ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

JCPと国民統一戦線の建設コミュの【日刊ゲンダイ】巻頭特集 野坂昭如氏ら戦前世代の「痛烈安倍批判」を聞け

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

【日刊ゲンダイ】巻頭特集
野坂昭如氏ら戦前世代の「痛烈安倍批判」を聞け
2015年12月12日


作家の野坂昭如氏(左)と海上自衛隊観艦式での安倍首相(C)日刊ゲンダイ

 焼け跡闇市派などといわれ、自由奔放でありながら、反戦への言論活動を生涯続けた作家の野坂昭如氏(享年85)が9日、亡くなったが、同じく戦争世代の作家、瀬戸内寂聴さん(93)が日経新聞でこんな追悼文を書いていた。

〈(たまたま)あなたの「シャボン玉 日本」という本を読み返していたところだったのです〉〈(ここであなたは)今の日本は戦前の空気そのままに帰ってゆく気配がすると、政治の不安さを強く弾劾していますね〉〈長い間お疲れさまでした。私も早く呼んでください。私も何やらこの日本はうすら寒い気がしてなりません〉

「シャボン玉 日本」とは毎日新聞の連載をまとめた本で、2014年9月に出た。正式タイトルは「シャボン玉 日本 迷走の過ち、再び」で、特定秘密保護法を強行した安倍政権に対し、「このお上の暴挙暴走は大日本帝国の二重写し」と言い切り、集団的自衛権については「軍事国家というものは基本的人権の抹殺を意味する」と斬り捨て、「戦争がいかに愚かであるか、数えきれない犠牲を出しながら何も伝わっていない」と断じ、こう続けた。

「そのしるしが現首相の言動に表れている」

 それを瀬戸内氏が読み返していたところ、くしくも野坂氏は逝ったわけだが、引っかかるのは「私もこの国がうすら寒い」と言うのは、瀬戸内氏だけではないことだ。

 この世代の人は異口同音にそう言う。こう言い切ってもいいくらいだ。

 東大名誉教授の石田雄氏(92)はその半生を「なぜ、日本は無謀な戦争に突き進んだのか」という研究に注いだ。その石田氏が今年、出版したのが「ふたたびの〈戦前〉」(青灯社)という本である。今年100歳になった元朝日新聞記者のむのたけじ氏も今年7月、「日本で100年、生きてきて」(朝日新書)を出し、戦前さながらになっている今の日本を憂えた。

 これらは決して偶然ではなくて、戦前、戦後を生き抜いてきた先人たちには、いまの安倍政権の危険な正体、それによって、まんまと世の中が変わりつつある怖さがまざまざとわかるのではないか。評論家の佐高信氏は「おそらく、生理的、肌感覚だろう」と言ったが、だとすれば、その直感は間違いなく正しいだろう。人間なんて、放っておけば、同じ過ちを何度も繰り返す。いまこそ、こうした声に耳を傾けるべきなのだが、もちろん、傍若無人な安倍政権は聞こうとしない。かくなるうえは国民がその危機感を共有し、安倍政権に対峙していくしかない。そういう思いで、改めて、戦前世代の訴えを読み返してみると、やっぱり、痛切、強烈なのである。



〈かつて軍国主義は軍隊が専横をほしいままにし、頂点に立つ何人かが協議。制度を整え、戦争を準備した。今は軍国主義の世の中ではない。だが、世間が反対しようと無謀であろうと、無理のごり押しを平気でする。決めたらひたすら突き進む。この政府の姿勢は、かつてとそっくり〉

 野坂氏は安保法制を巡る与野党攻防も「選挙向けの猿芝居」と一刀両断したうえで、こう結んだ。

〈生命、財産、文化、伝統を守っていくのは軍事力ではない。騙されるな。このままでは70年間の犠牲者たちへ、顔向け出来ない〉

 そういえば、前出のむのたけじ氏は安保法制反対の会見でこう言っていた。

「こういう情勢の中で安倍晋三、あなたはニッポンの社会体制を元の軍国体制に戻すためのいろいろな工作をやりながら、それを説明するのに『戸締まりを堅くすれば泥棒に入られない』という例え話で軍国体制へ戻ることを語るとは、あなたに、政治家としての資格がありますか」


