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魔法使いへの道コミュの第十一章 和敬静寂?

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翌週も、引き続き茶道のクラスだ。
今日は、いよいよ茶道界のスーパースター、千利休の話だ。

「皆さん、こんにちは。先週のお点前、初体験の方はいかがでしたか?」
その問いかけに、あの苦さがよみがえってくる。

「今日は、いよいよ千利休が確立した茶の湯についてお話をしていきます」
「栄西が持ち帰ったお茶の栽培が各地で始まり、喫茶の習慣が少しずつ大衆にも広がっていきます。
それと同時に、禅の修行として、お茶に取り組む人もいました。
嗜好品としてではなく、お茶に精神性を求めたのです。
その代表として有名な禅僧が、大徳寺の一休和尚です」

「あのトンチで有名な一休さんのことですか?」

「そうです。一休和尚は、禅の思想を一般に広めようと尽力をしておられ、
当時、隆盛をきわめていた堺の商人たちと手を組んでいました。
時代の先端を行く、物流の拠点に居る商人に影響を及ぼすことで、
取引される商品や行き交う商人たちとともに、
日本中に速やかに広がっていくことを見抜いていたのですね」

「当時の堺の商人たちは、経済的には豊かでしたが、
その時代の権威の象徴である寺社の後ろ盾が欲しかったのです。
当時のお寺は、最高学府、智恵の宝庫でした。
ですから、禅の修行でもある茶の湯は、商人たちのステータス。
茶の湯を通して寺院と付き合うことによって、
政治、経済、科学、工芸、美術あらゆる分野について、
その時代の最も高度な学びや情報を受け取ることができたのです」

「一休和尚も魔法使いですよ。
一休和尚が広めようとした禅は、それまでの仏教の救う側と救われる側という
境界線、あるいは分離を否定するものでした。
自分を救うのは自分しかいない。何かに頼ろうとする弱い心を戒め、
自分で自分の成長に責任を取る生き方を説いています」

「一休和尚の弟子の村田珠光という人が、さらに、
茶の作法を洗練させていきます。珠光は一休和尚のもとで、
茶の湯に精進して、仏道修行として茶事三昧に入り、
悟りを得たといわれています」

「珠光は人間としての成長を茶の湯の目的とし、
茶と向き合う者の精神を重視しました。
外見の形式も思い切って簡単に質素に、用いる道具も、輸入品をやめて、
国産の地味で質素なもの、場所も四畳半の茶室へと、
いわゆる侘び茶の原型をつくり、侘び茶の祖と呼ばれています」

「なんでも鑑定団などの番組をみていると、
お茶の道具はとても値段の高い物のように思われますけれど、
今まで大切に保存されてきたからこその価値で、
値段が高くなっているわけで、当時はどこにでもある器だったのですよ」

「村田珠光のお茶の心をあらわす、和敬清寂という言葉があります」

「わけいせいじゃく?」

「平和の和、尊敬の敬、清潔の清、静寂の寂です」

「和み、敬い、清く、心静かに」

「一盌を分けあっていただく感謝の心と、互いに心から尊び、
敬う心をもつこと、これが敬です。
日常の心を煩わす全てを外において、清浄なる心と身体でお茶席に入ること、
これが清。静寂な動じない心、静かなマインドを保つこと、これが寂です。
そうすることで、他者と自分、あるいは内と外という境界線が消え去った、
宇宙と調和した時間と空間がもたらされます。
茶道では、招かれた側も、関わる全ての人が、
この和をクリエイトすることに対して責任、役割があります」

「日常の中にも和敬清寂を実行していくのが、
茶道の修練の目標の一つでもあるわけです」

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