがとう。」
ユリナのブラジャーのホックをはずし、脱がすアリサ。
「お待たせ、アリサ。」
ユリナはようやく下着を脱ぐことができた。
アリサはまずユリナの右腕のギプスにバスタオルを巻き、ビニール袋で覆った。
次に右足のギプスにバスタオルを巻き、ビニール袋で覆った。
風呂場へ向かった2人。
「ユリナ、シャンプーしてあげる。」
「ありがとう。」
アリサはシャンプーを手にとり、ユリナの髪につけた。
アリサに髪をマッサージしてもらうユリナ。
「気持ちいい。」
「よかった。」
アリサが自分の黄金のように美しい髪を洗っている間、ユリナは自分で体を洗うことにした。
しかし左手だけでは洗えない部分もあった。
ユリナが悪戦苦闘している間にアリサは自分の髪を洗い終えていた。
「ユリナ、体も洗ってあげるよ。」
アリサはユリナの体をゴシゴシっとこすった。

「ユリナ、湯船に入れてあげる。」
「ありがとう。」
ユリナの右足は足首だけのギプス固定のため、入るのにはそんなに苦労しなかった。
しかしアリサはユリナの体を支えてあげた。

ユリナが湯船につかっている間、アリサは自分の体を洗っていた。アリサはかつて怪我していた右脚をこすり、
2ヶ月のギプス生活を懐かしんだ。
やがてアリサも体を洗い終わり、湯船につかった。

「ユリナ、あがろう。」
「え、アリサもういいの?」
「うん、あまり長い時間入ってるとのぼせるからね。」
アリサが先に湯船から出て、ユリナの体を支えた。

風呂場からあがった2人は、ユリナのギプス固定された腕と足をくるむビニール袋を外し、バスタオルを解き、
そのバスタオルで体を拭いた。

アリサはパンツをはき、ブラジャーをつけ、右ひざにブレースをつけ、パジャマを着た。
3分丈のパジャマのズボンとひざのブレースがユリナの目に美しく映った。
ユリナはパンツを自力ではき終わったところで、アリサにブラジャーを着けてもらった。
ユリナもパジャマを着て、再び三角巾でギプス固定された右腕をつった。

「ユリナ、ジュース飲もう。」
「うん。」
アリサはペットボトルのキャップを開け、ユリナに渡した。
ユリナは左手でジュースをおいしそうに飲んだ。
2週間後、ユリナとアリサは病院にいた。まずアリサがレントゲン室に呼ばれ、右ひざの撮影を行った。
その後ユリナも呼ばれ、右腕と右足の撮影を行った。
その後アリサは診察室に呼ばれた。
「アリサ、私も行くわ。」
「うん。」
診察室に入ったアリサは右ひざのブレースを外した。
美紀はアリサのレントゲン写真を見た後、右ひざを触診した。
「ほぼ完全に治ってるわ。もうブレースも必要ないわ。」
「そうですか。ありがとうございます。で、ユリナの具合はどうなのですか?」
美紀はユリナのレントゲン写真を見て、
「腕の骨はくっついてきてるわ。でも、もうしばらくかかりそうだわ。」
「そうですか・・・」
ユリナはがっかりした。
「足はレントゲンを見た感じは順調に回復してるようだけど、エコーもとりたいから、一度ギプスを外すわ。」
「はい。」
美紀は超音波カッターでユリナの右足のギプスを切断した。
そしてエコーをユリナの右足に当てた。
「どうですか?」
ユリナとアリサが質問した。
「うん、靭帯の傷が大分良くなってるわ。あと2週間でギプスからブレースに代えることができそうだわ。
アリサちゃんが使ってた足首のブレースを使えるから次に持ってきてね。」
「はい。」
ユリナはアリサの使っていたブレースを装着できることをうれしく思った。
美紀はユリナの右足を洗った後、切断したユリナの右足のギプスをガムテープで貼り合わせ、
その上から包帯を巻いた。
「アリサちゃんはもう来なくても大丈夫。ユリナちゃんは2週間後に来てね。」
「はい、ありがとうございました。」
そう言って2人は診察室を後にした。

会計を済ませた2人は病院を出た。するとそこにはマヤがいた。
「あっ、お姉ちゃん。」
「マヤさん。」
「お疲れ、アリサ、ユリナさん。」
アリサは右手に今までひざに着けていたブレースを持っていた。
「お姉ちゃん。ボク、今からトリニティに行くから、ブレース持って帰って。」
「分かったわ。」
マヤはアリサからブレースを受け取った。
「ユリナさん、一緒に帰りましょう。」
「うん。」
こうしてアリサは雀荘へ、マヤとユリナは、アリサとユリナの家へと向かった。
家へ帰ったユリナはマヤとともにネット麻雀を始めた。ユリナは左手でのマウス操作に大分慣れていた。

夕方になり、マヤは麻雀を終わらせた。
「ユリナさんが麻雀終わったら一緒にお風呂入りましょう。」
「えっ?」
「アリサに頼まれているの。ユリナさんをお風呂に入れてって。」
「わかったわ・・・ありがとう・・・」
ユリナも麻雀を終わらせた。

服を脱いだ2人。マヤの豊満な乳房と腰がユリナの目に留まった。
腰までの長さの黄褐色の髪を洗うマヤ。ユリナも左手で茶褐色の髪を洗い始めた。
髪に泡立ったシャンプーをつけたままユリナの地肌をマッサージするマヤ。
体を洗い、湯船に浸かったときには、ユリナとマヤも、強い愛で結ばれているのを2人は実感した。

風呂からあがり、夕食をとってネット麻雀を続けたユリナとマヤ。
そろそろ寝ようと思ったころアリサが帰ってきた。
「ただいま、ユリナ、お姉ちゃん。」
「お帰りなさい、アリサ。」
「ユリナ、トリニティのみんながユリナに会いたがっていたよ。」
「えっ、そうなの?」
「うん。あした行こうよ。」
「えっ、私、腕を怪我してるから無理よ・・・」
「顔を出すくらいいいじゃないか。家にひきこもってたらよくないよ。」
「・・・わかったわ。」
「じゃあ、私はそろそろ帰るわ。」
マヤが席を立った。
「お姉ちゃん、家に泊まってよ。こんな夜中に女性の一人歩きは危険だよ。」
「分かったわ。今日は泊まらせてもらうわ。」
「うん。疲れたから寝よう。」
布団に入った3人。ユリナは指の運動をしていた。アリサとマヤはそんなユリナのリハビリを見て、ドキドキした。
「どうしたの、ユリナ。眠れないの?」
アリサがユリナにたずねた。
「大丈夫。もうすぐ寝るわ。」
3人は眠りについた。
次の日、アリサとユリナが目を覚ますとマヤはいなかった。
「お姉ちゃん・・・あ、手紙だ。」
枕もとに置手紙があった。そこには
「おはようアリサ、ユリナさん。泊めてくれてありがとうね。私は用事がありますので帰ります。
また会いましょうね マヤ」
と書いてあった。
「お姉ちゃんも忙しいんだ・・・」
ユリナは左手でコッペパンをテーブルに並べていた。
フローリングにユリナの包帯を巻かれたギプスがドンドンと音を立てながら接触していた。
「あ、ユリナ。あとはボクがやるから、ユリナは座ってて。」
「わかったわ。」
ユリナはテーブルの椅子に座り、左手でリモコンのボタンを押し、TVの電源を入れた。
コップをテーブルに並べ、牛乳をコップに注ぎいれるアリサ。
「ユリナ、牛乳を飲んだら骨にいいから。いっぱい飲んでね。」
「うん、ありがとう。」
2人はパンを食べ始めた。
「ユリナ、おいしい?」
「うん。」
左手でパンを食べるユリナ。
食べかけのパンを皿に置き、牛乳の入ったコップを持ち、牛乳を飲んだ。
「もう飲みきったの。早いね。おかわりする?」
「うん。牛乳は骨にいいんでしょ。」
アリサは牛乳パックを持ち、ユリナのコップに注いだ。
ユリナはパンを食べきり、再び牛乳を口にした。
食事を終わらせた2人は歯を磨くことにした。
アリサはユリナの歯ブラシに歯磨き粉をつけ、ユリナに渡した。
「ありがとう、アリサ。」
ユリナは左手で歯ブラシを受け取った。
右手の指の運動をしながら左手で歯を磨くユリナを見て、アリサはユリナのコップに水を入れながら、
自分の歯を磨き始めた。
やがて2人は歯を磨き終わり、口をすすいだ。

パジャマを脱ぎ、スパッツとミニスカートとはき、シャツを着るアリサ。
ユリナもパジャマを脱ぎ、スカートをはき、頭と左腕と、ギプス固定された右腕をシャツに通した。
「ユリナ、自分で服着れる?」
「うん、大丈夫。ありがとう、アリサ。」
「そうか。」
「アリサ、今年はプールに行けなかったね。ごめんね。」
「いいよ。ボクも脚を折ったし。こっちこそごめんね。」
「アリサの水着姿、来年は必ず見せてね。」
「うん。ユリナの水着姿も可愛くていいよ。見せてね。」
「わかったわ。来年は怪我しないようにするわ。」
「プールで楽しめなかった分、麻雀で楽しもうよ、ユリナ。」
「うん。」
ギプス固定された腕を三角巾で吊ったユリナ。
玄関に出てギプスシャーレで固定された右足にサンダルを装着したユリナ。
2人はギャル雀荘「トリニティ」へと向かった。
「トリニティ」に到着したアリサとユリナ。
夜番のギャル店員、カナとミユキが2人を出迎えた。
「お待たせ、カナ、ミユキ。」
とアリサが言った。
「おはようアリサ、ユリナ。これでやっと帰れるわ。」
とカナは喜んだ。
「まだサユリが来てないじゃないか。」
「お客いないんだし、2人いれば十分よ。じゃあ私たちは帰るわね。」
とミユキが言った。
「ちょっと、私、腕を折って仕事できないんだけど・・・」
さっさと帰ってしまったカナとミユキ。
そこに、サユリがやってきた。
「おはようみんな。ユリナ。久しぶり〜。怪我の具合はどう?」
「うん、大分良くなってるよ。まだ仕事はできないけどね・・・」
「そう〜。良くなってるならいいじゃん。がんばってね。」
そこに、小柴リュウがやってきた。
「おはよう、みんな。麻雀やろうぜ。」
「おはようございます。」
「お、ユリナちゃん。怪我したんだって。大丈夫?」
「ええ、大分良くなってます。」
「ユリナ。麻雀打たない?」
アリサが言った。
「えっ・・・私は腕を折ってるから・・・見学だけでいいわ。」
「ツー入りだと接客係がいなくなるから、ユリナ打って。」
サユリもユリナにお願いした。
ユリナは、
「ゆっくりになりますが、よろしいですか?」
とリュウにたずねた。
リュウは
「ユリナちゃんと麻雀打ちたかったんだ。見てるだけだとつまらないだろ?」
と返した。
「ありがとうございます、よろしくお願いします。」
とユリナは言った。
アリサとユリナが卓につき、サユリが接客をすることになった。
左手で牌を取り、並べるユリナ。
赤5pをツモり、西を切るユリナ。
その後ユリナは赤2枚入りのリーチツモをあがった。
左手で牌を倒すユリナ。
ギプスフェチのアリサはそれを見てドキドキしながら点棒を払い、
「おお〜。ユリナやるな〜。」と言った。
リュウは、
「やっぱアリサちゃんとユリナちゃんは強いからな〜。サユリちゃんもがんばって麻雀覚えようね。」
サユリは、
「そうですね。がんばります。」
と言って、ジュースをリュウのテーブルに置いた。

