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日本アニメーター・演出協会コミュの自分は、これに賛同しました(JaniCAに求めていたもの)

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★JAniCA設立提案書

全日本アニメーション作画・演出家連絡会(仮)
設立の提案
平成19年4月14日
芦田豊雄

1.≪職人の美学≫
 我々アニメーター、演出家は古くから続く職人の気質を受け継いでいる。
 5000円の仕事でも10000円以上の仕事をしてしまうのがそれである。
 (未熟、投げやりな仕事をする者は除く)
 つまり自分が満足できないとダメなのだ。
 アニメーション業界はその気質に頼り、又は利用し成り立ってきた。
 しかしもう限界である。
 だが、この職人の気質を失ってはいけない。
 明らかに宝であり、誇りであり、美学である。
 この美学を守るため、みんなが知恵を出して欲しい。

2.≪ひと握りの成功者=お金持ち≫
 業界でのお金持ちなんてひと握りなどいない。ひと摘みしかいないのだ。
 アニメ作りは集団作業である。
 ひと摘みのお金持ちになるには、たくさんの同業者の協力、犠牲なしにはありえない。
 まずは全体の底上げから始めるべきだろう。

3.≪若者は老人になった≫
 「鉄腕アトム」に始まったTVアニメーションは、日本全国より若い才能を集めた。
 そして40年以上が過ぎ、20歳は60歳を過ぎた。
 世界に冠たるジャパニメーションを創造してきた個人、制作会社の現在は恵まれていない。
 個人は適正な仕事と、収入を確保できていない。

 そして孤独である。

 ある者は年金で暮らし、ある者は生活保護を受けている。
 両者共、ジャパニメーションを創り上げてきた人達である。
 これから5年、6年と経過するにしたがい、悲惨な状況はどんどん表面化してくる。
 連絡会はこんな人達に適正な仕事と、仕事場を提供したい。

4.≪手描きアニメーションは日本にしか残らない?≫
 3Dアニメーションはアメリカの一人勝ちになる(なっている)。
 手描きアニメーションは日本にしか残らない。
 (手描き・CG融合も含めて)

 そしてジャパニメーションはもっと世界の注目を浴びていく。
 しかし注目を浴びるのは作品だけではない。
 その制作現場、そして個人の生活、経済状態も露わになっていく。
 冠たるジャパニメーションの内幕も露わになり、悲惨な状況も露わになっていく。

5.≪我々はサラリーマンを望んでいるのではない≫
 我々は技術を売り、対価を受ける。
 サラリーマンの様に時間を売っている訳ではない。
 残業料や休日手当や有給休暇を望んでいるのではない。
 対価があまりにも低い事に絶望しているのだ。

 恥ずかしくて、他の職業の人達とお金の話をできないのが現実だ。

 対価をもう少し上げられないものか。
 どうにかしたい。
 しかし我々はこれからも長時間労働も休日労働もいとわないだろう。
 そういう「仕事」と認識しているからだ。

6.≪今の現実は我々の責任≫
 TVアニメが始まって40年。
 グチを言い合って40年。

 我々は40年間、愚痴をこぼして過ごしてきた。
 私も同じである。
 同業別パートの人達。制作会社経営に関わる人達。
 とっくの昔に演出料や原画料の低さに気がついている。
 そしてなぜ演出やアニメーターはまとまることができないのかを不思議がり、なかばアキレている。
小異を捨てられない我々の子供っぽさは、同業の人達から見れば苦笑の対象だろう。
 我々は他に責任を転嫁できる筈がない。
 自分達が悪いのだ。

 我々はいくつかの仕事をダブって引き受ける事が多い。
 どんな順序で完成させてゆくのか。
 引き受け順に上げていくのか。
 スケジュールがつまっているものから上げてゆくのか。
 答えは「請求がうるさい」順に上げてゆくのだ。

 我々は条件をうるさく言ってこなかった。
 条件が良くなる筈はなかったのだ。
 今の苦しい状況は、我々自身が招いてきたことである。

7.≪貧しさの現状≫
 とは言え、もう、どうしようもない所に来ている。

 TVの30分枠絵コンテをちゃんとした内容に仕上げるには、最速で3週間かかる。
 手元に残る対価は22〜23万円程度である。
 一週間で70000円の収入。
 一ヶ月で28万円。
 年収で336万円。
 一年間無休!での計算で、これが働き盛りの収入の全てである。

 更に演出の仕事も、レイアウトチェックから納品まで、長期に縛られ収入効率は更に悪くなる。

 では原画マンはどうであろうか。
 1カットの原画を描き、3000円強が手元に残る。
 現在のクオリティ要求の中で、確かな原画を仕上げようとすると、一日10時間〜15時間働き、2カットの完成が限界であろう。
 一日に6000円強。
 一ヶ月30日休みなしに働いて月収18万円。
 年収が216万円。
 ありえないが、一年間休み無しに働いてである。
 家庭を持ち、子供を育てるどころではない。
 モノによっては1カット20000円程度の原画もある。
 しかし値が高いモノは、それなりの要求をされる。
 20000円でも4日間かかってしまっては意味がないのだ。

