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JCPと国民統一戦線の建設コミュの 政治考 徹底検証 東京都議選

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2021年7月18日しんぶん赤旗

 日本共産党が19議席に前進し、半世紀ぶりに3連勝の歴史的快挙を果たした東京都議選。自民党は史上2番目に少ない33議席にとどまり、公明党とあわせて目標とした都議会過半数に遠く及びませんでした。相互に支援しあう市民と野党の共闘が実現し、野党勢力が議席を伸ばして自民党を追い詰める力を発揮しました。改めて検証します。

 (伊藤幸、中野侃、目黒健太、田中智己)

共産党が3連勝
自民党上回る野党ブロックを形成
 共産党は改選前の18から19議席に前進し、2013年、17年に続く3回連続の勝利を手にしました。1960年代後半から70年代初めにかけての革新都政時代以来の快挙です。前回17年の都議選と比較が可能な選挙区での得票率は、前回14・83%から15・79%へと増やし、前回比106・49%となりました。

 前回は党候補のトップ当選はありませんでしたが、今回は新宿、文京、大田、北多摩4の4選挙区でトップ当選。当選した19人中14人、74%が女性で、女性議員数で都議会第1党となりました。

 政治学者の五十嵐仁法政大名誉教授は「共産党が3回連続躍進したのは、革新都政以来2度目です。惜敗を含めればもっと伸びる可能性もあった。しかも四つの区でトップ当選。これは対決構図いかんでは小選挙区でも共産党が十分当選できることを示している」と指摘します。

 一方で自民党は23議席と過去最低だった前回に次ぐ史上2番目に少ない33議席にとどまる大敗に終わりました。公明党の23議席とあわせても目標としていた都議会過半数(64議席)に及びませんでした。公明党は全員当選したものの、得票は前回73万票から63万票へ約10万票減らしました。共産党と立民を合わせると34議席、無所属・ネットを合わせれば36議席で、都議会に自民党を上回る野党ブロックがつくられました。

論戦圧倒 共感広げ
 今回の選挙で、党躍進の最大の土台となったのは、何といっても論戦での圧倒的なリードでした。

 五十嵐仁・法政大名誉教授は「共産党が共闘の推進力として評価されたということと、五輪を中止してコロナ対策に全力を注ぐべきだという政策が、今回の都議選の争点を明確に提起し、それが都民の心情にぴったりはまったということだと思う」と指摘します。

 菅自公政権への怒りが広がるなか、「五輪より命を大切にする政治を」の訴えや、都政を変える「四つのチェンジ」を広げ抜いたことが共産党の勝利に結びつきました。

 読売新聞の出口調査では「五輪開催の方針を評価しない」とした51%のなかで、投票先の1位は共産党。各紙の出口調査での無党派層の投票先は共産党が2番目に多くなりました。党や市民の運動で子どもの学校連携観戦を中止する自治体が広がり、各地で「声をあげれば政治は変えられる」と訴える党候補に共感の声が相次ぎました。自民党議員からも「五輪中止を唯一掲げた共産党の主張は最も明確で一貫しており、有権者の意思をとらえていた」という声が出され、立民の国会議員の一人も「競合区でも共産党の主張の鋭さが際立っていた」と語ります。

 定数3以上で野党候補が競合した選挙区でも、党が得票率を増やした選挙区が多数です。

 目黒選挙区(定数3)では、星見定子さんがわずか6票差で涙をのんだものの、唯一の野党候補だった前回とほぼ同じ16・33%の得票率を得ました。立民候補の得票率とあわせると32・66%となり、野党の得票が倍増する結果でした。

 「五輪中止の政策を掲げているのを知って共産党だなと思った」。選挙中、文京区で志位和夫委員長の街頭演説を聞いた大学4年生はこう期待を寄せました。もともと立民支持だったという同氏は「野党共闘で『見返りは民主主義』と言っていた共産党の姿勢がいいと思った。ぶれない共産党を応援したい。共産党、野党が伸びれば、総選挙でも政権交代の現実性が増す。政権交代は絶対に実現できる」

 候補の魅力、実績と相まって、ジェンダー平等の訴えも共感を広げました。東京で初めての痴漢被害のアンケート調査の先頭に立った豊島の米倉春奈都議のもとには「痴漢をはじめ性暴力をなくそう」という訴えへの反響が選挙区を越えて寄せられました。大学で性暴力をなくす活動に取り組む学生が応援スピーチに駆け付け、「痴漢の問題に取り組んでくれてありがとう」とチラシのポスティングに若い女性が参加しました。

共闘の力が鮮明に
全都的な共同が実現
 今回、日本共産党と立憲民主党などは1、2人区と3人区の一部で候補者を調整しました。共産党に一本化した11選挙区のうち5選挙区、立民や生活者ネット、無所属候補で一本化した10選挙区のうち8選挙区で勝利しました。相互に支援しあう共闘が実現したことが、相互に当選者を増やす結果につながりました。共闘した選挙区での得票率をみても効果は歴然です。

 「今回の都議選のようにほぼ全都的な規模での選挙協力が進んだというのは、大げさでなく戦後史上初と言っていいと思う。総選挙を前に非常に大きい結果だった」。政治学者の小原隆治早稲田大学教授は、全42選挙区中21選挙区での候補者一本化の構築をこう評価します。

