タクティクスオウガを活かす！コミュのNルート考

①「そうだ、真の敵はバクラムなんだ……」から始まるNルートは既に重要な意味をもたされている。
カノープスの最期のセリフ「デニム……人の言葉の裏を読め……人はそんなに簡単じゃないぞ……」
これに基づいて考えるならば、デニムはまったくそれを、つまりレオナールの台詞を疑っていないことが伺い知れる。
つまり、ウォルスタや自分の生存に関わるから再加入した、そうした打算的な意味合いはまったくなく、真の敵を再認識したから再加入した、その意味合いしかそこにはないのである。純粋、子どもっぽさ、朴訥。そんなデニムの様子を伺い知ることができる。
それは仲間の様子からもわかる。アロセールは脱退し、システィーナは、フォルカスやバイアンはくっついてきているが、もはやそこに信念はない。バイアンなどはあからさまに「デニム……貴様についてきたことが間違いだった……」と言って死ぬほどである。
そもそもバルマムッサのことはどう説明がつくのか。みんなどう納得したのか、そこは一切描写されてはいない。おそらく、誰も納得してはいない。グダグダのまま、そして信念のないデニムを不審な目で見るままにNルートは始まる。
②Nルートはハボリムを加えることができるシーンが一度だけ、一瞬だけある。ニバスによってアンデッドが大量発生した、そこへ向かう前、クリザローに入るとイベントが発生する。
このシーンの意味合いは大きい。
デニムは仲間に言われる。「……裏切り者のくせに！」かつての仲間からは不審な目で見られ、新しく加わった仲間からは裏切り者として見られる。
ならば、本当の仲間とは何か？本当の仲間とは誰か？Nルートのデニムはそれを考えさせられる。
その上で浮上してくるのがギルダスであり、その他の仲間たちである。
ギルダスは末期の際までデニムのことを気にかけている。「デニム……？そうか、おまえ無事だったのか。良かったな……」
そう言いのこし、ギルダスは死ぬ。信念もなく、仲間からは板挟み、常に居心地の悪いデニムを信頼していた数少ない真の仲間のひとりだといえる。
また、先のクリザローでレオナールはデニムに言う。「気にするな、デニム。わたしはいつでも君の味方だ」
このレオナールの言葉が真のものであることは疑いない。レオナールは死後にデニムに全てを託す。No.2以下でしかない、慕う者の少ないデニムに全てを託してレオナールは死ぬのだ。ここにあるのは、間違いなくデニムに対する信頼である。つまり、レオナールもまたデニムにとって信頼のおける仲間に違いないのだ。

コメント(2)

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[1] mixiユーザー 07月19日 20:24

③考えて見ればLとCに比べてNには本当の仲間といえる存在が極めて少ないという特徴を持っている。ゼノビア組はどのルートを行っても打算を超えた真の仲間になってくれる。それはNにおいても例外ではない。そして上記のレオナールもこのルートではおそらく真の仲間だということができるだろう。レオナールと戦わないのは唯一このルートのみである。しかし、それらを省いたら誰が残るのかといえば甚だ心もとない。アロセールは脱退し、システィーナとフォルカス、バイアンは不信感を露骨に示す。セリエは加入を拒絶する。オリアスとデボルトはただ単に二バス憎しで、そして成り行きで加わっているのみである。LとCはそうではない。真の仲間、そしてデニムの信念や理想に共鳴して仲間になる連中ばかりである。あるいはデニムの人柄に引かれてか。
　この真の仲間と呼べる仲間の少なさがNルートの特徴のひとつを形作っているといえる。

[2] mixiユーザー 08月02日 20:40

④暗黒騎士団はきみにとって真の敵なのかどうかをハボリムは聞く。しかしデニムの選択肢はふたつしかない。
よくわかりません、またははい、そうです。やつらさえこの島に来なければこんなことにはならなかった……デニムの選択肢はこれだけである。
真の敵を早々と認識するCルート、自らの過ちを認識し、自分のなすべきことと真の敵とを徐々に見極めていくLルートとは大違いである。
Nの道では結局デニムは真の敵を見極めることができるのか？いや、それはできない。その機会はもう与えられない。Nの道をゆくデニムには、……ロンウェー公爵や優秀な先輩レオナールが道を切り拓いていく後をついていくだけのデニムに、そんなことは一切必要ないのだから。必要ない。だから悩まない。ザエボスも何も言わない。何も言えない……自分の考えをもたず率先して道を切り拓かないデニムには、ザエボスから指摘できるものなどないのだ。
ただ、同僚からはたくさんの指摘と叱責を受ける……先に上げた裏切り者の指摘もそうだが、ボード砦へ行って成り行きから暗黒騎士のオズを倒したデニムは同僚から叱責される。
「暗黒騎士団など放っておけば良かったのだ！」
「もうよい、済んだことだ……」ロンウェー公爵に庇われるデニムである。
しかしロンウェー公爵たちの内心は違う。強大なローディスの暗黒騎士団の一員、オズとその一行を壊滅させたデニムの戦力としての存在感が最高潮に達した瞬間だといえる。まさか厄介な暗黒騎士団と戦って勝てる存在が我が軍にいようとは。我が軍に加入してくれるとは。厄介な知らぜだが、反面吉報でもあるのだ。
だからこそ、みんなでバランスを取らなくてはならない……浮かれてデニムに対する手綱を緩めてはならない。それはロンウェーがアメを与えるから、みんなでムチとなることでデニムを牽制しなければならない。
……Nルートのデニム周辺には、そうした力の働きが察せられる。要注意人物だが、しかしやはりゴリアテの英雄。裏切るかもしれないが、味方であればこれほど心強いヤツもいない。
それがNルートのデニムである。

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