半荘が終わろうとしたとき、別の客が店にやってきた。
「園田さん、いらっしゃいませ。」
サユリが言った。
「いらっしゃいませ。」
アリサとユリナも言った。
「ただいまツー入りで、まもなく終了します。お待ちください。」
とアリサが言った。
ユリナは右腕を怪我している自分も店員とみなしてくれたアリサに喜んだ。

「ロン。」
アリサはユリナからメンタンピンドラ3をあがり、逆転で1位になった。
「しまった。」
とユリナは言った。
「ユリナ、怪我していても、麻雀では手加減しないからね。」
とアリサは言った。
「園田さん来たから・・・私抜けます。」
とユリナは言った。
「ユリナ、打って。片腕だったら掃除とかはできないけど・・・麻雀ならできるし。」
とアリサは言った。
サユリも
「これからお客さんがたくさん来るから、接客要員を2人確保しておかないといけないし、
ユリナが本走(麻雀)やって。」
と言った。
アリサは「園田さん、腕を怪我しているユリナが本走になりますが、よろしいですか?」
とたずねた。
園田は「ええ、いいですよ。」と答えた。

こうしてユリナは麻雀を続けた。
やがて店はお客さんでいっぱいになり、ユリナは休憩をとることができた。
お昼になっていたので、カップ麺をつくり、食べることにした。
左手にフォークを持ち、カップ麺をすするユリナ。
その一方で、サユリとアリサは接客に追われていた。
ユリナは
「アリサ、サユリ、手伝おうか?」
と言った。
サユリは
「ユリナ、とりあえず、食べてしまって。」
と返した。
アリサは
「ユリナは怪我してるんだから、無理しなくていいよ。」
と言った。
ユリナは
「ありがとう。じゃあ、食べてしまうね。」
と返した。

食事を終えたユリナは、ギプスシャーレ固定されている右足を引きずりながら、左手で飲み物を客に配ったり、
灰皿を交換したりした。
客たちは、怪我をしてもがんばっているユリナに感心した。
仕事が終わり、ユリナとアリサは家路についていた。
「ユリナ、明日は運動会だね。ユリナは参加できないけど、応援よろしくね。」
「うん。アリサも怪我が治ったばかりだから、無理はしないでね。」
「わかってる。ひざにブレースをつけるから、大丈夫。」
家に到着した2人はいつもやっているネット麻雀をすることなく眠りについた。

翌日、2人は家の近くの運動公園にやってきた。
いつも通りのシャツとミニスカスパッツと右ひざにブレースをつけているアリサ。
ユリナはシャツとショートパンツで、ギプス固定された右腕を三角巾で吊り、
右足にサンダル付きのギプスシャーレという姿だった。

そこにはマヤもいた。
「おはよう、アリサ、ユリナさん。」
マヤの乳房とお尻がシャツとブルマに包まれ、ぷるんとなっていた。
「お姉ちゃんの体操服姿って、珍しいね。」
アリサはいつもロングスカートをはいているマヤの体操服姿に新しい魅力を感じた。
「ちょっと年齢オーバーかしら?」
マヤが恥ずかしがりながら言うと
「う〜うん、可愛いよ。」
とアリサが答えた。

「次は女子50m走です。選手の皆さんはスタート地点前に集合してください。」
アリサとマヤが走る番が回ってきた。
アリサはすでにミニスカートを脱いでいた。太ももはスパッツで、右ひざはブレースで包まれていた。
右腕と右足をギプス固定されたユリナは応援席で応援していた。
「アリサ〜、マヤさ〜ん。がんばって〜」
ユリナの声援がアリサとマヤの耳にかすかに届いた。
それを聞いたアリサは、
「がんばろう。でもお姉ちゃんは運動が苦手だから、無理しないでね。」
と言った。
「がんばるわ。」
と言って、マヤは腰の高さまである髪をリボンで束ねた。

スタート地点にはアリサとマヤのほかに2人の女子選手が並んでいた。
「よ〜い。」
「バン!!」
4人は走り始めた。
早速遅れを取るマヤ。
その一方でほかの3人は競り合っていた。
ブレースをつけた右脚で地面を蹴るアリサ。
一人が先頭争いから脱落し、アリサともう一人が残った。
アリサの前にゴールテープが迫っていた。
「バン!!」
わずかにアリサが競り勝った。
アリサは怪我が治ったばかりという逆境を乗り越え、レースに勝ったのだ。

マヤは大幅に遅れながらも無事完走した。
「おめでとう、アリサ。」
マヤはハアハアしながらアリサを祝福した。
「ありがとう、お姉ちゃん。お姉ちゃんもがんばったね。」
応援席からユリナが右足をひきずってやってきた。
「おめでとう、アリサ。」
「ありがとう、ユリナ。」
アリサのスパッツとブレース、そしてユリナの腕と足のギプスが観客の目をひいていた。
その後、アリサとマヤは玉入れに参加することになった。

かがんで玉を拾い、カゴへと投げていくアリサとマヤ。
マヤの豊満な乳房が揺れていた。
アリサのブレースをつけた脚が屈伸し、スパッツに包まれたお尻が上下した。
アリサもマヤも、ボールコントロールがうまく、カゴにはどんどん玉が入っていった。
「バン!!」
アリサとマヤのチームが圧勝した。
ユリナはその様子を見て、自分も早く腕と足を治そうと強く思った。

運動会が終わり、再びミニスカートをはいたアリサ。
「ブレースは・・・家に帰るまで着けておこう。」
「ご苦労様、アリサ、マヤさん。」
ユリナが2人の労をねぎらった。
「ユリナさん参加できなくて残念ね。楽しかったわ。」
とマヤがユリナに言った。
「私も2人の運動会を見て、楽しかったわ。」
とユリナが言った。
「楽しめたならよかったよ。」
アリサは嬉しがった。
「明日からまた麻雀漬けの日々が始まるわね。」
マヤは微笑みながらアリサとユリナに言った。

3人はアリサとユリナの家の前まで行き、マヤはそこから自分の家に向かった。

夕食を食べたアリサとユリナはすぐに寝入ってしまった。
2週間後、ユリナはアリサと共に病院に向かった。ユリナのカバンには、
かつてアリサが右足首につけていたブレースが入っていた。
病院に到着し、受付に診察券を左手で提出するユリナ。
順番を待つユリナとアリサ。

アリサは
「包帯が擦り切れてきたね。」
とユリナに呼びかけた。
ユリナは
「でもこの包帯とも今日でお別れだと思うわ。」
と複雑な表情を浮かべた。

ユリナはまずレントゲン室に呼ばれ、右腕と右足の撮影をした。
次に診察室に呼ばれた。そこには美紀と愛子がいた。
美紀は
「腕と足、どっちから処置してほしい?」とユリナにたずねた。
ユリナは
「えっ。」
と返した。
美紀は
「腕のギプスは今日切断してギプスシャーレにするわ。足はエコーをとって、経過が良好ならブレースに換えるわ。」
ユリナは
「じゃあ、腕からお願いします。」
と言った。
美紀は超音波カッターで手首からひじ、二の腕とギプスを切断した。
愛子はギプスを巻いていたユリナの右腕を洗った。
そして、美紀と愛子2人がかりでユリナの切断したギプスをガムテープで貼り合わせ、その上から包帯を巻いた。
「そのギプスシャーレもあと2週間ほどで外せると思うわ。」
「はい。」
「次は足ね。」
美紀はユリナの足のギプスの上に巻かれた、擦り切れた包帯をハサミで切り取り、
切れ目を入れられた足のギプスに貼られているガムテープをはがし、そしてエコーを当てた。
「うん。ちゃんと回復してるわ。ブレースに換えましょう。ブレース持ってきた?」とユリナに言った。
「はい。」
と言って、ユリナはカバンからブレースを取り出した。
美紀はユリナの右足首にブレースを装着し、
「歩いてみて。」
とユリナに言った。
右足をひきずりながら歩くユリナ。
「しばらくブレースは必要みたいね。」
「わかりました。」
とユリナは答えた。
アリサは
「先生、お風呂のときはギプス外していいんですか?」
と質問した。
「ええ。大丈夫よ。」
と美紀は返した。
「やったー。」
2人は喜んだ。

会計を済ませ、病院から出たユリナとアリサ。
アリサは
「トリニティ行こうよ。」とユリナに言った。
ユリナは
「うん。」と返した。
「トリニティ」へ向かうユリナとアリサ。
ユリナがブレースをつけた足で店に入ったとき、カナが麻雀を打っていた。
「アリサ、ユリナ。ちょうどいいところに来たわ。」
「どうしたの?」
アリサがたずねると
「今日はサユリが風邪で休みなのよ。アリサとユリナに電話したけど、通じなくて。
ミユキも用事があってお昼まで来れないっていうし・・・」
アリサとユリナは自分の携帯電話を見た。
「ごめん、病院にいたから携帯の電源切ってた。」
とユリナが言った。
「ボクもユリナと一緒に病院行ってたから。」
「ふ〜ん、アリサとユリナって、アツアツだねぇ。」
カナは麻雀を打ちながら2人を冷やかした。するとアリサが
「ボク、今度ユリナの怪我が治ったらユリナと結婚しようと思ってるんだ。」
「えっ!?」
ユリナとカナは驚いた。
「同性結婚の許可を役所でもらって・・・」
アリサの発言を横切ってカナは
「アリサがレズだってことはこの店のみんなが知ってることだからね。でもユリナもレズだったとは・・・」
ユリナはこう答えた。
「私はレズじゃないわ。アリサはそこらへんの男の人よりもずっとかっこいいわ。それだけよ。」
「そういうのをレズっていうのよ・・・」
カナはあきれた。

