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こんな映画だったのか!コミュのイエローケーキ (2012.1.28 ~)

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『イエローケーキ クリーンなエネルギーという嘘』を観てきた。
去年から原発をテーマにした映画が日本でも多く上映されるようになったが、これは燃料の元となるウラン鉱石採掘に焦点を当てている、珍しい作品らしい。

原子力発電の燃料がウランであることはなんとなく知っていたものの、実際には無知に等しい状態だった。
観てる間もよく分からなくて、帰ってからパンフレットを読んでやっと理解できた…気がする(苦笑)。
ちなみにパンフレットには採録シナリオ(ナレーション、出演者が話した内容)が書いてあり、とても助かった。

イエローケーキとは天然のウラン鉱石を精錬して得られる、ウランの黄色い粉末のこと。
これを得るためには、途方もない量の鉱石を採掘しなければならない。
鉱石1トンからはわずか数グラムのウランしか取れない。
残りの約99%は利用価値がない上に放射能を帯びた有害物質である。

分かったのは、ウラン鉱石採掘が金を生み、雇用を生み出すということ。
ウラン企業は「環境」を「経済」に替えるため、放射能の危険性についての説明はしない。
土地を奪って環境を破壊し、そこで働く人や近くに住む人の健康を害していく。

映画は旧東ドイツ南部、ナミビア、カナダ、オーストラリアを、撮影拒否に遭いながらも5年間に渡り取材している。

特に印象が強かったのは、旧東ドイツ南部。
ここに世界第3位規模のウラン鉱があることを誰も知らなかった。
国家規模で約40年も事実を隠ぺいしてきたが、東西ドイツ統一で明るみに出て、危険地域指定とウラン生産の無期限停止が決まる。
現在でも元鉱員が放射性廃棄物の処理を行っており、それらを積み上げた山は千以上もあり、除染計画には65億ユーロもの税金を必要とする。

そしてオーストラリアの先住民(アボリジニ)。
美味い話だけしてウランが眠る土地を奪おうとする企業や政府に、断固として反対する人々。
金による豊かさを得ても、放射能に汚染された自然が戻る保証はない。
汚れなき環境で生きることを選んだ彼らの強さは美しかった。


日本はウランを輸入している。
つまり日本で原発を稼働させるということは、
他の国のウラン鉱一帯を、そこで働く人々を、放射能の危険に晒してるということになる。
これってとんでもないことじゃないか?

この映画を見て、ウラン採掘について何も知らなかったなと思った。
新聞もそんなにちゃんと読んでいないけど(苦笑)、原発について知らないことが多すぎる気がする。
もっと積極的に知っていく努力をしなければ、地球はやばいかもしれない。
パンフレットの終わりにはこう書いてある。

「エネルギーはどこまで必要なのだろうか。
開発が人の命を縮めるなら、もはや限界を超えた過剰なエネルギーと見るべきだ。
今の世界はエネルギーの過食症というべきだ。
生活を地球に合わせよう。
それが人類の未来を創る。」
もっともだと思う。


映画の中には出てこないが、日本でもウラン鉱石採掘や精錬を行っていたことについて、パンフレットでは説明されている。
岡山県と鳥取県の境にある人形峠で、1950年代〜1960年代にかけて行われていたが、品質が低く採算が合わないため中止された。
人形峠周辺で働いた延べ1000人の採掘労働者のうち、70人が肺がん死している。
そしてウラン残土は今も放置されている。

高野寛のアルバム『CUE』(1990年)に『人形峠で見た少年』という曲があり、注釈で初めて人形峠のことを知った。
「少年が昔からの掟を破って峠に眠る石に触れると、少年は光になり、光と風は森を倒し、生き物は埃になり、誰も知らない灰色が広がる」
歌詞を要約するとこんな感じだが、本当に恐ろしい。

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