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横井小楠コミュの読書録「横井小楠」松浦玲著

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大変楽しく読みました。


読書録
「横井小楠」松浦玲著 朝日選書645


P47 33歳 まだ完全に朱子学的なものといえず、徂徠学的。しかし、徂徠学的な「功利」には批判的。

P49 徂徠学が政治と個人道徳を切り離し---小楠らの「実学」は道徳と政治を結び付けようとする。-------------------感想:困ったものだ。

P61 41歳  庄一郎宛「奉問条々」 この手紙を庄一郎に送ったのは、自分の思想の充実ぶりを他藩の老儒にぶつけてみたかった------

P64 陽明の非は元より論ずるにおよばす---格物致知を取り違えた。

P66 「理の活動もつとも以て味あふべきところ」があるというくだりが、「奉問条々」の眼目なのだろう。
    ---あくまでも政治学でありつづけ、現実の問題を処理しようとするわけだ、陽明的主観主義でも、徂徠的功利主義でもなく、朱子学として、客観的合理主義としてやっていこうとする。
   朱子のやり方を真似るのではなく、朱子がさまざまの課題に迫ったときの、「理の活動」ぶりから学ぶという高度な作業がここでは説かれている。

P68 小楠が特に見せたかったのは----本庄宛の手紙に盛り込まれている自分の前進ぶり---

P71 本庄は 「通例の一老儒にて何もこれ無き人物」----

P333 清朝が隆盛のままで19世紀のヨーロッパとの衝突を向かえれば、清朝はそのまま近代国家になったかもしれない---

P363 彼は儒学者=政治家として幸せであった。越前福井藩での自己の経綸を実現し、幕府政事総裁職松平春嶽のブレーンとして幕政改革を推進した。王政復古政権の中枢部に入った。

P395 「国是三論」中の「国富論」がアダム・スミスの「国富論」と全く同じと山崎益吉氏が説く。スミスの経済学が道徳哲学に発している—

P396 ウイリアム・スチール氏は彼の思想を
    普遍主義儒教・平等社会要求・新国際関係志向・民主主義・革命性・平和主義と整理している。

感想:
さすが吉田先生が授業のテ−マに選んだ人物だけあって、小楠は面白い人物であることが解かった。日本にも立派な朱子学者/政治家がいたことに、日本人として誇りに思う。為政者本位でなく、民衆中心に常に考えている。
著者の松浦玲氏は非常に楽しんで学問していることが判る。書簡から科学的に事実を証明し、過去の分析の間違いを正し、論争しいくのは面白い作業と思う。

ところで、小楠の「政治に道徳を持ち込む考え」が現在までマスコミにも引き継がれ日本の政治の幼児性が続いている。欧米の民主代議制度が日本に定着しないのは、小楠のせいか?

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