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何だ、コイツ(ーー;)コミュのThe Bogus Man

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親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。おやじは何にもせぬ男で、人の顔さえ見れば貴様は駄目だ駄目だと口癖のように云っていた。何が駄目なんだか今に分らない。妙なおやじがあったもんだ。兄は実業家になるとか云ってしきりに英語を勉強していた。元来女のような性分で、ずるいから、仲がよくなかった。十日に一遍ぐらいの割で喧嘩をしていた。ある時将棋をさしたら卑怯な待駒をして、人が困ると嬉しそうに冷やかした。あんまり腹が立ったから、手に在った飛車を眉間へ擲きつけてやった。眉間が割れて少々血が出た。兄がおやじに言付けた。おやじがおれを勘当すると言い出した。

その時はもう仕方がないと観念して先方の云う通り勘当されるつもりでいたら、近所に住む松公という男がとりなしてくれて、ようやくおやじの怒りが収まった。

この松公は、驚くほどの図体で、無愛想な男だったが、なぜかおれを可愛がってくれた。あるとき、またおやじにこっぴどく叱られて家の裏口でべそをかいていると、どこから現れたか松公がおれを手招きして呼んでいる。飴でもくれるのかと、そばによると、「坊、面白いものを聴かせましょう」と、豆腐屋の喇叭を取り出して吹いてみせてくれた。「ップクプー」と下手くそな喇叭だったが、お世辞に「松公は、喇叭が上手だね」と云うと、「私はこれを商売にしておりますから」と珍しく冗談を云う。「嘘だーい。そんなに下手くそな喇叭で、豆腐が売れるもんか」と云うと、松公は悲しそうな顔をした。

おれはいろんないたずらをしたが、そのたびに近所に謝ってまわるのは、おやじではなく、なぜか松公だった。尤も、大男が無愛想に「うちの坊が、済まぬことをした。坊を許してくれ」と云うだけだったから、相手は怒りを納めるどころか、倍加させておやじに尻を持ち込むものだから、こっぴどく叱られて閉口したものだ。

あるとき、近所の雑草だらけの医院の壁をバールのようなもので壊した時も、やはり松公がちょびヒゲの医者に謝りに行ってくれた。

その松公も今は、小日向の養源寺で眠っている。今でも松公がおれのことを謝ってくれている声が聞こえる。

「坊が済まん」

コメント(2)

いかん! 「何だ、コイツ(ーー;)」を入れるの忘れた。
あはは〜(爆)
コミュ発起人として、そりゃ、ヤバいですねっ☆

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