Manos Libresコミュのマノスリブレスの活動について

アート集団マノスリブレスが現在展開しているプロジェクトの一つに、移動するギャ
ラリー「ノマド的ギャラリー」があります。アートとは世界共通言語のようなもので
す。プロジェクトに参加しているアーティストの作品たちは、それぞれの現実に対す
る認識を自らの芸術的解釈によって表現したものですが、わたしたちの「ノマド的ギャ
ラリー」は、そういった作品を通じて、この惑星のもつ多様な文化に触れる機会を作
るという試みです。

アート制作の過程は、それぞれのアーティストが身を置く文化そのものの探求から成
り立っています。参加アーティストたちはそれぞれの展示場所によって異なります。
招かれたアーティストたちの作品は、芸術的言語という手段を用いて様々な社会的な
現象を提示しており、わたしたちはそれら作品を通じて、それぞれの背景にある文化
に近づいたり、理解したりすることができるのです。

このプロジェクトは、まずギャラリーを開く場所選びから始まるですが、わたしたち
はだいたいにおいて古い建築物を選びます。「ノマド的ギャラリー」の哲学は、場の
再生です。場所のあるがままの姿を尊重し、アーティストの感性でそこに存在する物
たちとの象徴的な関わりを探し出して、その建物に新しい命を吹き込んでいきます。
そして、わたしたちはその場所に住みつきます。その場所はアーティストたちの手で
作品展示を実現するために変えられていき、また、展示期間中に居住の場となること
によって変化していくのです。

そして、かつて放置されていた空間のコンディションを整えたあと、次に干渉と集会
の期間を始めます。つまり、ギャラリーを一般に開放し、ワークショップを通じて様々
な文化の統合や拡大を行なう期間です。芸術を通して文化の解釈やコード化、非コー
ド化を行なう期間とも言えるでしょう。フィードバックによって多くを学ぶことがで
きます。このような方法は、移動ギャラリーの道中にわたって展開されてきたもので
す。もう一度最後に空間を調整することによってギャラリーの開放は完了し、２ヶ月以
上経過した後に建物を元あった姿に戻します。

展示の期間中、訪れた人たちは、内外のアーティストと一緒に行なうワークショップ
やイベントを通じて自らをとりまく環境に対する理解を深めていきます。と同時に、
そのことはマノスリブレスの「ノマド的ギャラリー」の次の制作活動へのヒントを導
き出してくれるものでもあります。アート集団マノスリブレスが広げていくもの、記
録するもの、制作するもの、それは、ギャラリーを訪れた人々によって実行されたも
のなのです。

Colletive Director
Paulina Anaya