麻雀が終了し、今までとは別の卓でユリナが麻雀を打ち、アリサとカナが接客をすることになった。
今まで使っていた麻雀卓を掃除するカナ。アリサはジュースをユリナと客2人に配った。

お昼になって1人客が抜け、アリサが麻雀を打つことになった。
そこにミユキが来た。
「おはよう、ミユキ。」
ユリナとアリサとカナが言った。
「おはよう、みんな。」
というミユキの視線は、ユリナの右足に向けられた。
「ユリナ、足のギプス変わってるね。」
「うん、ブレースっていうのよ。これで大分歩けるようになったわ。」
「おめでとう。」
「腕も変わってるわよ。お風呂のときはギプス外せるようになったの。なんだったら今はずそうかしら?」
アリサはあわてて
「いいよいいよ。今無理したらまた腕を怪我するから。そのギプスつけたままで麻雀打って。」
と言った。
「ミユキ来たから私は帰るわね。疲れた〜」
とカナは言った。
「残業手当入るからいいじゃん。」
アリサは言った。
ユリナはギプスシャーレ固定された右腕の指の運動を行いながら左手で麻雀を打った。
アリサはその様子をドキドキしながら見た。
夜になり、マヤがやってきた。
「お待たせアリサ、ユリナさん、ミユキさん。」
「お姉ちゃん。待ってたんだよ。」
たった今麻雀を終わらせたユリナはマヤと交代した。
「帰ろう、ユリナ。」
「うん。」
アリサとユリナは店を後にした。
「お疲れ様」
マヤとミユキがアリサとユリナの労をねぎらった。

家に到着したユリナとアリサ。
「アリサ、お風呂入ろう。」
「うん。」
ユリナは三角巾から腕を外し、アリサがユリナのギプスシャーレの包帯を解き、
ギプスに貼られているガムテープをはがし、ギプスシャーレを外し、そして右足首のブレースを外した。
ユリナの細くなった右腕と右足がさらけ出された。
2人は全裸になった。
風呂場に入る2人。
ユリナはこの日は自分で髪と体を洗った。アリサも髪と体を洗った。
そして2人で湯船につかった。
風呂場からあがり、パジャマを着る2人。アリサは再びユリナの右足首にブレースをつけ、
ギプスシャーレを右腕につけた。ユリナは三角巾でギプスシャーレ固定された右腕を吊った。
2週間後、アリサとユリナは病院にいた。
美紀に呼び出されたユリナ。アリサも診察室に入っていった。
美紀は
「さっき撮ったレントゲンがこれよ。腕の骨がちゃんとくっついてるのがわかるわ。ギプスシャーレを外しましょう。」
美紀はユリナの右腕のギプスの上に巻かれた包帯をハサミで切り取り、ギプスに貼られたガムテープをはがし、
切れ目を入れられているギプスを外した。
「次は足ね。ブレースを外して。」
「はい。」
ユリナは両手を使ってブレースを外した。ユリナの右足にエコーを当てる美紀。
「ほぼ治ってるわ。でももう少しブレースをつけましょう。」
「はい。」
ユリナはなかなか治らない自分の足にいらいらしつつもアリサが使っていたブレースをつけられることが嬉しく、
複雑な心境だった。
「ユリナちゃん、指の運動がんばってたみたいね。腕がちゃんと動いてるわ。」
と美紀が言った。

診察が終わり、「トリニティ」へ向かったユリナとアリサ。
店にはマヤとカナがいた。
「お待たせ、お姉ちゃん、カナ。」
「おはよう、アリサ、ユリナさん。ユリナさん腕のギプス外したのね。」
「ええ。今日からは両手を使って麻雀できるわ。」
カナが
「マヤさん、私帰るわ。」と言った。
マヤは
「私は残るわ。アリサとユリナと一緒に居たいから。」
カナは
「お疲れ様。」といって店を後にした。
「お疲れ様。」ユリナとアリサとマヤはカナの労をねぎらった。

両手で麻雀を打つユリナ。
お客さんでいっぱいになった後は両手で麻雀卓の掃除をするユリナ。
ユリナの笑顔がその場にいる人全員を和ませた。

第2作 ユリナLAC&SLCはこれにて完結です。第3作 マヤARM SPICAへ続きます。
メモ帳に保存してある小説をコピペする作業は、地味につらいです・・・
ユリナの腕のギプスが外れたところで休憩します。
第3作 マヤ ARM SPICA

ある日の夜中。雀荘「三色同順」に、中年の男と若い男がいた。
中年の男は
「萬子中張牌撲滅は絶対に阻止しなければならない。しかし空宮という名の3人の小娘どもがいる限り、
萬子中張牌撲滅計画はどんどん進んでいく。」
と言った。
若い男は
「どうするんですか?最初はあの3人を車でひき殺そうとして失敗、次はあの3人に呪いをかけたのですが、
ユリナって小娘が怪我しただけ・・・アリサとマヤには呪いが効かなかった・・・」
と返した。
中年の男は
「マヤだ。マヤさえ殺せば萬子中張牌は守られるのだ。だから殺せ!」
と怒声をあげた。
若い男は
「そんな・・・北条はあの3人を殺そうとして逮捕されたんですよ。」
と躊躇した。
中年の男は
「いいか山元、これは命令だ。殺せ!同じことを何度言わせれば気が済むんだ!」
と更に怒声をあげた。
山元は
「・・・分かりました。」
と答えた。


「トリニティ」にて、マヤとアリサとユリナが仕事をしていた。
お昼になり、アリサとユリナが昼食をとった後、マヤが
「そろそろ用事があるから帰るわね。」と言った。
アリサとユリナは
「うん、おつかれ。」
と返した。

道を歩くマヤ。
人通りが少ない場所に差し掛かったとき、目だし帽をかぶり、バットを持った男がマヤの前に立ちはだかった。
「はっ・・・」
その男はバットでマヤの頭を殴りかかった。
マヤは左腕で頭をかばったが、転倒してしまった。
男は更にマヤを殴り続けた。
左腕で必死に抵抗するマヤ。

そこに、パトロール中の警察官がやってきた。
男は
「まずい、逃げろ」
とバットを捨ててその場から走り去った。
うめきながら倒れこんでいるマヤの元に警察官が駆け寄った。
警察官は
「大丈夫ですか!?」
とマヤに言った。
マヤは
「腕が・・・ああああぁ・・・」
と叫んだ。
警察官は
「腕が折れている。救急車呼びますから待っていてください。」
と無線で救急車と応援の警察官を呼んだ。

前田刑事が覆面パトカーに乗ってやってきた。
「マヤさん!!」
と前田刑事は叫んだ。
第一発見者の警察官は
「前田刑事のお知り合いなのですか?」
と質問した。
「ああ、ひき逃げ殺人未遂事件があっただろ。その被害者のお姉さんだよ。」
と返した。
救急車が到着した。
救急隊員はマヤをストレッチャーに乗せ、病院へと運んだ。

「早速聞き込みだ」
前田刑事は周りの警察官に命じた。


救急隊員によって病院へと運ばれたマヤ。診察室には美紀と愛子がいた。
「マヤちゃん、今からレントゲン撮るからね。」
レントゲン撮影の結果、左の手指、手首、ひじ、肩をギプス固定する必要があると診断された。
「上の服破るわよ。」
美紀はマヤの着ていたブラウスとブラジャーをハサミで破った。
マヤの豊満な乳房がさらけ出された。
美紀は愛子とともに左腕に麻酔をかけて整復し、
手、手首、前腕部、ひじ、二の腕、肩、胸へとギプスを巻いていった。
「3ヶ月〜4ヶ月ほど腕をギプスで固定することになるわ。」
美紀の話しかけにようやくマヤが答えた。
「3〜4ヶ月・・・ですか・・・」
「ええ。そしてしばらく入院する必要があるわ。」
「わかりました・・・」

「トリニティ」にいたアリサとユリナ。
アリサの携帯電話が鳴った。
「はい。」
アリサは電話を受けた。
「えっ・・・お姉ちゃんが通り魔に襲われて大怪我!?・・・はい、わかりました・・・でも今仕事中なので・・・」
それを聞いたユリナは
「アリサ、病院に行ってあげなさい。」
と言った。
「ユリナ・・・」
「店は私に任せて。応援呼んだら私もすぐに病院に行くから。」
「わかったよ、ありがとう、ユリナ。」
アリサは
「みなさん、すみません。緊急事態なのであがらせていただきます。」
と客たちに深く頭を下げた。
ユリナも
「みなさん、すみません。」
と頭を下げた。
プロの方に無料で感想文を書いていただけるという絶好の機会がありました。
http://www.fit-connect.jp/bungeisha/mixi/2010/10/001/
なので、早速ギプス小説3部作を↑に送りました。
楽しみです♪
病院に駆けつけたアリサはマヤがいる部屋へと向かった。
「えっと・・・先生は507号室って言ってた。」
アリサは507号室の前にたどり着いた。507号室 空宮 真耶様という名札があった。
「お姉ちゃん!!」
「アリサ・・・」
マヤはベッドに座っていた。左腕から肩そして豊満な乳房にかけてがギプスにくるまれていた。
そこには美紀と愛子そして前田刑事がいた。
「アリサちゃん、マヤちゃんは手首と前腕部と二の腕の骨が折れてるわ。
3〜4ヶ月の間腕と肩をギプスで固定しなくちゃいけないし、リハビリも相当期間がかかると思うわ。
でも通り魔に必死で抵抗したのね。怪我は腕だけよ。頭や内臓は大丈夫。」
「そうですか・・・」
アリサは複雑な表情を浮かべた。
「許せないわ・・・でもマヤさん、がんばりましょうね。」
愛子が怒りの表情を表した後、笑顔を見せた。
前田刑事は「アリサさん、今回の事件は以前のひき逃げ事件と関係があると思います。
そのときの犯人の北条から事情聴取しようとしています。」と言った。
「ありがとうございます。」
アリサは返した。
「お姉ちゃんのギプス・・・ミカちゃんのギプスと一緒・・・ミカちゃん元気にしてますか?」
「ええ、もう元気すぎるくらい。」
「そうですか、よかった。明日モデルとしての仕事があるので、そこにミカちゃんを招待しますよ。」
「ありがとうございます・・・それでは私は署に戻ります。」
前田刑事が帰った後、愛子が
「マヤさん、体温と血圧計りましょう。」とマヤに言った。
「はい。」
マヤは返した。

