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夜空いろの黒猫と自転車乗りコミュの夜空いろの黒猫と自転車乗り

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「きみは黒猫、夜空いろの黒猫。眼は…うん、月の眼。夜道を照らす月の眼だ。
そんなきみにはこの朱いリボンがとてもよく似合うね。」



それは四月の夜のこと。町灯りのしたであのひとはボクを夜空いろの黒猫となづけた。ボクは自転車にのってやってくるあのひとを自転車乗りとよんでいる。自転車乗りはボクの飼い主ではないしボクは自転車乗りの飼い猫ではないけれどね、それでもふたりはときどき寄り添っては許しあっているんだよやさしい籠の中で。




それからはじまった
不思議なふたりの関係。


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コメント(3)





しばらく音沙汰のなかった自転車乗りが突然ボクをさがして寄り添ってきたのは寒空のオリオンが瞬く十三月の晩のこと。そんな月日を感じさせないくらいボクと自転車乗りはそっと寄り添いながら何気ない一秒やよくみる景色のワンシーンを夜空に溢(こぼ)して紡ぎあった。



「お月様の影をさがしてる」
自転車乗りがぽつり、ボクにこぼした。



その晩からずっと、ボクはお月様の影をさがしてる。
(いついつか自転車乗りにみせて喜ばせるために、。)



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それは ジョバンニとカムパネルラが銀河鉄道にのりこんだ あの真夜中のこと。 道ゆくひとらが噂をしていた。 今晩は流れ星がみえるらしい、と。







もうすぐ完全に満ちる月をながめて ボクが「もうすぐ満月だ、」と呟くと 自転車乗りは僕のながめた先とおんなじ方を向いては 「ほんとうだね、」とやさしい言葉を返した。 ボクは満月をすきでないのに、こんなにも朗らかな心地になるのは あぁまた 自転車乗りに救われたのだ、と こころのなかでそっと感じた。







「月みたいな ひとだなぁ」
ボクはとても無意識のうちに声にだしていってしまった。 ふしぎそうに、自転車乗りが次の言葉を待っている。



「…きみは、きみは ボクの闇にいつだって 光を導いて灯してくれる。 そんなひとはどこにでもいるわけじゃない、たったひとり 唯一なんだ、唯一なんだよ。」



「ありがとう黒猫さん。 でもね、黒猫さん。 きみだってその月の眼で僕になんども光を灯してくれているんだ。 僕にとっても唯一なんだよ?」









夜明け空に並んでながれたふたつの星屑たち。
なんだかとてもスロゥモーションにみえて まるで時間がとまったみたいねと ふたりで笑いあった。



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