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英国古代遺跡研究会コミュの続き、【グランピアン地方の古代遺蹟を訪ねて】

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其の六【グランピアン地方の古代遺蹟を訪ねて】

 昨日の続き!

 ドルイド僧達は、其の崇拝の対象を表すべき偶像も持たず、宗教上の儀式を執り行う神殿や建物を持たなかった。地面に石を置いて聖地としていた。
 ストーンサークルの中央には、ロムレックと呼ばれる祭壇があって、一つの大きな石に台石を置いて机のような石の祭壇を造り、そこで儀式を執り行っていたと思われる。
 小高い丘陵の頂に大きな石を立て、自分たちの礼拝所としていたとも言われている。
 私は古代のストーンサークルを、ドルイド僧達が聖域として再利用したのではないかと考えている。
 私はドルイド僧が放置されていたストーンサークルの中に、祭壇石を作り再利用したものが、この地方に残るリカンバント(横に置かれた石)ストーンサークルと呼ばれて現存していると考えている。

 北欧のスカンジナビア半島から、後世移住してきた古代ケルト族のドルイド僧侶が、祭壇石のあるストーンサークルを作ったと考えている。祭壇石のあるストーンサークルは、この地方にしか見られない遺跡のように思う。
 少なくともスコットランド以南、ボーダー地域より南のイングランド地方では、私の訪れたストーンサークルでは、祭壇石のあるこの様なストーンサークルは見た事がない。

 ピクト族の残したと思われる、ピクトのシンボルストーンと言われる独特の文様の彫られた立石は、この地方の幾つかの大きな河口より、高地の川の源流に遡る様に、集中的に見られる。この分布はピクト族の、幾つかの異なる部族の集落の跡とも考えられる。部族は違うが同じ鮭、鱒文化圏の人々の生活圏と思われる。
 現在でもこれらの大河の流域は、世界的に釣り人の「聖地」とも言われる鱒や鮭等の釣り場としても名高い。

 古い教会や古城と言われる、多くの中世の城も現存している。この地は又、ケルト族がアイルランドより伝え、ピクト族が守り育てたと言われる、聖水とも言える「命の水」の製造所(ウイスキーの蒸留所)が集中している地域でもある。

 世界的に有名な蒸留所の大部分はこの地域にあり、スペイ河流域に点在するマッカラン、グリンリベット、グレングヒデック、シーバスを始め、ピアモルトやブレンドウイスキーを数え上げると限が無い。まさに「スコッチ・ウイスキーの故郷」なのである。

 旅をして、見所のたくさんある魅力的な地域であるが、私の目的はただ一つ「太古の石」を見物する事なのであるが、この近郊の蒸留所は、殆ど訪れて味見は済んでいる。

 今回は一泊二日のグランピア地方の、古代遺跡廻りの旅だ。
 もし、ついていて夜間に天気が良ければ、遺跡の上に登る三日月が写せるかもしれない。車で走り回り、目当ての遺跡の傍らで、車の中に寝てシャッター・チャンスを待つ試みだ。
  
 天気は概ね良好だった。
 一日目の夕方に、多少の小雨が落ちて来たが、第一日目の予定は全て見学したし、最後の遺跡もやっと訪ねる事が出来た。スコットランドの夏は、日暮れが遅い。
 陽が高く辺りは未だ明るく、太陽が沈まなくとも時間になると人の通りが途絶える。夏場は日没が遅いのである。
 午後の11時前に、闇がやっと訪れる。

 古代遺跡は有名で無いと言うより、ブリテン諸島の殆どの古代遺跡は、入場料や時間等の規制が無いけれども、標識の無い遺跡は行き難い。大抵の遺跡は、人里はなれた荒野の中に在る場合が多い。
 一度行った事のある遺跡なら問題は無い、地図を見て何とか行ける。しかし、地図を見ても初めての場所で、人も余り行かない遺蹟の跡は、其れで無くとも行き難い。如何しても現地の人に訪ねないと、遺蹟に辿り付け無いと言うのが現状だ。
 英語の出来ない私はそれでも、巨石に会える楽しみで今日も遺跡を訪ねる旅を続けている。

    23・07・2002  Edinburgh にて

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