ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

7days,7flowersコミュの無題2

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
眉が太くてしっかりしている。肌が浅黒いのは営業で外を回るからだろうか。目が大きくて、少し目尻が下がっていて、優しい印象を与える。その印象に違わず、彼は常日頃から細かいことによく気を遣ってくれる人だった。
それも営業で培った心配りなんだろうか。

「そう言ってもらえるのは嬉しいけど、営業だからって普段から他人に、仕事中みたいに目を配ってるわけじゃないですよ」

彼は笑ってそう言った。

その日は、仕事の話をするつもりだった。社外でそんなに具体的な話ができるわけではないけれど、彼女の中には自分の会社のやり方、在り方、今後について色々と思うところがあり、他人がそれについてどう思っているか聞いてみたかった。

「…このバーニャカウダ、美味しい!」
「何か見たことない野菜が入ってますね。大根みたいな味がするけど」

だけど飲み物も食べ物も美味しくて、初めて食事に来た割には話も面白いほどころがって、笑顔が途切れる暇がなくて、もうなんだか、仕事のことなんて、話さなくてもいいような気がしてきていた。

「まぁ、たくさんの人が働いていて、いろんな考えがあるから…」

話題が途切れた少しの間、彼が躊躇ったように考えた後、唐突にも思えるタイミングで話し始めた。

「うまくいっていないところに焦点を絞って解決しようとすることも大切だけど、少し広い視点を持って、ここだ!っていうときに必要なことをするのが肝要なんじゃないかって、俺は思ってやってますよ」

どうやらこの人は彼女が今日何を話しに来たのかわかっていたようだった。

その言葉をきっかけに、少し最近の話をした。プロジェクトがどうなっているのか。営業戦略はうまくいっているのか。そもそも戦略はたっているのか。経理の彼女には見えない、わからないことだらけで、前線に立って闘っている彼にしか聞けないことがたくさんあった。

結論は出ないまま、話題はそれ以外の話に移っていった。現在進行形の話に結論を出しようもない。だけど彼女の中でぐるぐるとループしていたわからなさ、勘繰り、邪推、不安、そういったものがいくらか霧消したように思えた。彼が言ったように、解決策に目を凝らすことも必要だが、とにかく目の前のことに一生懸命になることもある場面では必要なのだ。

「俺、冴木さんには彼氏さん…がいるんだと思ってたから、誘って良かったかなとか考えていたんだけど」
「私も根岸さん、ご家族いらっしゃるから、いいのかなーとか…あ、でも、いいのかなって思うこと自体が失礼かなと」
「自意識過剰か、みたいな?」

今日はこういう話題が何度も出てくる日だった。

「誰かかっこいい人いたら紹介してくださいよ」
「んー、友達もけっこうみんな結婚してるやつが多いからな」

「奥様とは、いつ知り合ったんですか?」
「大学の時に知り合ったんだけど、付き合い始めたのは結婚する2年前ぐらいかな」

互いに互いの「相手」について、よく話題にした。するようにしていた。

「そういえば誕生日っていつなんですか?」
「なんと、わかりやすくて、元旦なんだよね。お年玉とプレゼント一緒にされたりして、損した気分だったな」
「じゃあ私、その時までに彼氏作っとくようにします!宣言すると叶うって言うし」
「うん、冴木さんなら大丈夫ですよ」

「大丈夫」と言われたことに、少し寂しさを感じたことを彼女は気づかないようにしていた。











コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

7days,7flowers 更新情報

7days,7flowersのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング