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サクヤの自己満足的な文芸部コミュの【レイトン教授シリーズで】グリル・パルツァー的キスお題8【夢】

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ここでは、『グリル・パルツァー的キスお題8』をレイトン教授シリーズで書き上げたものを張り付けていくトピです。

名前変換のない夢小説となりますので、知らない方&嫌悪感がある方は、クリアバックなりブラウザバックなりでお戻り下さい顔(願)
気分を害する恐れがあります考えてる顔

なお、こちらのトピへの書き込みは管理人のみとさせていただきます。
感想や誤字脱字報告等は、専用トピへお願い致します顔(願)



それでは、注意書きはここまでにしまして。
どうぞ、ごゆるりとwww

コメント(3)

綺麗に晴れ上がった空の下。
私の通うグレッセンヘラーカレッジに昼休みを告げる鐘が鳴り響くと、先刻とは打って変わって校内が賑やかになる。
さっきまで授業を受けていた教室も例外ではない。
我先にと急ぎ足で教室を出て行く人、おしゃべりを始めて笑い合う女の子や男の子、あ、あっちは痴話ゲンカ中なのか男女が言い争いをしていたりして、それが混ざりあってざわざわと聴解不可能なノイズになって空間を満たしている。

「ねぇ!」

そのノイズの中から、私の理解できる声が飛んできて、後ろから肩を叩かれる。
振り返ると、見知った気のおけない友人が立っていた。

「お昼、行くでしょ?」

「ごめん、ご飯の前にこれ、出しておきたいの」

顔の前で両手を合わせて謝罪の姿勢を見せて、机の上に出しておいた書類の束を見やる。
それですべてを悟った彼女は、ニヤリと音がしそうなくらいに口の端をつりあげた。

「毎度毎度、熱心な事で。………少しは発展してるの?」

「残念ながら、貴女が期待してるような事は全くないわよ。ただの一生徒が課題のレポートを教授に出しに行ってるだけだもの」

「なぁんだ、つまらないの」

つり上げた口元を、次は尖らせて拗ねたように見せる彼女に、私は苦笑する。

「大体、私がどんなに先生をすきでも、彼は私と同じような目では見てくれないわよ。………私と彼では住む世界が違うもの」





日が高いと言うのに人気が少ない廊下を行く。
今は昼休みだし、ほとんどは構内のカフェに人が集まっているのだろう。
静かな廊下に、私の靴の無遠慮に響き渡るのを聞いていると、何だか出来る女になったような気がする。
これでスーツか何かを身にまとって、高いヒールの靴を履いて。
髪もまとめて、大人っぽいメイクをして、眼鏡なんかもかけたりしたら、見た目だけでも大人になれたりするだろうか?

そうなれたら、先生の側に―――

現実にはあり得ない妄想が始まろうとした時、たくさんの同じようなドアの並びに来慣れた教授の研究室のそれが見えて、私は軽く頭を振って幻想をかき消す。

昼間っからそんな白昼夢を見るなんて、私も随分と乙女菌に冒されたものだ。
ドアの前で足を止め、自嘲する。

ホント、先生と私が………なんて、あり得ない。



一呼吸おいて平静を装い、コンコン、と2回ノックする。

………。

返事がない。

部屋を空けているのだろうかとも思ったが、それならドアに不在を知らせる札が下がっているはずだ。
それがどこにも見当たらない事と、ノックをしても返事がない事を合わせて考えると、答えは一つ。

私は軽くため息をつくと、そっとドアノブを握り、回した。
予想通りノブは突っかかる事なくすんなりと回り、ドアは私を部屋へと迎え入れてくれた。

いい天気だと言うのに窓もカーテンも締め切られていて、部屋の中は薄暗かった。
その薄暗い部屋の中央あたり。
使い込まれた茶の皮のソファに、この部屋の主である教授が体を横たえていた。
側にある丸テーブルには書類が無造作に置かれていて、それの一部なのか彼の手にも2〜3枚握られている。
いつも愛用している山高帽も被ったままだ。

中身が気になったが、触れるのは憚れたので、見える範囲でだけ覗く。
どうやら考古学関係でもナゾでもなく、スコットランドヤードからの案件のようだ。
先生の元に持ち込まれると言う事は、未解決で尚且つスコットランドヤードも手を焼いているのだろう。
そんな事件の詳細が記されているであろう書類を、グレッセンヘラーカレッジの一生徒が盗み見るのもよくないだろうと思い、視線を外す。

と。

変えたその先には、ソファからこぼれている教授の手。
ここからは男の人の手にしては、少し線が細くて華奢に見えるそれ。

もっと、近くで………。

先生を起こさないように、そっとそっと近づく。
それでもコツ、コツ、と私の靴が鳴る。
一歩鳴る度、先生が起きてしまうんじゃないかと気が気じゃなかった。

先生の側に跪くところまで近づいても、先生は目を覚まさなかった。
微かにたてている規則的な寝息が聞こえる。

こんなに無防備な先生を私は今までに見た事がなくて。
なんだかドキドキしてきて、頬が染まってくるのがわかる。

近づいて見ると、ちゃんと、男の人の手だった。

線こそ細いけれど、私の手なんかよりサイズも大きいし、骨張っていて少しゴツゴツした印象を受ける。

この手は、先生の歴史をすべて知っている。

今まで彼が何処へ行き、何を学び、何を成して来たのか。
そして、何人の女性の手をとり、髪を撫で、体を抱き寄せたのか、も。
私にはその全てを知る由もないが、一人だけは知っている。
少し前に偶然巻き込まれたあの事件の時に、いやという程思い知らされた。



あのひとには勝てない。



彼と彼女はもう二度と会えないし、触れ合うことも出来ない。

私はその二人の今生の別れを目前にした。
だからこそ、痛感した。

私には彼をあれほど取り乱させる事なんて出来ないし、涙を流させるなんて尚の事だ。



だから。
せめて。



私はソファからこぼれている先生の手を、そっと取る。



その手の甲に騎士がお姫様に忠誠を誓うように、そっ、と口付けた。

キスなんて初めてじゃないのに、胸はドキドキと脈打ち、熱いくらいに体温が上昇する。
きっと今の顔は茹で蛸そのものだろう。

でも、このキスはそういう意味でしたんじゃない。

このキスは―――



そっと手を放し、立ち上がる。
先生はまだ、眠ったままだ。

彼が目を覚まさなくてよかったと思う裏側で、目を覚ましてしまって気付いてくれてもいいのにとも思う自分がいる。

相反する気持ちが混じりあい、私は苦笑を浮かべていた。



「手の上にするキスは、『尊敬』を表すんですよ………」

誰にともなく、いや、誰と言うよりは自分に。
言い聞かせるように、そっと呟いた。



そう。



私は先生を誰よりも『尊敬』する彼の教え子。
私が居うる限りのポジションで、彼の側にいられれば、それで、いい。



私はなるべく中身を見ないようにして、テーブルに散らばった書類を一つにまとめる。
そして片付いたスペースに昨日出されたばかりの課題を置いて、先生を起こさないようにそっと部屋を後にした。





1:手の上に尊敬のキス
お相手は、レイトン先生でしたわーい(嬉しい顔)

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