愛子から体温計を受け取ったマヤ。
いつも通り左のわきに体温計を入れようとしたとき、体温計の先端とギプスが接触し、音をたてた。

「あ・・・」
そのときマヤは自分がいかに重傷であるかに改めて気がついた。
「お姉ちゃん、ボクが体温計ってあげる。」
アリサは体温計をマヤの右のわきに入れた。

ピピピと音が鳴った。
「37.7℃。骨折してるから熱が出てますね。先生に言って、解熱鎮痛剤を処方してもらいましょう。
血圧は127の88。脈拍は102。ちょっと動揺しているようですね。ゆっくり休んでください。」
と愛子がマヤに言った。
「ありがとうございます。」
マヤは愛子に感謝の意を伝えた。
夕食の時間になった。
愛子が食事を持って
「マヤさん、夕食ですよ。」
とマヤの病室にやってきた。
マヤは
「看護婦さんありがとうございます。」
と言った。
アリサが
「お姉ちゃん、ボクが食べさせてあげる。」
と言って、夕食をのせたお盆を愛子から受け取った。

「お姉ちゃん、あーんして。」
「あ〜ん。」
アリサははしでご飯をつまみ、マヤの口に入れた。
「もぐもぐもぐ。」
「どう、お姉ちゃん?」
「おいしいわ。」
「よかった。どんどん食べて早く怪我を治してね。」
「わかったわ。」
そこに、右足にブレースをつけたユリナがやってきた。
ユリナはマヤの腕と肩と胸に巻かれたギプスを見て、
「マヤさん!!」
と叫んだ。
「ユリナ。心配かけてごめんね。店はどうしたの?」
マヤはいつの間にかユリナを呼び捨てするほどユリナと仲良くなっていた。
「うん、店はサユリとミユキに任せたから。来れてよかったわ。」
「ユリナ、お姉ちゃんは3〜4ヶ月の間腕と肩をギプスで固定しないといけないんだ。
だからボクとユリナの2人で看病してあげようね。」
アリサがユリナに言った。
「もちろんよ。」
ユリナは返した。
「2人とも、ありがとう。」
マヤは涙を流した。
「ボクたち3人は姉妹じゃないか。さあ、お姉ちゃん、全部食べよう。」
アリサはマヤに再び食事を食べさせ始めた。

食事を終わらせたマヤ。
アリサはマヤに痛み止めの薬を飲ませた後、マヤの乳房をくるんでいるギプスに、乳首の絵を落書きした。
それを見たマヤは
「やだアリサ。恥ずかしいわ。」
と言った。
その後アリサは、マヤのギプスの腕の部分に「早く治してね。阿里紗」と書いた後に例の紋章を描いた。
マヤは
「ありがとう、アリサ。」
と言った。
ユリナは
「私もマヤさんのギプスに落書きするわ。」
と言った。
マヤは
「どうぞ。」
とそれを受け入れた。
ユリナは「マヤさんの腕が早く治りますように。FIGHT!!」
とマヤのギプスの二の腕の部分に書き込んだ。
そこに、愛子がやってきた。
「面会時間が終了しました。」
「えっ、もう・・・お姉ちゃんの看病しないといけないのだけど・・・」
アリサとユリナは戸惑った。
「あとは私たち看護師にお任せください。」
愛子は微笑んだ。
アリサは
「お姉ちゃん、ボクは明日モデルの仕事あるんだ。だから来るの遅くなるよ。」
とマヤに言った。
ユリナは
「アリサ、マヤさんの看病は私がするから。」
とアリサに言った。
アリサとユリナは病室を出た。
翌朝、ユリナがマヤの病室にやってきた。
「おはよう、マヤさん。朝食持ってきたわよ。」
「う〜ん・・・おはよう、ユリナ。」
「マヤさん、腕痛くない?」
「大丈夫。痛み止めの薬飲んでるから。」
「食べよう、マヤさん。」
「ええ。」
ユリナはパックされたパンの袋を開封し、パンをマヤの右手に渡した。
「ありがとう、ユリナ。」
パンを右手で食べるマヤ。
ユリナは牛乳パックにストローを突き刺した。
パンを食べ終わったマヤ。それを見たユリナは牛乳パックをマヤに渡した。
牛乳を少し飲んだマヤは
「このオムレツ食べたいわ。食べさせて。」
とユリナにお願いした。
「うん。」
ユリナは6週間のギプス固定で細くなった右手ではしを持ち、オムレツをはしで取り、
「マヤさん、あーんして。」と言った。
「あーん。」
ユリナはオムレツをマヤの口に入れた。
「もぐもぐもぐ・・・おいしいわ。」
「そう、よかったわ。」

「ごちそうさま。お薬飲ませて。」
「うん。」
ユリナは包装された錠剤を取り出し、マヤの口に入れ、マヤに水を飲ませた。
「ごく・・・ありがとう、ユリナ。」
こうしてマヤとユリナの姉妹愛が深まった。


その頃アリサは家の近くのスタジオにいた。服装はいつも通りシャツとミニスカートとスパッツだった。
「おはようございます。」
アリサはカメラマンとスタイリストに挨拶した。
「おはよう。久しぶりだねアリサちゃん。怪我は治ったの?」
「ええ。」
そこにミカがやってきた。ミカもまたシャツにミニスカートとスパッツだった。
アリサはスタッフ達に
「この子が前田ミカちゃんです。ボクの大ファンで、仕事を見学したいと言っています。」
「前田ミカです。アリサちゃんに憧れてミニスカスパッツをはいています。よろしくお願いします。」
「お〜。ミカちゃんも可愛いよ。ミニスカスパッツが似合う元気な女の子だね。」
カメラマンは鼻の下を伸ばした。
「ミカちゃん、右腕を上げてみて。」
アリサがミカに言った。
「はい!!」
ミカは元気いっぱい右腕を上げた。
「よかった。腕がちゃんと治ってる。この子、右腕の二の腕の骨を折る大怪我をしたのですよ。
でもリハビリがんばったみたいで今では元気に友達と遊んでますよ。」
「ミカちゃんも大人になったらモデルになるんだね。」
スタイリストが言った。
「うん。」
ミカは元気よく返事した。
「撮影始めるよ。」
カメラマンがカメラを持った。

ポーズをとるアリサ。アリサの脚は2ヶ月間ギプスをはめていたとは思えないくらいの脚線美を取り戻していた。

カシャッ

ショートパンツにはき替えたアリサ

カシャッ

パンツスーツに着替えたアリサ。

カシャッ

「はい、終了。アリサちゃん、いい写真が撮れたよ。」
カメラマンはアリサの復帰をとても嬉しく思った。
アリサの仕事を見守っていたミカは
「アリサちゃん、かっこよかったよ。」
と目を潤ませた。
「ありがとう、ミカちゃん。」
アリサはミカに礼を言った。
仕事が終わり、病院へと向かうアリサ。そこにはミカもいっしょにいた。
「ミカちゃん。お姉ちゃんはミカちゃんがしていたのと同じようなギプスを今はめているんだ。
お姉ちゃんを励ましてね。」
「うん。」
ミカは無垢な笑顔で元気よく答えた。
病院に到着したアリサとミカ。マヤとユリナが待つ病室へと入っていった。
「お待たせ、お姉ちゃん、ユリナ。ミカちゃん連れてきたよ。」
「お久しぶりです。」
「ミカちゃん。お久しぶり。」
マヤはミカとの再開を喜んだ。
「ボクと同じギプスだ。」
ミカはマヤのギプスを見て言った。
「左だから大丈夫だわ。ミカちゃんは右だったから大変だったと思うけど、リハビリがんばったのね。」
マヤがミカを安心させるために言った一言にアリサは
「左でも、怪我したことに変わりは無いよ。」
と返した。
「パパはアリサちゃんのお姉ちゃんを怪我させた人を逮捕するためにがんばっているんだよ。」
ミカが言った。
「そうね、刑事さんは大変だね。」
ユリナが返した。
「ミカちゃん、私のギプスに落書きしてもいいわよ。」
マヤがミカに言った。
ミカは
「本当!?じゃあ背中に落書きするね。」
と言い、マヤのギプスの背中の部分に「がんばって治してね、ミカ。」と落書きをした。
マヤはミカの無垢な姿に微笑みを浮かべた。


「マヤさん、そろそろ仕事行くわね。」
ユリナが時計を見て言った。
「いってらっしゃい。」
マヤが答えた。
「アリサ、あとは任せたわ。」
「うん。」
「ミカちゃん、ゆっくりしていってね。」
「はい。」
ユリナは右足に負担にならない程度の早足で病室を出た。
「お姉ちゃん、お昼食べた?」
マヤに質問するアリサ。
「ええ、ユリナに食べさせてもらったわ。今日はおうどんだった。おいしかったわ。」
「ボクはまだ食べてないんだ。食べなきゃ。」
そういってアリサはカバンからおにぎりを取り出し、食べ始めた。
ミカは
「おなかすいた。おうち帰ってご飯食べる〜。」
と言った。
アリサは
「ミカちゃんのおにぎりもあるよ。ほら。」
といって、カバンからおにぎりを取り出した。
「アリサちゃんありがとう。」
そういってミカもおにぎりを食べ始めた。

