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三遊亭円朝コミュの群像六月号

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群像六月号に辻原登氏の『円朝芝居噺・夫婦幽霊』が掲載されています。関東大震災で焼失したはずの速記本が新しく発見された、という設定で書かれた小説のようです。

http://shop.kodansha.jp/bc/books/bungei/gunzo/

コメント(2)

 早速読んでみました。上に書いたのは「速記本」ではなく、「速記録」の間違いだったようです。つまり、若林若林玵蔵と酒井昇造の二人によって口演速記された原稿が速記記号のまま、まだちゃんとした文章になってない状態で発見された、ということらしい。それを辻原が言文一致体に「翻訳」したものを連載します、という「小説」の一回目でした。

 この「口演」→「速記記号」→「言文一致体」という円朝作品の「翻訳性」に注目した点は面白いと思います。そして、これがノンフィクションなのか虚構なのか、あくまではっきりしないまま連載は続くようですが、「小説作品」なんだとするとおそらくこの「翻訳性」というのが今後の展開の肝になってくるのではないかと思われます。

 またこの「夫婦幽霊」という噺は、おそらく全生庵にある夫婦者の幽霊画がモチーフになったものだと思われます。本編が始まったばかりなのでまだ内容については何とも云えませんが、「虚/実」の織り込みの有無含め、スリリングな展開を期待したいところです。
何号か前のアエラで辻原氏が種明かしをしてました。しかし読者を騙すにしてはちょっと文体が円朝と似てなさ過ぎたかなーという印象。例えばこの小説では、やたらと円朝が自分の読書癖を誇ってるんですが、どっちかというと円朝って「知ったかぶり」より「カマトト」が得意な人だと思う。あと江戸っ子なのに第一回目で維新側の志士を称揚する表現をしてたのも違和感がありました。その分、ひとつの時代小説として、現代人でも入っていきやすくはなってたんですけども。

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