どうしても覚えなくてはならないものをどうするか? とは言え、試験などでは覚えなくてはいけない試験範囲、出題項目があります。これらをどうしても覚えなくてはならないときには学習計画が重要になります。何度も反復練習し、徹夜で暗記するというのが苦痛でない人はそれでよいのですが、なるべく無理をしないで楽しく覚え、さらに習熟のレベルにまで身につけたい人は定期的な学習法を取るべきでしょう。定期的な学習とは覚えるべき項目について比較的短時間その内容を吟味し、それを毎日繰り返すことです。英語や、古文、などはテープ、CD、MD、MP3などを用いることが大変効果的です。毎日聞いているうちに次に何を言うのかがわかってくるようになります。熟語の試験では選択問題が多いですので、in order ときたら次に toと自然に口についてでてくるようにしておけば試験対策には十分です。ただ、それを使ってコミュニケーションをとるというレベルにまで高めるためには実践に基づく習熟が必要でしょう。
情報の処理に関するもの 認識する 人間は物事を認識するときそのものを完全に確認してから認識する方法Bottom up processingと文脈から現れる対象を予測して認識する方法Top down processingを併用します。私たちは人の話を聞いているとき、本を読んでいるとき次の言葉や話題を先取りしています。そして現れた言語によって確認し、必要に応じて情報の修正を行いながら理解しているのです。読解において文法、語彙の正確な把握に集中すると理解の速度は低下します。実は速度だけではなく全体の内容把握のレベルにも影響します。また困ったことに細かな文法、語彙の用法に注意をして書かれた文章には、全体の意味の展開に集中してかかれた文章より文法、語彙の誤りが多いそうです。読解の学習法に精読というのがありますが、こと長文読解力の養成に関する限り、一語一語辞書を引きながら一文ずつ何度も読んで吟味するというのは効果的ではないようです。ではどのようなときに精読的方法が有効かと申しますと、速読、多読の過程ですぐに理解できなかったものを、すべてのテキストを読み終えた後で吟味する時でありましょう。すべての文章を読み終えた後では案外、その場では理解できなかったことが既に理解できていたりするものです。
読み 日本語が読めるということが重要であることは当然のように言われていますが、その読みかたについて具体的に説明してくれる人に出会ったことはありません。さて少し長くなるかもしれませんが、読んで理解するということはどういうことなのか説明させていただきたいと思います。 読むというときに私たちはまずそれぞれの語の意味を理解することが必要不可欠であるということを前提にしています。一つずつ眼に入ってくる語の意味の情報を、言葉の並べ方の決まりに照らし合わせて意味を導くわけです。語は文に、文は段落に、段落は文章を作ります。私たちは一つずつ情報を積み重ね理解していきます。このように情報を組み立てながら情報の出現した順序どおり理解する過程を専門用語では下方処理(bottom up processing)と呼びます。しかし実際に人間が文章を読んで理解する過程はこれだけではないのです。われわれはこれと同時に上方処理(top down processing)という方法をとっているとされます。これは発信される情報について状況から次に出現するであろう内容を推測し、その推測と新たな情報を照らし合わせながら、必要に応じて類推した内容を修正しながら理解するあるいは類推した事柄について確認するという方法です。 長年の教員の経験から読解力が高い学生はトップダウンプロセシングをより活性化しているように思われます。類推を中心にすばやく読み進めながら、要所要所を的確に組み立てて読んでいるのです。日本語の話をしてきましたが、実は英文を読むのが早い人たちにも同じ傾向が見られます。