2人が昼食を終わらせるのを見計らい、マヤは
「アリサ、ミカちゃん。散歩に行きたくなったわ。一緒に行きましょう。」
と2人に声をかけた。
「うん。」
アリサとミカの声がシンクロした。
右手をベッドにつき、ベッドから降りたマヤ。
3人はエレベーターで1階に降り、病院の中庭に移動した。
「う〜ん。やっぱりこの病院の中庭はいいわ。きれいな花がいっぱい咲いているから。」
マヤのギプス姿もまた美しく、周りの注目の的となった。
散歩を終わらせ病室に戻ったマヤたち。
アリサがトランプをカバンから取り出した。
「お姉ちゃん、ミカちゃん、ババ抜きやろうよ。」
「いいわよ。」
「うんっ。」
マヤとミカは笑顔で答えた。
トランプの中からジョーカーを探し、2枚あるうちの1枚を抜くアリサ。
「アリサ、シャッフルお願いね。」
左腕をギプス固定されているマヤはカードのシャッフルが出来ないため、アリサにシャッフルを任せた。
カードを配るアリサ。
マヤは配られたカードを右手で開いて見て、伏せるの繰り返しをした。
カードが揃ったら右手だけで揃ったカードを開き、テーブルの真ん中へと押しやっていった。
アリサとミカは左手でカードを持ち、右手で揃ったカードをテーブルに置いていった。
ミカがアリサのカードを取った。
「揃った。」
ミカはいきなりスペードとハートの6を揃え、テーブルへと置いた。
アリサはマヤがテーブルに置いたカードを取った。
「う〜ん・・・揃わないなぁ・・・」
マヤが右手でミカのカードを取った。
「揃ったわ。」
マヤはダイヤのQを引き、テーブルの上にあるハートのQをめくり、テーブルの真ん中へと押しやった。
この後ミカは順調にカードを揃え、いち早くフィニッシュした。
「やったー。勝ったー。」
ミカは喜んだ。
ようやくカードを残り1枚にしたアリサ。
「アリサ、どっちにする?」
テーブルには2枚カードがある。
右を選択したアリサ。
「アリサ、残念。」
アリサの手にはジョーカーが渡った。
2枚のカードを後ろ手で混ぜるアリサ。
「はい。」
マヤは左のカードを取った。
それはハートのAだった。
「揃ったわ。はい、アリサの負け。」
マヤはテーブルの上に置いたスペードのAをひっくり返した。


「そろそろ帰らなくちゃ。パパの夕ご飯をつくらないと。アリサちゃん、マヤお姉ちゃん、バイバイ。」
「ミカちゃん、また来てね。」
ミカはマヤの病室を後にした。
アリサはマヤの長い黄褐色の髪に目をやった。
マヤの髪は脂とほこりにまみれていた。
「お姉ちゃん、髪の毛、ベタベタしているね。」
アリサはマヤの髪を触りながら言った。
「仕方ないわよ。手から胸までギプスが巻かれていてお風呂に入れないんだから・・・」
「お姉ちゃん、シャンプーしてあげる。」
そう言ってアリサはシャンプーのボトルをカバンから取り出した。
「このシャンプーは水を使わなくてもいいんだよ。」
アリサはシャンプーを手に取り、マヤの地肌と髪につけ、マッサージした。
「ありがとう、アリサ。」
マヤの髪をタオルで拭くアリサ。
アリサは次に別のタオルを取り出した。
「お姉ちゃん。ついでに体も拭いてあげる。お湯を持ってくるからスカートとパンツを脱いで待っててね。」
「分かったわ。ありがとう、アリサ。」
アリサは洗面器を持ち、給湯室へと向かっていった。
左腕をギプス固定されているマヤは、右手だけでロングスカートを脱ぎ、パンツを脱ぎ、アリサを待った。
「お姉ちゃん、ただいま。」
洗面器にお湯を入れアリサがマヤの病室に戻ってきた。
「お帰り、アリサ。」
マヤの左腕から肩、胸にかけてのギプスを巻かれているだけの肉体を見てアリサは顔を赤らめた。
「お姉ちゃん、今から体を拭くからね。」
そう言ってアリサはタオルを洗面器のお湯につけて湿らせ、そのタオルをしぼった。
「ボクも脚とおなかにギプスを巻いてお風呂に入れなかったときに、ユリナに体を拭いてもらったんだ。
それがすごく気持ちよくて。だからお姉ちゃんにもやろうと思ってたんだ。」
「アリサ・・・ありがとうね・・・」
マヤは涙を流した。
アリサはまずマヤの顔を拭き、首を拭いた。
次に右腕と右わき、右肩を拭いた。
もちろん体とギプスの隙間は念入りに拭いた。
そしておなか、デリケートエリア、脚を拭き、マヤにパンツとロングスカートをはかせた。
「ありがとう、アリサ。気持ちよかったわ。」
マヤはアリサに感謝の意を伝えた。
しばらくして、ドアのノック音が響いた。
「はい。」
ガチャ という音とともに愛子がマヤの病室に食事を持って来た。
「夕食をお持ちしました。」
「ありがとうございます、看護婦さん。」
マヤは愛子に礼を言った。
「今日もおいしそうなご飯だわ。」
「お姉ちゃん、食べさせてあげる。」
アリサは、はしを手に取り、茶碗のご飯をはしでつまみ、
「お姉ちゃん、あーんして。」
「あ〜ん。」
アリサはマヤの口にご飯を入れた。
「ぱくっ。もぐもぐもぐ・・・」
「どう?お姉ちゃん。」
「うん、おいしいわ。」
「よかった。次は、このかぼちゃの煮物を食べさせてあげる。あーんして。」
「あ〜ん。」
こうしてマヤは夕食を食べていった。
「ごちそうさま。アリサ、お薬飲ませて。」
「うん。」
アリサはテーブルの上に置いてあった錠剤の封を開け、マヤの口に入れ、マヤに水を飲ませた。
「ごく。ありがとう、アリサ。」

再びドアのノック音が響いた。
「はい。」
再び愛子が現れ、
「そろそろ面会時間が終了しますので。」
「わかったよ。」
アリサは返した。
「お姉ちゃん、明日は仕事だから遅くなるよ。でもユリナが来るから安心してね。」
「ええ。」
アリサはマヤの病室を去って行った。


アリサが家に帰った後、マヤは携帯ゲーム機をテーブルに置いて、右手だけでボタンを操作し、
麻雀ゲームをやっていた。
「左腕がかゆいわ・・・」
マヤは麻雀ゲームを中断し、右手で、ギプスを巻かれた左腕を叩いた。
そして、テーブルに置いてあった耳掻きを右手に持ち、左手と左肩の、体とギプスの隙間に耳掻きを入れ、掻いた。
「少しは気持ちが落ち着いたわ・・・」
マヤは麻雀ゲームを再開した。

消灯時間を迎え、マヤはゲーム機の電源を切った。
ベッドに横たわるマヤ。
しかし・・・
「オッパイのところがかゆいわ・・・」
マヤはギプスを巻かれ、蒸れた豊満な胸の谷間に強烈なかゆみを感じた。
胸を右手で叩くマヤ。
しかし振動は胸の谷間には届かなかった。
耳掻きを胸とギプスの胸の部分の隙間に差込み、掻こうとするマヤ。
しかし耳掻きは胸の谷間に届かなかった。
「かゆい・・・かゆい・・・かゆいわ・・・」
マヤはたまらずナースコールをした。
間もなく愛子がやってきた。
しかしマヤにとっては途方もなく長い時間だった。
「どうしたのですか、マヤさん?」
「看護婦さん助けて!胸が・・・胸が・・・すごくかゆいのです!!」
「分かりました。ちょっと待っていてください。」
「待てないわ・・・」
愛子は走ってナースステーションに戻り、スプレー缶を持ってマヤの病室に戻った。
「マヤさん。お待たせしました。今すぐスプレーしますから。」
「何のスプレーですか?」
「かゆみを鎮めるスプレーです。」
愛子はスプレー缶のキャップを開け、ノズルをスプレーに刺し、そのノズルをマヤの胸のギプスの隙間に差し入れた。

シュー、シュー、シュー

スプレーの音が響くと、マヤは地獄のかゆみから解放された。

「気持ちいい・・・」
「このスプレーはギプスを巻いた患者さんのためにつくられたスプレーです。
ギプスを巻いて蒸れてかゆくなった肌にスプレーすると、清涼成分でかゆみを鎮め、
ギプスの苦痛を軽減するものなのです。」
「そうなのですか。看護婦さん、ありがとう。」
「腕も背中もかゆいですよね。スプレーしておきますわ。」
「ありがとう。」
愛子は手と背中にもかゆみ止めスプレーをした。
「スプレー缶はここに置いておきますね。」
「これでグッスリ眠れるわ。ありがとう。」
「看護師として当然の仕事です。お休みなさい。」
「お休みなさい。」

マヤは一度は眠りについたが、すぐに目を覚まし、スプレー缶を手にしていた。
スプレーの気持ちよさがクセになり、胸、背中、手に繰り返しスプレーをし、気がつけば日の出の時刻を迎えていた。
「いけない。ユリナが来るまで寝ていよう。」
朝になった。
ユリナが朝食を持ってマヤの病室にやってきた。
「おはよう、マヤさん。」
「う〜ん・・・おはよう、ユリナ。」

「食べさせてあげる。あーんして。」
「あ〜ん・・・もぐもぐ・・・おいしいわ。」
「よかった。」
ユリナはパンの袋を開封し、パンをマヤの右手に渡した。
「ありがとう、ユリナ・・・もぐもぐ・・・」
ユリナは牛乳パックにストローを突き刺し、マヤの右手に渡した。
牛乳を飲むマヤ。
「ごちそうさま。ユリナ、痛み止めの薬飲ませて。」
「うん。」
ユリナは錠剤を開封し、マヤの右の手のひらに乗せた。
マヤは錠剤を口に含んだ。
ユリナはコップに水を入れ、マヤの右手に渡した。
「ごく・・・ありがとう、ユリナ。」
ユリナはようやくスプレー缶の存在に気づいた。
「何?このスプレー。」
「ギプスの中のかゆみを抑えるスプレーよ。」
「いいなぁ。私もギプスかゆかったから・・・」
ユリナは自分の左の手のひらに軽くスプレーしてみた。
「うん、気持ちいいわ。」
「ユリナ。私のギプスにスプレーして。」
「うん。」
シュー、シュー
「ありがとう、ユリナ。」
そういってマヤはユリナの右足首に目をやった。
ユリナの右足首にはまだ痛々しいブレースが巻かれていた。
「大丈夫、ユリナ?」
「大丈夫。もう怪我する前と同じように歩けるわ。」
ユリナはマヤの乳房にスプレーをした。
マヤのギプスにくるまれた乳房の美しさはユリナの心を奪った。


「マヤさん、昼食をもってきたわ。」
ユリナが昼食を持ってきた。
マヤは右手だけで麻雀ゲームをやっていた。
「ありがとう、ユリナ。」
「マヤさん、食べさせてあげるわ。」
ユリナは左手で食器を持ち、右手ではしを持った。
ギプス固定が終わってすぐは、弱弱しく、はしを持っていたが、今はしっかりと、はしを持っていた。
「ユリナ、腕、もう治ったんだね。」
「ええ。」
「マヤさん、あーんして。」
「あ〜ん・・・もぐもぐ・・・おいしいわ。」
今日もこうして昼食をとり、痛み止めの薬を飲んだマヤ。
「ユリナ、スプレーして。ギプスの中がかゆくなってきたわ。」
「うん。」
シュー、シュー

