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文学三昧コミュの熱血非野球漫画『露出狂の詩』

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 いましも、しめやかに出棺の儀が行われようとしていた。坊主は早々に座を外しスピーカーから流れる読経は録音。親族達は首を垂れ、このところ流行ってきたバックミュージック、いやがうえにも雰囲気を盛り上げて涙誘う。かしこみて棺を捧げ持つ人等は葬儀社。実に手慣れて狭い出入りを目線で難なく通す巧み。其処に。踊るようにハタ泳ぐように現れたる男一人。一見ホームレスとわかる。そのホームレス界でも生え抜き選良。臭わんばかりと言うも愚か眼にしみて、臭気天を焦がすほどの糞便臭、イヤ外た間たない交ぜの、東京都は生ゴミ収集と糞便収集熱心のあまり正面衝突した車両の事故現場という有様。その男、なかばすがるように出棺途中の一団に肉薄。止める間もあらばこそヒィヤーと叫び棺取り落とした葬儀社一同の及び腰尻目に、落ちて砕かれてマロビ出た骸にすがって
 「オトゥーーサーーーーン」
 親族一同の瞠目限りなく。仏の連れ合いで御歳72歳、三度の飯より皮肉が得意の婆さんに至ってはそれでなくとも色気の悪い唇の晴れというのもおこがましいが、この葬儀の席のにぎわいに着けてきた口紅の上からも解る紫色の変色。その上ワナワナと震えにふるえ



 わぁあ、止まんなくなりそう。
 トイレに行きたい。
 誰か続けて。 

(以上、ガブちゃんの書き込みです。以下、管理人:shamrockが書き加えました。)

震える手は、愛する者の死を悼む証也、加えて齢幾千の千代子婆、其は道理成らん哉。
棺に縋り付いた男(おのこ)は懐から可憐成る、一輪の野薔薇を採り出し、口に咥えるや否や、軽やかな舞踏を舞い踊り出しぬる。此処に於いて死ぬる翁の葬式は、一転葬儀とは思えぬ賑わいと化し、母は喪服から乳房が毀れ落つ程に狂乱の舞を見せる、父は褌姿に飾りの菊を尻孔に差し、阿呆踊りにて狂うが如し。
それを見つめる息子の眼差し、涙がはらりはらりと流れております。この子の心にこのような、痴態を見せるは映すは罪にあらずや、あらざるや。穢れたこの世に生まれ落つ、人の性の悲しさや。あなかしこ、あなかしこ。

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