 この中で、市民と野党が積み上げてきた共闘が多くの選挙区で力を発揮し、選挙戦を通じて相互に協力しあう関係が発展しました。

 共産党は、中央、中野、渋谷、武蔵野、立川、三鷹、小平、西多摩で立民公認の8候補を支援(自主支援含む)。また小金井、北多摩2で無所属、生活者ネットの候補を推薦・支援し、7候補がトップ当選を果たしました。小平は無投票当選となりました。

 投開票翌5日の記者会見で立民の安住淳国対委員長が、成果の基礎に「リアルパワー」の存在を指摘し、注目を集めました。同党幹部の一人は「『リアルパワー』は、単に共産党の票の力だけではない。市民も含め、みんなで新しい政治をつくるという意気込みだ」と語ります。

 定数1の武蔵野市区では、次点に1万票以上の差をつけ、立民の五十嵐衣里さんの当選を勝ち取りました。

 共産党武蔵野・三鷹地区委員会の平野義尚地区委員長は「私たちも含めた共闘で押し上げることができた。一番大きいのは共闘の積み重ねがあったこと。お互いに尊重しあう共闘ができた」と振り返ります。市民を中心に武蔵野市の民主市政4期16年を共闘の力で支え、4年前の都議選でも民主系の候補を応援。都知事選でも共闘を広げてきました。

 都議選最終盤には小池晃書記局長の応援も受け、都立病院の独立行政法人化反対なども訴えた五十嵐さんは「しっかり勝てたのは共闘の効果が大きかった。共産党の方たちが立憲民主党のビラを配り、知人に声をかけてくれた方もたくさんいる。いろいろな党派の方に応援をもらった」と語ります。

 同じく定数1の小金井市区では無所属の漢人(かんど)明子さんが1万8789票、得票率45・40%を獲得して当選。共産、立民、社民、生活者ネット、新社会党、緑の党の6党が応援しての勝利でした。共産党は漢人さんと、PCR検査拡充や保健所復活、都市計画道路の見直しなど五つの政策協定を結んでたたかいました。

 漢人さんは「(政策協定は)全くその通りだったのですぐに合意できた。4年前から野党連携を進めてきた。市民がどれだけ政治に参加したいと思えるか、総選挙でも市民の力を生かして都議会と地域をつなぐようなとりくみをしたい」と決意を語ります。

党躍進とも連動
 相互に支援しあう共闘が全都的に広がったことは、共産党の前進にもつながりました。

 北多摩4区では共産党の原紀子さんがトップ当選。前回から2265票上積みする2万1939票を獲得し、得票率は前回の24・38%から34・81%へと伸ばしました。得票率は前回比142・7%でした。一方、落選した都民ファースト現職との票差は2046票。共闘とその発展がなければなしえなかった勝利です。

 「変化をつくりだしたのは市民の力です。市民の切実な願い、粘り強い運動があり、そこに野党の共闘がつくられていくというのが一番の実感です」。原さんはこう力をこめます。

 この4年間、市長選や都知事選、市民の運動を通じて広げてきた共同が力を発揮しました。さまざまな条件があるなか、選挙戦中には東久留米市と清瀬市の市民連合が原都議を応援する初めての街頭演説を開催。立民参院議員、社民、無所属の市議らと共産党の山添拓参院議員らが並びたちました。

 同時に、障害児医療費助成を拡充する運動でつながったお母さんやLGBTQ当事者の若者など、前回以上に幅広い市民が応援に奔走しました。原さんは「市民を主役にして、すべての政党が対等平等でやっていくことが大事だと議論してきた。最初から完璧な共闘があるわけじゃない。みんなでつくっていくんだというのが今回学べた一番の財産です」と語ります。

 定数2の文京区では、前回215票差で惜敗した福手裕子さんが自民党現職に競り勝ち、都ファ現職をも抑えてのトップ当選を果たしました。

 共闘の輪を広げ、前回から4033票増の3万815票、得票率は前回27・91%から35・84%へと大きく増やしての勝利でした。公明の支援を受けた次点の自民候補との差は5千票ほどで、共闘の力が生きています。

 選挙戦では、立民の松尾明弘衆院議員も告示前に6回応援に立ち「(都立病院の)独法化反対は福手さんだけ。女性都議を誕生させよう。党派を超えて都議会に送り出して」と訴えました。

 「無所属や立民の議員さんなどが街頭や『折り入って作戦』などで全力で応援してくれ、4年前とは全然違う選挙になった」と福手さん。「共闘によって選挙で自公にかわる政治の選択肢を示していくことができると証明した選挙になった。五輪中止、都立病院の独法化反対を訴える唯一の議席として、共闘を束ねる力にも大きく貢献したと思う」と語ります。

 共闘による共産党候補の勝利は、北多摩4、文京、豊島、北、日野の5選挙区に広がりました。勝利につながらなかった選挙区も含め、共闘区のほとんどで得票率を前進させており、党全体の得票率の前進につながっています。

 事前の候補者調整が綿密に行われ、相互支援の体制がつくられたことは、共闘が党躍進に結実する大きな土台となりました。

 早稲田大学の小原隆治教授は「相互尊重の共闘を進めていくと、『見返りは民主主義』というだけでなく、共産党にきちんと成果が出るということが分かったことは非常に大きなことです」と語ります。

 自民党関係者の一人は共闘の中での共産党の前進を警戒します。「立憲・共産が連携の中であれだけ取ったのはインパクトだ。その中で共産党が都ファと競り合って勝ったところもある」「これが総選挙の前例となった感じもある。東京は小選挙区の集中地域だ」

 総選挙はすでに目前です。すべての党派が、選挙に全神経を集中させ、動き始めています。

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