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オプション取引ログコミュの債券先物オプション 評価方法

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 債券先物オプションの評価方法について、検討を重ねてきました。素人向けの情報源が乏しいこともあって、果たして正解に近いかどうかは不明ですが、当面は、この評価方法を採用するものとします。


ハート 流動性

 オプションの諸々のテキストには、T-bondの流動性が最大であるとありましたが、本当だろうかと、CMEのsettlementsで中心限月のEstimated Volumeを観察してみると、T-bondよりもT-noteの方が上でした。

例えば、6月25日のボリュームは、下記の通り。

T-bond 22,972

T-note 36,517

 いきさつはわかりませんが、かつての相場とは状況が異なってきたようです。Yahoo!financeのトップページに表示される指標は、CBOE Interest Rate 10-Year T-Note(TNX)であり、日常的にウォッチするには、T-noteの方が好都合です。よって、T-noteを投機対象とするものとしました。何事も、他人が言うことを鵜呑みにせずに、自分の目で見て納得ずくで飲み込むことで、堂々と相場を張ることができると、思っています。それでたとえ損をしても、おのずと意味合いが違ってきます。


スペード ヒストリカル・プライス

 私の投機スタイルは、日次と月次のヒストリカル・プライスから標本標準偏差やヒストリカル・ボラティリティを算出し、この結果に基づき、ストライク・プライスやボラティリティ売買戦術を選択するというものです。十分な期間のヒストリカル・プライスを入手できない相場は、手が出せません。
 債券先物の終値を少なくとも5年間は、日次と月次で簡単に入手できる必要があるのですが、残念ながら、そのようなサイトにたどりつくことはできませんでした。
 そこで、債券先物と相関性の高い証券で代用することを思いつきました。T-noteを投資対象とする、IEF(iShares Barclays 7-10 Year Treasury )であれば、Yahoo!financeで簡単にヒストリカル・プライスをダウンロードできます。問題は、入手データをどう加工するか、ですが、日次、月次で、終値ベースの対数リターンから標本標準偏差を算出し、T-noteに適用しようと考えました。しかしながら、そのようにして算出した標準偏差を物差しとしてみると、実際の相場においては、あまりにOTMに偏り過ぎ、値が付かずという状況でした。T-noteの流動性は十分なはずであり、値がつかないのは、市場が想定するボラティリティは、もっと小さいということです。これでは、使い物になりません。
 IEFの6月25日の終値は、94.47。T-noteは、121'160。IEFの方が値が小さいため、値動きが大振りになるのではないかと思い至り、T-noteにそのまま適用せずに、補正することを思いつきました。正しい手法かどうかは、わかりませんが、ETF/Future ratioなるものを算出し、IEFの標準偏差σ_etfにこれを乗じて活用することにしました。

ratio = ETF_close / Future_close

σ_etf * ratio = σ_fut

 こうして求められたT-note先物の標準偏差σ_futは、およそ7掛けに補正され、実際の相場にフィットしやすくなりました。ベストは、期近の債券先物の終値が入手できることです。プロは、場帳を手作りすることで、相場を頭に叩き込むようですが、そういう苦労は、私には無理です。無理を押したとしても、長続きしないものなのでしょう。



ダイヤ 理論価格

 オプションや金融工学関連の書籍に紹介されているのは、債券現物オプションや金利オプションの理論価格の算出方法であり、古典的ブラックモデルや期間構造マッチングなどの解説はあるものの、債券先物オプションとなると、ほとんど情報がありませんでした。私は、原資産が先物であれば、債券の期間構造など考慮せずとも、アメリカンスタイルのオプションに用いる二項モデルで理論価格ができるに違いないと考えたのですが、それを裏付ける学術的な情報源が必要でした。
 唯一、JCハル氏の名著、「フィナンシャル・エンジニアリング」に、債券先物オプションは、他の先物オプションと同様の扱いができるというような記述にたどりつき、ようやく光が見えた気持でした。
 二項モデルでは、ツリーモデルとして、CRR,LR,JR等の方式がありますが、JCハル氏の入門テキストの"Introduction to futeres and Options Markets, third edition(2001)"に解説されているのは、CRR(Cox, Ross, Rubinstein)なので、これを用います。パラメータとして問題になるのは、ツリーのN個の微小期間を、どの程度の細かさにするかですが、テキストには、「通常N=30で合理的な結果が得られる」と述べられているので、微小期間は、30とします。
 もう一つの重要なパラメータは、ボラティリティですが、これは、市場価格からニュートン・ラフソン法でインプライド・ボラティリティを求められるので、問題ありません。
 無リスク金利は、FFレートととし、先物オプションの原則と同じく、配当利回りは、無リスク金利に等しいものとします。

