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気候変動について知りたい!コミュの海・水蒸気・雲の働きについて

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水蒸気や海洋の働きについて議論したいと思い、このトピを立てました。ここでは、他のトピと一部重なる分野であっても、余り細かい分類に拘らずに横断的な議論を行いたいと思います。

水蒸気はブロードな吸収帯をもつ赤外活性分子ですが、同時に、潜熱輸送によって、対流圏中層へ熱を放出し、大気の鉛直温度勾配を緩やかにします。さらに、潜熱輸送による雲の形成は、地球のアルベドを変化させます。また、厚い雲からの放射は黒体放射に漸近します。

それでは、ここ最近の水蒸気量の変動について調べてみますと、1948年以降、対流圏(300〜700mb)の相対湿度は減少傾向にあることが分かります。ちなみに、気候モデルでは相対湿度は一定とおいているようです。
Water Vapour Feedback | Friends of Science
http://www.friendsofscience.org/assets/documents/FOS%20Essay/Climate_Change_Science.html#Water_vapour

その他の高度については、下記NOAAのサイトから私が作成したものを添付します(700〜1000mb:設定はRelative Humidity: Jan to Dec:90N to -90S and -180W to 180E averaged)。
http://www.esrl.noaa.gov/psd/cgi-bin/data/timeseries/timeseries1.pl

これらの図を見ますと、高度が高くなるにつれ、相対湿度の減少傾向も顕著になっていくのが分かります。とくに、300mbでの相対湿度の減少が著しくなっています。これだけ相対湿度が変動していると、大気の鉛直温度構造も一定ではなく、潜熱輸送の影響を受け変動している可能性があると思います。ただし、大気の鉛直温度構造は、対流活動の変動についても考慮する必要があります。

最近、成層圏の水蒸気量が、1980〜2000年間は増加し、一方、ここ2000〜2009年の間を見ると減少しているという報告がありました。このようなダイナミックに変動する水蒸気の変動要因などについて、追求していければと思います。
水蒸気−地球温暖化の悪役?
http://www.sciencemag.jp/highlight/index.jsp?pno=195
Contributions of Stratospheric Water Vapor to Decadal Changes in the Rate of Global Warming
http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/science.1182488

コメント(12)

トピの初めで、成層圏の水蒸気量がここ10年間は減少傾向にあるという報告を紹介しました。
水蒸気−地球温暖化の悪役?
http://www.sciencemag.jp/highlight/index.jsp?pno=195

この研究では、「地球の成層圏における水蒸気量の減少が最近の地表温度上昇の速度低下に寄与している」と考えているようです。しかし、なぜ、対流圏の水蒸気の変動でなく、成層圏に注目しているのか疑問に思いました。

下記URLのページに、放射伝達モデルによる放射冷却の計算結果の図がありましたので、添付します(添付図:ドットより上は成層圏を示す)。この添付図は各赤外活性分子がそれぞれの存在比と各波数の吸光係数に応じた光学的深さから、ある高度から放射を行っていることを示したものと考えられます(もとの論文は見つけていません)。
Radiative Heating in Underexplored Bands Campaign (RHUBC)
http://acrf-campaign.arm.gov/rhubc/
AER: Science & Research: Radiation & Climate
http://www.aer.com/scienceResearch/rc/rc.html

添付図を見ますと、水蒸気の放射冷却は上部対流圏において影響が大きいようですが、下部成層圏には余り影響を与えていないように見えます。この図からは、下部成層圏はCO2の放射冷却とオゾンの太陽紫外線の吸収加熱の影響が支配的であることがわかります。ところで、成層圏の気温は1995年からほぼ横ばいとなっています(添付図)。
Stratospheric cooling? « Climate Change Clarity
http://climatechangeskeptic.wordpress.com/2008/08/27/stratospheric-cooling/

CO2の増加は成層圏の冷却化を促進させるといわれています。水蒸気の減少は微弱ながら、成層圏の冷却化を弱めるかもしれません。また、それよりは、オゾンの変動が大きく効いている可能性があります。オゾンは太陽活動の変動に強く影響を受けている可能性があります。とくに、最近では、オゾンホールが、宇宙線によるハロゲン化分子の電子誘起反応に支配されているという報告もあります。
Q.-B. Lu, Phys. Rev. Lett., 102, 118501(2009)
http://www.science.uwaterloo.ca/~qblu/Lu-2009PRL.pdf
熱帯対流圏の相対湿度が減少している理由について述べている論文があったので紹介します。
Richard S. Lindzen, PNAS, 94, 8335 (1997)
http://www-eaps.mit.edu/faculty/lindzen/181_PNAS97.pdf

熱帯対流圏においては、積雲対流活動に伴う乾燥した補償下降流のために、高度6-9km付近に低湿度領域が広がっており、それが水蒸気フィードバックが負になるひとつの要因ではないかとしています。この考えは後の「アイリス仮説」とも繋がってくると思います。