そうこうしているうちに夕方になった。
「お姉ちゃん。お待たせ。」
アリサがやってきた。
「お疲れ様、アリサ。」
マヤとユリナの声がシンクロした。
「お姉ちゃん、腕痛くない?」
「ええ、痛み止めの薬、ちゃんと飲んでるから。」

トントン・・・
ドアのノック音が響いた。

「マヤさん。夕食持ってきました。」
愛子が夕食を持ってやってきた。
「ありがとうございます、看護婦さん。」
「もうそんな時間なんだ・・・私そろそろ店に行くわ。アリサ、あとはよろしくね。」
ユリナはマヤの病室を出て行った。
「ユリナさんの怪我も治っていますね。マヤさんの怪我も治ります。頑張りましょうね」
愛子はマヤを励ました。
「ありがとうございます。」
「お姉ちゃん、今夜もボクが食べさせてあげる。」
「分かりました。では失礼します。」
愛子はマヤの病室を去った。

アリサは左手で食器、右手ではしを持った。
「お姉ちゃん、あーんして。」
「あ〜ん」

夕食が終わった。
「アリサ、そこのスプレー缶とって。」
「これ?」
「うん。」
「何、このスプレー。」
「ギプスの中のかゆみを止めるスプレー。」
アリサはマヤの胸にスプレーした。
「う〜ん。気持ちいいわ。」
「いいなあ。ボクもギプスはめてたけど、かゆかったから・・・」
「アリサ、次は背中ね。」
「うん。」
シュー、シュー
「ありがとう、アリサ。」

そうこうしているうちに、愛子がやってきた。
「アリサさん、面会時間が終了しました。」
「はい。分かりました。」
「お休み、お姉ちゃん。」
「お休み、アリサ。」
アリサはマヤの病室を去った。
「マヤさん、今度は私がスプレーします。」
「ありがとうございます。看護婦さん。」
シュー、シュー
「看護婦さん、もういいです。」
「そうですか、失礼します。」

マヤはスプレーのおかげで気持ちよく麻雀ゲームをすることができた。
右手だけでの麻雀ゲームに不便を感じてはいたが、麻雀を楽しんだマヤ。
消灯時間を迎え、マヤは眠りについた。
1ヵ月後、マヤは病室に、アリサとユリナとともにいた。
この日は退院の日だった。
「お姉ちゃん、いよいよ退院だね。」
「おめでとう、マヤさん。」
「まだギプスが外せるわけじゃないわよ、ユリナ。」
「でも退院してもいいってことは治ってきているってことじゃない。」
「そうね。」
そこに、美紀と愛子がやってきた。
「マヤちゃん、今日はレントゲンをとって、ギプスを交換して、退院にしましょう。」
「はい。」
すでに荷物をまとめていたアリサとユリナは、荷物を持ち、マヤとともにレントゲン室の前に移動した。
レントゲン室に入るマヤ。
次に3人はギプス室に移動した。
美紀は超音波カッターでまずマヤのギプスの左腕の部分に切れ目を入れた。
次に二の腕の部分、そして胴体の部分に切れ目を入れた。
その後、ペンチの形をした道具で前腕部、上腕部、胴体のギプスの切れ目をこじ開け、ギプスを外した。
そして、マヤの腕と胸に巻かれた中綿を、ハサミで破っていった。
マヤの左腕は、やせ細っていた。

「お姉ちゃんの胸が・・・」
アリサはショックを受けた。
マヤの乳房はひどくただれていた。

「大丈夫、薬を塗るから。その前に腕と胸を洗うわ。」
美紀と愛子はマヤの腕と胸を温めた石鹸水を染み込ませたタオルで拭いていった。
「垢が出てる・・・」
マヤは恥ずかしがった。
「お姉ちゃん、何も恥ずかしくないよ。」
アリサはマヤに言った。

マヤの体を洗い終わった美紀は、薬液を染み込ませた脱脂綿でマヤのただれた乳房を拭いていった。
その後美紀は、軟膏をマヤの乳房に優しく擦り込んでいった。

「これでまたギプスを巻けるわ。」
美紀は愛子とともに、マヤの腕と胸に中綿を巻き、そして、ギプスを巻いていった。
現像が終わったレントゲン写真を見て、美紀は、
「順調に回復してるわ。でもまだギプスで固定する必要があるわ。」
「そうですか・・・」
「1ヶ月後に来てね。」
「分かりました。」

3人は病院を去った。
「お姉ちゃん、このショール使って。」
アリサは胸にギプスを巻いていて上衣を着ることができないマヤのために、赤いショールを買っていた。
「ありがとう、アリサ。」
病院の入り口前で赤いショールを羽織るマヤ。
今日巻かれたマヤの空色のギプスと赤いショールが美しくアリサとユリナの目に映った。
「アリサ、マヤさん。トリニティ行こう。」
「うん。」
「ええ。」
ユリナに促されてトリニティに向かったアリサとマヤ。

トリニティに着いた3人。
そこにはカナとサユリがいた。

カナとサユリはマヤのギプス姿を見て、
「マヤさん、大丈夫?」
と言った。
マヤは
「少しずつ骨はくっついてきてるわ。あと2ヶ月くらいのしんぼうだわ。」
といいながら、ショールを脱いだ。
カナとサユリは早速油性ペンを手にとった。
「うん。いいわよ。」
マヤはカナとサユリがギプスに落書きするのを受け入れた。
カナとサユリがマヤのギプスに落書きした後、アリサとユリナもマヤのギプスに落書きをした。
「今日はお客さんいないみたいね。」
マヤはそうつぶやいた。
「みんな4人打ちの店に行ってるのかな?」
ユリナが返した。
「そういえば、マンズの2〜8が雀荘から盗まれるという事件、最近起こってないみたいだからね・・・」
アリサは言った。
カナとサユリは
「マヤさんの退院祝いに3人で麻雀やってよ。」
「いいのですか?」
マヤは返した。
「いいよいいよ。どうせ今日はお客さん来そうにないし。」
「ありがとう。」
アリサとマヤとユリナの3人で麻雀をやることになった。
マヤは左腕をギプスで固定されているため、右手だけで麻雀牌を扱った。
「ロン。リーチドラ5。12000。」
早速マヤがユリナからハネマンをあがった。
「サユリさん、リンゴジュース持ってきて。」
「うん。」
サユリはマヤの左にあるテーブルにジュースを置いた。
マヤはそのジュースを右手で取り、飲んでいった。
そこに小柴リュウが店にやってきた。
「いらっしゃいませ、小柴さん。」
ギャルたちは慌てて小柴に挨拶をした。
「君たち、お客さんがいないからって、サボってただろ。」
「そんなことありませんよ・・・」
アリサは慌てて答えた。
「お久しぶりです、小柴さん。」
マヤが小柴に挨拶した。
「マヤちゃん、退院したんだ。」
「ええ。」
「それにしても、えらい大げさなギプスだね。」
「二の腕の骨も折れているから、肩も固定しないといけないのです。」
「大変だね。そのギプスはあとどれくらいで外せるの?」
「あと2ヶ月で外せると言われています。」
「そうかぁ・・・頑張ってね。」
「ありがとうございます。」
「久しぶりにマヤちゃんと麻雀打ちたくなったなぁ。」
するとアリサが
「交代したいのですが、お姉ちゃんに12000点移動したので、終わるまで待っていただけないでしょうか?」
「じゃあ待たせてもらうわ」
小柴は待っている間、ずっとマヤのギプスに視線を釘付けしていた。
「この季節にヘソ出しルックかぁ・・・寒そうだね。」
小柴はそうつぶやいた。


少ししてカナとサユリは小柴に
「私たちと麻雀打ちませんか?」
と言った。
「そうだね。」
小柴は返した。
こうして小柴とカナとサユリによる麻雀が始まった。

アリサとマヤとユリナの麻雀は、アリサとユリナにいいところがないままマヤが勝った。
それを見た小柴は
「3人とももう少し待ってね。」
と言った。
ユリナはお茶を入れて、小柴のテーブルに置いた。
「ありがとう、ユリナちゃん。」


麻雀をやっている3人を待っている間、アリサとマヤとユリナは昼食をとることにした。
ユリナは3人分のカップめんを作った。
「3分たったね。食べよう、お姉ちゃん。」
「ええ。」
アリサはカップを持ち、左手を使えないマヤが麺を食べやすいようにカップを持ってあげた。
「ふー、ふー、ズルズルズル。」
「どう?お姉ちゃん。」
「おいしいわ。」
「お姉ちゃん、スープは1人で飲める?」
「うん、ありがとう、アリサ。アリサも食べてね。」
「わかった。」
その間にユリナは食事を済ませていた。
「1卓ラストです。」
カナとサユリに圧勝した小柴。
小柴はユリナに入れてもらったお茶を飲み、
「マヤちゃんと、そうだな、ユリナちゃんお願い。」
食事中のアリサへの配慮だった。
「お願いします。」
マヤとユリナは麻雀卓についた。
麻雀を開始した小柴とマヤとユリナ。
「リーチです。」
早いリーチをかけたマヤ。
「おお〜いきなりリーチかぁ。」
小柴は焦った。
「ツモです。」
ツモった赤5ピンを卓に置き、右手だけで牌を倒すマヤ。
「リーチ、ツモ、ピンフ、ドラ2、赤1・・・裏はなし。6000オールの1枚オールです。」
マヤは東1局でいきなり大物をあがった。
「2ピン切るところだったぜ。危ない危ない。」
小柴はほっとしていたが、内心では焦っていた。
その後、小柴、ユリナもあがりを見せたが、結局マヤの1人勝ちだった。
「さすがマヤちゃん。」
食事を終え、その様子を見ていたアリサも
「お姉ちゃんは強いからね」と言った。


