競馬を語ろう！コミュのG1レビュー　第77回　東京優駿(ダービー)

■レース展開(記事引用)
18番ダノンシャンティが出走取消となり17頭立てでの一戦。スタートでは９番ペルーサのダッシュがややつかなかった。先行争いは内から５番コスモファントムが押し出されるように前へ。さらに６番アリゼオ、外から16番シャインが加わり、３頭が横一線となって１コーナーをカーブ。１～２コーナーでアリゼオがハナに立ち、２番手にシャイン、３番手にコスモファントム。３馬身離れた４番手に17番トゥザグローリー、７番ヴィクトワールピサは絶好位の内々。さらに13番ゲシュタルト、８番ローズキングダム、15番メイショウウズシオ。中団の内には３番ルーラーシップ、１番エイシンフラッシュ。これを見る形で12番ヒルノダムール、４番サンディエゴシチー、14番リルダヴァル、11番ハンソデバンド。１馬身離れて外目にペルーサ、10番トーセンアレス。最後方に２番レーヴドリアンという隊列となった。

前半1000m通過は61秒6。典型的な逃げ馬が不在の中、超スローペースとなった。向正面から３コーナーにかけては淡々とした流れ。３コーナー中間あたりで、中団以降のペルーサらが徐々に差を詰め、馬群がひとかたまりになって４コーナーへ差しかかった。アリゼオにシャインが並びかけて最後の直線へ。２番手以降もほぼ差がなく、横一戦に広がっての追い比べになった。

外からペルーサが一瞬反応しかけたが、持たれ気味。対してほぼ隣の内にいたローズキングダムとエイシンフラッシュが鋭く反応した。残り200mで内からトゥザグローリー、ヴィクトワールピサ、ゲシュタルト、エイシンフラッシュ、ローズキングダムの５頭が真横に並び壮絶な叩き合い。ペルーサは完全に遅れた。残り100mでエイシンフラッシュが抜け切り、外からローズキングダムが猛追。ローズキングダムがジワジワと差を詰めるが、エイシンフラッシュが見事に抑え切った。

超スローペースとなり、良馬場ながら勝ち時計が青葉賞より2.6秒も遅いという異例の展開。勝ったエイシンフラッシュが上がり３ハロン32秒7、２着のローズキングダムが32秒9という究極の決め手比べとなった。スローペースの前残りではなく、中団の横一線から抜けてきた勝ち馬の力は本物と言えるだろう。休み明けながら３着と好走した皐月賞の実績はだてではなかった。ローズキングダムは広い東京コースで復活。中間一頓挫があり、今年に入って成長力を欠く面があったが、２歳王者の力を見せた。

一方、２強のヴィクトワールピサ、ペルーサがまさかの敗戦。ヴィクトワールピサは理想的な位置で競馬をしたが追い比べで見劣った。ペルーサはスタートで後手を踏んだが、致命的な敗因ではないだろう。極端な上がりの競馬となったことで、人気に応えることができなかった。

■各馬論評・総括・今後の展望(mercy私見)
＊私事で申し訳有りませんが、月末、月初に付き仕事が多忙を極め
各トピックのアップが遅くなりました。
コミュの皆様にお詫び申し上げます<m(_ _)m>

先ずレビューの始めに今回ダービーへの思いを述べます。
人気2頭が敗れ、究極の上がり勝負となった今年のダービー。
mixiのコミュの他、様々な方面から「面白くないレース」と
散々な評価となっていますが
管理人は、今年も“ダービーはやはり凄い”と強く思っています。
そして、スタートに辿り着くまでの出走馬の関係者の
並々ならぬ努力と情熱に敬意を払う次第です。
本当に良い勝負を見させて頂けました。

1着エイシンフラッシュ
第77回ダービーは7番人気からの勝ち上がり。
皐月賞3着、そしてこれまでの堅実なレースぶりからすれば
評価が低過ぎたと言わざるを得ない。
追い切り時から絶好調が伝えられ余す所なく能力を発揮。
幸運の1枠1番のメリットを存分に活かし
道中も全くロスがなく上がり勝負の切れ味に勝り見事戴冠。
レース展開を読み切った騎乗も見事。
「抜くと遊んでしまっていた」というジョッキーの言葉は
いかにこの馬を知り抜いていたかを証明する。

雑音が聞こえるが、やはり今年の3歳牡馬は最強世代と考える。
秋は強力なライバルが巻き返してくるが
大崩れしない自在性と抜群のキレ味で当歳では中心的な存在になる。

2着ローズキングダム
中間の故障発生からの驚異の2着。
故障発生の報に勝ち負けはないと考えたものの
危険を冒して敢えて出走をしてくるなら
無様な姿は見せないだろうと再評価。
前半の超スローペースが元来マイラータイプのこの馬を浮上させた。
後藤ジョッキーも主戦小牧ジョッキーの無念に応えた。
しかし、今年も“薔薇の悲劇”は続き2着。
また、長距離が向かない血統だけに菊花賞は苦しいか？

3着ヴィクトワールピサ
厩務員が驚く程の身体能力と自在に動ける賢さを持ち合わせ
2冠の栄光を勝ち取るのは濃厚と思われたが
見せ場も作れず全く期待外れの3着。
上がりは良い時計をマークするも勝ち馬のキレに敵し得ず。
力の要る馬場ばかりを走ってきたこの馬は
素軽い脚質が求められる現在の東京コースで力を出しきれなかった。
但し、この馬の強さは競馬関係者の誰しもが認める。
秋以降も上位馬に対して互角の勝負をするのは間違いなし。

4着ゲシュタルト
展開と持続した好調さで掴んだ4着。
特に語る魅力は感じないが中距離以上で更に力を発揮か？

5着ルーラーシップ
まだまだ素質だけで走っている感。勝負所で遊んでしまったのが残念。
しかし、鞍上と陣営は今後への手応えを掴んだ様子。
超良血馬は秋以降上位3頭を超える存在となるかもしれない。