水蒸気フィードバックについて、Hoytの考察を紹介します。
http://www.warwickhughes.com/hoyt/wvfeedback.htm
http://www.warwickhughes.com/hoyt/climate-change.htm

URAS(Upper Atmosphere Research Satellite)と気候モデルの比較
Ken Minschwaner, J. Climate, 17, 1272 (2004)
http://mls.jpl.nasa.gov/joe/Minschwaner_2004.pdf
大気の水蒸気量が、海面での海水と大気の蒸気圧の平衡にもとづくとすれば、相対湿度はほぼ一定になるはずですよね。相対湿度が下がっている観測結果は、単純に考えれば、海面水温以外に大気の水蒸気量に影響する要素がある、ということですね。

たぶん、対流活動と関係するのかと思いますが、全球平均だけでなく、分布を見てみたいですね。やはり熱帯〜亜熱帯の大気循環が関係しているのかな。

最初に疑問に思ったのは、放射冷却がはたらく高度が、どうして水蒸気とCO2で異なるのかということでした。濃度の鉛直分布状態が異なるということでしょうか? 1で添付してくださった図は、観測値ではなくモデルによるものですよね。
ぶりるさん、確認したいのですが、僕は、水蒸気による温室効果は水蒸気の絶対量、つまり絶対湿度によると考えていて、相対湿度が下がっても水蒸気の絶対量は増えていると思っているのですが、そう考えて間違ってないですか?

それと、上昇大気に対して下層大気の濃度が多くなったほうが、温室効果は高くなると考えています。だからスーザン・ソロモンが言う、成層圏の水蒸気の減少がCO2による温暖化を抑制するというのは、いまいちスッキリしないのだけど、

ぶりるさんが大気の放射冷却の高度に着目したのは、放射冷却の高度の違いが温暖化や寒冷化に関係するということですか? なので成層圏の水蒸気が減少すると水蒸気による放射冷却の高度が下がり、温暖化を抑制するってこと?

(眠いので頭が回ってないかも)
>>3
>>放射冷却がはたらく高度が、どうして水蒸気とCO2で異なるのかということでした。濃度の鉛直分布状態が異なるということでしょうか?

そうですね。濃度とその分子の吸収断面積(吸光係数)によって決まると思います。うろ覚えですが、宇宙へ向けた大気放射は、それぞれの赤外活性分子の光学的深さが1付近の高度とされていたと思います。つまり、CO2と水蒸気では光学的深さが1付近になる硬度が異なるということだと思います。

ついでに、CO2の増加に伴う光学的深さについて述べた論考がありますので紹介します。
http://met.hu/idojaras/IDOJARAS_vol111_No1_01.pdf
http://www.friendsofscience.org/assets/documents/The_Saturated_Greenhouse_Effect.htm

>>1で添付した図は、成層圏の気温がここ15年ほど一定であることを示しています。CO2の増加は成層圏の冷却に繋がるはずですが、実際にはそうなっていません。この原因についても、考察できればと思っています。
>>4
>>相対湿度が下がっても水蒸気の絶対量は増えている

そうですね。確かに、相対湿度は減少していますが、比湿は気温に追随じて変動しています。ただし、比湿が気温に追随するのは、地上付近の気圧の場合で、それ以外の高度では、余り当てはまらないようです。

下記のNOAAのページからプロットが作成できます。
http://www.esrl.noaa.gov/psd/cgi-bin/data/timeseries/timeseries1.pl

>>6で作成した図は、かなり前に作ったものなので、重み付けをしているか忘れたので、あまり信頼できません。トピ初めの図も、重み付けをしたか自信がありません。時間があれば、あとで作り直したいと思います。
>>6で比湿が気温に追随すると言いましたが、正確にはNOAAのSSTのデータと比較しました。昔調べたことなので、だいぶ記憶がとんでいます。
グラフをみると、この60年間、水蒸気の絶対量は、地表付近は増えているが、700mbでほとんど増減なく、600mbより高いところは、むしろ減ってるみたいですね。

(700mbで3000メートル、600mbで4000メートルぐらいの高さかな。これは、雲ができるぐらいの高さでしょうか)

そうすると、この60年ぐらいの間、水蒸気の温室効果による正のフィードバックは、たいして効いてなかった?
>>9
最近は観測値を用いた気候感度の推定が行われるようになって、その結果を重視するならば、水蒸気フィードバックは期待されたほどには働いていないというのが、ロイ・スペンサーやリンゼンらの主張だと思います。

水蒸気フィードバックの根拠ともなってしまった相対湿度が一定という仮定は、観測データの乏しい時代に眞鍋さんがとりあえず採用したものなので、観測データが充実した今日では、むしろ気候感度を過大評価する要因であることが分かってきたということだと思います。
> 10

なるほど。

たしかに、この10年ほどの間に、モデル実験ではなく、観測値による気候感度が報告されるようになりましたが、2℃未満(あるいは1℃未満)の推定値がいくつも出ていますね。

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