 更に全アニメーター中、20〜30%の者が年収100万円前後の中で苦しんでいる。
月収にして6〜10万円程度。大部分を若手が占めるわけだが、その原因は早くからの出来高給にある。
そこには固定給にしたくても出来ない会社の事情もあるのだ。
若手アニメーターは過酷な現実と夢の狭間で毎日もがいている。

 この状況を知り、若者はこれからも演出やアニメーターを目指してくれるのだろうか。

8.≪新人達のこと≫
 私は自分の会社で新人を育成するかたわら、それ以外にも育成に関わってきた。

 業界に入ってくれた新人達。

 彼、彼女達は子供の頃から、おそらく10年以上もアニメーションに憧れ、難関を突破してこの業界に来てくれたのだ。

 しかし、その彼、彼女達は入社から6ヶ月で50%、 12ヶ月で70%以上が業界を去ってゆく。
 これは毎年繰り返される風習(!)である。

9.≪新人達には根性がないのか≫
 辞めていった新人達に対し「今の若い奴には根性がない」と先輩達は言う。
 これも毎年の風習なのだ。

 本当に根性が無いのか?
 無い筈がない。

 低賃金、労働時間の長さ、休日の曖昧さ。
 全てを知ってこの業界に来た。
 その時点ですでに根性があるのだ。
 (私は業界の貧しさを知らずに入ってしまった)

 脱落新人の中には豊かな才能を持ち、業界の将来に大いに役立ってくれる者達がたくさん含まれている。
 我々はそういう若者を失ってはいけない。

10.≪脱落新人の受け皿≫
 連絡会は脱落新人の受け皿になれないだろうか。
 つまり、連絡会のスペースにおいて、教育をしながら仕事をさせるというシステムである。
 そこにはベテランがいて若者がいる。
 お互い刺激しあい、学び合える環境を造り出せないものか。

11.≪子育て中の演出家、アニメーターの人達≫
 子育てののち、再び業界に復帰することは、病後のリハビリに近い。 業界の速度、流行について行けないのだ。
 現状は父親と母親がいっしょに子育てを担える環境になく、 子育てはもっぱら女性がキャリアを犠牲にする事で成り立っている。
 我々は、彼女達を孤独にしてはいけない。
 彼女達を失うことは、業界にとり大きな痛手である。
 連絡会は諸事情でキャリアを中断せざるを得なかった、 子育て中、後の人達をフォローして行きたい。

12.≪アニメーター・演出家のリスト作り≫
 日本全国にどれくらいのアニメーター、演出家がいるのだろうか。
 何人が廃業したのだろうか。
 何人の新人が入り、何人が辞めたのだろうか。
 誰が病に倒れているのだろうか。
 誰が命を失ったのだろうか。

 実態はつかめていない。
 世界に冠たる日本のアニメーションがこれである。
 リスト作り、リストの常なる更新は必要である。
 このリストは業界の為に、大いに役に立つ筈である。

13.≪頑張っている経営者の皆様へ≫
 もちろん会社によっては懸命な努力の末、アニメーター・演出を正社員として扱い、 厚遇されている所もあるだろう。
 そういった会社にとって、 この連絡会は「余計なお世話」なのかも知れない。

 しかし多くの者がフリーを目指す。
 これが我々の習性であり、特徴である。
 新人養成に投資をしながら、育ったら辞めてしまう。
 使い物になった頃にフリーになったり、他の会社に移動してしまう。
 私の会社も同じなのだ。
 しかしお互い様である。
 私も他の会社からフリーになった人材をあてにしている。
 これがジャパニメーションの潤滑油、エネルギー、そして発展の大きな力になってきたのだ。
 これからもそれは変わらない。

 アニメーター・演出の仕事の魅力の一つは、業界間の自由な往来にあるのだ。
 しかし、辞めていった者もひと回りして必ず生まれた所の仕事をする。
 フリーの人達を抜きに、ジャパニメーションは成立しない。
 人材起用の効率性から考えても、リスト作りは必要である。

14.≪連絡会は「県」みたいなもの≫
 アニメ業界を国とするなら、連絡会は「県」みたいなもの。
 県の中には、右も左も、伝統宗教も外来宗教も新宗教も混在している。
 しかし「少しでも豊かになりたい」については、誰も異存はないだろう。
 それを目標に集まって、又は応援を期待します。

15.≪アトム世代の責任≫
 アトム世代。この世代は大きな団塊で現在60歳前後。
 そして次の大きな団塊は現在35〜40歳。ハイジ、ヤマト、ガンダム、 うる星やつら、ナウシカなどに触発され、業界に入った世代である。
 しかし、この世代はアトム世代の先輩が頭の上にいる限り、それが重しとなり、 この種のことには動きがとりにくいのだ。