 さらに、債券先物オプションならではの考慮点は、原資産価格と、オプションプレミアム価格、権利行使価格の表記方法です。
 先物価格が、119'31.5だという場合、シングルクォーテーション以下は、31.5/32なので、十進数表記では、119.984375となります。
 オプションプレミアム価格が、0'18だという場合、シングルクォーテーション以下は、18/64なので、十進数表記では、0.28125となります。
 権利行使価格は、122.50というように、十進数の0.50きざみ幅です。
 理論価格を求める際には、十進数表記に換算しなければならず、いちいち読み替える必要があるのは、邪魔臭いところです。


クラブ 半減期プリディクション

 このようにして理論価格を算出することが可能になると、時間価値の半減期に、高ボラティリティになった場合のプリディクションが可能となります。
 6月3日に、ベアリッシュ・リバース・カレンダ・スプレッド戦術を取りましたが、下記のようなポジションでした。

Tactics C/P 権利行使価格 プレミアム IV
Rev Cal Spr 2nd Short Call 122.50 0'18 0.062
Rev Cal Spr 1st Long Call 122.50 0'07 0.069

 このポジションの時間価値の半減期は、1st Longの満期日近辺となります。
 高ボラをどう表現するかについては、非現実的なデタラメデータは問題外であり、統計的に稀に起こりうる確からしい範囲を想定すべきです。よって、ヒストリカル・ボラティリティの時系列データがΧ二乗分布に従うと仮定して、5%信頼区間の推定母標準偏差σを求め、この上測値を2倍して、HVの+2σを高ボラ状態とします。この推定母標準偏差σには、残存期間の平方根を乗じて、補正する必要があります。

 T-noteのティックサイズは、1ティック(0'01)あたり、$15.625なので、ポジションのペイオフはこれを乗じて求める必要があります。半減期、高ボラ状態で、原資産がオープンのまま変わらない場合(120.0)と、原資産の+2σで上昇し、アゲインストとなった場合(125.0)の2パターンのプリディクションを求めると、下記のようになります。

strike half time +2σ %
125.0 $-284 -1.0%
120.0 $-218 -0.8%

上記の%は、Purchasing Power(新規建玉余力)に対する増減率であり、仮に+2σのアゲインストでも、-1.0%のリスクしかなく、全く問題にならないポジションであると言えます。
ちなみに、理論値では1.8%の利益の確保が可能であり、小なりとは言え、リスク・リォード比で見て優位性を有したポジションだと言えます。



手(グー) ヘッジ・パラメータ

 ヘッジ・パラメータに用いるギリシャ文字についても、ブラック・ショールズ・モデルと二項モデルでは、算出過程が多少異なりますが、リスクニュートラル評価法が共通なので、全く同じ考え方で活用が可能です。
 ハル氏のテキスト(2001)によると、下記の代数式が示されています。

 Δ = (f11 - f10) / (Su - Sd)
 
 ここで、オプション・デルタΔ、上昇時の原資産Suの場合のオプション価格f11,  下落時の原資産Sdの場合のオプション価格f10を表します。

 私は、デルタ・ヘッジ・スキームは必要に応じて用いるものの、これ以外のガンマ、ベガ、シータ等は参照しません。頭で理解しておくだけで十分です。


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