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ハロー通訳アカデミーコミュの2014年度通訳案内士試験<合格体験記>(10)

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2014年度通訳案内士試験<合格体験記>(10)

●[英語](メルマガ読者)

(1)受験の動機
2014年6月のTOEIC試験で850点をとった。840点以上で通訳ガイド試験の英語1次試験が免除されることを知り、力試しに受けてみようと思った。
週5日仕事をしており、勉強の時間があまり取れないのでいかに能率的にやるかを心掛けたが、思うようにはいかなかった。

(2)第1次試験対策
8月24日の1次試験まで準備期間は約2か月。日本史、地理は白紙からのスタートで完全に泥縄だった。
山川出版社の「詳説日本史図録」を買って読んではみたものの頭に入らず、試験突破のために頭に入れなければならない知識の膨大さにショックを受けた。中学、高校の時から、暗記は大の苦手。年をとればなおさらだ。そこで過去の通訳ガイド試験の問題を精査し、同時に大学入試の日本史の問題を解きながら全体像を頭に入れていった。当節、大学入試の問題は大変レベルが高く、当初、正答率は3割ぐらいだったが、2カ月で何とか6割ぐらいまで持っていくことができた。入試問題で間違ったところは、関連事項をインターネットで検索し、詳しく調べた。ウィキペディアは、きわめて有用。一般的知識の範囲なら信頼性があり、十分活用できる。文字だけでなく、神社仏閣、仏像、絵画、絵巻、彫刻、城などを写真、映像で見て、学習できるので頭に入りやすい。

地理も同じ。大学入試などの問題を解きながら、関連事項をインターネットで検索、学習したのが一番の合格の一番の近道だった。一般常識は新聞を毎日、読むだけで十分。自分が関心のある分野だけでなく、政治、経済、社会、科学、文化すべてについて、数字に注意しながら記事を読む。関心を引く事項やわからない点、もっと知りたいと思う問題があれば、文献とインターネットで調べる。仕事柄これは毎日実行しているので特に対策準備はしなかった。

1次試験が終わった瞬間、70点には届かず、60点台の前半かなという感触だった。問題用紙を持ち帰ることが許されたので、自分で正解をチェックし点数を割り出すことも可能だったが、恐ろしくてできなかった。たぶんだめだろうと思ったので、2次試験のための勉強は全くしなかった。11月7日、思いがけず、合格通知が届いた。2次試験は12月7日だったので、1カ月しかない。またもや泥縄の勉強である。

(3)第2次試験対策
口述試験対策の勉強を始めて、自分がいかに日本的事象について無知であるかを知った。と同時にそれらを簡潔かつ正確に説明・解説することがいかに難しいかということや、それを外国人に抵抗なく理解してもらうレベルの英語で、口述することの難しさを実感した。恥ずかしながら「絵馬」を知らなかったし、歌舞伎、文楽、能の違いも分からなかった。

まず通史を把握するためにJapan:A Short History(IBCパブリッシング)が役に立った。その後「日本―その姿と心」(学生社)、「新・英語で語る日本事情」(ジャパン・タイムズ)「改訂版 英語で紹介ハンドブック」(アルク)などを参考に試験に出そうな日本的事象について自分で作文を書いた。1事項100〜200語のものを50ぐらい書き、それらを何度も読み上げ、暗記を試みた。しかし、1センテンス、2センテンスならともかく、相当のボリュームがあるものを全部完全に暗記するのは不可能と気づいた。頭脳がフレッシュで、暗記力が旺盛な人には可能だろうが、60をすぎた私には無理であり、時間とエネルギーの無駄であった。そこで、各作文のキーワードだけを覚えようと努力した。大きな声で何回も朗読することによって、キーワードを覚えることができるようになる。たとえば、「和食」は必ず出ると思って以下のように説明文を書いてみた。上記の文献やインターネットの検索で得た資料を参考に自分の解釈を加え、自分の文章で構成したのである。 

Washoku is a traditional Japanese cuisine using boiled rice, fresh fish, shellfish and vegetables with soy souse and miso soup. Washoku literally means "the harmony of food," and it embodies an attitude and the practical cooking techniques in preparing food that provides both nutritional balance and aesthetic sense.

Sushi, Tempura, Sashimi, Sukiyaki are the popular wasyoku among foreign tourists. For the people who are in interested in keeping the body in shape and healthy, wasyoku is regarded as well-balanced healthy food because of low calorie.

As a matter of fact, it is being consumed as a diet food throughout the world these days.