 アトム世代の責任は重い。

 今回のこの提案が破綻することは、更に10年を待つことにならないか。
 リスト作りは我々アニメーター、演出家が自らやらなければ、おそらく誰にも出来ないだろう。

16.≪連絡会(仮)の理念の様なもの(案)≫
1,アニメーター、演出家、制作会社の地位・生活向上を目指すこと。

1,制作会社に人材を斡旋すること。

1,フリーのアニメーター、演出に限らず仕事場を提供すること。

1,常駐スタッフは最小限にとどめ、常にスリム化を目指すこと。

1,会の経理状況はガラス張りにすること。

1,会に特定の思想、宗教、主義を持ち込まないこと。
  個人又は団体の営利に利用しないこと。
  (マルチ商法・保険営業等)

1,新人の育成に力を注ぎ、ベテランの方々をフォローすること。

1,アニメーションの質の向上と、アニメーター・演出家の技術の向上を目指すこと。


正直にいうと、今回の「若手育成」よりも、現状に苦しむアニメ関係者に対する対策を考えて欲しかった。
アンケート・素材を提供した会員も買うことが出来ない、高額な「白書」
毎月安定した収入も無く、1枚何百円1カット何千円の世界で、仕事をしている現状。
それが、世界に夢を与えているのに、夢も持てない現場っておかしくないですか?

コメント(7)

これらについてはまったくの同意を示します。
というのも、わたしはスタートが遅かった上に特にコネもないフリーで現在上記の11番の項目にぴったり当てはまってしまうからです。
妊娠中に仕事が出来ればとおもってもいたのですが、医者に安静にするようにいわれたのもあり、現在お仕事をいただいているスタジオの進行さん一人一人に訳を言って仕事を止めてもらっている現状です。

この仕事を止めてもらっている間、本当に不安です。
わたしのようなコネの少ない本当に細々とお仕事をいただいている地方のフリーランス(ましてや妊婦や育児中など)では、業界から仕事を切るのはとても簡単ですし、これから先仕事を本当にいただけるのかと心配でもあります。

わたしはアニメが好きです。見るより作るほうが楽しいとおもっています。
ですから『ここに居続けたい』、と常々おもっています。
少なくてもいいのでお仕事がしたいとおもっています。
そういう風に考えるのはわたしの考えが甘いからなのでしょうか。
>あちゅさま
レスありがとうございました。
リタイヤ(?)アニメーターの保障もそうですが、若手を育てるのもまた大事だとは思います。
ただ、若手育成事業のお金の使い方、内容には些かがっかり感をぬぐえませんでした。
若手が必要とするのは生活の保障であり、最低限のスタジオへ通う際に必要な経費ではないでしょうか。

わたしは7年ほどいくつかのスタジオで所属させていただきましたが、制作会社に入っていた以外は交通費を実費で払わなければいけませんでした。
この交通費が実費、というのは現状のアニメーター事情として、ごく「普通」にある状況です。
これがひとつの問題かと思いました。
入ってきた新人さんが自分の理由で辞めていった中の半数くらいは『交通費を稼ぐことが出来ない』という理由だったのをわたしは見てきました。
(入ってみて『この世界は違う(いろんな理由で)』と思った人もいるにはいますけど、わたしが見た半数くらいは交通費問題でした)
わたしが見てきた、将来有望であったであろう彼らはまずスタジオで研修として無賃で数ヶ月をすごします。
その間の保障は何もありません。
交通費も、生活費も、すべて自分の(ないし親の)お金で過ごします。
そのうち貯蓄が尽きて、アニメーターを諦めざるを得ない状況に行き着くでしょう。
貯蓄が尽きる前に研修が終わっても、仕事が軌道に乗るまで、やはりそれなりに時間がかかりますし、現実は辛いままです。
さらに言えば、動画マンが月に稼ぐ金額も(生活するには)微々たる物ですし、やはり一人前になるまでは苦しい生活を強いられる形にもなります。
わたしは幸い実家からの通いで親の支援がありましたが、それがない人は相当な負担ではないでしょうか。


アニメーターは確かに技術屋であり、職人です。サラリーマンのようなしっかりした保障を期待するのは過ぎた望みなのかもしれません。
ですが、せめて交通費だけでもある程度の保障があってほしいなあと思います。
>あちゅさま
レスありがとうございます。

>アニメーターの収入が、生活保護の受給額を下回ることはあってはならないと思っています。

これに全てが集約されてると思いました。
そうなんですよね、アニメーターって歩合制だって言うのもあるんですが、こういうことがまさに新人さんに降りかかっているわけですから。


どうしてこの業界、人はたくさんいるのに組合みたいなものはないんだろうと不思議に思っていました。
職人さんは協同組合みたいなものを同業者で作るようですし……
確かに映像組合に所属するといったことも昔はあったようですが、メジャーではなかったようですし。
ようやく纏まろうかとしている組合が出来た!と思えば現状のような状態ですし、なかなか難しいですね。

アニメってたくさんの人が関わって初めて一本の作品が出来るようなものですから、それこそ連携が必須ですのになかなかそういうことまで行き着かないですね……。
昔、ある先輩が「アニメってのはバケツリレーみたいなもので、後の人のことを思って自分の仕事をするといい」とは言っていたのですが、未だに作画が上で彩色がした、見たいな風潮が残っているところもあるようですし……
そういうところも、連携の希薄さ、というもののひとつの現れな気がしてなりません。

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