警鐘を鳴らし続ける瀬戸内寂聴さん(C)日刊ゲンダイ


「戦争する人間は獣以下だ」という野坂氏のド迫力

 野坂氏は2003年、脳梗塞で倒れた。右半身がマヒし、言葉も不自由になったが、新聞、雑誌などには寄稿を重ねた。

 ド迫力なのは「サンデー毎日」、今年の8月23日号に載った特別寄稿「二度と戦争をしないことが死者への礼儀だ」という一文である。

〈戦争は人間を人間でなくす。では獣になるのか。これは獣に失礼、獣は意味のない無駄な殺し合いをしない〉

 こう書いた野坂氏は安保法制と無責任な政治をぶった斬っていく。

〈安保法がこのまま成立すれば、やがて看板はともかく、軍法会議設立も不思議じゃない。すでに特定秘密保護法が施行され、さっそくの言論弾圧。そのうち再びの徴兵制へと続くだろう。言論弾圧が進めば、反戦的言辞を弄する者は処罰される。すでにマスコミにも大本営発表的傾向がみられる〉

 この世代の思いは皆、同じなのである。本紙は前出の石田氏には「どこが一番、戦前と似ていますか」と聞いてみたこともある。石田氏は「情報が狭くなっていること」、つまり、メディアへの規制、あるいはメディアの自粛を挙げた。

「許される思想の範囲が狭くなり、その狭くなった言論空間の中で、政府への忠誠競争が行われた。そんな中で排外主義が煽られると、極端な不寛容の空気が醸成され、人々は考える能力を失ってしまった」

 これが戦前なのであって、いまの党内外における“安倍サマ忠誠合戦”とウリ二つなのだが、そうしたら、瀬戸内さんが本紙のインタビューでこう言っていた。

「戦争をしている人が安倍政権にはいないじゃないですか。戦争の悲惨さを知らないし、みんな、今の政府での立場をよくしたい。そうしたら、誰も反対しませんわね。そうやって、あっという間に国は変わるんですよ」

 安倍からの覚えをめでたくしたい、だから、狂気の独裁に誰も逆らわずに協力する。それを批判するメディアも忠誠合戦に加担する。いつのまにか、世の中から思考能力が欠落し、「強いリーダーに任せりゃいいか」となっていく。

 世の中、クリスマスシーズンだ。今この瞬間が楽しければいい。刹那の享楽主義もまた戦前ソックリなところが怖くなるのだ。

■これまでの市民運動とは一線を画すシールズ

 前出の佐高信氏はこう言った。

「野坂さんらが訴える反戦は多くの人の共感を生む。しかし、それは心に訴えるものですから、鉄面皮の政権にはもちろん、通じない。そうこうしているうちに安保法制も通り、テロとの戦争も始まった。参院選で与党が勝利すれば、改憲に一直線になるわけですから、野坂氏らの心にしみる反戦運動を外向きに変えていく必要がある。それを考えなければいけない時期に来ているような気もします」

 石田氏にも意見を聞いた。

「実はシールズに関心を持っています。これまでの社会運動の中には暴力的だったり、セクト主義だったりしたが、そうした活動は70年代に限界となって、それから長い運動経験を経て、シールズが生まれた。彼らは一人一人が一人称で語り、自分たちが運動の担い手となり、日常生活を壊さず、誰からも強制されず、自由で、もちろん、非暴力的なデモ活動をしている。日常を壊さない運動であれば、持続性を保ち、働いている人も参加できる。実際、子連れの女性も安保法制反対のデモに参加し、そのようにして総がかり運動へと発展していった。こうした運動を広げて、格差社会へのはけ口がさらなる弱者への排除につながる現状を改善していくしかないと思う。狭量な排外主義が積極的平和主義という名によって、武力行使に関わるという詭弁と結びついた時がまさしく、戦争の危機だからです」

 野坂世代の危機感は一部には伝わっている。それを受けた活動が始まっている。

 これを中核にして、軍国主義さながらの政権を倒さないと、それこそ、野坂らがバケて出ることになる。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

JCPと国民統一戦線の建設 更新情報

JCPと国民統一戦線の建設のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。