It was listed as UNESCO's Intangible Cultural Heritage in 2013. UNESCO acknowledged Wasyoku as incomparable cook such as French, Mediterranean, Turkish and Mexican cuisine.

この作文のキーワードは"the harmony of food,"。これだけ覚えておけば、「和食」は、なんとかこなせる。人が考えた定義を、深い内容・背景を理解せず、そのまま無批判に暗記してもすぐ忘れる。試験が終われば、雲散霧消である。

時間と労力はかかるが、自分なりの定義、説明文をつくり、ストックにしておけば、口述試験に、ある程度の自信をもって臨むことができる。たとえ、それらが試験に出なくても、相当程度、応用がきく。また、通訳ガイドとしての実践に役に立つ。これをやっておいたおかげで、2次試験は順調に行った。正直言って自信はなかったし、緊張しっぱなしだったが、落ちたら、また次に挑戦すれば良いと覚悟を決めて、淡々とこなした。

課題は鎖国、宝くじ、日本三景など4つ。迷うことなく「鎖国」を選んだ。(1)鎖国の定義、(2)意義、(3)終焉の3つのパートで組み立てた。(1)では約220年という期間を忘れないようにした(2)では排外主義的で偏狭な文化・体制が定着したというネガティブな面がある一方、日本人という民族・文化の一体性が醸成されたというポジティブな面もあったと指摘(3)ではペリー総督の蒸気船の来航で鎖国は幕を閉じ、その後討幕、明治維新につながったと要約した。

明治維新についてかなり深く自分の説明文を書いていた。その前後のことも頭に入っていたので、比較的うまくいったと思う。その後の質疑応答で、鎖国中に日本が門戸を開いてきた国はどこかと聞かれ、オランダと朝鮮のほかポルトガルと答えた。これは間違いだったと後で気づいた。

スピーチのテーマが、もし1つだけで、たとえば、日本三景だったら完全にお手上げ。三保の松原しか知らなかったし、三保の松原の詳細も知らないので、説明できなかっただろう。しどろもどろになったまま立ち尽くし、完全にアウトであったであろう。

(4)ハローのメルマガ、教材などで特に役に立ったこと
ハローの無料教材を知ったのは2次試験の約1週間前。メルガマに登録し、音声の「日本的事象英文説明300選」の一部を聞いただけだったが、まさに簡潔明瞭の説明文。あまりに多いので全部を聞けなかったが、試験勉強の最終段階のチェックになった。
私にとって最も役に立ったのは、試験に臨むにあたっての心構えを説いた植山先生の講義だった。試験会場部屋の写真や見取り図も交え、どのような形式で口述試験が行われるのか詳細な講義があり、これを知っていたので、不必要な緊張を持つことなく試験に臨むことができた。動画による会員の合格体験記も大いに役に立った。

<第2次口述試験対策特別セミナー>資料
http://hello.ac/2014.2jiseminar.pdf

<第2次口述試験対策特別セミナー>動画サイト
http://youtu.be/r1aB8GqG8Xs

(5)今後の抱負
今の仕事をやめてフルタイムの通訳案内士になることは当面考えていない。できれば、今年のJFGの新人研修を受けてガイド業界の実情を知りたがったが、残念ながら満員でダメだった。しばらくは、時々暇なときに、ガイドの仕事ができればそれで良いとも思っている。ただ、それほど甘い世界ではないことも知っている。

「TOIEC850点程度の英語力で英語の一次試験を免除されて通訳ガイドになるのはけしからん」、「2014年の2次試験の合格率は76%で、通訳案内士の粗製乱造だ」という声を聞いた。合格率が司法試験並みだったころの合格者と比べると、そうなのかなあ、とも思う。2020年の東京五輪開催を控え、インバウンドが2000万人に達する情勢の中で、通訳士を増やすという国策の下、観光庁が、ここ2年ぐらい、意図的にガイド試験の合格率を上げたというのも事実だろう。

とはいえ、私たちがそれを国に頼んだわけでもないし、その決定に関与したわけでもない。ただ、目の前に出された千載一遇のチャンスをつかみ、一次の日本史、地理、一般常識の試験を通り、2次試験もきちんと受け、デュープロセスを経て、選抜されたのであり、恥じることはないし、委縮する必要もない。それが、合格通知を得た後の、率直な感想である。

そんなわけで、今後は日本文化についての知識を一層深め、各種の研修でガイディングの技術を鍛錬し、自分がもっとも好きで目標とするパブリック・スピーキングの向上を図る中で、英語の発表能力、表現能力に一層みがきをかけるべく努力をしたいと思っている。そしてタイミングを見て本格的に、この世界に参入したいと考えている。

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