しばらくして、ミユキが店にやってきた。
「おはようございます。」
「おはようございます、ミユキさん。」
マヤがミユキに声をかけた。
「あ、マヤさん。退院したんだ。」
「ええ、今日退院したの。」
「まだギプスとれないの?」
「ええ、あと2ヶ月は。」
「大変だね。」
「アリサとユリナがいるから大丈夫だわ。」
「水色のギプスかぁ。アリサのピンクのギプスといい、いろんな色があるんだね。」
「ミユキさんもギプスに落書きしていいわよ。」
「本当。もう既に落書きだらけだから私はやめておこうと思ってたけど。」
アリサは油性ペンをミユキに渡した。
ミユキはマヤのギプスの背中の部分に落書きをした。
「私たちは帰るわね。後はよろしくね〜。」
「うん、お疲れ、カナ、サユリ。」
アリサはカナとサユリの労をねぎらった。


夜になり、小柴は店を去った。
「ユリナ、ミユキ、後はよろしく。」
アリサはマヤを家に連れて帰る事にした。
「おつかれ、アリサ、マヤさん。」
ユリナとミユキはアリサとマヤに返した。
落書きだらけのギプスを覆い隠すように、アリサはマヤに赤いショールを巻いた。

アリサの家へと到着した2人。
「お姉ちゃんは普段1人暮らしだけど、左腕をギプスで固定されてるから1人では生活できないよ。
腕が治るまでここで、ボクたちと一緒に暮らそうね。」
アリサはマヤにいいきかせた。
「ありがとう、アリサ。」
マヤは涙を流した。
「ボクたちは姉妹じゃないか。ボクが仕事の時はユリナがお姉ちゃんを看病してくれるよ。」
アリサはハンカチでマヤの涙を拭いた。


マヤはショールを脱ぎ、アリサに言った。
「アリサ、私、ネット麻雀やるわ。」
「じゃあボクもやるよ。」
アリサは2台のパソコンの電源を入れた。
パソコンデスクの前に座る2人。
2人は麻雀を始めた。
マヤはいきなりW東ホンイツトイトイのハネマンをアリサからあがった。
「おめでとう、お姉ちゃん。」
「ありがとう。」
するとパソコン画面に、もう一人の対戦相手からの「おめでとう」の文字が現れた。
マヤは右手でたどたどしく「ありがとう」と打った。
このようにして2人は夜遅くまでネット麻雀を楽しんだ。
マヤがアリサとユリナの家に住み1ヶ月。
マヤの診察の日がやってきた。
この日はクリスマスイブだった。
マヤは赤いショールを羽織り、アリサと一緒に病院に行った。
マヤはまず腕のレントゲンを撮ってもらった。
診察室に呼ばれたマヤ。
美紀は
「順調に回復しているわ。でも、ギプスをはめたままの年越しになるわ。」
「そうですか・・・」
アリサはがっくりした。
「でも1ヵ月後にはギプスを外せると思うわ。」
「わかりました。」
マヤは返した。
「ギプスを巻きなおしましょう。」
美紀は言った。
「はい。」
マヤとアリサは返した。

ギプス室へ移動した美紀と愛子とマヤとアリサ。
マヤのギプスには超音波カッターで切れ目を入れられ、美紀はペンチの形をした道具で切れ目をこじ開けていった。
中綿を破り、石鹸水を染み込ませたタオルでマヤの腕と胸を拭き、マヤの腕と胸に再びギプスを巻いた美紀と愛子。

「1ヶ月後に来てね。」
美紀は言った。
「はい。」
マヤは返した。


会計を済ませ、病院を出たアリサとマヤ。
アリサはマヤが先ほどまで装着していた水色のギプスを持っていた。
「お姉ちゃん、このギプスを家に置きに帰って、その後クリスマスケーキ買いに行こう。」
「ええ、アリサ。」
アリサはマヤとともに家に帰り、ギプス置き場にマヤがはめていた水色のギプスを置いた。
そこにはアリサが最初にはめた淡黄色のギプス、アリサが最後にはめたピンクのギプスの片割れ、
ユリナがはめていた淡黄色の腕と足のギプス、マヤが最初にはめた淡黄色のギプス、
そしてアリサが装着していたひざブレース、アリサとユリナが装着していた足首のブレースが大事に保管されていた。
「私たち、こんなに怪我していたのね。」
マヤが言った。
「お姉ちゃんの家にあるギプスも合わせれば、すごい数だよ。」
「そうね。」
「お姉ちゃんは今回はピンクのギプスを選んだんだね。」
「ええ。ピンクってかわいいし、クリスマスカラーだから。」
「そうだ、クリスマスケーキ買いに行こう。」
「ええ。」
マヤは一度脱いだ赤いショールを再び巻いた。
ショールの赤がギプスのピンク色とよくなじんでいた。

ケーキ屋に到着した2人。
「アリサ、このケーキがいいわ。」
マヤは右手で、その店で一番高いケーキを指差した。
「そうだね、これならユリナも気に入ると思う。」
「すいません、このケーキください。」
「はい。」
店員がケーキを箱に入れた。
代金を支払い、ケーキの箱を受け取るアリサ。
2人は家路についた。
家へと帰った2人。
アリサはあらかじめ買ってあったフライドチキンを冷蔵庫から出し、電子レンジに入れた。
マヤは右手にTVのリモコンを持った。
TVが映ると、ニュース番組がやっていた。
「速報です。2ヶ月ほど前に空宮 真耶さん、25歳をバットで殴り、
腕の骨を折る大怪我を負わせた事件の容疑者がたった今逮捕されました。
逮捕されたのは麻雀店店員、山元 輝明容疑者、28歳です。」
「お姉ちゃん、よかったね。」
「ええ。」
マヤは複雑な表情を浮かべながら返した。
そこに、仕事からユリナが帰ってきた。
「ただいま。」
「お帰り、ユリナ。今お姉ちゃんを怪我させた犯人が逮捕されたよ。」
「マヤさん、よかったね。」
「ええ。」
「ギプス外れたらリハビリ頑張りましょうね。」
マヤを励ますユリナ。
「ええ。」
マヤはようやく笑顔を浮かべて返した。

アリサは電子レンジの中から温めたフライドチキンを出した。
「待ってました。」
ユリナは喜んだ。
「ユリナ、これが今日買ってきたケーキだよ。」
そう言ってアリサはケーキの箱を開けた。
「わあ、大きい。ありがとう、アリサ。」
「お姉ちゃん、今日も食べさせてあげようか?」
「大丈夫。自分で食べられるわ。」
「わかった。」
フライドチキンを出づかみで食べる3人。
そしてアリサはワインを冷蔵庫から出し、ワイングラスをテーブルに置き、
マヤのギプスの色に似たロゼのワインを注いだ。
「かんぱーい。」
そしていよいよケーキを食べる時が来た。
アリサはケーキを切り分け、マヤの前に置いた。その後ユリナは自分でケーキを取り、アリサもまた、
ケーキを取った。
ケーキを食べ終わった3人。
アリサは油性ペンを手に持ち、マヤのギプスの胸の部分に『Merry Christmas』と落書きした。
「ありがとう、アリサ。」
アリサはユリナに油性ペンを渡した。
ユリナは『メリークリスマス』とマヤのギプスの腕の部分に落書きした。
「ありがとう、ユリナ。」
こうしてクリスマスイブの夜は更けていった。
大晦日の夜、ユリナは年越しそばをつくっていた。
麺は買ってきたものだが、スープは自分でつくった。
やがて仕事からアリサが帰ってきた。
「ただいま。」
「おかえり、アリサ。」
マヤとユリナの声がシンクロした。
「アリサ。年越しそばできたわ。3人で食べましょう。」
「うん。」
TVでは年越し番組が流れていた。
「いただきます。」
アリサは左手が使えないマヤのためにそばの丼を持ってあげた。
マヤは右手だけでそばを食べていった。

そして、いよいよカウントダウンが始まった。
「5・・・4・・・3・・・2・・・1・・・あけましておめでとうございます」
それを見たマヤは
「今年もよろしく。」
とアリサとユリナに言った。
「こちらこそ、よろしく。」
アリサとユリナの声がシンクロした。
アリサは油性ペンを手に持ち、マヤのギプスの背中の部分に『A Happy New Year』と落書きした。
「ありがとう、アリサ。」
マヤは鏡で背中のギプスの落書きを見て言った。

ギプスの落書きのインクが乾ききったのを見計らい、3人は眠りについた。

元日、3人は初詣へと行った。
右手だけで鈴を鳴らすマヤ。マヤは拍手ができないため、右手だけ形どおりにし、神様に礼をした。
その代わりに、アリサとユリナが拍手をしていた。
「ありがとう、アリサ、ユリナ。」
事件から3ヶ月。ついにマヤのギプスが外される日がやってきた。
レントゲンの順番を待つマヤとアリサ。
「アリサ、ちょっとトイレ行ってくるわ。」
「うん。」
トイレで用を足し、トイレットペーパーを右手だけでちぎったマヤ。
「片手でトイレットペーパーをちぎるのも、これで最後ね。」
マヤはそうつぶやき、デリケートエリアをトイレットペーパーでふいた。
待合室に戻ったマヤ。すぐにレントゲン室に呼ばれた。
そして診察室に呼ばれたマヤとアリサ。
マヤの腕のレントゲン写真を見た美紀は、
「骨が完全にくっついたわ。ギプスを外しましょう。」
と言った。
「やったね、お姉ちゃん。」
アリサは喜んだ。
「ええ。」
マヤも笑顔を浮かべ、返した。
美紀は超音波カッターでマヤのギプスに切れ目を入れ、ペンチの形をした道具で切れ目をこじ開けた。
するとマヤのやせ細った腕は重力でだらんとなった。それを見て美紀は中綿をハサミで破っていった。
「マヤちゃん、腕を動かしてみて。」
美紀が言った。しかし、マヤの腕はだらんとなったまま、動く気配がなかった。
「じゃあ指を動かしてみて。」
マヤの指はかすかに動いた。指までギプス固定されていたためマヤの左腕は機能をほぼ完全に失った状態だった。
それを見たアリサは
「お姉ちゃん、ブラジャーつけてあげる。」
アリサはカバンからマヤのブラジャーを取り出した。
アリサはブラジャーにマヤの左腕を通した後、右腕を通し、マヤの豊満な乳房をカップに収め、
ホックを止めてあげた。
「久しぶりのブラジャーだわ。オッパイがブラジャーに包まれてるってことがこんなに気持ちよかったなんて・・・」
そしてアリサはマヤにカバンから取り出したブラウスを着せてあげた。

