JCPと国民統一戦線の建設コミュの手紙

　日本もユーロコミュニズムがヨーロッパを席巻していた頃が、最も
多元的社会主義について活溌でした。日本共産党も、一貫して批判的
政党として重要な存在ですけれども、現実的に抵抗政党として力量を
発揮しているとは正直言って言い難いです。
　小選挙区制選挙制度が支配層によって実施されたり、労働組合の
全面的右傾化として、ナショナルセンターとしての総評が解体させら
れて、連合が巨大な組織となったのに比べて、全労連は総評ほどの
政治力は見られません。
　数々の外堀を埋められる一方で、共産党の組織論や指導部について
の批判は強まり、ほとんど１９６０～１９７５年代の力量は発揮でき
ていません。
　けれど、与党に次の総選挙で復活を目論む自民党は、政権政党の時
のような派閥が多数あって、左から右までという体質を大きく変えま
した。憲法改憲政党であることを党是として前面に押し出し、新右翼
政党として、党首選挙の候補者はまちのならず者風の右翼ばかりです。
　市民運動が脱原発を含めて、いまの日本を改善する上で大きな力を
発揮しています。議会制民主主義の日本で、議会制民主主義はとうの
昔に形骸化していますが、総選挙は国会のゆくえを決めます。
　総選挙で、自民党と日本維新の会とを大きくのばすことは、政治の
実態とは大きくかけ離れた対応にしかなりませんが、マスコミが連日
自民党や民主党、維新の会をテレビや新聞でクローズアップし続けて
います。ＮＨＫテレビは自民党党首選候補者の討論会や紹介に異例の
長時間を確保しています。
　おそらく、左翼政党の伸び悩みにマスコミを使った戦略がなされ続
けていることは間違いないでしょう。それを打破するだけの左翼の政
治改善戦略が見られないことが残念です。何が一番の問題なのか。
　一見的外れのようですが、国民ひとりひとりが流されず、自分の頭
で考え、発言し行動する。そのことがベースになると考えます。
　リーダーも優秀な指導部も期待はできません。ひとりひとりの熟考
が、政治を変えていく基盤となると思います。そこから後が大事なの
ですが、いまは何も考えが浮かびません。