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自作小説お披露目会場コミュのこいこいしようよ! 2−2

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「そ。花はアヤメだよ。札の名前は【アヤメに八つ橋】【アヤメに短冊】【アヤメのカス】×二だよ。個人的に好きな花だけに特に役に絡んでこなくて地味なのが悲しいところだよ」

 キキコはため息混じりに言った。
 それを受けて男子が口を開く。

「フランクールって俺達より日本人だよな」
「言わないでよ。生粋の日本人として悲しくなるから……」

 それを聞いて女子が遠い目をして物悲しげに言った。
 その発言の後、その場の空気が自然と重くなった。

「つ、次に行くよ!」

 空気を入れ替えるべく、キキコは強引に次に移った。

「――次は六月。花は牡丹だよ。札は【牡丹に蝶】【牡丹に青短】【牡丹のカス】×二だよ。青短は赤短と同じ扱い。ま、これも見たままだね」
「次は四月のところで触れた七月だね」

 亜衣が先を促し、キキコは頷く。
「だね。札の名前は【萩に猪】【萩に短冊】【萩のカス】×二だよ。しかしよく似ているよね。ま、猪は重要度が高い札だから藤よりは存在感あるけどね」
「そうなの?」

 男子が突っ込んで聞いてくる。

「うん。詳しくは役の紹介のところで触れるよ」
「おう。次、頼むわ」
「ん。次は絵柄がシンプルで覚え易い八月だね。花はススキ。これは坊主とも言われているよ。理由は絵柄を見れば一発だね。札の種類は【ススキに月】【ススキに雁】【ススキのカス】×二だよ。で、今出てきた【ススキに月】と【桜に幕】はルールによってはかなり重要だよ。何せその二つと九月で紹介する事になる【菊に盃】を絡めた花見酒と月見酒という役があるのだけれど、それは揃い易い上に複合出来て高得点を狙えるから無しな場合もあるくらいだからね」
「それってそんなに凶悪なの?」

 女子が言及した。キキコは頷く。

「凶悪、凶悪。ま、その辺は追々」
「そんなにかー。ありがとう。次、お願い」
「ん。これも分かり易いね。九月は菊だよ。札は【菊に盃】【菊に青短】【菊のカス】×二だよ。で、この【菊に盃】は化け札と言ってルールによっては種札としても扱えば、カス札として扱う事もあるの。で、さらにさっきも触れたけど花見酒と月見酒という役が採用されているルールだと役の名前から分かるとは思うけれど、最重要札になるから絶対に覚えておくように」

 肯定の声が返ってくる。
 それを受け、キキコは次に行く。

「理解してもらったところで次に行くよ。次も分かり易いね。十月は紅葉。【紅葉に鹿】【紅葉に青短】【紅葉のカス】×二だよ。まんまなんで次に行くよ」

 キキコは次を指差し、神妙な面持ちになる。

「で、難所の十一月。この月はデザインに統一性が無いから分かり難いけどその分覚え易いね。札は【柳に小野道風】【柳に燕】【柳に短冊】【柳のカス】だよ。この内【柳に小野道風】は光札なのだけどやや扱いが特殊で【柳のカス】は他のカス札とは違ってシンプルなデザインをしていないけど、それでも扱いはカス札なの。それぞれ注意ね。【柳に小野道風】の特殊さは後で説明するよ」
「他のやつと比べると結構違うわね」
「特殊な分覚え易いけどな。いよいよラストか」
「そ。最後は十二月。花は桐で札の名前は【桐に鳳凰】【桐のカス】×三だよ。これもまあ見たままだね。ちなみに【桐のカス】には一つだけ色が違うやつがあるけれどカス扱いだから気にしないで。――さて、これで札に関する説明は終わりだよ。とりあえず聞いてもらったけど、今すぐに覚えなくても大丈夫。花札も他の遊びと同じくやっている内に覚えるからね」
「OK―」
「把握した」

 皆の反応を待ちつつ、キキコは腕時計を見た。見学会はまだ始まらないがじっくり残りの説明をしている余裕はない。

「皆、時間厳しいからこいこいの流れの説明はざっとになるけどいい?」

 肯定の声が一拍置いて返ってくる。

「ありがとう、皆。じゃ、ざっくり行くよ。こいこいを始めるにはまず親決めをするの。要するに先攻決めだね。決め方は山札をシャッフルした後、上から二枚取り出してどちらか一方が選び、もう片方は選ばなかった方。で、取った札を表に返して早い月だった方が親っていうのが割と一般的かな」
「ジャンケンとかじゃ駄目なの?」

 女子が質問を投じてくる。

「平気だけど、こうして決めた方が風情あると思わない?」
「あ、なるほど。続けて」
「ん。で、こいこいでは親側が圧倒的に有利だから子側は速攻を求められるよ。尚、親側が有利な理由は追々説明するからその辺よろしく」

 すかさず肯定の声が返ってくる。

「ありがとう。で、次は始めるための準備。大会だと係りの人が用意してくれるけど、自分達だけでやる時のために触れとくね。で、親決めが終わったら親決めで使った札を戻してシャッフルしてから手札と場札の準備。配る順番は親の手札、子の手札、場札に四枚ずつ。これをもう一回ずつ繰り返す」

 キキコは自分が言った通りに机に札をぱっぱと並べていく。

「――とまあ、こんな感じにね。と、今はそういう状況じゃないけれど、場に同じ月の札が三枚揃った場合にはまとめちゃうよ。そうなった場合は自分の番の間にやる事で触れるけど残る最後の一枚でしか取れないから。で、余った札は場札の横に置いておく。これで準備は完了していよいよ競技が始まるよ」
「やっとか」
「ようやくだねー」

 口々にそんな声が上がる。


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