美紀は「腕はしばらく三角巾で吊りましょう。」と言った。
「分かりました。」
マヤは返した。

マヤは病院のリハビリに通いながら、自分でもリハビリすることにした。
病院から帰宅し、まずは携帯ゲーム機を持つことから始めたマヤ。腕を三角巾で吊りながら、
携帯ゲーム機を持ってみた。最初は5分くらいゲームをやると腕が疲れてしまう状態だった。
それを見たアリサは
「お姉ちゃん、お風呂入ろう。」
と言った。
マヤは
「ええ。」
と返した。
アリサに手伝ってもらいながら服を脱ぐマヤ。
アリサも全裸になり、2人は風呂場へと入った。
「お姉ちゃん、シャンプーしてあげる。」
マヤは最初右手で地肌をマッサージしたが、自分の長い髪を洗うことができないことに気づいていた。
アリサはマヤの地肌をマッサージした。
「ありがとう、アリサ。」
シャンプーが終わり、
「お姉ちゃん、背中流してあげる。」
「ありがとう、アリサ。」
アリサは石鹸のついたタオルでマヤの背中をゴシゴシっとこすった。
「ありがとう、アリサ。あとは自分で洗うわ。」
そう言ってマヤは右手で体を洗っていった。
その間に自分の髪と体を洗い終えていたアリサ。
2人は湯船に浸かることにした。
「お姉ちゃん、左腕のマッサージしてあげる。」
「ありがとう、アリサ。」
左腕のマッサージも終わり、2人は風呂からあがることにした。
先に体をふき終わり、服を着たアリサはマヤの髪と体をふいてあげ、ブラジャーをつけてあげ、
マヤが自力でパンツをはいたのを見てネグリジェを着せてあげた。
そしてマヤは右手で三角巾を首にかけ、右手で左腕を持ち、左腕を三角巾に収めた。

携帯ゲーム機による麻雀を再開したマヤ。今度はアリサのマッサージの効果なのか、
1時間以上ゲーム機を持ちつづけることができるようになっていた。
やがて、ユリナが帰ってきた。
「ただいま。」
「お帰り、ユリナ。」
アリサとマヤが返した。
アリサは続けて、
「お姉ちゃんのギプスが外れたよ。」
とユリナに言った。
ユリナはマヤの左腕を三角巾で吊ったネグリジェ姿を見て、
「おめでとう、マヤさん。でも、腕を三角巾で吊ってるわね。」
と言った。
「まだ左腕はあまり動かせないから。でも携帯ゲーム機を持つことはできるわ。」
とマヤは返した。

アリサとユリナはマヤのために夕食を作った。
マヤは左手で食器を持ってみた。
しかし、食器を持つと手が震えるため、結局右手だけで食べることになった。

夕食を食べ終わった3人。
アリサは
「ボクは明日仕事だからもう寝るね。お姉ちゃんとユリナはネット麻雀でもやってて。」
と言った。
「分かったわ。お休み。」
とマヤとユリナは返した。

ネット麻雀を始めた2人。
相手が上がった時に「おめでとう」と打ったユリナ。
マヤはO、Mと右手で打ち、E、D、E、Tとたどたどしく左手で打ち、O、Uと右手で打った。
ユリナは
「マヤさん、左手も使って打ったのね。すごいわ。」
と言った。
マヤは
「これもリハビリになるかと思って。」
と返した。
「マヤさんえらいわ。」
今度はマヤが上がった。
マヤはA、Rとたどたどしく左手で打ち、Iを右手で打ち、G、A、Tとたどたどしく左手で打ち、O、Uと右手で打った。

マヤは左手が疲れきるまでこの方法でタイピングした。
やがて、マヤとユリナも眠りについた。
翌朝、まずアリサが目を覚ました。
朝食を済ませたアリサは、眠っているマヤとユリナにキスをして、
「お姉ちゃん、今日もリハビリ頑張ってね。」
とつぶやいた。
そしてアリサは『トリニティ』へと向かった。

1時間くらい後、マヤとユリナは目を覚ました。
ユリナは
「マヤさん、おはよう。」
と言った。
マヤは
「おはよう、ユリナ。」
と言い、三角巾に左腕を収めた。

朝食の支度をするユリナ。
そして2人は朝食をとり始めた。
マヤはやせ細った左手でパンをとった。
それを口に運び、一かじりした時点でマヤの左腕は力尽きた。
それを見たユリナは
「えらいわマヤさん。少しずつ腕が動くようになってるわ。」
と言った。
「まだダメだわ。」
とマヤが返すと、
「今はそれでいいのよ。そのうち元通り動くようになるわ。」
とユリナはマヤを励ました。
マヤは残りのパンを右手で食べ、牛乳を飲んだ。

朝食が終わり、マヤは携帯ゲーム機で麻雀ゲームをやっていた。
それを見たユリナは
「マヤさん、着替えて『トリニティ』に行きましょう。」
と言った。
マヤは
「ええ、いいわよ。ユリナ、着換えさせてね。」
と返し、三角巾から左腕を外した。
ユリナはマヤのネグリジェを脱がせ、ブラウスを着せてあげた。
マヤは右手でロングスカートをはいた。
その間にユリナも着替えを済ませた。
再び三角巾で左腕を吊ったマヤはユリナとともに『トリニティ』へと向かった。


『トリニティ』に着いたマヤとユリナ。
そこにはアリサとミユキがいた。
アリサは
「おはよう、お姉ちゃん、ユリナ。」
と言った。
ミユキは
「いらっしゃい、マヤさん、ユリナ。マヤさんギプス外れたのね。おめでとう。」
と言った。
マヤは
「ありがとう、ミユキさん。でもまだ三角巾で腕を吊ってないといけないの。」
と返した。
ミユキは
「ユリナも休日だというのに麻雀かぁ。」
と言った。
ユリナは
「マヤさんが家に引きこもらないように、ついていってあげたの。」
と返した。
ミユキは
「とか何とか言って、本当は麻雀がやりたいんでしょ。」
と返した。
ユリナは
「えへへ。」
と笑った。

麻雀を始めたマヤとアリサとユリナ。
マヤは麻雀牌を左手も使って扱うことを試みた。
するとゆっくりではあるが、麻雀牌が扱えた。
「すごいよお姉ちゃん。」
「すごいわマヤさん。」

アリサが切った6ピンに
「ロン。」
マヤは両手で牌を倒した。
そんなリハビリ生活を1ヶ月程続け、マヤの左腕は順調に回復していった。
携帯ゲーム機を自由にプレイすることができるようになり、
ネット麻雀のときのタイピングも自由にできるようになっていた。

ある日の入浴で・・・
「お姉ちゃん、シャンプーしてあげる。」
とアリサが言うと
「アリサ、1人でやってみるわ。」
と返した。
するとマヤは1人でシャンプーができるようになっていた。
「背中も自分で洗ってみるわ。」
「うん。」
マヤは右腕や背中も自分で洗えるようになっていた。
「やったね、お姉ちゃん。」
「ありがとう、アリサ。」
風呂からあがり、マヤは自分で体をふくことができるようになった。
パンツも両手を使ってはけるようになった。
「ブラジャーも自分でつけてみるわ。」
「うん、がんばって、お姉ちゃん。」
ブラジャーに左腕を通し、右腕を通し、乳房をカップに収め、ホックを止めようとした。
「ふんっ・・・ふんっ・・・やっぱりダメだわ。」
「大丈夫だよお姉ちゃん。もうちょっとだったよ。」
そう言いアリサはマヤのブラジャーのホックを止めた。
「アリサ、今度は頑張るわ。」
そう言ってマヤはネグリジェを自分で着た。

夕食時も食器を左手で持つことができるようになっていた。

翌日、マヤはアリサとともに病院の診察を受けた。
美紀は
「関節の可動域が大分広がっているわ。もう三角巾は必要ないわ。」
と言った。
「やったね、お姉ちゃん。」
とアリサは言った。
「ええ。」
マヤも喜んだ。

その後『トリニティ』でユリナと落ち合った2人。
マヤは麻雀も何の不自由もなくできるようになっていた。

数日後の風呂あがり・・・
「アリサ、ブラジャーつけてみるわ。」
「うん。」

「ふんっ・・・ふんっ・・・やったわアリサ。ブラジャーのホックを自分で止められたわ。」
「よかった。頑張ったね、お姉ちゃん。」
「うん・・・」
マヤは涙を流した。
アリサはバスタオルでマヤの涙をふいた。

数日後、マヤは『トリニティ』の仕事に復帰した。
麻雀牌の掃除は、最初はたどたどしくやっていたが、段々とスムーズにできるようになっていった。

そして・・・
「アリサ、ユリナ。お世話になりました。」
マヤは自分の家に帰る事にした。
「お姉ちゃん、いつでも会えるから。また遊びに来てね。」
「マヤさん。これからもよろしくね。」

自分の家へと帰ったマヤ。
マヤの家には、アリサが2度目にはめていた淡黄色のギプスと、
アリサが最後にはめていたピンクのギプスの片割れが待っていた。
そしてそのコレクションの中に、マヤが2度目にはめた水色のギプスが加わった。
最後のピンクのギプスはアリサとユリナにプレゼントしていた。

終わり
やっと一段落しました。
疲れました。
しかし自分のギプス小説3部作をこうやってUPできて、充実感満点です。
ギプスフェチの皆さんは、私の小説に高い評価をしていただいてるようです。
しかし、文芸社の人はプロで、しかもギプスフェチではない可能性が高いので厳しい評価が下るかもしれません。
しかし、この小説はあくまで未完の小説です。
どんな厳しい評価が下っても、素直に受け入れる覚悟はできています。
私のギプス小説3部作で、どれが一番のお気に入りかアンケートをとりたいのですが、その方法がわかりません。
教えていただければ幸いです。
文芸社のプロの方の意見
「ジャンルを超越した作品で、キャラ設定が魅力的、女性達がマンズ中張牌撲滅をめぐる陰謀に巻き込まれながら、絆を深めていくというストーリーが最大のウリ」のような評価が下りました。
ただし、「やはり完成させてから送っていただきたかった。また、麻雀を知らない人でも読めるように解説をいれて欲しい」という減点材料もありました。

そのプロの方はギプスフェチではないということです。
それでもこれだけの評価が下るのですから、完成の暁には、月2作品という無料出版枠に入ることが出来るかもしれません。
ちなみに、これを書籍化すると300ページを越えるということです・・・
せいぜい50ページくらいかと思っていましたが・・・
PCが復活して、ネットをつないだら、この小説をリメイクしたいと思っております。その裏で、ギプスシーンを排除した麻雀小説を裏で執筆したいと思っております。みなさん、しばらくお待ちくださいませ。

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